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190:一人グランフォンド・さくら道



text by ymr20xx@y-maru.com


本日のルート (powered by ルートラボ)





プロローグ


さくら道、というのがある。

たぶん探せばそんな感じの名前の道は、桜が咲いていればそれこそ日本全国にありそうものだが、今回の主役は、岐阜から富山に至る、主に国道156号線沿線を往くさくら道である。

この道と、いわゆる樹木としての桜は、とても深い繋がりがある。例えば、ダム湖に沈む運命だった大木を崖上に引っ越しさせた荘川桜だったり。そして、それに感銘を受けた元・名金バス車掌の佐藤良二さんが、生前のライフワークとしてバス路線の沿線に桜の苗木を植え続けたさくら道だったり。





本州を縦断するルートに桜を植え続けたのです。


実は、このさくら道を題材にした








エクストリームスポーツ






は、既に存在する。名古屋にある一号桜から、ゴール地点の金沢兼六園にある佐藤桜までを、48時間で走破する、さくら道国際ネイチャーラン、という








ウルトラマラソン






が(ちなみにさくら道ウルトラ遠足というのもあったらしい)。

一応言っておくと、さくら道の総距離は、約270キロである。それをランでやるという。上には上がいるというのを率直に感じる。しかし、不思議とこの区間を自転車で全線走破するようなイベントとか、全線走破したひととか、そういう情報はあまり聞かない。聞かない上に、web上でもそういった情報はそれほど多くない。

ならば、ということもあり、それに先述の荘川桜は山間部にあるが故に実はGW中こそが満開の時期だったりすることもあり、ちょいと遅い花見にしゃれ込もうと思い立ったワケである。





要約すると、今回の目的はロングライドと花見です。





折しも大型連休中です。


7:00、出発。





上野駅前通過。ずいぶんと物々しい。


今回は日帰りではないので、荷物はちょっと多めである。それを見越して事前にエルコスさんに合うリアキャリアを作ってはみたのだが、





乗せてみた結果がこれ。









こいつぁ問題だ!






思った以上に積めないし、さらには前寄りな積載位置のため、ペダリングの際に微妙に足に当たる。

内藤さんの時はカンチブレーキ台座が利用できたのでもう少し低い位置に設計できたのだが、エルコスさんはフレームのネジ穴と小改造した増設ダボ穴で固定しなければいけなく、さらにキャリパーに干渉するのを避けながら、とかやっていた結果、どうしても設計に制約がでて、結果これである。もう一つ付け加えれば、エルコスさんはホリゾンタルなのでシート下のスペースがスローピングよりも少ない。まさかここまで積めないとは(それが原因でシュラフ置いてきた)…… これは早急に何とかせねば。





違和感を感じつつ、7:52、品川駅前通過。


あーでもない、こーでもないを繰り返し、日本橋から第一京浜、そして六郷橋を経て神奈川県入り。いわゆる箱根駅伝ルートである。





順調に神奈川県入り。


初日の今日は、小田原まで自走してそこから名古屋まで輪行するつもり。目安は小田原13時台輪行であるが、確か100キロくらいしかないので、早く着いたら早川漁港でシースー食うか!  ハハハh〜








全然着かない。










げんなり……


2時間経過時の走行距離、たったの36km。平均20km/hを割り込んでいた。

一体なんで!? 何のことはない。やたらめったら信号待ちに引っかかるのである。ヒドいときは信号の度に。

自転車に乗り慣れてくると、登り坂よりも向かい風と信号待ちを嫌うようになる。……と誰かが言う。

「信号待ちは、神様がくれた心の休息なのだよ」と誰かが言う。

とりあえず何でもいいから








この信号待ちUZeeeeeeee!






……と心の中で叫ぶワタクシめがいる。





叫びつつ足を動かしゃそれでも横浜らへんまでは辿り着く。


心の休息どころか、嫌いな信号待ちの連続で心にストレスを負ったところで、ようやく横浜まで来た。

ここからR1に乗り換え、戸塚のあたりで県30、茅ヶ崎からはR134で小田原、という感じであるが、その道中で早速、








迷子になった。










帰宅後地図を見てわかったが、この時点で盛大にミスコースしてた。


中華街まで行って少し戻れば、くらいの感覚だったが、気がついたら現在地が分からず。





このジャージの人は、基本ガチと思って問題ない。


んで、偶然居合わせたメイドさんが車列作って走ってたので、それに乗っかっていたら








磯子まで来ちゃった。






土地勘がないというのは恐ろしい。看板にはR16の文字が。このまま行くと小田原どころか、久里浜からフェリーですか?  みたいなことになる。輪行逃げしようにも、大船まで戻らなければいけなくなる。それは避けねばならない。何とか13時台の東海道線を捕縛したいのだが、このままだと間に合うかどうか。

……とかやってたら、環状2号線の文字が。ちょっと遠回りになるが、これならほぼ間違いなくR1に復帰できる。ようやく一安心……





ようやくR1だが、既におみまいされてフラフラに。


横浜って郊外部分って丘陵地帯なんだよねぇ。





GW初日のR1は見事に渋滞していた。


10:47、無事にR1復帰して、例の箱根駅伝ルートで茅ヶ崎へ。このあたりになると、ご同業があちこちに。ついでに湘南名物、





たぶんこの界隈でしか見られないアタッチメント。


サーフボードキャリア装着車が多くなる。

海岸側のサイクリングロードを少しだけ走る。湘南を一番感じられるルートだ。GW初日はドがつくほどの快晴で、至る所で波乗りな方々が多かった。湘南感はたっぷりだ。





交通量が多いし、路上横断者が多いし。









うっかり事故りそうだが。










堪り兼ねて渋滞中の国道に戻る。


んで、湘南感よりも疾走感が欲しかったので、途中でR134に復帰。そこからはほぼ平坦な道を、時に単騎で、時に無賃乗車したりしながら。





この界隈はご同業も多いので、何もしなくても列車には乗れる。


13時台捕縛いけるか?  みたいな心配はここにきて一気に解消され、気がつけば13時直前に小田原駅到着という俊足っぷりである。……まあ要するに、それだけ都内の信号待ちはひっでえのなんのってってぇワケだが。

なお、本日のエルコスさん、足回りは前回と同様にオープンプロ+13ー28Tであるが、やはり改造ギアということもあって入りが悪い。お陰で走りながらあーでもないこーでもないしながら、ようやく収まりどころを見つけた。そしてそれに奢るタイヤはパナのツアラープラスなのだが、26Cで重量があっても、タイヤとホイールがしっかりしていれば、さほど漕ぎ出しの重さを感じることなく走れる。これからは積極的に25Cとか試してみるかなぁ、と感じさせてくれる。





小田原からは輪行で名古屋に行きますぜ。


閑話休題。小田原から輪行することとなり、熱海、浜松と乗り換えてかれこれ4時間半ほど。金山で下車して本日のお宿へ……  の前に、例のキャリアの対策をすべく栄方面へ。金山から自転車で5分も走れば辿り着ける、繁華と色香が漂うこの街には、有り難いことにモンベルストアワイズロードがある。緊急避難するには絶妙な位置にあるので、名古屋方面遠征時には是非とも押さえておきたいポイントである。




さくら道(名古屋→金沢270km)、またの名を一人ブルベ状態






一号桜の前で証拠写真。んじゃ行くか。


翌日、雲一つない空がこの日の天候をすべて物語りそうなほどの快晴。昨日は半袖(というかお空さん)だったために既に腕が焼けるように痛かったので、長袖インナーを着て防御。途中で適当に朝飯をシバき、7:00、JRバス営業所前にある一号桜へ。





中京地区の開花時期は一月近く前の話だ。


当然っちゃあ当然だが、もう全部散ってる。

このあと、ランの大会になぞって、名古屋城を一周する。このあたりでもう信号待ちの嵐だが。





まずは名古屋城へ。


さすがに体が温まっていないのと、今日は間違いなく長丁場になるので、ギアは50×21くらいでクルクルと。普段は18丁が定番だが、序盤でこれで慣らしておくと後半の持ちが断然違う。





名古屋城の入口だけパチリ。


なんとなく名古屋城のようなものを詣でた後、いよいよ北を目指す。とりあえず今日の目的は、荘川桜を拝むこと。そして白川郷某所での避けては通れないミッションを達成することだ。





ここからは県道67を。ちょうど東海道線と並走するような感じだ。


国道22号を北上すると、やがて道は県道67号線になる。道幅は一気に狭くなるが、しかしこれを北上すればやがて岐阜市にたどり着く。目立ったアップダウンもなく、舗装状態も悪くはない。ほぼ平坦だが、しかし考えてみればこれからおよそ100キロちょいかけておよそ900アップである。序盤は平坦、ということは、後半がウンザリ感たっぷりの登り三昧、といったところか。





木曽川を渡る。


一宮市街をうろつき、県道14号に変わり、さらに直進すると、木曽川を渡り岐阜県となる。ここからが延々と長い、いわば地獄の一丁目である。さらに県道を直進し、名鉄の踏切を渡ると、いよいよ主役の登場である。





金園町4丁目。ここを右折。


金園町4丁目交差点を右折、R156をアンダーパスし、しばらく県道92号線を走る。左側は小高い丘で、これから走るR156はトンネルで回避しているが、こちらはぐるりと迂回するような形だ。地図を見ると、標高205mの洞山が聳え立っているが、地図を見るとそういった情報なんかが分かるので、相変わらずナビは持たない。ここまで来ればヤケである。





洞山(左側)が聳えている。等高線が書かれているからこそ判ることも。


9:33、ようやくR156に合流。ここから今日の大半を、この道とともに暮らしていく的な意味でのおつきあいだ。そのファーストコンタクト、いきなり熱い登りである。





およそ半日以上おつきあい戴く伴侶とのファーストコンタクト地点。


徐々に標高が上がっていく。そして、まだ補給を済ませてない。悪い癖だ。勢いのまま進んで補給をしないというのは。最近いつもこうだ。

さすがに身体もちょいとしんどくなったので、コンビニに立ち寄ってしっかり補給。ここで母れいちゃんに電話。今日が59歳の誕生日である母れいちゃん、電話に出たのは帰省中の妹。


「60になったんだっけ?」







「59じゃバカタレ!」






親不孝な実家の長男坊である。





バナナで補給する親不孝。


ところで、ワタクシめは、出撃の際の地図として、妻のコピーをクリアケースに入れて持ち運んでいく。行程が進めば地図は一枚ずつ減っていく。美濃まではほぼ平坦と言っても過言ではない行程で、だいたい1枚潰すのに2時間、といったところだ。





ツーリング日和だ。渋滞はしているが。


話を戻す。美濃市から北は、長良川に沿って走る、やや登り基調の快走路で、ようやく暖まった足が50×18をグイグイ回す。相変わらず魔法の効果はすさまじく、登り坂で少し軽めのギアを選んであげると、それはそれはアホみたいに登っていく。





川沿いの道は走っていて気持ちいい。交通量は多いが。


全体的に登り勾配が続いていて、しかも軽く向かい風のはずだが、そんなこと気にせずに時速30キロ台をキープ。こりゃいいやハハハh〜、とかやってたら、うだつの上がる郡上八幡を








軽くスルー。










町並みなんか見てないさ。


11:48、郡上八幡の駅前通過。まあ、GWの中日で、高速から国道に降りるランプウェイには大量の車が、そして肝心の国道も





オートバイすらすり抜けられない。









このありさま






なので、もう立ち寄らずにいっちまえーぃ、な気持ちではあったのだが。ただ、それは悪い癖で、朝方仕込んだ補給が底をついてもなお、走るのを止めなかった。我ながら、よほど昨日のがストレスだったんだな、と。





ただ走っているだけが楽しい、ということもあるのだ。


んで、補給しなければいけない<<走るんだZE!、な状態で、身体は既にカッピカピな状態。無理矢理補給するか、倒れるか、みたいな状態で現れたのが、これ。





突然現れた給水所。


もはや砂漠のオアシスだ。協力金100円払って、しっかり水分をいただく。すっかり潤って、さあ出発、と思ったらすぐそこにコンビニがあって、しかも長良川鉄道の徳永駅至近だったのでそこで昼飯タイムにして、結局再スタートは13:00。ゆっくりだが北上はまだ続く。





徳永駅で小休止。このあと美濃太田行を見送る。


R156は、オートバイがすり抜けするにはちょっと狭いらしく、渋滞でほとんど進めない中を、ワタクシめは我が物顔で進んでいく。遠くに大蛇がうねっているようなアレが見えてきたら白鳥である。





大蛇のように標高を上げる中部縦貫道。


このあたりになると、ぽつぽつと完全に散り切れてない木々も目立つ。相変わらず道は渋滞しているが、自転車なら通れるらしい、ということで、祭りをやっている市街地を通り抜ける。速度は落ちるが、安全だしのんびりだし、箸休めには最適だ。





祭りの関係かここも大渋滞してた。


長柄川を渡って、国道に復帰する直前にあるローソンと、その向かいにあるドラッグストアで補給をしておく。

このコンビニには覚えがある。確か2013年のスキー百本勝負で、このコンビニで補給をしたからだ。もっと裏話をすると、富山方面は、このコンビニを過ぎると、ひるがの高原と白川郷の2件しかコンビニがない(しかもどちらも24時間営業ではないデイリーヤマザキ)。ここを逃すとチトまずいことになるのだ。

注:高鷲町大鷲の県道45号線沿いにサークルKがあるらしいです。





ここからしばらく補給できないと考えておこう。


白鳥高原を過ぎて、北濃まではゆったりした登り坂。少し軽めのギアでいける。その北濃で鉄分を補給し、いよいよ本格的な登りに突入する。





北濃駅は喫茶店を併設。ここを14:00に出発。


交通量が激減したのが幸いで、徐々にきつくなる勾配に、ここにきて今回初めてのインナーギアに落とす。徐々に脚と腰に疲労が感じられるようになったが、それでも34×28はどこまでも登っていくぜ、的な安心感がある。

そう、今回も前回同様、積極的にインナーローに入れていく。100キロを超える耐久戦で無理は禁物だし、ほかに追走者はいないので、いきなりローギアに落としたって後ろからヤジられることもないし。とにかく速度は遅くてもクルクル回せるギア比に入れていくことを心がける。





登り坂もしんどいが、高速のほうもしんどそうだ。


クルクル、クルクル、やがて登坂車線が出てきたり、勾配が一時的に緩んだり、かと思えばえげつない登りが現れたり。徐々に腰痛も出てくるが、写真撮影というタテマエによる休憩を挟みながら淡々と上り、14:50、道の駅大日岳到着。





休み休みやってきたが。


ここで甘いものを補給。高山ラーメンがうまそうだったが、この後控える避けては通れないミッションのために我慢。後ろ髪曳かれる思いでひるがの高原を目指す。ちなみに道の駅は登りのてっぺんではなく、そのあとしばらく絶望感漂う登りと、連続するヘアピンが立て続けに襲いかかり、しかし諦めずに分水嶺公園まで登りきると、視界が一気に開ける。





登り切った瞬間。見事に桜が咲いている。


ここはダラットか?  みたいなノリだ。ちなみにこの辺り、桜が咲き始めている。これは荘川桜が楽しみになってきた。

なお、この分水嶺公園は、その字の如く、長良川と庄川の分水嶺で、要するに一筋の水路からここで分岐した水が、それぞれ太平洋と日本海に注がれるのである。そう考えるとだいぶ壮大な話であるが。





ここが(ある意味)永遠の分かれ道。


やはり同じことを考えているのか、ここらにもスペシャライズドのご同業がいた。天気も良いし、さぞ走りでがあるだろう。この先白川郷へ行くが、同じくらいの距離で高山にも出れるのでそういうプランニングだってアリだ。





白川郷まであと41キロ……


のんびり休憩をした後、時間的にも余裕がなくなってきたので、15:08、いよいよ下山する。ここから牧戸の交差点までは下り基調である。基調と書いたのは、微妙に登り勾配もあったりするからである。勢いで走り切れてしまうので気にするほどではないのだが、微妙に脚がつりそうになってきたので、御母衣湖畔のルートに入る前に一度脚を伸ばしておく。





このあたりは下りなのでアウター入れてガンガン回す。


15:37、牧戸駅(バス停ではない)に到着。ここは、鉄道のないこの近辺のランドマークである。雰囲気があるので一枚パチリ。





こういう建物って、旅っぽい感じがしてグッと来るよね?(単に駅好き)


牧戸の交差点を左折し、いよいよイチコロの異名を持つR156の最難関区間に突入である。





この先の岩瀬橋から最難関区間(という名のwktkゾーン)が始まるぜ。


この区間、道幅が狭い上に場所によってはアップダウンが発生、さらに狭いトンネル内で登り勾配だったりと。しかも高山と白川郷を結ぶ主要ルートのひとつであるが故の交通量過多。もはや








鬼畜の所行






と言わざるを得ない状況なのである。





すれちがい困難な幅な上に、目に見えて登り勾配(いきなり)。


こちらも負けじとジェントス全開で走るが、それでもトンネル内での追い抜かれはかなりビビる。できれば避けたいので、所々で運転停車。道自体は面白味があって好きな方だが、死んじゃったら意味がないので慎重に。面白さでいったら、たぶんR148以上だ。





所々、人の姿が見えるようになってきた。


やがて、なんか道が混んでるなー、という感じになると、前方に人だかり、そして見事な大木が。そこが荘川桜である。16:01到着。

向かって右側、湖岸にある桜めがけて皆クルマを突っ込ませるので渋滞していたようだ。





満開の桜とエルコスさんと。


引っ越し直後は丸裸にされた絵面がショッキングで、今日びのマスコミがネタにしやすそうな状態だったというが、今ではごらんの通り見事な花を咲かせている。そのおかげで人気のないイチコロ沿線に於いて、ここだけが賑やかであった。





荘川桜。今は二世桜も含めて華やかな佇まいに。


あと、たぶんクルマやオートバイでは絶対に立ち寄らない(渋滞的な意味で)この場所も、自転車だと気軽に立ち寄れてイイ感じである。





御母衣湖とともに。


荘川桜の満開ピークは、丁度ゴールデンウィークの時期と重なる。渋滞に巻き込まれるリスクはあれど、たまには穴場的なところを、という場合にはいかがだろうか。





売店も出ていたが、この時間だともう店じまいだったし。


桜を一通り堪能し、売店の食べ物が軒並み売り切れたのに苦笑いしたところで、さらに北上を続ける。このあと道は、連続するスノーシェッドを幾多にも潜り抜け、御母衣湖の縁をトレースしていく。勾配は相変わらずアップダウンで、強いていえば下り基調、という感じである。そして、トンネルも多くなってきた。





スノーシェッドとスノーシェッドを橋で結ぶような感じ。


ここらのトンネルは、照明は一応あるものの、路面までを照らすほどのものではなく、こちらの照明だけが頼りだ。しかし不用意に突っ込むと、瞬間的に視界がゼロになり、真っ暗な中を走らなければいけなくなる。どうか足下に巨大な穴とか開いてませんように、と念じながら走る。もはやコケるかパンクするかは神頼みである。





イチコロのランドマーク、尾神橋。これを渡ると白川村。


ロックフィルダムの御母衣ダムが見えてくると、勾配は一気に下りに転じる。ここが一番速度が乗るポイントだが、調子に乗って攻めてると、ダム資料館から出てくるクルマに被弾する。何事も程々が大切である。





御母衣ダムは見事なロックフィルダムだ。


程々といえば、登り坂でだいぶ無理をしたらしく、ふくらはぎが攣りはじめた。最初は右で、かばっているうちに左も。とりあえずだましだまし走り、16:46、道の駅飛騨白川に不時着。そこにあった足湯でひたすらストレッチを敢行する。





レーパンなので風呂に入るのはちょい大変(時間もかかるし)。


おかげですっきりした。とりあえず白川郷までは行けるだろうと、17:00出発。5キロほど勾配を下り、シッタカ橋まで来る。シッタカ橋、なんて可哀想なヤツだ。……とカメラを構え、








カメラがない。






しまった、飛騨白川に置いてきた!

結局、たった今下った5キロを逆戻りしてカメラを回収するハメに。お陰ですっかりフラフラになったが、確か売店で何か食べれたはず……





出発したときには閉まってたようだね。









可哀想だな俺も!






ここで往復約10キロのタイムロス。しかも、下り基調とはいえ登りもあるので、結構脚に来る。序盤、軽いギア比で温存させてなかったらたぶんこの辺りでイッてたと思うが、幸いにもまだまだ致命傷にはなっていない。下り基調が幸いして、白川郷までは延々と下り。荻町集落入口でバイパスを外れ、街の中へ。自転車ならではのルートだ。





この先右に曲がる(車両は不可)。


すっかり観光地化して、聞こえてくるのがチャイ語とハングルという荻町集落を抜け、白川郷観光目的で渋滞している車列を横目に、本日最大の避けては通れないミッションをこなしに行く。





ようやく合掌造りが見えてきた。


……前に、ここから先福光らへんまで一切見かけなくなるコンビニに立ち寄り、非常食とジェントスの電源を購入。間違いなく本日最大のミッション終了後は、みんな大好きアレに突入するので、その準備だ。





これは身の安全を守るためにも怠ってはいけない。


準備ができたら、そのまま北上して、避けては通れないミッションという名の








飛騨牛






……を食らいにてんからへ。旗艦さんご推薦の、飛騨牛をリーズナブルに戴けるお店だ。せっかくなので奮発するよ。





わぁい、お肉だぁー!


がっつり上質の肉を喰らい、テンションも上がってきた。日中は結構待たされるが、晩飯時で一人だと思いの外簡単に座れる。





岐阜県大野郡白川村鳩谷296-1、TEL:5769-6-1661


店を出たのが18:58.外はもう真っ暗。さあやって参りました。みんな大好きナイトランタイムですよー!  な状況だ。ここですべての照明をオンにする。





白川郷からの脱出路。右が旧道(通れないが)。


道の駅白川郷を通過すると、すぐにおよそ1900mの飯島トンネルに差し掛かる。幸いにして皆高速方面に向かうのか、交通量はさほど多くない。トンネル内は緩い登り勾配のはずだが、ここでエルコスさんが魔法をかける。グイグイ延びる加速の恩恵を受ける。





ジェントスの破壊的な威力。


そして、前回から投入したジェントスが良い仕事をしてくれる。キャットアイを足下に、ジェントスをメインの前照灯にすることで、結果的にナイトランが怖くなくなった。ルンルン気分で真っ暗闇の中を疾駆することしばし、気がつくと富山の県境。





長い長い岐阜県を抜けるぜ。


ようやく地獄のような岐阜を越えたか……





その直後、


とか思ったら、また岐阜に戻ったぞ?





……あれ?


また富山かい!?





この時エルコスさんは単に照明器具と化してた。


……はい、もうお馴染みですね。





答え合わせですよ。


このあたりは、県境を持つ庄川が蛇行していて、それを串刺しにするように道を通した結果、コロコロ県が変わる、というヤツだ。このあたりは谷間を貫く路線だが、道路脇には田畑が広がっていて、暗いから分からないが田園風景が広がっている(と思う)。このコロコロ区間が過ぎて、田畑で諏訪子がゲロゲロ鳴き出すようになれば、19:47、ようやく五箇山の集落である。





五箇山まで来ると、少し賑やかになる。


道沿いには多くの宿があり、明らかに宿泊客のと思われるオートバイやら何やらが停車中。なるほどこの雰囲気は悪くない。むしろ街道筋の宿場町というのは旅している感があってよろしいではないか。





街道沿いに店が並ぶ。


GW中だから望み薄だが、いつかはこんな感じの宿場町に逗留するという旅もしてみたいと思う。

下り基調だった道は、五箇山インター手前を境に再びアップダウンを繰り返す。交通量はさらに激減し、車線いっぱいを使って登りをクリア。下りでは可能な限りスピードを上げる。……と、R304交点手前で、ご同業の車列とすれ違う。車列、すなわち複数だ。反射ベストこそないが、ヘルメットにヘッドライト、荷台にはキャンプ道具一式。かなりの乗り手に違いない。ただ、20時近いというのにどこで一泊するつもりなのか。……なんて考えていたら、そういやワタクシめの本日の宿はどうしようか、と。





とりあえず赤缶飲んで考えよう。


そろそろどこかでスターライト・ホテルする時間ではあるが、日付が変わるまであと4時間、ゴールである金沢兼六園までは、およそ50キロ。








頑張りゃ着くな。






そう思ったのが運の尽き。非常食を赤缶で流し込み、20:30、本日2つ目のヒルクライムに(今から)取りかかる。





たったの50キロのうち、最初の4キロが激坂。


交点からトンネルまではおよそ3キロちょい。その間、10%近い勾配が延々と続く。こうなりゃ己と








腰痛との戦い






になってくるが、200キロ近く走ってのこの登りはかなりヘヴィだ。佐渡の終盤とどちらが楽だろうか。

なんて考えていると鬱になるので、どこの家庭にも一つはあるMP3プレイヤーで音楽聴きながらヨタヨタ登る。苦痛と退屈が紛れるのは有り難い。





やっとトンネルが見えた。


キコキコ、ヨタヨタ、ほうほうの体で登りきり、最初の梨谷トンネルへ。見た感じ下り勾配なのに、おかしいかな加速しない。路面の悪さが推進力を殺しているのだろうか。その代わりに路面の状態が良好な五箇山トンネル内では、見た感じ登り勾配なのにグイグイ加速するのである。

魔法か?  それとも呪いか?





遠くに福光の街の明かりが見える。


五箇山トンネルを抜けてしまえば、あとは福光まで延々の下り。文字通り下りオンリーである。ヒャッハー!  とか思ったら今度は横風が強くてあちこち飛ばされそう。

そういえば、空を見上げると、星が見えない。天気までもが下り坂なのだろうか。





まさかあんなことになろうとは。


21:36、城端通過。

城端の街は、ちょうど祭りの真っ最中だった。華やかな山車をバックにパチリ。そういえば以前、城端エンドという旅のプランを妄想したことがあったが、試しに、イケるのだろうか?





タッチの差。









無理でした。






わずか10分程度の差だったようだ。どうやら本当に、このまま金沢入りする流れになった。それならそれで、と覚悟を決めたところで、せっかく城端に来たので、








何かネタでも。






true tears関連のスタンプ台は片づけられているようだが、探すとあるものである。





左の青年の勤務先に注目。









いお・くさろーざ?






類似品の名称というクエスチョンに、中黒ずらしというアンサーである(単に誤植じゃねーかって気がするが)。(詳しくはこちら





そういやこんなのもあったよ。


富山はアニメタイアップが盛んだし、城端には優良企業の本社もあるし、ネタ(という名の聖地巡礼)には事欠かない良い処だと思う。思いつつ、いよいよ金沢に向けて出発する。





最後の山場をシバきに行くぜ。


あと30キロない感じで、最後の登りに取りかかる。

「行くぜ。頼むぞエルコスさん」

そう呟いて、トップチューブを軽く叩く。いつの頃か、キめに行くときの合図になっている。スキーの時と同じく、最高のバーンを食らう直前にストックでブーツを叩くときのように。もはやDNFはありえない、日付が変わる前にカタを付ける。

県境までの区間で何度もアッップダウンを繰り返すが、県境部分の登りが手応えある感じで、両端の麓部分はそれほど難しくはない。ここも軽いギアでクルクル回して、22:29に攻略完了。遠くに金沢の街の光が見えてきたら、ゴールは目前である。ただ、最後の難関は、県境周辺よりも、その後のアップダウンだったりするのだが。





遂に来たぜ。


金沢市街を、看板頼りに進んでいくと、兼六園の坂を上らされる。この時点で走行距離は260kmを越え、一応一日(24時間)の走行距離レコードは達成した。内藤さんでtdrやったときの250キロは越えたし、900アップ+αの獲得標高がオマケでついてきたので、まあこれだけやれれば十分でしょう。シリは絶望的に痛いが





23:29、兼六園(真弓坂口)到着。そしてこの写真はのちの伏線となる。


このあと、どこか漫喫でも……  とか金沢の街を徘徊するも、それらしい店は見あたらず、妻のコピーからテルメ金沢がイケそうだと掴み、ようやく長い一日が終わったのであった。




大ウソつきーぃ!


三日目。今日は昨日巡れなかった兼六園を詣で、倶利伽羅峠を経て高岡へ。

日本酒漁りをしてきときとで寿司食べて、あー充実してるなー……





……マジかよ  il||li(つω-`。)il||li









雨降ってるなこれ。






誰だGW後半天気がよいとか言ったヤツはむがー!

……としているうちに金沢市街、本降りになってきた。もう諦めて、さくら道のフィニッシュだけ詣でよう。

んで、真弓坂口脇から坂を登って桂坂口へ。実はこの時点で、そのゴール地点を知らない。それゆえの迷走であるが、オーソドックスに観光案内所にて訪ねてみる。

ウルトラ遠足はこの界隈ではメジャーらしく、すぐに教えてくれたのだが、なんとその場所は、たった今登ってきたところ。しかも、昨日証拠写真を撮った場所と





エルコスさんの右側に佐藤桜、坂を下りたところが昨日撮影した真弓坂口。









超ニアミスだった。






全部雨のせいだ。そういうことにしよう。そして一気にテンションが下がったので(主に雨で)、今回はここで終わりにする。自転車の旅の良いところは、終わりにしたいときに簡単に終わらせることができることだ。そしてここからはとことん堕落してやるんだい。





だが、ひとまずこれでコンプリートだ。





おっさんはここまで堕落する。


で、堕落した結果、15:00越後湯沢着。

なお、ここまでは北陸本線を富山まで、富山からはデッドセクション通過で照明が落ちることで定評のある485系北越で直江津、さらにそこからほくほく線で越後湯沢へ。消費したビールはおよそ2リットルである。





要するにこの区間だけ各停のつながりが悪かったのだ。


越後湯沢といえばぽんしゅ館





一目散に、試飲コーナーへ。


ぽんしゅ館といえば試飲。そして手元にはなぜか試飲メダルが10枚(やりすぎた)。最近日本酒に興味を持ち始めたので、ひとつひとつ品評する。









1.COWBOY YAMAHAI(山廃純米吟醸)……塩川酒造(株)
髪サラッサラの、イケメンサッカー部員のような酒。

2.越後府(特別純米)……白龍酒造(株)
生徒会長のような酒。キリッ!

3.かたふね(特別本醸造)……竹田酒造(株)
明るく元気なチア部の2年生の女子のような。

4.加賀の井(本醸造)……加賀の井酒造(株)
栄さん。うん、栄さんだ。

5.清泉(特別純米)……久須美酒造(株)
不良っぽいけど、実は動物を飼ってる優しい一面もある、男子。

6.越後おやじ(特別純米)……妙高酒造(株)
刑事ドラマに出てくる木の実ナナのような、熱血な女性の先生。アンタタチー!

7.越後の甘口(純米)……(株)越後酒造場
体育祭とかで、コケて擦りむいた膝にバンソーコー張ってくれる先輩の女子。

8.上善如水(純米吟醸)……白瀧酒造(株)
スポーツチャンバラ部副部長。どんなだ?

9.スキー正宗(特別本醸造)……武蔵野酒造(株)
セーラー服+おさげ+革カバン+メガネ+そばかす、みたいな。

10.越後の蔵秘伝(山廃純米吟醸)……君の井酒造(株)
剣道部主将、長身、全国大会入賞レベル、という絵に描いたようなイケメン君。

さあ声に出していってみよう。








意味が分からないwww






……と(notアメイジングマキュアン)




ただ、純米=すっきり、醸造アルコール=甘ったるい、というイメージがあったが、純米でも甘いのがあったりして面白い。あと、日本酒度の数字はあまり参考にならず、やはり実飲してみて合うのを探すのが面白いのだろう。

あと、せっかくなので沢山ある塩をつまみに飲んでみるのもオツである。





試飲で利用できるこの塩もまたおいしい(そして楽しい)。


こうしてフラッフラに(酩酊的な意味で)なったところで満足し、帰京の途に就いたのだった……





結局、帰りの車中でも飲んだ。














TITLE:己の限界に挑戦。
UPDATE:2014/05/06
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