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5日目【緑〜落合】



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。







肉の渓谷



本日のルート (powered by ルートラボ)


緑駅の駅ノートに書いてあった言葉がある。

皆が、人との絆を求めているとは思うなよ、というような記述だった。

ああ、いいこと言うなぁ、と感心してしまった。

旅というのは、非日常を楽しむものだと思う。単身で思考をフル稼働させ、不自由な環境でどれだけ遊べるかが大切なんじゃないか、と。

とかく、人との絆をやたら全面に押し出してくる環境、施設が多いように感じる北の大地だが、そういうふうに考えている人が一人でもいた、ということに、感心してしまったのだ。



「ただ、その結果がSTBというのはいかがなものですかねぇ?」
「いいじゃないか、宿代が浮くし」
「本音はそこですか!」


というわけで、緑駅からスタート。いきなり434mの清里峠をシバく。






夜が明けた。



緑駅の標高が約130m、まあ300も登れば峠に着くだろう、と軽い気持ちで登坂開始。






緩やかに登っていくが、あと9キロ……



ギアはアウターのまま、11速化のキッカケとなった28Tギアに固定し、よたよたと登っていく。退屈なのと、熊避けを兼ねてのミク全開。だいたい1曲終わると2キロくらい進んでいるので、10ミク(初音ミク10曲分)も聞けば峠に着くさ、という感じで登っていく。結局、峠には8ミクで着いた。ただし、そのうち3曲は鼻そうめんPのだったが。






峠のスノーシェッドが見えてきた。



さあここからいよいよ標津の平原にドロップインするぞ。アクションカムの用意……






……アレ?









( Д)゚゚なんだと!?








「どうしますか、これではマウントできません!?」
「狼狽えるな!  我々は自転車乗りのトップ1パーセントだ!」


……そのトップ1パーセントによるマウント補修の結果が、こちらである。






実演。





「うまいことつきましたね」
「創意工夫でどうにでもなるもんさ」


という訳で、改めてドロップイン。






牛を横目に。



風は追い風。クランクを回せば面白いように加速する。中標津の養老牛辺りまで来ると、むしろ汗ばむほどの陽気に。ここの駅逓跡に、、良質のBSTBスポットがあり、旅ノートも完備。あまりにもよい雰囲気なので、ついつい自撮り。






養老牛駅逓跡にて。





「だから先生、インターバル撮影……」
「ああ、また忘れたっ!」







無駄に走り回って撮った自撮り画像。



このあと、道道150で中標津空港経由で市街へ。このあたりは絶好のツーリングスポットで、できればもう一度走りたいくらいだった。

事実、今回北海道を走ってみて、道東が自転車に対して優しい、というか好意的だと感じた。中標津空港にはサイクルハンガーと空気入れ(プレスタバルブ対応品)があったり、お勧めのサイクリングコースが掲示されていたり。






道東における友好的な例。



道北や道央が自転車に対して殺しにかかるのとは対照的だ。






道央における殺しにかかる例(オートバイが占領してる)。



さて、中標津から別海へ。だいたい40分くらいだろう。

別海にはやり残した宿題をこなしに行く。根室出身の職場の同僚が、「別海に行ったらポークチャップ食べなきゃモグリだ!」なんて言うものだから、4年越しの来訪と相成ったのである。






別海に入った。



なんでも、700グラムの肉の塊が出てくるらしい、とかなんとか。焼き上がりに約50分かかるらしいので、別海に入る直前くらいに予約の電話を入れておく。そのあと、別海の農協で、ようやくとうきびの地方発送ができるところを見つけたので、土産を実家に送る。

やることを済ませ、ポークチャップでお馴染み、ドライブイン・ロマンへ。






肉。





「……すご」
「エルコスさんも食べる?」
「消滅しちゃいますってば」







肉キャニオン。



ということで、一人でパクつく。無言でもくもくとパクつく。うん、ライスが要るな、ということで追加注文(ライスとスープは付いてないのです)。そして、食う。いや、喰らう。ひたすら手と口を動かして食う。……食レポ?  そんなもん要るか?






ごちそうさまでした。



完食メールを職場の同僚に送りつけ、満足感たっぷりのまま余韻に浸る。

さて、こっからどうするか……

プランとしては、適当なところで輪行し、せっかくだから和商市場で勝手丼を食べてから、明日の朝には拓真館で土産を買いたい。時刻を見ると……  困ったことに、今から急げば、厚床12:41発に間に合ってしまうのだ。これに乗れば、極めて本数の少ない新得−落合間を今日中に抜けることができ、行程に余裕ができる。もしこれを外せば、今日中に新得から先に抜けることができなくなり、STBが可能かどうか不明な新得駅で足止めを食ってしまう。

風は追い風。ならば、やるしかないか。



「……いきますか?」
「頼んだぞ」







あと10キロ!



そこからが全開走行の始まりで、追い風に乗って35キロ巡航。こんな北の大地でロバート先生というのもアレだが、今まで向かい風にヤラれたストレスをここで一気に爆発させる。






ご同業が走ってた。



途中、ご同業を2台ほどパスするのだが、まあどう考えてもご同業のペースのほうが普通だろう。これじゃ練習会ペースだ。しかも、ぶっちぎっていったのがあんちくしょう。



「珍光景ですね」
「まあ、あまり想像できないシチュエーションだよな」


その甲斐あって、厚床駅には12:35着。5分もあれば輪行のセットアップは楽勝で、悠々と12:41発の汽車に収まった。






余裕だぜ。胃の中以外はな(チャップが暴れてる)。



和商市場では、定番の勝手丼。その名の通り、惣菜のご飯どんぶりに切り身を並べていくものだが、放っておくと青天井になることと、胃の中でチャップが暴れていることもあり、こういうふうにした。






まずは千円、取り出して〜



まずは150円のご飯どんぶりを買い、






残ったお金で、盛り付ける〜ぅ。



残り850円分、乗っけた。

青天井もよいが、こうやって制限をつけた方が思考力とか判断力がよく育つ。というか楽しい。

ちなみに、今回はサーモン丼にはせず、ちゃんと釧路で揚がる魚をチョイスした。なお、秋口の今では、旬はサンマらしく、確かに身がしっかりしてとても美味しくただいた。






完成したマイ勝手丼。



再び釧路駅に戻り、しっかり輪行セットアップを施してから、15:25発の乗客となった。こいつで池田まで行き、乗り換えた上で落合まで。今日で効力が切れる北海道&東日本パスを最大限使いきるつもりだ。

走るキハ単、窓を開けると爽やかな風。renas先生の言葉通り、「いい流れで来ている」。

途中、池田で乗り換える。エルコスさんの前に、前輪を外さない輪行袋が置いてあった。出せないので声をかけてみたら、持ち主は若い女性だった。



「んじゃぁしょうがねえか」
「女性に甘いんだから……」


という訳で、落合駅に21:22着。実はその前に新得駅を実踏したが、案の定、新得駅は夜間閉鎖されているようだった。結局、この日は110キロの走行に留まったが、天気もよかったし、もうちょっと走ってもよかったかな、と若干の後悔が残る結果となった。






落合駅の夜






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TITLE:リハビリ中
UPDATE:2015/03/30
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