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344:若狭路センチュリーライド2024



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。



本日のルート (powered by Ride With GPS)






寄り道



仕事を終えて速攻で家に帰り、運搬車を西に走らせる。





東名はド深夜でもまあまあ混雑。



佐渡が終わってわずか1週間。走れる程度には脚が回復し、コロナ禍前には普通にやっていたダブルヘッダーを試みることにした。過去に2度出場した、若狭路センチュリーライドにこれから参加する。




「やはり運搬車で往くことにしたのですね」
「宿取るの面倒だったんだよ。あと、現地のアシの問題」


renas先生に言わせれば、「炎天下で走ったあとに500キロ近く運転する奴ァいねぇ」と。正論であることは認めるのだが、結局このスタイルのほうが楽なのよ個人的に。




「ただ流石にrenas先生連れてくるんだったら新幹線だな」
「妥当な判断です。我々が特異過ぎるのです」


で、シャワーブースがある東名牧ノ原SAまで走り、そこで団地して翌9:40、長浜港にいた





別に前乗りビワイチとかじゃぁない。






「折角だから、長浜港のチェックを確認していこう」
「なかなか気軽に来れませんからね」


ビワイチでは、たいてい早朝に通過する関係でチェックポイントの問題をうろおばえの状態で解いていた長浜港のチェックだが(問題自体は見たことがある)、9年振りくらいにちゃんと確認できた。





長浜港のチェックはこの位置にある。






「ボカシを入れておきますね」
「ネタバレはよくないからな」


そして、柳ヶ瀬トンネル経由で敦賀に出て、R27を西に走り、若狭町三方庁舎には13:15着。





前日受付なう。



佐渡の時と比べると小ぢんまりした規模の大会ではあるが(佐渡のエントラントは約2000人、WCRは1200人)、会場は大会前日特有の高揚感に包まれていた。

……で、恒例の前日祭が行われ、無事、ジャンケンに負け、早々に会場から撤収。明日の準備を開始する。





三方五湖の道の駅で団地した。






「補給物資は大丈夫ですよね?」
「抜かりない。こんなん持たされた」






つっつーありがとう。



今回はこれを頬張りながら、果たしてどんな効果があるのか検証してみようと思う。あと……




「大先生、おわかりですよね?」
「適度な量に留めますwww」






余談だが、キャンプ中のエントラント発見。この道の駅では幕営可能。






裏切り



翌5:26、大会会場に到着。





大盛況。



既に大勢の参加者で溢れていた。ここに見えている参加者と共に、これから160キロほど走る。……のだが、ここで衝撃の事実を知る。




「今日は南東からの強い風が吹くそうです」
「マジかい」


思えば昨日から風は強めだった。昨夜団地した道の駅三方五湖の一角、テントサイトがあったが軒並みバタついてた。おまけに南からの風、ということは……




「第3エイドから第4エイドにかけて、向かい風になります」
「うーわー……」






ここの人たちは、これから向い風とバトルする。



あのあたり、三方の平野部をひたすらまっすぐ走る線形だったはず。




「まあ、きっと大丈夫ですよ」
「その自信、どっから来るのさ」






うめぼしマンも応援してくれるからたぶん大丈夫だろう。



さて、恒例のうめぼしマンによる挨拶を経て、6:08三方庁舎を出発。まずはこの大会に合わせて交通規制をかけた、レインボーラインへ。





天気は上々。



普段、歩行者や自転車の通行を認めていない同区間を、この大会に合わせて通行できるようにしている。登り区間はまあまあエグいものの、各所から拝める景色は筆舌し難いほどのものという。




「確か第1チェックがこの区間にありました」
「そこまでは頑張るか」






そこかしこに「梅」の文字。



左手に梅畑、右手に三方湖を見ながら、ダンゴ状態で走る。スタート時は1分間隔のウェーブスタートだったはずだが、結局レインボーラインに向けて脚を温存する参加者が続出。気が付けば大集団が出来上がっていた。




「交通量が少ないからまだいいけど、ちょっと窮屈だな」
「登りが始まると、少しはばらけるかと」






楽園への入口。



で、6:37レインボーライン登頂を開始。なんとこの道、令和4年から無料化したとのこと。




「自転車と歩行者が通行止めなのは相変わらずですが」
「勿体ないけど、安全面を考えるとね」


さて、このレインボーラインの登りであるが、まず区間距離が約4.6キロで、おおよそ310ほど標高を稼ぐ。アベレージにしてだいたい7パーセントくらい。





この路線、まあまあエグい斜度をお持ちで。



特に、入口から旧料金所までの区間で最大斜度約11パーセントの登りが控えている。ここが最初の関門で、旧料金所まで登り切れれば一旦勾配は緩む。




「問題は、このあとてっぺんまでずっと勾配が緩まない」
「アベレージ7を維持しますね」


所々、日本海側の景色がチラ見できる箇所があるものの、基本的には鬱蒼とした森の中を進んでいく。勾配がこんな感じなので、最初から34×25でスタンバイし、脚の様子を伺いながらクルクル回していく。




「脚の様子は如何ですか?」
「今のところ大丈夫そう」


適度に水分と、餞別にと持たされた塩タブレットを口にしながら、スルスルと登っていく。最初は呼吸がツラかったが、徐々にそれも慣れてきた。





高台が見えてくれば、登り区間も終わりが近い。






「あ、駐車場が見えてきました!」
「ようやく一息つけるな」






クローズ。









ここじゃない。









「……アレ?」
「エルコスさぁぁぁぁん!?」


山頂直下にある第二駐車場だが、有料化されたと同時にエイドの指定を外れていた。つまり、最初のエイドはこの先にあるらしい。

問題なのは、ここにエイドがあると信じ切っていた脚と身体が、「もう無理プー」と悲鳴を上げていることだ。




「がんばって大先生!  頂上はもうすぐですから!」
「無理無理無理無理!?」






がんばった。



それでもなんとか登り切り、下り勾配に転じ、途中の駐車スペースに立ち寄る。原則として下り勾配の途中では撮影のための停車は厳禁とされているからだ。





勢いが付くので接触事故は致命傷になる。



なので、こういった駐車スペースで撮るしかないのだけれど、思いがけずいいのが撮れた。

さて、撮影中にリサーチしていたエルコスさん曰く、




「申し訳ありません、レインボーラインを抜けた先に変更になっていました」
「油断したなぁ」






ここだった。



で、その第1エイド、こと美浜町レイクセンターには7:25着。久々子湖に面した、比較的新しい施設である。





久々子湖のほとり。






「どうやらこの先も少しずつ変更箇所があるようです」
「例えば?」


第3エイドの位置が変更になったり、熊川宿に入るルートが一部変更になったり。まあ、些細な問題だし、多少の変更は、まあどうにでもなる。登りの途中にあったエイドがゴッソリ消えたみたいなことがなければ。




「ま、そう落ち込むなって。こういうのも含めて『楽しむ』んだろ?」
「そうです、けど……」


まあ、とりあえずレモネードでも飲んで体力を回復しよう。





まあ一杯飲もうぜ。



さて、ここから第2エイドである水晶浜までの区間、レインボーラインに負けず劣らずの景色の中を往く。





一部区間、どう考えても農道と思しき場所を通る。



特に、敦賀半島西側から若狭湾を左手に北上する区間は、どこか違う国にでも来たかのよう。




「写真撮ってあげるから元気d……」
「本当ですか!」


まったく現金なもんだウチの遷移金属は。





やれやれだぜ。



さて、水晶浜エイドには8:21着。ここでは地元の名産、へしこ茶漬けが供される。





ちょっと変わった撮り方を。






「塩分塩分……」
「今日は補給がうまくいってますね」


ただ、ウマいのはいいのだがいかんせん量が少ない。長靴いっぱいとまではいかなくとも、もう少し食べたいのだが。




「途中、コンビニがあったら寄るかも」
「よろしいじゃないですか。いつものルーティンですよ?」






遠く向こうに美浜原発が見える。



さて、水晶浜エイドを出ると、すぐに半島を横断するように県道33を東へ。現在はトンネルで越える馬背峠を抜けて敦賀市に入る。





このあたりは、別名を「原発銀座」というらしい。



そして敦賀市街を抜けたのちに、R27の旧道である県道225でふたたび若狭に戻る。





敦賀は割と一瞬で終わる。






「確か、この区間を抜ける道って、すごい少なかったよな」
「半島最北部と、馬背峠と、関峠……  わたしが通れる道は、この3つだけです」


2020年に敦賀半島トンネルが開通し、半島を一筆書きできるようになったそうだ。ただ、わざわざ越前と若狭を移動するためだけに使うには、あまりにも遠すぎる位置にある。





名前から分かる通り、ここは国境だった。



すると結局、この関峠を抜けるルート一択となってしまう。とはいえ、標高は100程度しかなく、アウターのまま処理できるお手軽峠である。




「おかしい、押し戻されてない?」
「南東からの風が吹き始めましたね」


向かい風って、第3エイドからだったんじゃなかったの?





関峠、ここから若狭。






「地理でいえば、敦賀半島の東側に来た時点で、南に進むしか道が……」
「許せねぇwww」


つまり、ここから約40キロは、ひたすら向かい風峠との戦いとなる。





脇道にちょこちょこ入るので、時に追い風、時に向かい風(向い風の比率が高い)。






「まあまあ大先生、写真撮りますから元気出しましょうよ」
「……いや騙されないぞ?  写真撮りたいだけだろwww」






写真撮りたかっただけだった。知ってたけど。






向い風



R27と並走する若狭梅街道に入ると、さらに向い風が強くなった。





ロケーションはいいんだが……






「もう80カテでゴールしちまおうか……」
「何を仰います?  たかが向い風でしょうに」


つまりエルコスさん曰く、「まだ試合終了するような時間じゃない」ということ。仕方ない、どこか速そうな車列に乗っかって、先を急ぐか……





無賃乗車。



第3エイドである美浜町健康薬膳施設こるぱには9:55着。前回出場したときは、街道を挟んだ湖側にある、美浜町民広場がエイドだった。




「変更といっても、ホント些細だな」
「でしょう?」


ということは、ここのエイドは梅尽くしだな。





ここではこのほかに、梅干しも供されていた。






「renas先生は梅が苦手だったから、こことは相性が悪いんだけど」
「大先生は平気そうですね」


まあ何せ、さほど飲まないのに果実酒を作る程度には梅と戯れている。





さすがにボトルには入れないけどね。



さて、適度な休息を入れてから、ふたたび若狭梅街道を南下していく。




「あ、看板倒れてますね」
「ちょっと直していくか」






左折を促す看板だが、角度付きの丁字路なので迷うことはなさそう。



やはり全体通して風は強めで、あちこちに影響が出ているようだ。





バタバタバタバタ……









荒ぶってやがる。









「そりゃあ看板も倒れるか」
「巡航速度が上がっていきませんね」


断続的に吹く南からの風で、ヒドいときには20キロ前半まで落ち込む。集団で走れていれば先頭交代やら風除けやらでもう少しマシに走れるのだが、




「集団に頼っていいのは初心者まで!」
「またそういう我を出すんだから……」


余談だが、この区間は若狭の平野部、左右に広がる若狭コシヒカリの田園地帯をまっすぐに往く。個人的には春先から初夏、新緑の翠と晴天の蒼が映えるこの区間がいちばん好きだ。





ここの景色は国宝にしても良いレベル。






「向い風さえなければなぁぁぁぁ……」
「自然の摂理に『バカーっ!』と叫んだところで、ですよ」


エルコスさんのいう通りだ。自然の摂理はどうしようもない。向い風だって雷と豪雨だって、来るときには来ちゃうのだ。




「大事なのは、『来た時にどう対処するか』です」
「これ以上ない正論だな」


なんて話しているうちに、梅街道を外れ、R27を横断、並走する町道へ。





田舎道。



今でこそ若狭舞鶴道が開通して大半の往来がそちらへ移行したが、それでも嶺南・若狭を縦貫する主要幹線には違いないので、ルートの選定に於いてはR27を走らないように、配慮しているのが伺える。




「どうしても倉見峠だけは越えなければいけませんが」
「毎回思うんだが、梅街道直進でもよかったのでは?」


一応、そのルートもあるにはあるのだが、そうすると熊川宿のあたりでルートの重複、つまり同じルートの折り返しが発生してしまう。おまけに若狭トンネルを出た直後の県道22と、熊川宿手前の県道218は、どちらも120キロカテゴリーのルートになっていて、採用するにはちょっと難しそう。




「……という訳です」
「まあ、この峠自体はさほど問題ないんだけど」






比較的穏やかな峠ではある。



倉見峠自体は、除雪基地と登坂車線がある程度には道幅が広いので、往来が激しくとも自転車で越えるにはさほど難しくない。問題は、




「ゴルフ場脇の登り、あそこだけは……っ!?」
「サミット手前、アベレージ9.8とかですからね」






まあまあエグい。



峠を下った先で左折。ここからゴルフ場脇を通って1つ山を越える。登り区間は2キロ足らずだが、部分的に激坂区間があり、特にゴルフ場入口周辺が10パーセント近い急坂。釜トンネルか何かか?

だが、越えさえしてしまえば、あとは熊川宿まで下り勾配。その熊川宿に入るルートが変更されていて、立派な横断歩道によってエイドに入る。





さらに田舎道っぽくなった。






「観光地化が進んでるね」
「ですが、自らの脚でしか来れないという点で、穴場感があると思いますよ」





塩の味



第4エイドの熊川宿には11:22着。スタートから92.3キロ地点で、グロスタイム5時間14分。





往時の雰囲気が残る。






「なかなかグロスアベレージ20キロは出ないなぁ」
「休憩をちょこちょこ挟んでいますから。ですが、悪くないと思いますよ?」






映えるもんで撮影が捗る。



1時間で20キロ走れば、計算上は5時間で100キロに達する。これを目標とはしているが、よくて5時間台、普通に走ると7時間手前くらいというのが、現状のスコアである。これをどうにかしようとするならば、巡航速度を上げるか休憩を取らないかしか方法はない。




「それは楽しいのですか?」
「時には己の限界を試したくなるんや……」


苦笑いのエルコスさん。そしてお決まりの説教をされた。曰く、「もっと旅を楽しみましょう」と。




「おあいこだな」
「ふふっ」






結局、お互いに「旅を楽しむ」境地に達していないということ。



さて、そんな熊川宿であるが、かつての鯖街道の宿場町である。これは、若狭で水揚げされた魚介を、京の都へと運ぶための街道筋として利用されたことに由来する。当時は冷凍技術もなく、また運搬も行商人頼みだったことから、生の鯖を塩で締めて運んだのだという。




「京都に着く頃には絶妙な塩梅になっていたそうです」
「やべぇハラ減ってきた」


そういや、過去には鯖串の屋台が出ていたのを思い出した。今回は見つからなかったが。





宿場の中は押して移動せよと。



という訳で補給エリアに移動する。観光客が大勢いて、ちょっと自転車で通れるような雰囲気ではなかった。




「ここは押して歩くか」
「そうですね。エイドまではもう少しありますが」


そしてエイドで水分を補給。そして、葛切りとうそばなる麺類を戴く。





うそば。






「麺類は世界を救う」
「ただし、摂取カロリーは高いですからね」


ただ、全然足りない。もうちょっとしょっぱい汁を吸いたいのだが。




「ほっぺについた塩分w……」
「やめてーっ!?  そんな大先生見たくなぁぁぁい!?」


案ずるな。俺だってヤだよwww





次のエイドは36キロ先。



さて、ここから小浜までは西に向けての水平移動。つまり、南からの風の影響は受けないし、なんなら南東の風なので、ここからは追い風になる。





風に乗って。






「若狭西街道に入る手前にコンビニがあります。そちらに寄りましょう」
「同感。そこで少し食べよう」






ここからしばらく先、コンビニが出てこないので注意。



とりあえず冷やしたぬきうどんで腹を満たす。あと、トドメに塩タブレットも。




「ああ、塩の味がする」
「どストレートな表現ですねwww」


さて、これから往く若狭西街道だが、もともとはR27と並走する広域農道で、往来のあるR27をバイパスできる高規格の道。アップダウンが多めではあるけれど、自然を感じながら走れる。





道の整備状況は良好。






「トンネルが全部で7つあります。ライトを点けてください」
「電池は全部入れ替えてきたから、今回は大丈夫だ」






やはり事前準備は大切だよな、と。



以前、この区間を並走するR27のほうは走ったことがあり、そちらはほぼ平坦だった記憶がある。それと比べて西街道は起伏の変化が著しく、時折インナーを使うかアウターで乗り切るか、判断に迷う場面も出てくる。




「といっても、どうせアウターで行くのですよね?」
「そんな目で見るなって」


どれだけ整備をしても、ギア比が大きく変わるフロント変速は余程のことがない限り使いたくないという気持ちが勝る。今ならまだ脚も売り切れていないので、50×28と己の脚を信じる。





ひっそり。



7個目のトンネルを出ると下り坂になり、その途中に直売所エイドがあったのだが、どうも営業をやめてしまったのか、静まり返っていた。ここで洗顔でもしようかと思っていたが、アテが外れてしまった。




「小浜公園のエイドまで我慢しましょう」
「それしかないか」


下り切った先に8個目のトンネル坑口が見えるのだが、ルートはその手前で右折、海岸線沿いに誘導される。





海が見えた。



ここからは海岸線沿いを通って小浜公園へと向かう。この区間は、R27と並走するように県道235号線が通っていて、途中の加斗トンネル、勢浜トンネル、後瀬山トンネルという3つの難所をバイパスすることができる。




「ルートの選定が秀逸ですね。要所要所でバイパスルートが用意されている……」
「初回の時、この道はホントに目を疑ったわ」






あのトンネルの直前を左折。なんと道がある。



往来が激しい上にトンネル連続という難所を避けるという目的はあるにせよ、見事なまでにR27の走行部分を最小限に抑えている。そして、風光明媚な県道235を走り抜けると、そこが第5エイドの小浜公園。到着は13:18だった。




「汗かき過ぎて塩の味がする」
「油断は禁物です。しっかり補給してくださいね」






ここが最後のエイド。






湾の道







残り33キロか……



小浜からはR162沿いに海岸線を往く。つまり左手には常に海が見えており、それぞれ小浜湾、矢代湾、世久見湾と、複数の湾を乗り継いでいく。




「これらはすべて、若狭湾の支湾になります」
「若狭湾のデカさよ」






要するに、若狭湾の中に支湾がある。



そして、これらは複雑な地形をしている。つまり、リアス式の構造をしている。




「結局、何だかんだ言ってもリアス式海岸は美しい」
「真理ですね」






海岸線をトレースするように道は続く。



阿納トンネルを抜けて矢代湾に移ったあたりから、道は起伏を増していく。リアス式の名にふさわしく、起伏が激しく適度なワインディングが連続する区間になる。やはり途中で、インナーに入れるかアウターで頑張るか、ちょくちょく判断に迷うことがあった。




「どうせアウターで行くんですよねー!」
「ああ行くさー!」






ずいぶん高いところまで登ってきた。



まあ、進路が北向きになったので追い風基調になっているのも大きい。起伏のあるこの区間も素敵なしーさいどうぇい!  だし、負荷が減ったぶん、脚は充分残せている。なので、適度に走っては停まって撮影タイムなんかを挟む。





田烏の集落というらしい、あそこは。



しばらく往くと、県道22号交点に至る。ここで大勢のご同業が合流するのだが、これは120キロカテゴリーの参加者。




「西ロングの時に通った若狭トンネルが、ここから近いです」
「なるほどね。峠越えしなくても海岸線に出られるのか」






あそこからは120カテゴリーの参加者が合流する。



そしてここまで来ると、このリアス区間はもうすぐ終わることを示している。食見トンネルを抜けて世久見湾側に移り、海浜自然センターの登り区間を勢いでクリアしていく。




「結構、押している参加者が多いですね」
「まあ、100キロ以上走ってこの勾配じゃあ、心も折れるさ」






そのせいか、ここの展望台は参加者で盛況だった。



そして世久見の展望台で烏辺島を拝むと、残るは世久見トンネルまでの激坂区間のみである。





海辺を見下ろせるくらいには登る。



展望台から下っていき、世久見の民宿街を道なりに右折すると、そこからアベレージ8の登りが始まる。




「とはいえ、距離にして300メートル強ですが」
「さすがにインナー使おう」






トンネルまで来れれば登りもおしまい。



ここを越えてしまえば、フィニッシュまでの区間で目立った登り坂はもうなくなる。県道273交点まで戻ってきたら、あとは右折して三方湖の畔を抜けて、田園地帯をパレードランして終了となる。




「ならば大先生、折角ですからもう一枚くらい写真でも……」
「好きだねぇ」






曰く、「大好きです」と。



前回の佐渡は散々だったが、これで少しは挽回できただろうか。





田園地帯の向こうに、三方の庁舎が見えた。



何はともあれ、15:15フィニッシュゲート通過。走行距離は163キロとなった。





補給もうまくいき、脚も残してフィニッシュ。上出来でしょう。



このあと、完走賞をゲットし、応援メッセージに返信をして、





キンッキンに冷えてやがる。









アイスコーヒーを所望。









「大先生もすっかりrenas先生に感化されて……」
「いや、なんかうまそうだったから」











TITLE:久しぶりにソロ活動
UPDATE:2024/06/01
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