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362:続・常軌を逸したスタンプラリーをやってみた。



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。


【クイックリンク】

さんふらわさん、さぁ……
宣告
Mission1:さんふらわあ  ぱーる(20241102)   
Mission2:本土最西端  神崎鼻(20241104)

Mission3:新さんふらわあ  さっぽろ(20250329)
Mission4:本土最東端  納沙布岬(20250629)
戦利品
ポストスクリプト









さんふらわあさん、さぁ……


2024年夏、さんふらわあ隅ッコスタンプラリーという企画に参加し、無事さんふらわあをシバいた





ウィニングショット。






「ちょろいもんだ」
「わたし達を甘く見ていたようですね!(キリッ)」


そして、完走証と記念品のカレーをいただいて、この狂気の企画は無事終了した。





あらゆる意味で、穏やかではない。









なんじゃこりゃぁぁぁぁっ!?









「今度は東西、とのことですが……」
「完全にナメてたぁぁぁぁぁっ!?」


おっさんと遷移金属が南北を踏んだ時、既に383人の特殊性癖の方が同じことをしていて、どうやらさんふらわあサイド、







調子に本気になったらしい。









「誰がもっかいやれとwww」
「大丈夫、わたし達ならワンパンですよ!」


……ということがあり、南北を制覇する第一回の終了日である、2024年9月30日。その翌日から今度は東西を制覇する第二回が開始された。





この時は、完全勝利を確信してたのに……(どっちかというとさんふらわあ側の後出しジャンケン






「西の神崎鼻は、初めて訪れる場所だな」
「それよりも何よりも、長崎県を訪れること自体が初めてですよわたしは」


こうして手始めに、エルコスさんが未訪であった長崎県をシバく計画を立てた。……のだけれど、








宣告





「……で、その直後くらいに、宣告があったんだ」
「青天の霹靂、でしたね」


さんふらわあから果たし状を叩きつけられ、さてどうしてやろうか、と計画を立てていた2024年10月のこと。もっと具体的に言うなら、秋佐渡から帰ってきたあと、すぐくらいの話である。





時系列としては、秋佐渡の動画編集中には知っていたことになる。



母から突然聞かされた「わたし、ガンかもしれない」という、







おととい飲んだ微炭酸






並の刺激的なパワーワードで、計画は一旦白紙になった。





PET検査の結果を立ち合いで見たが、この色ついてるの全て悪性腫瘍とのこと。






「なんなら、長崎行きもキャンセルしようかって思ったくらいだ」
「ギリギリまでチケットキャンセルをしなかったのは良い判断でした」


……で、精密検査が連続する日常が始まり、それが終わるのが11月初旬。すなわち、本当にガンなのかどうかの判定が出る前に、長崎へのプランが先に来てしまうことが確定した。




「そしたらさ、『行ってこい』ってさ」
「素敵なお母様ですね」


その言葉に押され、調子に乗ったさんふらわあに喝を入れるべく、西へと旅立つことにした。





在宅医療を希望した(こちらも同意した)ので、これを以て一旦、自由に遠出できない環境となる。






Mission1:さんふらわあ  ぱーる(20251102)


11月2日、母を病院に送っていき(帰りはタクシーで帰ってきてもらった)、そのあと家に戻って旅支度をして、まずは神戸からのフェリー航路を潰すことにした。





見てわかる通り、現在時刻は11:33。









詰んだな。









「やっぱやめよーっかなぁ」
「大丈夫、運転再開したようです」


この日、爆弾低気圧をモロに喰らって、午前中から東海道新幹線が運転見合わせ。昼前に運転再開はしたものの、当然のようにダイヤ乱れ





ヤケ酒をおっぱじめる。






「これ絶対、のぞみには乗れないな」
「こだまでも充分間に合うはずです。少しでも空いている方を取りましょう」


東海道新幹線のTipsとして、のぞみは本数は多いが一番混む、というのがある。逆に、本数が少なくて所要時間も多くかかるひかりやこだまのほうが、傾向として空いていることが多い。

平常時ダイヤで比較すると、東京〜新大阪間では、のぞみが約2時間30分かかるのに対し、ひかりでは3時間弱、こだまだでは4時間弱という所要時間となる。旅程とうまいこと合致するのであれば、敢えてひかりやこだまに乗ってみるのもアリかもしれない。







ただし、大規模遅延時にはその限りでなく、こだまも混む。



……で、結果的に神戸発のフェリーには間に合ったのだが、このときいくつかの教訓を得た。




「特急券は当然のように払い戻しになったんだけど、1年間有効らしい」
「それは助かりますね。今から並んで払い戻しなんて不可能ですよこれ」






まず改札を出られない。



2024年現在、JRの特急や急行については、2時間以上の遅延が発生した場合、特急料金が払い戻される。ただし、紙のきっぷは剥ぎ取られてしまうが。




「サンライズだったら発狂してるかも」
「とはいえ、まとまった金額が返ってくるのですから」


そして先述のとおり、有効期間は1年間で、どこのみどりの窓口でも受け付けてくれるらしい。なので今回は、六甲ライナーに乗り換える住吉駅のみどりの窓口で払い戻した。





九州での運賃くらいにはなった。






「ターミナル駅を外せば、それほど混んでない」
「旅程が合えば、これが最適解ですね」


そしてもう一つ。基本的に大規模な遅延が発生したときは、有人改札を抜けるのに15分以上かかるということ。ほぼ高確率で外国人対応で詰まっていて、特に途中下車して買い出しに走りたい時なんかでエラい影響が出る。




「青春18きっぷのシステムが変更になった理由がよくわかる」
「このあたりは、もっと柔軟な対応があるとよいのですが」






充電器忘れたのでヨドバシに寄りたいのだが、そのヨドバシに行けない、という事態に。



また、今回は神戸−大分航路を利用したが、大阪南港から出る別府行、あるいは志布志行の便でもスタンプが用意されているので、それぞれの都合に合わせてチョイスすればよい。余談だが、今回なぜ神戸−大分航路を選んだのかというと、




「ターミナルから歩いて10分くらいで駅に着くんだ」
「確かに。別府だと『タクシーで』10分かかるようですね」


……まあ、予算が潤沢にあるならば、普通に別府でいいと思う。温泉を堪能してからソニックで小倉まで辿り着ける。





明石海峡大橋を潜って、大分へ。






Mission2:本土最西端  神崎鼻(20251104)





「これほど最西端っぽくない最西端はないな」
「『本土の』最西端、という意味が色々邪魔をしているのですよ」






なんか陸が見えるんだよなぁ……



何が問題かというと、その最西端から別の陸地が見えているということ。もちろん、宗谷岬からはサハリンが見えることもあるし、なんなら納沙布岬からは歯舞群島がハッキリ見える。





もっと言うと国後島も見える(天気に依るが)。



ただ、こちらの陸地は平戸島という、れっきとした長崎県の有人島。島なので、神崎鼻が本土最西端という表現に偽りはない。コレジャナイ感はてんこ盛りだが。




「そういう経緯があって、地図を二度見しましたよねわたし達」
「そしたらさぁ、あるもんだねぇ」


見つけてしまったのだ。平戸島の南端付近にある、小さな港町の存在を。




「橋で結ばれた最西端の港町、らしい」
「モノは言いようですね」






言い出したらキリがない。



つまり、本土から自走で到達可能な最西端が、この宮ノ浦ということになる。そのため、今回はこちら踏むことで自分なりの決着をつけよう、ということにしてプランニングを始めた。これに関しては言い出したらキリがないし、より厳密に最西端というのであれば、それは沖縄の与那国島ということになってしまう。




「つまり第3弾は与那g……」
「怖い怖い怖い怖い怖いwww」


こうして、平戸島の最南端を目指したのだけれど、長崎の著名な橋は自転車が通れない事実をこの後痛感した。





なんでだよ。






「海面からの高さがあるからではないでしょうか。平戸大橋や西海橋の場合は」
「そうだとすると、空港橋の箕島大橋が説明つかない」


ちなみに、平戸島から連絡する生月大橋も自転車通行不可とのことらしい。もちろん、押して歩道を通れば問題ないのだが。




「解せぬ」
「もう諦めましょう。安全面を考えたら、それも仕方のないことですから」






新西海橋もだめだった。



なお、佐世保から海岸線沿いに往き、平戸大橋を渡って宮ノ浦までは、約94キロの道程となる。登りの総量は1200強と、さほど坂の多いルートではないのだが、小規模なアップダウンが連続するため、思いの外脚にクる。





島の南部は人口希薄で、小さな集落を外れるとすぐに山道となる。



そしてこれは裏技なのだが、実は平戸島南部と佐世保との間には、一日3往復のフェリー航路が就航している。




「前津吉に15:00までに到達できれば、船エンドも可能ですね」
「救済策があったわけだな」


野母商船グループの子会社・津吉商船が運行しているその船は、島南部の前津吉という港から出航している。これを活用することで、復路のアップダウンをキャンセルすることが可能である。




「もっと早くに知っていれば……」
「たびら平戸口駅を詣でることができたのですから、良かったと考えましょうよ」






この前津吉に、15:00までに到達できればエスケープが可能らしい。






Mission3:新さんふらわあ  さっぽろ(20250329)





「完全な雨ライドだったな」
「まったく……  無茶するんだから……」






しっとりを通り越してびちゃびちゃ。



このときは、既に一週間前から天気が悪いことが確定していて、どう祈ったところで雨ザーザーは避けられないと感じていた。




「だから思い切って、カッパの耐久試験に振ったんだ」
「まあ、どこかで必ずやらなければいけないことではあるのですけどね」


岡山に行ったとき(このときも予報的に雨確定だったので)ポンチョではなくカッパを持参した結果、雨確定のライドに於いてはこっちのほうが有用であることを確認できたので、新しいカッパを新調した。今回はそのシェイクダウンとなったのだが、




「わたしを置いていくという選択肢もあったと思いますが?」
「え?  置いてってよかったの?」


もちろん、そんなことする訳なくて。それに、このときは妹が帰省してくれて留守番を買って出てくれたから、是が非でもエルコスさんを稼働させたかった。お陰で雨ライドの経験値は増えたし、雨ライドにおける装備品の有用性を確認することができた。





島忠で買った4000円くらいのやつ。かなり有能。あとキャップはあったほうがいい。






「問題はカメラなんだよな」
「GoProは浸水しましたし、インスタ360は雫でレンズが不具合を起こしてしまいました」






雫で画面は歪みまくり。



ほぼ1日中のライドで、走破距離は100キロを優に超えた。その結果、撮影機材側に課題が出た。特にどちらのカメラにも共通して言えるのが、レンズについた雫をどう拭うかという問題である。

今までは面倒くさくて、適当にグローブで拭ったりしていたのだけれど、限度を超えてグローブもびちゃびちゃになってくると、拭ったところで拭いきれなくなる。そして、レンズ保護のために装着していたレンズガードも、雨の日はとんでもないことに。





その結果がこれだよ。






「見るに堪えない画像が残った」
「これはひどいwww」


ドロップハンドルがおかしなことになっていた。今回、社外のレンズガードを装着して使っていたのだけれど、拭いきれない雫と内側にこもった湿気が悪さしたようで、360度モードがシームレスにつながらないという現象が起きている。




「公式のほうでも、水中での使用はレンズガードを取り外すように、と書かれていますね」
「レンズ破損でビビッたのが裏目に出たか」






まあこれじゃあどうにもならんか……



よって、GoProにしてもインスタ360にしても、雨ライドのときは如何にレンズをクリーンにできるかというのが重要な課題となる。次回の雨ライドの際は、セーム生地のレンズ拭きを用意してみようかと思うのだが、




「普通のタオルだと水吸っちゃって後半で役に立たなくなる」
「ですが、拭き過ぎもよくありませんよ。レンズを痛めます」






余談だが、このとき自転車は我々だけだった(そりゃそうか)。



それで、大洗からの夕方便に乗って、さんふらわあ北海道航路のスタンプをゲットするのだが、この航路において自転車持参での乗船の際には、ひとつ気を付けなければならないことがある。




「北海道航路は、輪行での乗船を公に認めていないらしい」
「それでは、どのように乗船したらよろしいのですか?」


方法としてはふたつあって、車両として乗せるか、受託手荷物扱いで乗せるか、である。輪行袋に入れてある場合は後者ということになるが、実はここに料金のからくりがあり、





今回は車両扱いで。そしてこの画質よ……






「受託手荷物の料金のほうが少し割高ですね」
「そうなのよ」


車両として甲板預かりにすると、その料金は2000円か2500円。対して受託手荷物は通年で3000円かかる。つまり、この航路に於いてはむしろ輪行しないほうが安くつくのである。

もっとも、関西航路は無料なのにー……  という思いはちびっとあったが。




「解せぬ」
「東京九州フェリーの時も運賃がかかったじゃないですか。仕方ないですよ」






これで残りは納沙布岬だ。






Mission4:本土最東端  納沙布岬(20250629)





「……で、これでコンプリートだ」
「何とか全部回れましたね」






このとき母の没後だったので、喪章を装着した(父のときもやった)



納沙布岬へのアプローチであるが、今回は釧路空港に飛んだあと、花咲線を使って根室まで輪行し一泊。翌日早朝にアタック、というプランにした。これは、中標津空港便の運賃が割高かつ満席であったことが大きい。




「普通に考えると中標津一択なのでは?」
「その通りなんだけどねー」






釧路発着だと呑み鉄ができるってメリットがあるにはあるのだが。



2025年現在のダイヤに拠れば、羽田からの便が中標津に到着するのが14:15。中標津から根室市街までは80キロくらいなので、アベレージ20で走っても4時間ちょっとで到達ができる。この時期だと、完全に陽が落ちるのは19時過ぎくらいなので、




「全然、間に合いますね」
「まあ、途中で力尽きたら厚床から輪行でもいいし」






これくらいの明るさのうちに到達できるようなイメージ。



余談だが、このときは母の没後かつ忌明け前ということもあって、この時期に納沙布岬アタックするかどうか、ギリギリまで判断できなかった(結果的には来訪したものの)。




「お母様も、わかってくれますよきっと」
「ありがとうよ。……だといいんだけどね」






根室市街から納沙布岬までは、実測でだいたい1時間30分あれば到達できる。



こうして、納沙布岬のチェックを獲って、規定数をコンプリートした。なお、納沙布岬のチェックは、根室市北方領土資料館にある。ここの営業開始は9時からなので、それより前はマーカーの読み取りが出来ないのかな、と思ったのだけれど、





営業時間外でもチェックできるので、是非とも掲示はこういうテンプレートでお願いしたい。









エニシングOK









「こうしてくれると、24時間いつでもチェックできるから助かる」
「佐世保のしかまち活性化施設は、屋内にありましたからね」






話は変わるがビワイチの長浜港も、できればこのテンプレでお願いできれば(チェックがシャッター内にある)。






戦利品





「で、認定証と粗品が届いた」
「これ、前回と同じじゃありませんか?」






クリアフォルダ、認定証、ステッカー、カレーが2種類。



まあ、こういった企画の景品は、往々にしてガムボールになりがちであるが、当然、参加者だって自己満足でやっている訳で。




「つまり、少なくとも332人の同志がいるわけですね!」
「日本もまだまだ捨てたもんじゃないってことだ」






この記事書いてる7月29日現在で、完走者が400を超えていた。やべぇな……



なお、前回の企画の時も、抽選で若干名にだいぶランクの高い客室が当たることにはなっていたのだが、当然のように当たらず




「だめだったかぁ……」
「我々が完登した時点で383人も同じことしてる人がいたんだぞ?」


なお、第二弾の企画は2025年9月末日までなので、頑張ればまだ間に合うかもしれない。





これが最終スコア。






ポストスクリプト


私事だが、つい先程、四十九日の法要と納骨を終わらせてきた。





東京の盆は7月だったので、微妙な差で今年は新盆とならなかった。






「お疲れさまでした」
「まあまあ、我ながら頑張ったよ」


今年に関して言えば、この件によって出撃回数は大幅に低下した




「本当にごめんよぅ」
「何を言っているのですか!?  お母様の介護のほうが優先でしょう!?」


さすがにエルコスさんにも申し訳なさ過ぎたので、前々から考えていたホイール交換に着手した。といっても、今まで大会出場時に履いていたキシリウムプロを常用に切り替えただけだが。





封印解除ということになるが、実質バフがかかった状態が継続する訳で。



今まで履いていたオープンプロも決して悪くはなく、むしろ頑丈さと適度な負荷が旅用途には向いていたのだけれど、考えたらワタクシめも45歳。そろそろ楽を覚えたいお年頃なのだ。




「仕方ないですね、これで我慢して差し上げます!」
「なんだかんだ言って、嬉しそうじゃんアンタぁ」


その直後にやってくる、鋭く尖ったエルコスさんの「お黙り!」  ……これもしきたりさ。





改めて見てみると、キシリウムも見た目スッキリしていてそんなに悪くはないな……



……とまぁ、皆様のおかげでこちらも一段落つき、併せてこの常軌を逸したスタンプラリーも片付いた。願わくば、







第三弾、はじまりはじまり〜






みたいなことが、本気で起きないことを願いたい。




「でも、やってしまわれるのでしょう?」
「なんとかなっちゃうのよこれが」






正直なところ、こういう無茶な企画がモチベーションになっていることは否めない。



実際問題、最寄りの空港まで飛んで、レンタカーを借りてしまえば大体の場所はどうにでもなる。エルコスさんと一緒に、となったときに、難易度がカチ上がるくらいだろうか。




「何より、佐多岬は日帰りだとだいぶきつい」
「他の3箇所は、まだ公共交通機関を活用することができますからね」


とはいえ、ホントに第三弾が開催されたとしても、きっと何とかしちゃうんだろうなぁ、とかは正直思っている訳で。





ようやくoyaji殿と一緒になれた。












TITLE:第二弾、総括
UPDATE:2025/07/30
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