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3日目【比布〜徳満】



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。







ハンガーノックとの戦い



本日のルート (powered by ルートラボ)


まだライダー組は夢の中。こちらは早々に準備をして、5:30比布発。






肌寒く感じる早朝。



田園地帯をウネウネ抜けて、そういや朝飯がまだだ、とばかりに赤缶補給。というのも、スタートしていきなり、塩狩峠という峠を越えなければいけないからである。






赤缶チャージ。



三浦綾子氏の同名小説でお馴染みのこの峠を越えることで、石狩から天塩に突入する。国境の、かなり格式ある峠、なのだが、







インナー必要ねぇな!











ザ・直登



朝から良いペースで足が回る。比布からだと緩い登りのまっすぐ道で、峠、というか丘越えに感触が近い。それでも峠は標高260m、ずいぶんあっさりと登りきったものだ。

北海道を自転車で旅する場合、エグい登りが少ない、というメリットがある。これは概ね正解で、交通量の多くないところと合わせれば、かなり快適なサイクリングが楽しめるだろう。






塩狩峠。



さて、せっかくなので塩狩駅と、記念館に立ち寄ってみる。駅舎は雰囲気ある佇まいで、エルコスさんもと一緒に撮影を……  とか思ったら、秘境の小駅には場違いな、鍵のついたクロスバイクが。



「大先生、先客がいましたね」
「うーん、残念」


STBしてる旅人がいた。起こすのも可哀想なので、我々は先を急ぐことにした。

剣淵、士別、名寄と、このあたりまでは下り基調で快適な走り、……と思ったら、



「大先生、進みませんねぇ」
「なんだよこの向かい風は!?」


そう、向かい風が吹き出したのだ。北から南、というよりかは、北東から南西の方角に向けた風が。






ひまわりだって南に倒れる。



目指す方角は北なのだが、ナナメに風が吹いているということは、線形によっては追い風となりうることもある。風の抵抗を受けるときは淡々と走り、風の恩恵を受けるときはヒャッハー!  と走る。名寄の市街地も華麗に走り抜け、智恵文手前のちょっとした登りも快走。このあたりで抜けるような青空になり、気温も一気に上昇。






智恵文の登り。





「誰だよ北海道は寒いって言ったヤツはぁ〜」
「脱いじゃったらどうです?」


ただ、受ける風は北の冷たさを持っている。それが心地よくて、ついつい走り続けてしまう。ただ、さすがに疲れも出るので途中で休憩。生まれて初めてガラナを買って飲んだが、まあまあイケた。

農業の街、美深では、出荷するキャベツを積んだトラクターに誘導される。ふと、実家に送る土産のことをが頭に浮かぶ。一応、餞別をもらってるので、何か送ってやろうか、と思ったのだ。






キャベツ運搬中のトラクタとともに。



北海道の農産物は数多くあるが、やはりとうきびだろう、ということで道の駅へ。しかし、地方発送はやってない、とのことだった。まあ、北海道ならどこ行ってもとうきびは売ってるだろう、と思い直し、先を急ぐ。

STBしてみたい天塩川温泉、ライダーハウスがある咲来と抜けて、音威子府に着いたのが12時頃。音威子府といえば、もちろん常磐軒だ。

天ぷらそば470円、月見そば420円、どちらもおいしゅうございました。






お馴染み音威子府の黒い蕎麦。





「えっ、二杯も食べたんですか!?」
「食えちゃうんだよこれが」


というか二杯がデフォルト。これは法律だ(笑)。






(ほぼ)日本一有名な駅蕎麦屋は今日も繁盛。



さて、かつては鉄道の要衝でもあった音威子府であるが、ここから稚内まではふたつのルートに分かれる。ひとつはR275で浜頓別を経由、宗谷岬を通るルート。もうひとつはR40をこのまま走るルートだ。その分岐は駅前にあり、どちらを往くか、判断を迫られる。ワタクシめが選んだのは……



「ちょっ、なんで逆戻りなんですか!?」
「だって、どっち行ってもこの先しばらく補給できないし」


一度、補給をしにセイコマへ逆戻り。水と食料を買い込んだのち、選んだのはR40のほう。これには理由があるのだが、一番は、とあるガススタンドの存在だ。

R40沿いのどこかに、確かホクレンだったと思うが、屋根のない簡素なスタンドが一軒建っていて、それが辺境感をものすごく醸し出していたのを覚えていた。どうせなら、そのスタンドがどこにあるか、そして、今もまだやってるのかを確認したかったのだ。






秘境区間を経て中川町へ。



音威子府から佐久までは人気のない区間を走る。このあたり、北海道命名の地、なんてのもあるくらいだ。そして佐久を過ぎて、中川の道の駅を過ぎると、いよいよ何もない。いや、何もないというか、



「なんで向かい風なんだーっ!?」
「くっ、魔法も効果が出ません……」


そう、ここから豊富まで、ずっと向かい風だったのだ。……ずっと、とは言い過ぎで、時おり追い風になる瞬間もあるにはあったが、このあたりで平均巡航速度はガクンと落ち込み、文字通り淡々走りを強いられる。






いくつかは離農したようで、人の気配がない。



雄信内まで来た。道道256との交点付近に、件のスタンドはあった。記念にパチリとやっておく。ついでに、水分の補給も。






ロードサイドのガススタンド、という言葉が妙に似合う。



しかし、行けども行けども街らしいものが見えず、やがて訪れるハンガーノックの気配。やむ無い、温存させておいたアレに手を出すか、と取り出したるは、賞味期限が間近に迫った味付ザーメン。これでどうにか凌ぐこと暫し、天塩大橋を越えて、幌延町に。






幌延町へ。



そろそろ陽の光が西の空に落ちつつある。今日のねぐらを探す算段をたてよう。まずは、国道から外れて下沼駅。貨車を改造した駅舎だ。



「ここ、すっごくよくないですか!」







中は意外と綺麗だった。



エルコスさんが驚くほどの良物件だった。扉を閉めれば暖かく……



「今、外はこんなに寒いのか」







下沼駅。いつか泊まってみたい。



こりゃ本格的に決めなければいけない。残業なんぞしようものなら確実に凍える。

下沼駅は、駅至近に湧き水が湧いてるなど、物件的には優良。駅周辺に住宅街があるわけでもないので、堂々と(本当はクロに近いグレー)STBができる。のだが……






サロベツ権左衛門、という名の湧水。





「もう少し先に行こう」
「え、どうしてですか!?」


簡単に言えば、食料の問題だ。今、こちらはハンガーノック寸前のところまで燃料を使いきっている。この状態で一晩明かして、明日の朝一番で自転車に跨がれるのだろうか。そのため、豊富にあるだろうセイコーマートの立ち寄っておきたいのだ。

至極残念がるエルコスさんに跨がり、向かい風の中、豊富を目指す。走り初めてすぐに思った。「やっぱりあそこでSTBだったかな」と。






豊富でようやく食料にありつけた。



そのあと、豊富を通過して、その次の徳満駅。着いたのは18:20で、時刻表を見ると、なんと終電はとっくに出たあと。プレハブでの小さな駅舎だが、これ幸いとSTBさせていただく。

やや寝心地の悪いソファに、軽量化に拘ったシュラフ(のようなもの)にくるまって横になっているうちに、だんだんと睡魔がやってきた。本日の走行205キロ。






徳満駅全景。






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TITLE:3日目
UPDATE:2015/08/29
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