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355:佐渡オータムライド2024



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。






本日のルート (powered by Ride With GPS)






イントロです。



佐渡ロングライドが終わって、帰京した翌日、ひとつの大会にエントリーを済ませた。





つまりこのときの続きになります。



エルコスさん曰く、「130キロカテゴリーを走る、もうひとつの方法」とのこと。近年、佐渡ロングライド(以下:「5月の大会」)以外にも、佐渡を走れるイベントがいくつか開催されるようになった。それがこの、我々が秋佐渡と呼んでる佐渡オータムライド130である。




「委細をまとめましたので説明しますね」
「こんな時間から出発するの、久しぶりだなぁ」






尾久から始発に乗るのも久しぶりのことだ。



5月の大会のBカテゴリー、すなわち大佐渡を一周する130キロのコースを使って開催されるこのイベントであるが、驚くほどネットに情報が上がっていない。公式webサイトですら、おおざっぱな内容しか掲載されていない。なので、公式から要項が郵送で送られてくるまで、ホントに開催するのかどうかすら半信半疑だった。




「意図的かどうかは不明ですが、あえてそうしている可能性が出てきました」
「大々的に宣伝を打たない理由?」






とりあえず、呑みながら話を聞こう。



webの海原を探しに探したエルコスさんによって、タウン誌の記事にソースをみつけた。曰く、このイベントの真の目的は、




「佐渡の主要な大会にボランティア参加されている方たちに向けた大会のようです」
「マラソンと、ロングライドと、OWSと……」


考えてみれば、4月のトキマラソン、5月のロングライド、7月のOWS、9月のトライアスロン、このいずれもが全国から猛者が集結するビッグイベントな訳で、多くのボランティアの協力がないと成立しない。地元の愛好家の中には、「本当であれば自身も出場したい」と考える人がいてもおかしくない話だ。




「四大大会が落ち着いたくらいの時期だから、参加もしやすいのか」
「お手伝いいただいたお礼、という意味合いがあるイベントということでしょうか」


こうして、初期は比較的ローカルに開催されていたが、現在では地域外の愛好家にも門戸を広げ、秋の佐渡を楽しんでもらおう、という趣になったようだ。なので、大々的に宣伝打って島外からの参加者で枠が埋まってしまうと、それはそれで本末転倒になってしまう。





高崎で乗り換える。



このイベントがあまり知れ渡っていない理由がよくわかった。ところで、参加定員は300人とアナウンスされていて、




「圧倒的に少ないんだけど」
「とんでもない猛者が集結しているのでしょうか?」


この時点で色々ポンポン痛くなりだした。300人のガチ競技者が勢ぞろいとかじゃないだろうね?  フィニッシュ関門16:30とか書いてあるけど、もしかしてフェイクなのか……?





水上からは国境のトンネルを越えて、一気に長岡へ。






「まあ、きっと大丈夫ですよ!」
「無様な結果にならないように頑張るか」


今回、いつもの相方・renas先生は棄権。出がけに「レポよろしく」と託されてきたので、どんな雰囲気の大会なのかしっかり見てこようと思う。





長岡からの快速では座れず、ずっと立ちっぱなし。



……で、わざわざ始発の各駅停車で新潟を目指している我々。これで乗り継ぐと、いつもの12:35のフェリーに絶妙な接続ができる。また、新潟市街滞在時間が確保できるので、せっかくだからあそこに立ち寄る。





新たなる新潟の名所。






「バスセンターのカレーって、今まで食べたことなかったんだ」
「昼食の頃合いですね。是非寄っていきましょう」


昔ながらの黄色いカレーが楽しめるバスセンターの立食コーナーだが、今では知名度が全国区レベルで、昼食時とあって長蛇の列ができていた。





大盛況。






「これ、船の時間に間に合うのでしょうか?」
「まあ、ギリギリ大丈夫だと思う」


とりあえず並んでおけば順番はすぐに回ってくる。ミニカレー430円+かけそば370を注文し、ミニカレーの概念を考えさせられるサイズのカレーが出てきた。




「これミニカレーで充分ハラが満たされる」
「おそばと一緒だと、ちょっと多い感じですね」


恐らくカレー粉でルーを作り、ターメリックとスパイスを多く入れたカレーは、ややポッタリした感じの懐かしい味がするカレーだった。





ミニで充分に1食分ある。






「これ、ソース入れると味が引き締まる類のカレーだ」
「ソース、普通にありましたよ」


今でこそカレーといえば星の数ほどバリエーションがあるが、こういうカレーも捨て難い。きっちり完食して、時計を見ると、時刻は12:05。




「出航まで30分です」
「新潟港までは10分くらいだから、まあ大丈夫でしょう」






港へ急げ。






伝説の宿



さて、新潟港に10分で着き、エルコスさんを袋詰めにしたところで、時刻は12:20。




「5分も輪行する時間が確保できた」
「……何かがおかしい」






慣れれば両輪外して5分で余裕でした、ってなる。



ただ、ここ10年に渡って輪行で佐渡入りしてないので、運賃の他に手荷物券520円が必要だってことを失念していた。




「何しているのですか」
「うっかりしてた」






結構混んでる。



慌てて手荷物券を買い、ようやく乗船。本日の配船はトッキーだった。




「今年、トッキーに乗れるとは思わなかった」
「5月の時は、数年ぶりにお姐さんの方でしたからね」






佐渡汽船の次女。



どうやら、時期によってときわ丸とおけさ丸の配船が入れ替わるらしい。今まで12:35新潟発は、高確率でときわ丸だった。





タイミングにも依るらしい。



銅鑼の音と共に、12:35新潟港を出港。今日は朝が早かったので、ここらでひと眠りしておく。




「新幹線をお使いになればよかったのでは?」
「言うなって。色々散財してて軍資金が足りないのよ」


さて、ひと眠りして目を覚ますと、既に両津港に入港していた。





実に5ヶ月ぶり。



15:10下船。そしてすぐにエルコスさんを元通りにする。今回のイベントの受付は、ここからすぐ近くのおんでこドーム内にあるらしい。




「お、盛り上がってるな」
「……どうやら自転車のイベントではなさそうですが」






飲食のイベントが開催されていた。



おんでこドームでやっていたのは、さど食の陣。飲食関連のイベントらしい。それではオータムライドの受付はどこだ……?





受付って書いてある。









ちんまり。









「もつ煮の屋台と兼ねてるみたいだwww」
「自転車のイベント感が皆無ですねwww」


しかも、受付も名前を言うだけでOKというユルさ。




「参加人数が多くないから可能なのだと思います」
「逆に新鮮だわ」


ちら、と参加者リストを見させてもらったが、この日に開催されていたヒルクライムの出場者と合算しても、明日のイベントの参加者は200に届くかどうからしい。




「これはこれで、手作り感があっていいね」
「どうしても参加者数が多くなると、オペレーションも複雑になりますから」






受付でもらったもの。



受付時に、脚に装着するセンサーと飲食の割引チケット、ゼッケン類をもらった。これはいつも通りである。

それでは、宿に入って明日の準備をしてしまおう。





とりあえず安さだけで押さえた。11畳あるらしい。









迸るおばあちゃんの家感。









「うん、東鹿越でSTBやったときよりかは数倍イイ!」
「……大先生が良いのであれば構いませんが、本当に大丈夫ですか?」


大丈夫だ、問題ない。どうせ準備終えたら酒飲んで寝るだけだし。








【資料映像】東鹿越のSTB。






佐和田まで。



明けて翌日、6:10におんでこドーム入り。





ホントにイベントやるのか、ってくらいの閑散っぷり。



当日受付のブースが開いていたが、ここで飲み物と塩タブレットを補給できるほか、未使用のボトルももらえることに。





いいんですか?






「たぶんトライアスロンのときの余りなんだろうけど」
「サービスが豊富じゃないですか!」


あと、有料だがモツ煮が供されていた。これは恐らく、食の陣用に準備しているヤツだと思うが、うまそうなので朝飯代わりに。そして実際に、うまい。





一杯500円。






「安定のうまさだ」
「幸先がいいですね!」


そうこうしているうちに、参加者がぽつぽつと集まりだした。参加者の層としては、ガチ競技勢はほとんどおらず、それどころか地元の高校生とか、親子で参加している小学生とかもいて。




「参加資格は、小学生以上と書いてありますね」
「とんでもねぇ英才教育じゃないか」


先述のとおり、元は地元の愛好家に向けたローカルなイベントである。参加者の層を見て、それを再認識した。





中学生や高校生の参加者が割と多くて驚いた。



ちなみにローカルな部分を深掘りすると、イベントのスタートもゆるっとした感じだった。




「あ、始まったみたいです」
「ユルいなぁ〜」


7:00おんでこドーム発。運営のほうからカウントダウンが始まり、時間ぴったりで一斉にスタート。まとまった台数でのウェーブスタートなんて洒落たものはこのイベントには存在しないらしい。





この台数が一斉に動き出す。






「だから、アレだよ。参加者側も紳士でなくちゃいけないやつだ」
「一丸となってイベントを構築していくタイプですね」


なので、見方を変えるとこのイベント、ロングライドイベントの中でも







上級者向け






と呼べるかもしれない。名立たるロングライドイベントでよくある過保護なまでのオペレーションは存在しないし、そもそも求めてもいけない。必要最低限のオペレーションの上で、参加者自身が工夫して楽しむ、というマインドが求められる大会なのだと感じた。




「割とこれくらいのほうが好きかもしれない」
「ご接待を期待している層には、物足りないかもしれませんね」






序盤はダンゴ状で。



さて、開始早々考察から始まったが、おんでこドームをスタートしてすぐに、佐渡の丘陵地帯へと入っていく。





田園地帯を往く。



確かBカテゴリーの説明で、両津から佐和田までは補給箇所がないみたいな記述を見かけたことがある。




「確かに、商店とかなさそうだな」
「田園地帯が続いてますね」


道としては、適度過ぎるアップダウンが連続する田舎道で、100キロ走った後のこれなら確かにシンドイかなぁ、と感じる。今回は序盤で脚がフレッシュであることもあって、労せずに走れる。





いいペースで走る中学生を発見。






「中学生でしょうか?  結構早いですね」
「ちゃんとロードバイクだ。英才教育だよなやっぱり」


道はいつの間にか、広域農道に入っていた。道なりに進んではいるが、地図を見ると結構入り組んでいて、初見だと迷子の心配を感じた。




「案内標識は出ているみたいですね」
「見落としそうなサイズだな。気を付けないと」






こんな感じの案内板が出ている。



あと、この沿線のいくつかの箇所では、一時停止を強いられる交点がある。たいてい見通しに問題がありそうな箇所なので、面倒でも停まろう。





交通ルールを守るのは言わずもがな。



県道81交点を過ぎたあたり、真楽寺への登りは要注意で、アウターのまま突撃を仕掛けると途中で詰む程度の長さを持っている。




「うん、詰んだわwww」
「すぐにインナーに落として!」






徐行の標識、久しぶりに見た。



区間において登りでヤヴァそうなのはここくらいのもので、あとの登り区間は距離が短いか勾配が緩いかのどちらかである。そして、真野御陵橋まで来ると、真野の市街地を一望できる景色が楽しめる。




「写真、撮る?」
「はい!」






これからあの向こうのほうに往く。



さすがに大会中に三脚は持てないので、今回はエルコスさんだけで。そしたら、後続してきた見るからにトラ屋のお母さんから







ジャージを褒められた。










トラ屋の母。






「そういえば、痛ジャージ勢、今回は見ませんね」
「全盛期と比べても、全体的に母数は減ったと思う」


なお、言うまでもなく今回もあんちくしょう。このジャージも世に出てからもうかれこれ14年近く経つらしい。




「何せ「チルノジャージ」でぐぐっても、同種の個体がヒットしなくなった」
「時代ですよね」


さて、御陵橋を過ぎると急な下り坂を経て、県道65交点に出る。ここを右折すれば、尾畑酒造のすぐ脇くらいに出てきて、さらに右折してR350だ。





5月の大会では、ここでAとBが合流する。



交点で信号待ちをしていたトラ屋の母の車列に混ざる。ここから先は勝手知ったる道で、5月の大会ではフィニッシュポイントだった佐和田までは、ほぼ平坦な道を一列になって走るだけ。





ちょっと前に出てしまおうか。



国府橋の登りで車列を抜けだし、トラ屋の母に引いてもらう形で佐和田のエイドに着く。時刻は8:14で、およそ30キロの距離を1時間14分で走り切ったことになる。




「良いペースですね」
「佐渡の良いところが味わえた」






海水浴場の駐車場がエイドになっていた。



そういえば、佐渡の良い所は?  みたいな問いに対して、ロケーションやコースの難易度といったことを返すことがあるが、信号が極端に少ないこともあったと思い出した。実際、ここまでの区間で信号待ちをくらったのは、真野でR350に出るところと、その先の三差路の2回だけだ。

そんな走りでのある佐渡であるが、佐和田のエイドでは豚汁とおにぎり、漬物が供された。





最高の朝食。






「あ、コンビニおにぎりですよ!」
「参加人数が少ないからできたのかもしれないな」


5月の大会の話だが、コロナ禍後からエイドの提供が細りかけていることを危惧し、アンケートなどで「地域の商店と提携しては?」  的なことを書かせていただいた。運営母体は違えど、おかげで今回は食料難民になることはなさそうだ。




「朝ごはんにちょうどいいですね」
「適度な塩分も有り難い」






巨大な日時計があった。






そして誰もいなくなった。



8:26、佐和田を出発。





こんな明るい時間帯に通過することになるとは……



ここから先のルートは、ほぼ佐渡ロングライドのルート通りなので、どんな感じになってるのかは存分に存じ上げている。稲鯨を経由する海沿いのルートで、アップダウンもその区間に集約されている。





早くも、火力発電所がある二見の集落まで来た。



なお、参加者全体で見ると、我々はだいぶ前のほうにいるらしい。




「先程の中学生たちですら、まだ佐和田に着いていませんでした」
「悪い癖がまた出たな」


恐らくそれが理由だと思うが、辺りを見回しても他の参加者を見かけない




「だいぶバラけたようです」
「ソロライドになっちゃったな」


こりゃ、次回の参加の際には縛りプレイでもしないと、フィニッシュが早過ぎる問題が出そうだ。




「まあ、それはそれで楽しそうだけど」
「いずれにしても、少しペースを落としましょう」


という訳で、気持ちペースを落としながら、稲鯨へ。毎度おなじみ敷島荘さんがある地区だ。





懐かしい景色。



佐渡ロングライドでも、最初の難所として現れるアップダウン区間だが、無理せずインナーを多用していけばいい。





ようやく前走者を捉えた。



夫婦岩の手前で、先行する参加者を捉えた。そして抜いた




「なんで追い抜いちゃうんですかーっ!?」
「すまんいつもの癖で……」


悪癖は簡単に治らないらしい。仕方ないので相川の手前、春日崎の高台で撮影タイムにする。思えば、こんな感じで撮影タイムに入ることなんて、相川周辺ではしたことがなかった。





ちょっと寄り道しとこう。






「5月のときと比べて、余裕がありまくる」
「よろしいではないですか」


そして、手頃な位置に東屋というオブジェクトを発見したので、




「この角度でいけそうですね」
「とはいえ、なかなか難しいな……」






14年目のあんちくしょう(さっき褒められた)



で、ちょうどこの位置からだと、相川の市街地を見下ろすことができる。5月の大会だと、最初のエイドがある街だ。





佐渡金山に最も近い街。



毎回、相川のエイドはスルーするので、いつも蕎麦を食べ損ねていた。今回は堪能していきたい。




「おかわりとかできるかなぁ?」
「ワクワクしてるじゃないですかw」






デイキャンプと言ってはいけない。我々の重要な生命線なのだ。



9:08相川エイド着。ローソンの駐車場に小さなテントが建てられ、そこがエイドとなっていた。秋佐渡のエイド全てに共通しているが、エイドの規模は小さめで、どちらかというと家庭的な感じがする。




「参加人数に合わせたような感じですね」
「小さくったって、普通のエイドと何ら変わりないじゃないの」


もちろん、飲み物と補給物資の提供があり、さらに相川では、名物のわかめそばが戴ける。





麺類はサイクリストを救う。






「汗で抜けた塩分が戻ってくるわぁぁ」
「塩分は正義ですよ」


ところで、相川にローソンが出来たのは知らなかった。5月の大会の時も見かけたが……




「2018年ですね、オープンは」
「えっ、マジで!?」






2018年に撮影した動画より切り抜き。確かにローソンあったわ。



むしろ今まで気づいてなかったのか、という。





そして気付いた。これ、県道45号からもアクセス可能だ、ってことを。



ただ、相川でコンビニが使えることで、大会中に不測の事態(センサーの電池切れだったり補給食の仕入れなど)が発生してもリカバリーができるようになる。これは結構デカいのではないだろうか。




「まあ、スタート前にすべての準備を整えるのが正しいのですけどねー」
「悪癖は簡単には直らない」


さて、3杯ほど蕎麦を堪能したところで、ハタ、と気付く。ここでおかわりしまくると、後から来る参加者が喰いっ逸れるのではないか、と。





女の子がスタッフだったので、良心の呵責も正直あった。本当にありがとう。






「程々にしないと」
「足りない分はいつも通りソフトクリームで補うか」


佐和田後発だったトラ屋の母の到着を見届けて、相川エイドを出発。次は20キロ先の入崎エイドになる。





地形に荒々しさが出てきた。



ここから先、大佐渡の荒々しい地形が連続する区間が続く。トンネルで山を貫く区間すらある。




「日本海の海岸線、なかなか魅力的ですよね」
「荒々しさと侘しさが同居してるんだよ」


そして天気も良くなってきて、青空が広がるように。





青空だ……






「ちょいちょい撮影しながら行こう」
「ナイスアイデアです!」






いい景色だ……



さて、今回の大会は10月開催なのだけれど、よくよく見ると秋の足音があちこちに出始めている。





ちらほらと。






「少しずつ、色づいてますね」
「もう1ヶ月ずれてれば、もっと真っ赤なんだろうけどね」


実際のところ、近年の異常気象のせいか今日も気温が高く、紅葉が始まるような気温とは程遠い。朝晩はそれなりに冷え込むが、日中は長袖インナーがいらない程度に暖かい。




「まあ、夏のバカみたいな暑さじゃないのは有り難いんだけど」
「少々、寒さが恋しくなりますね」






長いトンネルがあるので、テールライトもONにしておく。



で、なんやかんや世間話をしているうちに、入崎エイドの手前まで来た。




「あ、あの橋の欄干とか、イイ感じじゃないですか?」
「もうマリオの無限1UP状態だなwww」






無限1UPできるところはマイニングによって無数に発見できるらしい。



10:06、入崎エイド着。ここでは5月の大会のときと同じく、スイーツが供された。





5月の大会でも、ここはスイーツ・ステーションだった。






「せっかくだから全部戴こう」
「堪能してますね」


毎年、キャンプ場の駐車場に設定されている入崎エイドは、他のエイドと比較してもキャパシティが大きく、相川は狭いので入崎まで頑張るという参加者が一定数いる。





スッキリ。









贅沢な土地活用。









「過疎ってるな」
「いやいや、我々が早すぎるのと、参加者数と土地面積がですね……」


5月の大会のキャパは2000人近くなるが、今回はその1/10程度。そりゃこうなるのも致し方ない。……ところで、この光景を見ていて、別の問題に気付いた。




「ホントに他の参加者を見かけない」
「先程撮影で停まった時に、ちょっと抜かれたくらいですね」


この問題は、進めば進むほど顕著になった。とにかく参加者と交わらないのだ。





そういえば、ほとんど参加者を見ない。






「どこまで行ってもソロライド」
「集団で走るのを善とする参加者には、きついでしょうね」


もちろん解決策はある。一つ仮説を立てると、ペースを落としてみるとか。

今回、初見ということもあって、それなりのペース(とはいっても普段の大会ペース)で走っていたが、もう少しゆっくりめでも問題なさそうだということは判った。




「舐めてかかっているわけではないのだけど……」
「走り以外のTipsをもっと盛り込まないといけませんね」






ちなみに、Tipsのひとつは、撮影タイムをバンバン入れること。



さて、ソロライドを継続しながら関岬までやってきた。このあたりで先行する参加者に追いついたが、今度こそ追い抜かないようにしよう。





登りで追いついちゃうんだよね……






「ペースが合わなくて走りにくいなぁ」
「撮影で停まりながら調整してみては?」


それならば、と、ちょいちょい停まって撮影タイムを挟んでみた。





なんか面白い漢字を見た。






「www。エルコスさん、これ何とwww」
「……ハゲですねwww」


正しくは「はげのたか」と読むらしい。このトンネルを抜けると、いよいよ跳坂だ。




「もうみんなZZ言うから正式名称で呼ぶことにした」
「天邪鬼ですねwww」






Zの形をしていることで、水木一郎ナイズされてしまった坂。



Z坂の由来は、その見た目ということになるが、これを最初に言い出したのが誰か、という情報が実はほとんどない。自転車界隈、あるいはトライアスロン界隈で自然発生し、それが世に広まった、という感じである。

そしてこのあたり、外海府海岸地域というらしいが、実は日本の秘境100選に選ばれるほどの秘境らしい。




「ここまで秘境感のない秘境というのも珍しい」
「毎年来ていればそうなりますって」


さて、それでは登頂にかかろうか。いつも通り、第1ターンまでが勾配きつめで、特に序盤の五段の滝付近が10%近い勾配になる。





第1ターン。ここもまあまあエグイ。



第1ターンをクリアすると、トンネル手前の撮影スポットになる第2ターンまでは、案外すぐ着く。




「跳坂コレクションを増やそう」
「天邪鬼なんだから」






様々なメディアで取り上げられる、よく見る景色。



第2ターンを抜けてトンネルを潜り、右カーブの後にもうしばらく往くと、ようやく登り区間の終了となる。高低差はこの区間だけで130強になるらしい。




「少し下った先に、海府大橋があります」
「そういや、この橋も毎回スルーだったな」






いつもは猛スピードで駆け抜ける橋。



この橋の真下くらいに、大ザレの滝という瀑布がある。ただ、橋の上からだと当然ながら見えない





どこだよ。






「うん、わからんwww」
「船を出してもらうしか、見ることができないかと」


ただ、調べてみるとこの崖を自力で上り下りする猛者はいるらしく、webの海を漂うと、案外滝の全貌を拝むことは容易である。




「リアルに見るのは難しそうだな」
「まあ、わたしは直接見ることは不可能です」






真更川の集落まで来た。



程よく前走者との間隔が取れたみたいなので再スタート。このあとは真更川の集落を抜けて高台から一気に下り、その後は大佐渡第二の難所である、大野亀だ。





ガツンと下る。



そして、この区間を走っていて気付いたが、急な下りのヘアピン部分に用意されていたクッションが、今回は用意されていない。




「参加者にもプロ意識が求められてますね」
「無理しないで、きっちり減速していこう」


安全面を考えると、暴走時に身を守ってくれるクッションは必須なのだが、当然、準備をするのに手間とコストは発生する。我々参加者が下手を打って事故を起こしてしまうことで、運営の負担が増えてしまうことを、常に肝に銘じておかなければならない。




「やはり上級者向けのイベントだ。……だがそれがいい」
「初心に帰れますね」


さて、大野亀手前で、またもや先行者に追いついてしまった。





手彫りのトンネルをいくつも潜り抜けて。






「なかなか難しいな、ペース配分」
「もう少し撮影タイムを挟んでみましょう」


……で、写真を撮る。





良いコントラスト。



撮りまくる。





今、まさに旅をしているのだ、と。



これでもか、と撮りまくり、





あの巨岩が大野亀。









後続が全然来ない。









「ミスコースでもしてしまったのだろうか?」
「いえ、合ってますよ?」


まあ、大野亀ロッジでソフトクリーム食べているうちに、少しくらいは追いつかれるのかもしれない。その大野亀ロッジには11:44着。





ここではお馴染みの……






「今年のうちにもう1回ソフト食べるとは思わなかった」
「あ、追いついてきましたよ?」


読み通り、ソフトクリーム休憩をしていると、後続の参加者が大野亀の登りを駆け上がってきた。そして、こちらと目が逢い、







みんな停まる。










釘付け。






「道路の真ん中で食べてるからですよwww」
「いや、まあ、ここのソフトクリームは法律なんで」


ただ、次のエイドはここではなく、もうちょっと行った先の二つ岩ビューホテル。正直な話、ソフトクリームが目的でなければ、とっととエイドに駆け込んだほうがいいかとは思う。





余談だが、大野亀の頂上には善宝寺の石塔があり、航海安全の守護神が祀られているそうだ。



その最終エイドとなる二つ岩ビューホテルには12:01着。この辺りがだいたい100キロポイントとなる。




「残り、約30キロです」
「もうここまで来ちゃったか」






ここが最後のエイドになる。






悪い癖の共有



二つ岩エイドでは、手作りのカレーが振舞われた。





麺類もいいがカレーも捨て難い。






「5月の時よりも、食事が豪勢ですよね?」
「圧倒的に」


もちろん、5月の大会と比較するには、条件面がまるで違うのでどちらが良いとかは答えにくい。なぜなら、この秋佐渡にも欠点はある。




「沿道の盛り上がりは、圧倒的に5月のほうだ」
「ほとんど声をかけられませんでしたね」






5月の大会のときは、このあたりに施設エイドが立っていたのだが……



例えばTDTとかは顕著だが、沿道の応援というのが、この秋佐渡ではほとんどなかった。どちらかというと、ストイックに自分との戦いを楽しむような感じ。なので、秋佐渡で大会デビューした後に他の大会とかに出たら、そのギャップに驚くだろう。




「ロングライドイベントに飽きてきた層には、刺激になるかもしれない」
「故に、上級者向けである、と」


具沢山のカレーを、あんちくしょうに垂らさないように慎重に平らげ、いよいよ最後の区間に突入する。





大佐渡の最北部は、一部で道幅が狭いまま。



……といっても、鷲崎から内海府海岸にかけて、ちょっと起伏に富む地形がある他は、ほぼ平坦な海岸線を南下するだけであり、ぶっちゃけここが一番捗る




「大先生、まだイケますよね!  もっと回せますよね!」
「悪い癖は簡単に治らないwww」






あっという間に20キロ走ってしまった。



そうこうしているうちに、前方はおろか、後方を見ても、





ポツン。









だれもいない。









「あぁぁ、わたしも悪い癖持ちだったかぁぁ」
「次回はアウターリング外して参加だなこりゃ」


結局最後は、ほぼほぼ仏契みたいな状態で両津まで帰ってきた。おんでこドームには13:29着で、トータル6時間29分でのフィニッシュだった。





終わってしまった……






「ネットアベレージ20キロなのですが」
「やりすぎたwww」


ちなみにサイコンのデータも引用すると、実走行時間5時間28分で、グロスアベレージは24.2キロだった。つまり、グロスアベレージを確保しつつ、より秋佐渡を楽しむためには、エイドの滞在時間や撮影タイムを増やして、ネットアベレージのほうをもう少し下げればよい、という結論になった。これなら、道中のペースを無理に調整しなくてもよくなる。




「まあ、何にせよ、楽しかった」
「ですね」






豪勢な昼食になった。



完走後は、ばらちらしが振舞われるほか、食事券を行使して相川で食べ足りなかった蕎麦を堪能した。




「上級者向けとは言ったが、俺的には接待麻雀の感覚なんだが」
「あちこちで沢山食べましたからね」






お疲れ。






ポストスクリプト



そういえば、受付時に配られていたセンサーだが、スタートとフィニッシュの通過チェックだけでなく、記録証のタイム計測にも使われていたことが判明。





よくよく思い返してみたら、5月の大会の完走証にもタイムの記載はあった。






「大先生、タイムが記録されてます!」
「あっ、ホントだ!」


つまり、5月の大会などでも通過チェックのセンサーが取り付けられていて、通過タイムを検索することができるのだが、頑張ればその場で完走証に印字することは、技術的には不可能でない、と。

……その話を、ソッチ系が本職のrenas先生にしたところ、




「スタッフ倒れるぞ。短時間で何千人分印刷させるつもりだよ」
「なるほど。だから5月の大会はweb出力だったのか」






実際にやろうものなら、伝説の弁当バイキング事件のそれでは済まないだろう、と(画像は5月の大会の受付時のもの)。



恐らく今回の規模であれば、データを読み込んで即時印刷して、すぐ手渡しが可能なのだろう。仮に待ち時間が発生したとしても、参加人数は限られているし、それに同じ会場で食のイベントやってるから印刷待ちも退屈しないで済む。





歌謡ショーもあって盛りだくさん!



ロングライドイベントについて色々と学ぶ機会にもなってしまった。





時間が許すなら、朝方邂逅したあの中学生たちのフィニッシュ見届けたかった。



帰りは16:05発のフェリーに乗る。ジェットフォイルは全便満席で、この船が東京に帰着できる最終便となる。




「帰りは姐さんか」
「両方乗船できましたね」






帰りはおけさ丸。



今まで佐渡といえば後泊が必須で、どうしても月曜は休暇を取得しなければならなかったが、このイベントであれば土日で完結できる。佐渡ロングライドの箸休めとして参加してみるのも、悪くないのではないだろうか。





思いの外、島外からの参加者がいたのも驚きだった。












TITLE:秋佐渡
UPDATE:2024/10/15
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