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244:NORI-Climb#03



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。20210914改題。それ以前は「乗鞍の野望 エピソードV」






本日のルート (powered by ルートラボ)

鈴蘭BT→乗鞍畳平→鈴蘭BT(実測39.8km)




やっぱり岳の頂を目指す。


いきなりで恐縮だが、ワタクシめの現状を述べるならば、お盆は繁忙期なのである。

そして、毎年のように、社則で義務付けられている夏季休業を余らせるかここで捨てるかの選択を迫られることになる。……のだが、



「今年はガズ溶接取りに行ったから余らなかった」
「何屋を目指すおつもりで?」


資格取得で夏季休業を消費したのに加え、珍しいことに凸からセコンドの要請が。






明らかに無礼に見える言動は、凸の標準装備です。





「セコンドの、……要請?」
「タクシーと勘違いしてんだろ?」


37歳にもなって18歳クオリティを維持し続ける凸だが、まあ知らない仲じゃないので、沢渡まで配車することにした。しかし、ただタクシー代わりにされるのもアレなので、



「乗鞍にでも、行くかい?」
「もちろんですっ!」


という訳で、前日に鈴蘭入りし、早朝からアタックすることにした。






天気は良い方向に向かっているようだ。






2時間半を切らない。


早朝6時の鈴蘭は、既に大勢の登山客でごった返していて、逆にご同業は控えめな感じ。お盆時期の初日としては、少々控えめな印象である。

そそくさとエルコスさんをセットアップして、朝飯をやっつけて、あとその他雑用をしているうちに、6:10の畳平行が出発。



「さぁさ、早く行きましょうよ!」
「ちょっ……、まだ着替えが……」


結局、何やかんややっているうちに、6:50になった。そろそろ出発しようか。






ちなみに本日はオープンプロで走ってみる。



ちなみに、鈴蘭(乗鞍高原の観光センター周辺)には、24時間営業はおろか早朝からやってる売店みたいなのは、こちらが知る範囲では確認できていない。補給物資などは、松本から登る前に確保しておこう。



「といっても、コンビニは新島々まで行かないとない」
「飢えるか、待つか、ですか」


坂馬鹿チャレンジのポールから、全長約20キロのヒルクライム区間の開始である。






ちなみに走破タイムによってオプーナオリジナルジャージを買う権利をくれる。





「今年こそは2時間半切りを!」
「しません」


えぇぇぇぇっ!?  と、エルコスさんは言うが、そんなの辛いだけではないか。それに、言ってたじゃないか、一年ほど前に。



「もっと自転車の旅を楽しめ、……って」
「ぐぬぬ……」


という訳で、エルコスさんには悪いが、のんびりマイペースで行く事にする。






ここからが本番だぜ?



ライジングサンホテル前のヘアピンから勾配が急になり、それがしばらく続くのは例年通り。インナー固定で23Tと25Tを使い分けながら登っていく。



「あー!  またギアを残してる」
「大丈夫。脚は調子いい」


本当の調子がいいのか、6:57休暇村を通過。スタートから7分しか経っていない。






ここから登山道に入る方も多い。日帰り温泉もある。





「これ、もしかしたら……!?」
「いやいやいや、休むからさ」


ここから240mほど登る間、ときおり絶景がチラ見できる以外はずっと森の中を走る。緩い登りが続く中にちょこっとだけ出てくる急勾配の繰り返し。のんびりと足を回していけば、スイスイ登っていける。






こんな感じで現在の標高とかを教えてくれる。





「ちょっと呼吸が荒いですよ?」
「大丈夫、停まるほどじゃない」


相変わらずギアの制限を34×25にしている。いつもの悪い癖だが、積極的にダンシングを取り入れながら走ることで、とりあえず筋肉の疲労を飛ばしていく。

こうして走ること暫し、サイコンの時計が7:25を指そうかという頃に、視界がいきなり開ける。三本滝に到着だ。






三本滝に到着。





「大先生!  昨年よりも5分早いですよ!」
「でも休む!」


エルコスさんが何か言いたそうにしているが、とりあえず無視しておく。レストハウス前の湧水を頭からかぶりながら、出がけに持ってきた三脚に手を伸ばす。



「ほれほれ、写真でも撮ろうぜ」
「あ、うー……  もう」







撮ってわかったが、ヘルメットは被ってた方が良い。



そんな感じにエルコスさんを宥めすかし、補給を済ませて出発したのが7:40。ここからがマイカー規制区間で、交通量が一気に減る。






三本滝ゲート。守衛のおっちゃん曰く、「天気は良い」らしい。



いつものかもしかゲレンデ区間もスイスイと。しかし、あえて撮影休憩は取らず。



「よろしいのですか?」
「帰りに寄るからいいさ」


エルコスさんのせいか、2時間半切りという幻想に、取りつかれてしまったのかもしれない。

三本滝からの第2セクションは、イン側がエグい勾配のヘアピン連続区間になる。今日はご同業が少ないから感じないが、ハイシーズンだったり大会時だったりだと、ここが勝負どころになる区間だ。






エグいイン側。そのためバスも大回りする(去年撮った画像です)。





「それにしても、ご同業の方が少ないですね」
「スタートが早すぎたのかもね」


昨年もそうだったが、11時過ぎになる下山時に、登り組と多くすれ違う。むしろこの時間に登っている人は、車中泊か乗鞍一泊組なのだろう。

登るご同業も下るご同業も見ないまま、摩利支天のバス停を通過。位ヶ原山荘までの区間の1/3を走ったことになる。






バス停は、三本滝→摩利支天→冷泉小屋→位ヶ原山荘の順に続くので。





「とはいえ、まだ先は長い」
「でも、いいペースですよ!」


ヘアピンはアウトベタで走り、勾配変化はダンシングで。しかしこの辺りになると、疲労もそこそこ溜まってくるので、ここにきてようやく28Tを解放。スイスイ、クルクルさせていると、やがてヘアピンの向こうに小屋が見えてくる。






これが見えてくると位ヶ原まであと少し。



現在は休業中だが、ここは冷泉小屋と呼ばれている。ここから麓の景色が秀逸だが、ここで2/3だ。



「あとヘアピン5つ!」
「さぁて、どう料理するか」


冷泉小屋から位ヶ原山荘まで、ヘアピンを5個越える。それがわかっているから、戦略が立てやすい。ちなみに、5個目のヘアピンまではインナーローが必要になる登り勾配で、そこから位ヶ原山荘までは一瞬だけ勾配が緩む。アタックをかけようとギアを上げて、少し加速すると位ヶ原山荘だ。



「カーブの先に隠れてるから、不意打ちのように現れますね」
「この先通る道も見えてるから、そう感じるよね」







どういうことかというと、このあと突然建物が現れる。



麓から上がってくると、位ヶ原山荘の登場は突然に近い。右手が山で、視界が遮られているからかもしれないが。

8:33、位ヶ原山荘着。セクションタイム53分で、昨年62分よりも9分の短縮だ。






ちょうどバスが来た(そして5台連なっていた)。





「いける……  絶対にいける……!」
「エルコスさーん、写真撮ろうぜー」


地団太踏んでる彼女だったが、良さげな写真が1枚撮れたので、だいぶ御機嫌になった。






三脚持って行ってよかったと思った1枚。



ヒルクライムのメッカとなって久しいこの道だが、遂に案内看板が掲げられるようになった。






これは自転車向で、これとは別に登山者向けも用意されていた。





「あと5キロですか」
「その5キロが地獄のように長い」


しばらく休憩を取っていると、麓から登ってきたご同業が追い抜いて行く。恐らくガチ勢だろうか、いいペースだ。



「ヒルクライムに出るようなガチ勢は、ここで休まないね」
「あ、行っちゃった……」


余談だが、アレの影響からか、自転車でやってくるお客さんのお汁粉オーダー率が跳ね上がったらしい。もちろん、ガチでタイムアタック狙いの方々には無縁の話だが。



「でも、帰りに寄るのではないですか?」
「その発想はなかったわー」


そういう我々も、帰りにはここでおでんを戴く予定だ。8:50、位ヶ原山荘出発。






天空へ向けて。



過去2回とも、この区間には1時間を割り当てている。急な勾配、薄くなる酸素、容赦なく攣る脚、条件はあまりよくない。

しかし、位ヶ原山荘にあった地図と、過去2回の経験は大きく、労せずして大雪渓を通過。そして、最後のきつい勾配区間を淡々と処理し、県境には9:27到着。






ここが日本で最も高い場所(広い意味で)。





「え……  そんなまさか!?」
「何が?」


エルコスさん曰く、スタートからの実時間を意味するグロスタイムが2時間37分だというのだ。……まあ、予告通り2時間半を切らなかったのだが。



「昨年は2時間38分です」
「……はい?」


耳を疑った。昨年よりも1分早いらしいのだ。あんだけ休憩取ったのに



「あーっ!?  休憩しなきゃよかったぁぁぁっ!?」
「バカーっ!  だから言ったじゃないですかーっ!?」


今度はワタクシめが地団太を踏む番だった。






次は狙ってみようかな、と。






定点撮影とお守りと。


いつもどおり、県境で定点撮影。そのあと、畳平の銀嶺荘で定点撮影。






標高がハッキリ記されているので、ここをいつも定点としている。



3月にエルコスさんのフレームにクラックが入り、修理に出した際に剥がされた乗鞍本宮のお守もゲットした。






お守りの初穂料は600円(小サイズのもので)。これがシートチューブに丁度良い。



抜けるような青空――――  とまではいかず、所々雲がぷかりと浮いた空模様ではあるが、畳平周辺は登山客やハイカーでごった返し、普段は1台運行のバスも続行便を出すほど。夏の乗鞍らしい風景だ。






剣ヶ峰方面を望む。





「来てよかったですね!  大先生」
「晴れてくれたのも有難いよ」


しかし、この周辺は野生動物の宝庫。ライチョウくらいなら可愛げがあるが、時にクマも出没する。

過去には、畳平にクマが出て、下山できないなんて状況もあったとか。






ちなみに今シーズンの目撃情報。





「縁起でもない。エルコスさんがクマに食われる」
「サラッと怖いこと言わないでーっ!?」


9:55、畳平発。ここから鈴蘭まで20キロのダウンヒルに変わるが、登りであまり写真を撮ってなかったので、今回はちょこちょこ停まって、写真でも撮りながら下山しよう。






ふたたび長野県に戻るよ。



県境から下ると、ぽつぽつとご同業が登ってくるようになった。その大半はロードバイクだが、中にはMTBの猛者もいたり。






長野県側の展望。あの赤い屋根は位ヶ原山荘。



大雪渓では、ちょうど夏スキーをやっていた。



「これはシュールな……」
「滑走面が大変なことになりそうだな」







スキーと自転車の融合。GW中なら渋峠でも再現は可能だが。



達人レベルになると、ミニベロで自走してスキーする程度の能力になるのだとか。そこまではさすがに真似できないか。

さらに下り、登りの途中でパスしたご同業(押してた)とすれ違い、10:15位ヶ原山荘に帰還。お約束通り、おでんを戴く。






これが9月末だと、気候的な意味でマジ幸せになれる。600円。



1年前にも述べたが、位ヶ原山荘は宿泊ができる。夏のシーズンは御来光を楽しむことができるとのことで、ここで一泊して御来光を拝むというプランは、美味しいのではないかと思ったりして。



「おやりになるのですか?」
「ただ、早朝のエコーラインって、自転車走れるのかなぁ?」


エコーラインは18時から翌6時まで、車両の通行を禁止している(10月だけはさらに拡大して朝7時まで)。これがゲートクローズのことを指しているのか、完全に通行を禁じているのか、まだ調査をしていない。

スケジュールにも拠るのだけど、もし自走で御来光が叶うのであれば、それはそれでオイシイ話ではある。






某アレでお汁粉がフィーチャーされてるが、たい焼きとコーヒーでもよいだろう。



おでんを堪能したら、あとはひたすら下るだけ。かもしかゲレンデ定点でも一枚パチリと収めたら、あとは鈴蘭まで一直線だ。






位ヶ原山荘とエルコスさん。






最後の難関


11:05、鈴蘭到着。本日の走行距離、約40キロで獲得標高が1262m

さて、観光センターの中に、軽食を供してくれるOASISというお店があるのだが、






ここにもうひとつ山があった。





「すご……!?」
「なんじゃこれ?」


頂ざるそば、というらしい。普通盛りの三本滝(700円)はいいとして、この剣ヶ峰盛りって何よ(笑)






しかも旗が立ってるし。





「ご、5倍……」
「越えるべき山が、そこにもあったか……」


で、頼んでみて、やってきたのがこれ。






これは攻略しがいのある山だな(笑)





「や、山です!  山ですよ大先生!」
「というか既にプルプルしてるぞこれ!?」


大変おいしくました。おあとがよろしいようで。






そのあと、実踏を兼ねて平湯まで。凸を中の湯で回収したのはこのためである。



さて、このあと凸を拾いに中の湯まで移動し、寄り道なんぞをして帰京。ワタクシめが畳平に、そして凸が大正池あたりにいたころ、目と鼻の先に聳えている焼岳が、噴火の兆候を見せているなんてニュースが飛び込んできたりして、なかなか濃い一日であった。






翌日、宿泊先で知ったが、割と大事だったようだ。












TITLE:そういやMSXであったねそれっぽいの
UPDATE:2017/08/12(2021/09/14)
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