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移動日【稚内〜緑】



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。







パスの限界に挑戦。


6:30、稚内駅着。ここでエルコスさんを袋詰めにする。






……前に一枚。



今日は大規模な移動日となる。可能な限り道東に詰め寄らなければいけない。幸い、北海道&東日本パスの有効期限は明日まで残っているので、キハ単でどのあたりまで行けるか、だ。



「うーんと、網走くらいですかね?」
「いや、もうちょっと足を伸ばせる」


プランだと、7:00発のスーパー宗谷で音威子府まで。次いでキハ単で名寄乗り換えの旭川。旭川で時間調整をしたあとは、特快きたみで北見まで行き、そこで釧網本線緑駅行きに乗り換える。これで緑駅21:21着が限度っぽい。



「なんで稚内6:04発のキハ単に乗らないんですか?」
「稚内輪行でキハ261に乗るのが長年の夢だったから」


夢が果たせた。JR北海道が誇る走り屋マシンに乗り込み、一路音威子府へ。






長年の夢。





「な、なんなんですかこの加速!?」
「このあとキハ40とか乗ると、如実に違いがわかるぜ」


その音威子府はなんと雨模様。幸い、自転車で走り出すようなことはないので、ひと安心っちゃあひと安心なのだが。






天気がコロコロ変わる。



夢のようなマシンが旭川の方に走り去っていくのを見届けて、第2ランナーのキハ54単行へ。これは稚内始発のやつで、敢えて乗らなかったヤツでもある。そして、車内にはびこる輪行袋の数々。なんとかスペースを見つけてエルコスさんを鎮座させる。そして、お決まりの常盤軒タイム。






そしてトコトコ南下を続ける。



名寄で2分の連絡。今度はキハ40単行、これに乗って新旭川まで行く。路銀が底をつきかけたので補充をするのと、やっぱり三脚がいることを悟ったので、ここで買い出しをしておきたかったのだ。



「な、なんなんですかこの加速の差は!?」
「いいだろ、この『頑張ってます感』」


擬音で表すなら、ウー…… グワァァァァァァッ!  ……ガッタン。くらいの頑張ってます感。昔のキハ車って、こんな感じなのだ。






塩狩峠を越えて、さらに南下。



何日か前に苦労して登った塩狩峠もスイスイ越えた。この辺りまで来ると、再び青空が広がった。どうせなら移動日くらい雨でいてほしい。これだと、ついつい走りたくなってしまうではないか。






走りだしたくなるような空。



新旭川で下車。エルコスさんを組み立てていると、地元の方がコンタクト。そして飛び出る「火野正平」。



「年配の方だと自転車=火野正平なんですね」
「チャリダーって呼ばれるよりかはマシだよ」
「……まだ言ってる」


旭川はすっかり都会で、ある程度欲しいものは簡単に手に入る。お陰で旅支度が整い、次の行程のために旭川駅に。






旭川四条駅





「あ、貴音Pが」
「ざーんねん、これの読みは『よじょう』だよ」


そんなやりとりをしつつ、旭川で再び輪行。15:04発、特快きたみの乗客になる。






特別な快速。



石北本線完乗は初めての試み。全面展望でかぶりつくが、北見峠の区間は全域でR273、R333が並走していることに気がつく。意外と辺境感は薄いと感じた。



「でも、この辺りは野性動物が多くて、運行には気を使うそうですよ」


旭川と北見を結ぶ貨物列車にとっても、ここは難所らしく、プッシュプルで越えるほどの峠だという。辺境感は薄くても、難所であることには変わりないということか。






上川からは保線員も乗り込む。



遠軽駅で進行方向が変わり、ふたつめの難所である常紋峠へ。それを越えれば北見駅は目と鼻の先だ。






通勤通学の時間帯に重なってきた。





「北見で乗り換えたら、あとは終着まで乗りっぱなしだよ」
「さすがに疲れましたね」


しかし、北見で乗った緑行きキハ単は、帰宅時間帯にドンピシャで、駅に停まるたびに高校生を拾っていく。そして車内はパンパンに。



「ああ、あのときのトラウマが……」
「大丈夫、そんなこともあろうかと、運転席内に置かせてもらえたぞ」


普段、立ち入り禁止となっている箇所だけに、ちゃんと確認を受けてからおくようにしたい。

呼人を通過して網走へ。そういえば呼人浦に無料のキャンプ場があったような気がした。しかしビビーサックはザックに入れて札幌に送り返してしまったのだった。もったいないことをしたなぁ、とか思っているうちに網走着。15分の停車時間を利用して、駅前のコンビニで仕込みをする。恐らく、緑駅にはコンビニはないだろうから。






網走駅。



一駅一駅、過ぎ去るたびに車内から人の気配はなくなり、札弦で地元の酔客が降りると、車内には緑駅まで乗り通す地元のJKと、ワタクシめだけとなった。

その終着駅、緑駅には定刻通り到着。舗装されてない、砂利のホームに降り立つと、乗ってきた列車はすぐに折り返して斜里の方面へ。地元のJKは帰路についた。

やがて駅舎の照明が落ちた。することもないし明日も早いので、早々にシュラフにくるまって眠りについた。






ここをキャンプ地とする(by藤村忠寿)






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TITLE:移動日2
UPDATE:2015/08/29
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