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342:渋峠・リローデッド #06



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。



本日のルート (powered by Ride With GPS)






イントロです。



ビワイチの数日後の話だが、前々から入手していたとあるブツをエルコスさんにインストールした。





異彩を放つ碧いヤーツ。






「セラミックのBBじゃないですか!」
「気になってたんだけど、思い切ってポチっちまった」


シーズンオフにオーバーホールする予定で、そのときにBBを新調しようと思ってはいたのだが、それよりも先にフレームがGen2になったため、一旦はもともとついていたデュラBBを入れておき、今回ようやく導入する運びとなった。




「ただ、本当に効果があるのか疑問なんだが」
「連休はもう少し続きます。試しに行きませんか?」


……で、我々は上板橋連合とともに、草津に降り立った。





思えばこの時間帯で草津観光した記憶はない。






雪の壁が見たいらしい。


kaz曰く、志賀草津道路の名物、雪の回路を一度は拝んでみたいのだという。





雪の壁(イメージ)



問題は、彼がここ最近ほとんど乗れていないということ。大丈夫かホントに?




「絶望でしかない」
「だからもっと乗りなさいとあれほd……」


で、8:12天狗山駐車場を出発。





ちょっとイマイチな空模様。



黄金週間の後半だが、その最終日、天気は大きく乱れるのだという。




「天気は持つのでしょうか?」
「その前にkazが持つかどうかだ」


天狗山ゲートを通過し、次の殺生ゲートまでは森林地帯を往く。





ここが渋峠への玄関口。



渋峠までの道程であるが、他の様々な峠道と比べると、割と難易度は低めでカジュアルに登れるようなイメージ。





どこがカジュアルだ?



とはいえ、無理すると後半がツラいので、最初からインナーでスタート。このとき、ギア設定は34×21。




「またいつもの悪い癖が……」
「……いや、何か様子がおかしい」


気が付くと、nsjさんとkazは遥か後方に。いつも通りマスタングしながら調整をするのだけれど、この時点で違和感を感じていた。




「何か魔法使ってる?」
「いえ、わたしは何も……?」


端的にいうと、すごく走るのだ。





先行者はマスタングするのがお作法。



特に、ポジションを極端に前にする、KNI曰くサドルをアナルに突っ込むポジションにすると、物凄く脚が回r……




「バカーっ!?  どんな表現してるんですかっ!?」
「言い出したのは俺じゃないってば」


ただ、巡航速度はさほど上がっていない。ここは乗り手のスキル次第なのだろうが、明らかに登りが楽になった。




「まさか、な……」
「脚が軽やかに回っていることは事実のようです」






この標識が見えたら休憩ポイントまですぐそこ。



そして、お馴染み硫化水素の駐停車禁止看板が見えてくると、殺生ゲートは近い。このあたりで、ようやく残雪が視界に入るようになってきた。




「今年は雪が少なかったので、壁はどうなっているやら」
「現存していることを祈りたい」






次は振子沢の谷底ゾーン。






間違いねぇ、こいつァ本物だ。


ところで、開始早々にしてkazがヤバイ





やべぇ、どうしよう……(もういっぱいいっぱい)






「おかしい……  全然登っていかない」
「いつも通りきっつい……」


もうここまでの時点でギアを完全に使い切っている。こうなると地脚勝負となるのだけれど、既に脚はmp2状態という。




「雪の壁まで行けそう?」
「無理かもしれない……」


とはいえ、長く休憩を取っているほどの余裕はない。何せ、午後から天気が崩れて降雨予報なのだ。




「行けそう?」
「ゆっくりとなら」






再出発。



さて、再出発すると、すぐに硫化水素ゾーンに突入する。このあたりは立ち止まると酸欠になる恐れがあるというので、駐停車禁止に指定されている。




「だけど、状況的には停まっているのと変わりないな……」
「楽に呼吸ができるペースを維持してね」






温泉の匂いがプンプンしてる。



殺生ゲートから谷底区間のてっぺん、振子沢の先の視界が開けるところまで、比較的きつめな勾配が連続する。アベレージ約6、最大10.3の登り勾配が3キロ近く続く。





どんどん景色が良くなっていく。



……のだけれど、ギアを一定にポジションを色々調整しながらクルクル脚を回していると、例によって二人を引き離す。そしてまだ脚と肺に余裕がある




「まだ後ろは23Tですが、苦しくないですか?」
「苦しいどころか、もう一段上げれるかもしれない」


いや、明らかに楽になってる。以前来た時だとこのあたりは25Tだったり28Tを常用して、その上でほうほうの体だったような気が。





とにかくペダリングが軽いというのが印象深い。






「認めざるを得ない。こいつぁ本物だ」
「間違いなさそうですね」


体感としては、1~2枚重たいギアが使えるような感じ。登りで余裕ができたことになる。




「ただ、寿命は相対的に落ちるらしい」
「でしょうね。オーバーホール毎に交換が良いかもしれません」


デュラエースBBの実売価格の約3倍で入手したTNI製セラミックBBだが、この価格差を許容できるかどうか、だ。





Uターン。



さて、振子沢まで先着。急勾配区間に入る直前で遅れた二人を回収すべく、マスタング。





ノビてる。









試合終了してた。









「もうダメだ!?  ってなったらそこがエイドだと……」
「いいんだけど硫化水素出てるよそこ?」


息も絶え絶えになっているところに硫化水素はよろしくない、ということで、振子沢まで移動する。ちょうど工事中か何かで、路側帯が広くなっている。

空を見ると、天気はますます下り坂になっている。ガスってないだけまだマシだが、雨が降り出すのも時間の問題かもしれない。




「行けそうなら行ったほうがいいね」
「kazの脚次第かな?」






そのあと無事に谷底から脱出した。






試合終了


振子沢の10パー坂を登ると森林限界に達し、駐車場、富士見台、L字を経て、白根山レストハウスに至る。ここまでが最初の登り区間になるのだが、




「休み休み行きます」
「それがいいだろうね」


という訳で、適度に休憩を挟みながら登っていくことに。





早速。



ところで、標高が上がるにつれて、体感温度は下がっているように感じる。おまけに風が強くなってきているみたいで、ひとたび横風を食らうと大きくバランスを崩す。




「二人とも、大丈夫だろうか?」
「うーん、見た感じ、かなり厳しそうですが……」


その心配は的中した。富士見台の手前でマスタングし最後尾に回るのだが、kaz曰く







ケツと腰が爆発する






とのことで、富士見台に強制ピットイン。





ここには噴火時の避難シェルターが備わっていて、雨宿りが可能。






「大先生ぇ、風が強すぎません!?」
「吹っ飛びそうだから一旦避難する」


噴火用シェルター内で、nsjさんとkazはウィンドブレーカーを着用する。そういった装備を持ってこなかったワタクシめだが、グローブ用のインナーを着用して寒さ対策をしておく。

ちなみに、kazはもはや無口だった




「どうする?  適当な雪の壁でお茶を濁してもいいよ?」
「ちょっと考えさせて……」


……ところが。





なんかポツポツ感じ始める。



富士見台を出発し、L字区間に入ったところで、雨脚に捕まってしまった。





カメラの水滴で捕縛を悟る。



路面がしっとりするほどではないものの、対向の自動車のフロントガラスは雫で濡れているし、そもそもだが雨粒が痛い




「これ、雹じゃない?」
「よく見ると氷の粒だね」


それを聞いて、kazの心は夏に天日干ししたそうめんのようにポキポキ折れた。





もうあの辺でよくね?






「……すいません、ギブアップでいいですか?」
「いいよー。じゃあせめて白根山のレストハウスまで行こうか」






その前に、それっぽいところでそれっぽい写真だけは撮っておく。



という訳で、もうちょっとだけ登りをこなして、白根山のレストハウスに着いたのが10:13。ここまで2時間で登頂したことになる。





今回はここまでにしよう。



白根山噴火によって、このレストハウスは営業をやめてしまい避難所と化したが、往年はここも多くの観光客で賑わった。何より、渋峠登頂の際の補給基地になり得た。




「雪の壁はおあずけですね」
「まあ、我々は一度見てるからね」


という訳で、これから下山を開始。一応、kazに聞いてはみる。




「心残りがあるのなら、まだ間に合うけど」
「ははははは……」






マッハ。









光の速さで下山開始。









総括






連休最終日だったので交通量が多め。慎重に下っていこう。



で、結論としてセラミックBBはアリ、と判断した。




「ネックなのは価格なんだが」
「オーバーホール毎のささやかな贅沢、と考えてみては?」


とりあえず、これで佐渡に攻め入ろうと思った。





天狗山ゲートまで戻ってきた。












TITLE:隠し玉の投入
UPDATE:2024/05/08
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