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6日目【落合〜美馬牛〜占冠】



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。







向かい風との戦い。



本日のルート (powered by ルートラボ)


やはり寒さで目が覚めた。道東から脱出したとはいえ、山間部はよく冷える。

落合発6:24で富良野へ向かい、そこから美馬牛へ。通学の時間帯に直撃し、中は学生でいっぱい。そこに乗り込むは、輪行袋を抱えたあんちくしょう。一風変わった出で立ちのおっさんを乗せた汽車は、7:53美馬牛駅に無事到着。ここでエルコスさんを組むのだが、どうもブレーキの片効き調整ネジが緩みやすくなっているらしく、輪行のたびに片効きの調整が必要になる。ロックタイトでも塗ってやろうか。






エルコスさんを復元。





「このあたりはずっと丘ですね」
「足も痛いし、のんびり行くか」


ということで、いきなりインナーで攻める。アップダウンの激しい丘陵部をよたよた走ること暫し、毎回立ち寄っている拓真館へ。






拓真館全景。



風景写真の巨匠である前田先生親子、構図とか含めて勉強になるなぁ、と毎度毎度思う。ここで土産を購入し、それでは先を急ぐか、となる。ちなみにお土産として買った絵葉書は、早速残暑見舞いに使った。



「大先生、今日はどちらまで?」
「とりあえずは幾寅まで」


今日のミッションはというと、幾寅のなんぷ亭でなんぷカレーを食べること、北落合集落を詣でること、占冠でSTBすること、の3点である。なので、まずは南下をするのだが、



「また向かい風かよーぉ!?」
「耐えてください大先生!」


日頃の行いか、追い風の日が少ないように感じる。粛々とクランクを回して、中富良野へ。中富良野の観光協会のキャラクターが萌えるのだが、名前なんてあるのだろうか。中……  富良野だけにね?



「フランちゃん?」
「物騒すぎです大先生!」







街中至る所に、彼女はいる。ちなみに、ちゃんと「ラベンダーの妖精」さんという名前がある。





「フォーオブアカインド!」
「正体はいちばん右のヤツですね!」


なんて小ネタを仕込みつつ、富良野を通過。お願いだ妹様、向かい風をキュっとしてドカーンしてくれ。






先は長ぇなぁ、という雰囲気。



東山やなぎ交差点でR237と別れてからは、かなり緩い登り坂が延々と続き、そこに向かい風が邪魔をするという構図。西達布で小休止しつつ、昭和な雰囲気をバックにパチリ。去り際に地元のおばちゃんから「気を付けて」と見送られ、もうすぐ峠かなぁ、と走り続けること少々、三の山峠の看板が見えてきた。






西達布にて。



国道や地図では「樹海峠」とアナウンスされているが、地元では三の山峠とも呼ばれているらしい。その峠道だが、






目に見えて斜度の変化がある。





「なんだかいきなり斜度が跳ね上がってますね」
「……聞いてないぞこれ」


北海道の峠道で、初めてインナーを使った。それほどの斜度だあが、距離が短かったのが幸いした。ギリギリのところで足を着かずに登りきり、思わず出た言葉が「ナイスファイト」。無論、峠に向けて、である。






いい戦いだった。



峠から一気に下ると、すぐに南富良野、幾寅の市街地に。一部では有名ななんぷ亭のカレーにありついた。 このカレー、ホントに1100円でいいのか、というようなクオリティと量で、これなら立ち寄ってでも食べたくなるな、という至玉の逸品だった。






なんぷカレー、1100円。充分過ぎるクオリティとボリューム!





「でも大先生、もう15時ですね」
「うーん、北落合は宿題かなぁ」


長考の末、北落合はパスすることにした。登りで1時間、さらに下って30分くらいと考えると、落合に降りてくるまでに陽が暮れそうだから。






その代わりに、幌舞駅を詣でた。



R38を落合まで走り、道道1117でトマムへ向かうルートで占冠へ。途中、補給できるところがないので幾寅で買い物を済ませる。ちなみに、占冠へと抜ける道として、道道1030というのがトマムを迂回するように延びているが、ダートの上にサミット標高730mの峠道なのでパスした。






ここを曲がっていく。高速の開通の所為か、交通量は昔と比べて増えた。



相変わらず向かい風に抗いながら、道道1117に入り、ゆっくりとトマムに向けて標高を稼いでいく。



「ラフティングの店が多いですね」


ってくらい、あちこちにツアーショップが並ぶ。このあたりの名物にするのだろう。しかし実際は、人界未踏の地であることに変わりなく、線路の敷設の際にはハンターが同行するほどの野性味溢れた土地なのだという。






ナニか出てきてもおかしくないような鬱蒼とした森。



しかし、トマムまで来ると急に人工物が目につき、トマムの象徴であるタワーが見えてくると、そこがトマム駅。北海道ではもっとも標高が高い駅ということになる。






トマム駅。





「ということは、ここから下りですね」
「そういうことになるね」







ふと思い立って撮った一枚。



案の定、残り約20キロは、追い風に転じたこともあって、快適に走れた。なんとか日没前に占冠駅に辿り着き、一心地つく。しかし、楽しみにしていた駅ノートはなくなっており、ちょっとだけ物足りなかった。

娯楽もなにもないかというと、そんなことはなく、札幌行き終電に乗る地元の片と世間話したり、突然三越のあーからメールが来たりと、それなりに充実した夜であった。






占冠のレンタサイクルでは、ロードが借りられるぜ。






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TITLE:6日目
UPDATE:2015/08/30
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