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2日目【札幌〜比布】



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。







アイドルじゃないから。



本日のルート (powered by ルートラボ)


札幌の鎮守を出発したのが8:20。ここからまずはR275で当別へ向かい、そこからは札沼線沿いに北上して、まずは旭川を目指す。地図上でも札幌と稚内は、ゆうに300キロを越える距離があり、とても一日では走りきれそうにない。



「でも、頑張れば24時間以内に……」
「クマやらキツネやらが跋扈する時間に残業かい!?」


今回は意図的に、夜(陽が落ちたら)走らない、というルールを科している。寒いしつまらないし、何より北海道という土地柄、獣害の出くわすのが怖かったからだ。






まずは当別へ。



北海道特有の、どこまで行ってもひたすらまっすぐな道を、アベレージ20越えくらいのペースで流していく。途中、ご同業からのピースサインなんぞをもらいながら。



「明らかに場違いですね、わたしたち」
「まあ、それが狙いだから」


すれ違うご同業は、軒並み重装備。こちらは帆布のサドルバッグひとつ。アンチテーゼ、と先述したが、快走性能を優先したこういうスタイルがあったっていいじゃないか。それに、輪行だってしやすいんだぞ。

台形CSGダムという珍しい形式の当別ダムに行くかどうしようか迷ったが、今回はパスした。また次のお楽しみ、ということで。



「単に登りがイヤだったんですよね?」
「いいじゃないの。これから嫌ってほど登るんだし」


しかし、幸いにして今日の行程で大きな峠はなく、全体としてはまっ平らなコースであった。特に、新十津川までは退屈するほどの平坦で、広い路肩と合わせて、ガッツリ走っている感を味わえる。






リアル「夏草の線路」?



その新十津川で今後の予定をチェック。本当であれば、幌加内の蕎麦の花を眺めて朱鞠内経由で美深まで、とか考えていたのだが、






!!?





「……無理だな」
「無理ですね。わたしなら行かせません」


新十津川からまだ100キロ以上も距離があるのだ。いくらなんでもこれは途中で遭難する。今回、緊急用にビビーサックを持参してはいるが、できることなら使わずに済ませたい。そういった訳で、あっさり進路変更して、旭川方面へ。

それにしても大海先生、新十津川に来過ぎだよぉ。






御存知、大海先生の足跡。



雨竜から道道47に入り、深川を目指す。

このあたりで雨のカーテンに出くわし、行けるかな、まだ行けるかな、とか思っているうちに雨脚が強まる。慌ててポンチョを取り出すが、ガビガビのボロボロになっていて、これ本当に雨凌げるのか、というレベル。ないよりマシ、で羽織るが、ポンチョは買い換えだろう。






雨のカーテンの例(奥が乾いてる)



しばらく走り、妹背牛の駅で雨宿り。地元愛に溢れた駅で、かなりフレンドリーな対応を受けた。しかし、写真を撮ってもらうお誘いは丁重に断った。



「ほら、俺アイドルじゃないし」
「また、すっごい理由で……(笑)」


実際のところ、ワタクシめが被写体として写り込む際には、ちょっとした小芝居を打つのが定番となっている。また、メインの被写体になりうることはない。



「それをやると、ただの記念撮影にしかならないし」
「えー、いいじゃないですかぁ」
「あと、使いどころがない」







非アイドルが撮影した一枚。



webに掲載することを考えたら、そんな誰得写真なんぞ、本気で使い道がなくなってしまうのだ。故に、撮る写真は主に、空と風景と看板と駅舎、そしてエルコスさん

さて、世話話をしているうちに天気が回復したので、先を急ぐことに。






何とか晴れ間が。



神居古潭交差点を左折してR12に復帰。ここから旭川まではすぐなのだが、R12の最難関ポイントでもある区間を通り抜ける。






神居古潭を左折。



この区間には、神居古潭トンネルと春志内トンネルという、ふたつの長大トンネルがある。しかも、札幌−旭川を結ぶ幹線で、やたらと交通量が多い(しかも大型車)。そこを自転車で抜けなければならないのだ。



「あ、でも旧道が通れますね。」


このふたつのトンネルは、共にトンネルと並行して通れる旧道で回避できる。こちらは交通量なんてほとんどない快走ルート。なーんだ、ちゃんと考えられてるじゃん。ハハハハh〜






……あ。









( Д)゚゚なんだと!?








「ちょっ……  大先生、何やってんですか!?」
「しまった、旧道に入るとこ通りすぎた……!?」


うっかり、春志内トンネルまで来てしまった。戻ることもできず、トンネル突入。おまけに、軽い登り勾配。



「いぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「いいから魔法かけてくれ」


追い立てる大型トラック。たまらず逃げ込む転回スペース。旭川に入る前のイメージなんてこんなもんしかない。






生きた心地がしねぇ。



ほうほうの体でトンネルを抜ければ、そこが旭川。市街地を流し、R40に乗り換えてさらに北上する。



「あ、ランドアバウトですね」
「旭川のは古くからあるんだよな」







昔はロータリーって呼んでたやつ。



スタルヒン球場を越えた辺りで小腹が減ったので、晩飯も兼ねて小休止。もちろん地物を食べるぜ。



「えーっと……  セイコーマートを地物認定するのはどうかと」
「バカ言うな。コンビニ顧客満足度一位の優良企業だぞ!」


セイコマの塩焼きそばをパクつきつつ、今日のゴールを模索する。この先に旭川健康ランドがあるから、まあそこでもいいかな、と思っていたら、もう少し先の比布駅前にライダーハウスがあり、そちらは300円で一泊できる。旅費はなるたけ浮かしたいのだが……



「大先生、ライダーハウスに何か恨みでも?」
「恨みはないんだけどねぇ」


個人的に、自転車とオートバイに同時進行で跨がっていたこともある身として言うなら、北海道のオートバイ乗りが言う「チャリダー」という呼称が気に入らないのだ。ライダーハウスは根本的にオートバイ乗りが多く、そこに潜り込むからには、この呼称を軽く聞き流すだけのフトコロが必要となる。



「チャリダー、ですか。やはりイヤですか?」
「だって、どう聞いたってダサいだろ」
「……確かに、ダサいですね」


ただし、背に腹は代えられない。安さに目が眩んで比布のライダーハウス「ブンブンハウス」へ。案の定ライダーが多数いたが、面白いことに、一日150とか200とか走りますよ、と(割と本気で)話すと、それ以降、チャリダーとは呼ばれなくなった。

明日以降は早寝早起きの生活が始まりそうなので、早々に就寝。した。今日の走行は166キロ。






比布の夜は更けていく……






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TITLE:2日目
UPDATE:2015/08/29
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