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5日目【開陽台→中標津  15キロ】



あっという間の5日間でした。







ちょうど潮時のようだ。






ふと気が付くと、ぽつ、ぽつとビビーサックを叩く音がした。規則的に音がするので、これは恐らく、雨が降っているのだろう。



「雨漏りは大丈夫なのですか?」
「意外なことに、雨には強いらしい」


その代償として、頭を抱えるほどの結露が待っているわけだが。

さて、時計を見ると早朝4時過ぎ。もそもそ這い出ると、雨は止んでいたが、天気はあまりよくない。






幻想的ではあるのだが、天気はあまりよくない。



おまけに、ただでさえ寒い道東がさらに寒くなったので、できるだけ風があたらない場所に避難する。そこで時が経つのをじっと待ち、濡れたビビーサック一式を無理やりしまったのが5:10頃。

今日は最終日。中標津空港から飛ぶだけの簡単な内容なのだが、天気は下り坂で、かつ風も強め。本来であれば別海まで足を延ばしてポークチャップを、とでも思ったのだけど、どうにもこうにもやる気が出ない。






まあ、こういう天気ではねぇ。





「よろしいのですか?」
「そういうのも含めて、旅さ」


という訳で、チロロの湯で時間を潰す。早朝からの営業で、500円。






市街地からはやや外れる感じ。





「というか、それに気付かせてくれたの、エルコスさん……」
「さて、なんのことでしょう?」


悪戯っぽく微笑む彼女には悪いけど、ちょっと温まってくる。しかし、飛行機は14:20に飛ぶので、まだまだ時間が余る。



「さて、どうするかなぁ」
「あ、町営の図書館がありますよ!」


という訳で、旧中標津駅跡にある、中標津総合文化会館しるべっとへ。街のコミュニティースペースだけに、老若男女で大賑わいだった。



「あ、大先生!  なまら蝦夷がありますよ!」
「ローカルならではだなぁ」


北海道ローカルの旅人本が、普通に図書館に。ていうか、これ同人誌カテゴリだろ(笑)



「愛されてるなぁ」
「全部手書きですからね」


そう、なまら蝦夷は手書きで制作されているのだ。現代においては貴重な存在である。

そして、読み解いていくうちに、チャリダーの由来についても何となく見えてくるものがあった。詳しい論議は割愛するが、恐らく、北海道という土地において、自転車というのがどういう位置づけなのか、ということ。そして、それらの定着について、ということだ。



「時代なんですね」
「身もフタもないけど、まあそういうことなんだな」


北海道を旅する個人レベルのメディアは数多に及ぶ。メジャータイトルではない、そういったのものに目を向けると、何かひらめきが生まれるのかもしれない。そう気づかされた。






晴れてきた。中標津の補給はこちらになるかな。



さて、それでもまだ時間は余る。



「何か北海道っぽいものが手軽に食えないものか……」
「あ、ジンギスカンのお店がありますよ!」


地元の人オススメの店らしい。R272と道道13号の交点近く、知床ジンギスカン  そらさん。ランチだがパンチの効いた定食で祝杯をあげる。






スタミナ定食1080円。



今年のヤマイドウもいよいよ終了。初めて飛行機輪行という荒業を導入したが、行動範囲が大幅に広がるというメリットを感じることが出来た。それに、わざわざ一週間とか10日とか、長期の日程を組まなくても、これだけ遊べるということが判ったのが、一番の収穫だろう。

次回は、女満別でオホーツク北上か……  それとも千歳発日高経由で帯広エンドか。稚内発で利尻・礼文周りでスーパー宗谷、なんてのも悪くない。

新しいソリューションがどんどん出てくる。それが宿題となって、次につながる。そんなワクワク感を生み出しながら、最後のラム肉を胃に放る。



「お待たせ。暑かった?」
「わたしにはあまり必要ない質問ですけど。……でも、なんだか幸せそうですね?」
「お、判るかい?」


そうダベりながら、エルコスさんに跨る。



「さ、行こうか」
「はい」


空港までは、あと6キロくらいだろうか……  ゆっくりと、名残惜しげに、中標津の空港に向けて漕ぎ出した。






最後はクラシックで〆。






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土曜日へ。









TITLE:日曜:最終日
UPDATE:2016/07/24
URL:http://y-maru.sakura.ne.jp/228_yama7/day05.html