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336:西表ライド



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。



本日のルート (powered by Ride With GPS)






ロケンロール。


7:10、石垣港離島ターミナルで、エルコスさんを一旦袋詰めにする。





そしてチケットを買おう。






「そのまま乗せることも可能なようですが」
「なんか船小さそうだし、それに輪行するの手間じゃないし」


石垣島を中心とした八重山諸島は、無人有人あわせて数多くの島が存在する。それら島に住む住民のための移動手段として、フェリーが数多く運行されているのだが、それらの全てが、石垣市街にある埠頭から発着しているということだ。なお、この埠頭には離島ターミナルという名がつけられている。





時刻表は掲示板で確認できる。わかりやすい。






「つまり、ここが離島への玄関口なのです」
「空港も近くにあれば完璧なんだけどね」


現在の空港からだとおよそ15キロほど離れているが、2013年の新空港開港以前は、市街地に空港があったので、利便性はよかったものと思われる。石垣へのアクセスは悪かったが




「主に沖縄本島とをプロペラ機で結ぶ程度の大きさだったようですね」
「そりゃ新しい空港を造るわけだ」






買ったら乗り場へ移動。八重山観光の便はおもに3、4番から発着する。



で、今回は八重山諸島の中でも2番目に大きな島、西表に行ってみることにした。




「どんな感じなんだろ?」
「イメージとしては、利尻に近いですね。島の外周に沿って道が続いています」


西表島へは、八重山観光フェリーと安栄観光という、2つの会社が運行している。面白いのは、航路によっては時間帯までもが丸カブリということ。




「たとえば、大原港行の8:30便は、どちらの会社からも運航しています」
「ケンカにならんのかそれ?」


あと、航路によっては金額が微妙に違ったりする。差は微々たるものだが。なお、今回は、7:30大原港行きがあった八重山観光フェリーをチョイスした。




「大原と上原があるのか……  どっちがどっちかわからん」
「地図の北を上にして、西表島の上側にある港が上原港ですよ?」






つまりこういうこと。









エルコスさんマジ天才。









「いやいやいやいや。さすがにわかるでしょうwww」
「毎回地図を確認していた俺の立場よwww」


それでは早速乗り込もう。ちなみに、エルコスさんは船内に置かせてもらったが、船の種類や当日の積荷によっては船外デッキに置くこともあるらしい。





こんな感じで置かせてもらえる。






「船外だと、波をかぶりそうだな」
「帰ったら絶対に洗車ですね」


そして定刻よりも微妙にフライング気味に出航。たぶん時間ギリギリの飛び込みがなかったからだと思うが、基本的に沖縄タイムで進行




「西表まではどれくらい?」
「およそ45分くらいかと」


その45分、船はエライ勢いで加速し、バインバイン跳ねだす





とりあえず窓の外はびっちゃびちゃになるレベル。






「ぐぇっ!?」
「大丈夫!?」


エルコスさん曰く、「この航路は高確率で揺れる」とのこと。高速船になるとさらに激しく揺れて、最悪、船内で転倒して







腰椎を骨折






という事案も発生しているのだとか。おかげでエルコスさんから出てはいけない声がした。




「あぁぁ……  聞かないでぇぇぇ……」
「不可抗力だろこれ」


あまりにも波が高いので、船の窓はびっちょびちょになっていた。そんなロケンロール全開の船は、その後定刻通り大原港に着いた。なんでも、これでもまだマシなほうらしく、上原から出る船はもっと揺れるのだとか。




「うぁぁ……」
「あれだけ渡船に目覚めたエルコスさんが、すっかりヤラレてる」






余談だが、慣れているのか乗客は静かなもの。仮眠してる人も。あと、生活物資も一緒に運んでた。






西表は天気が変わりやすいようだ。


8:20、西表島大原港を出発。





大原港ターミナルには「なかまりん」の愛称が。すぐ近くの仲間川から取られた。



島にはレンタサイクル、レンタルバイク、レンタカーなど、ひととおりの移動手段は揃っているようだが、圧倒的に数は少ないのだそう。元からそのつもりだったとはいえ、エルコスさん持ち込んで正解だった。





圧倒的に多いのがレンタカー需要。あと、この信号機は日本最南端のものらしい。






「島の外周を、県道215が囲んでいるような感じですね。とりあえず北上しますか?」
「そうだな。なんか天気がよくなさそうだし、ちょっと急ごう」


石垣は快晴だったのに、西表はどんより鉛色。しかも、心なしか雲の流れが速い。





不安な出だし。






「天気が変わりやすい地域です。スコールになったら一旦退避しましょうね」
「ポンチョも置いてきちゃったし、仕方ないか……」


西表は外周部を除くとほぼ山という自然豊かな地形をしている。その山のてっぺんが雲に隠れててハッキリ見えない。雨に祟られなければよいのだが。





とはいえ晴れ間も見える。とにかく天気が安定しない。



仲間橋を渡ると、大富という集落に入る。農村風景百選に選ばれたことのある場所らしい。




「あ、ヤギがいますよ!」
「ヤギが繋がれてる……」






……めー?



このあたりでは貴重な食糧であり、家畜である。沖縄地方の人は、これを煮込みにして食べるのだとか。




「上野の大統領って飲み屋の煮込みよりもワイルドだった」
「ほぼジビエですね。玄人向きという感じで」


大富の共同売店脇に、交通安全の碑があった。今回もノートラブルでいきたいものだ。





安全運転之碑






「調べたところ、イリオモテヤマネコとの接触事故が多発しているようです」
「こちらも気を付けないと。我々だと間違いなく吹っ飛んで共倒れになる」


西表島の固有種であるヤマネコだが、今回は全く見かけることがなかった。ただ、出るときは前触れなくひょっこりと出るらしい。下り勾配で勢いがついてるときにソレだと、お互い不幸でしかない。





この看板が至る所にあるが、基本的に「出没した地点」に置かれるそうだ。



さて、大富から先は民家もまばらになり、自然の中を往く道になった。





上原港までは33キロか……



途中、マングローブを見かけたので、ちょっと小休止。こんな感じだから、進みは極めて遅い。




「海水とか吸って大丈夫なんだろか?」
「吸収した塩分は、最終的に葉に蓄えて排出されるようです」


そしてエルコスさんが付け足す。「そういう進化を遂げたからです」と。……毒イビーみたいなもんか。





強化型。



さて、古見の集落を抜けると、ほんのちょっと海岸線から離れ、道は起伏に富みだす。このあたりはアウターローでクリアできそうだが、いつもの持病であるアウターローで走ってると勝手にインナーに落ちるトラブルが頻発するので、もう諦めてインナーに入れる。




「これ何とか調整したいんだけどな」
「インナー使ったら負けだと思ってる、というのが一番の持病だと思いますよ?」


そして、由布島まであと5キロくらいという看板を通り過ぎた。





由布島といえば……






「小さな島ですが、水牛に乗って渡れるらしいです」
「面白そうだな。ちょっと見に行こう」


8:55、由布島着。





入口とあるが、橋などはない。



この島に渡るには、観光資源となっている水牛車に乗るか、波が穏やかな時は徒歩で渡るしかないとされている。一説には、島の住人よりも水牛のほうが多いのだとか。

ところで、そんな西の果ての小島だが、ちょっと面白い物件がある。





そそり立つ柱。






「海に電信柱が立ってますよ!?」
「この風景がバズったらしい」


島全体が植物園となっている由布島には、当然のように発電所はない。すると電力はどう確保するのか、ということになるが、石垣島の発電所で造られた電力を海底ケーブルで西表に送り、そこからこの配電線路を使って供給しているのだそうだ。

この風景が1990年代に公開されたことで、全国的に知名度が上がったという。





水牛と小島と架線。






「三相3線式か……」
「そこですかwww」


さて、水牛と架空線を堪能していると、どうも空からポツポツと。




「あそこに屋根があります。ちょっと避難しましょう」
「ついでだから何か飲むか」






雨宿り。



うっすら路面が濡れる程度に降雨があるなか、缶コーヒー飲みながらボンヤリ水牛を眺める。今日も観光客のために島を往復するようだ。





とても勤勉。



流行り病が落ち着き、観光需要も戻りつつある中、この水牛車もこれから忙しくなるのだろう。……なんて考えてたら、雨、止んでた




「天気、本当に変わりやすいですね」
「雨降ってないなら、先に進むか」


という訳で、行程を進めよう。





路面はしっとり。



ところで、西表の電力事情については先述のとおりだが、その経路については複数ある。エルコスさん曰く、「島の北部は、竹富島と小浜島を経由して到達している」とのこと。

由布島を出発してすぐに、西表東変電所という施設がある。この近くに海底ケーブルの取出し口があるそうなのだが、




「あ、ごめん、撮れてないっぽい」
「バカーっ!?」


その変電所から、島の北部域と、鳩間島への送電が行われているのだという。





別の場所の画像はあった。ここで一旦地中に潜り、別の場所で外に出しているようだ。



さて、そうこうしているうちにだいぶ北のほうへ来た。ユチン川を渡る橋で小休止するが、どうやらここまでGoProが沈黙してたようで、調べてみたら電池切れだった。




「電源マネジメントが難しいんだよなぁ」
「雨だから仕方ありませんでしたが、可能なら外部電源を繋げておいてください」






なお、この川でもマングローブ群を鑑賞できる。



そこからさらに進むと、路面はうっすらどころかびちゃびちゃに。かと思えば乾いていたり。曇り空かと思えば、今度は晴れ間が出てきたり。西表の天候はとにかく忙しない。





急に晴れだす。



「これ、あんちくしょう泥撥ねでヒドいことになるな」とか思っていると、船浦橋まで来た。





橋の上から。






「あの向こう岸に、ニッパヤシという植物の群落があるようです」
「カヤックとかSUPが出てるけど、このあたりは盛んなのかな?」


どうやらここに注ぐ河川の上流にある滝を見るためのカヌーツアー発着場にもなっているようで、そういえば広めの駐車スペースがあった。あと、イリオモテヤマネコの像も。





結構写真撮ってる観光客が多かった。






「天然記念物か」
「個体数は減少傾向で、保護のために様々な取り組みをしているそうです」


その中でも特に興味深いのは、西表島のある竹富町では、飼い猫に対して登録を義務付ける条例を制定していること。予防接種や避妊・去勢などの内容も盛り込まれており、イエネコを飼うのにハードルが高い地域でもある。





ヤマネコ注意の看板が多いのも、その一環だとか。



結局、イリオモテヤマネコは見れず、イリオモテヤマネコの像で我慢することに。まあ、奴さんだってもともと夜行性。こんな日中に見られるなんて奇跡に近い。





港湾部に懸けられた橋なので、海の上にいるような感じ。



このあたりは地域でいうと上原になるそうで、帰りの乗船を予定している上原港も、あとだいたい2キロあるかないかくらいの位置にある。ところで、船浦橋を渡った先に、船浦港という港があることがわかる。




「かつてはこちらが旅客ターミナルで、今の上原港は漁港でした」
「すると、今は使われてないってこと?」






旧船浦港。



2006年頃までは、運航会社別にターミナルを振り分けていて、こちらの港も使われていたらしい。しかし、上原ターミナルの改修が終わったあたりからそちらに集約され、その役目を終えた。

旧船浦港ターミナルは、建屋こそ解体されたものの、乗船口の屋根は未だ健在で、頑張れば代替港として使えそうな感じ。実際に、小型船舶の係留地にもなっているようだ。




「もったいねーなー」
「そうはいっても、利便性を考えたら、上原港のほうが……」






ターミナルがないので、旅客用に戻すのは困難かもしれない。



事実、ここから上原港までは道なりに20分も歩けば着くくらいの距離だし、街として栄えているのは上原のほうだ。





船浦中の角を道なりに右折。



そんな上原港には10:33着。





デンサターミナルという愛称がついていた。



ここでは、マイボトルに水を自由に補給できるコーナーがあった。どうやら、昨日のような水不足にはならなくて済みそうだ。




「石垣以上に補給箇所がありませんからね」
「てんこ盛りにさせてもらおう」






たすかったぜ。






西表の果てに


さて、上原港のすぐ近くには、あの伝説のロビンソンの小屋がある。




「あの、伝説の……」
「激闘でお馴染みのな」


それは、県道215沿いにあるというのだが、





ターミナルから歩いても5分とかからない。









やってんのかこれ?









「うーん、わからん」
「どうしますか?」


イマイチよくわからなかったので、今回はスルーすることにした。まあ、立ち寄ったとしても、土産を買うくらいしか用事がない。





先を急ごう。



この先、さらに県道215を進んでいった先には、白浜港という港があるという。そして道は、小学校にぶつかってそこで終わるらしい。




「片道で、だいたい10キロほどの場所ですね」
「割と近いな」


先ほど上原港で石垣に戻る船の時間を確認したが、14:30の便がちょうどよさそうで、それを逃しても16:30の便がある。仮に上原欠航が発生したとしても、大原17:00には余裕で間に合うだろう。




「せっかくだから行ってみるか」
「もちろんです。そうそう滅多に来られる場所でもありませんから」






雰囲気が変わった。



今までとは打って変わって、ほとんど平坦な道を海沿いに南下していく。左手には果実畑と山岳部、右手には海とマングローブ。そんな光景の中に、ぽつぽつと民家がある。あと高級リゾート




「暮らすのは大変そうだ」
「まあ、都会のようには行かないでしょうね」


そして、大きめの橋を越える。浦内川の河口付近を渡る、浦内橋だ。





西部ではかなり大きい川。






「遊覧船乗り場、とある」
「上流に滝があるようですね」


西表全体に言えることだが、河川を遡上するアクティビティが、割とあちこちに設定されている。今朝スタートした大原港近くの仲間川にも、マングローブ鑑賞のためのクルーズ船が運営しているし。





これを遡上する。左手にあるのがクルーズ船のりば。



なので、滝を見るという目的以外にも、西表の原生林を楽しめるような内容になっているようだがまんまジャングルクルーズじゃねぇか




「ワイルドだな」
「ワイルドですね」


なんて話しながら橋を渡る。そういや、ハラ減ったな




「今日は大丈夫ですよね?」
「心配ない。ちゃんと買い込んでおいた」






Y-maruはパンを食べた。すこし、おなかがふくれた。あと、なにげにFlex-air。









ほぼトルネコ。









「足りますかそれで?」
「意外と何とかなる」


走っている時って案外ハラ減らないのよ。本当は意識的に摂取したほうがいいんだけどね。





橋の南側にちょうどよいベンチがあったので。



パンを食べながら、行程の確認をしておく。この先白浜港まで到達し、そこで折り返すと、上原港には遅くとも13:30頃には着けてしまう。ちょっと時間が余る感じだが、




「白浜から、舟浮という集落まで渡船が出ているようです」
「エルコスさん乗せられるんだろうか?」


ただ、この渡船についてあまりにも情報がない。どうやら、現地に直接行って確認するしかなさそうだ。




「じゃ、ちょっと行ってみるか」
「ここから白浜港まで、あと8キロ強です」


その8キロ強の道程だが、途中に面白いものがあった。





何かの碑らしい。






「なんだありゃ」
「数字が綺麗に並んでますね」


どうやら、子午線が123度45分6.789秒の地点となっているらしい。ここまで綺麗に揃っている地点というのも珍しいが、そういやちょっと前に似たような場所に立ち寄ったな。




「じゃじゃじゃ大先生、三脚のご用意を……」
「持ってきかたがなんかオッサンぽいなー」






じゃじゃじゃ、じゃぁ〜(by藤村忠寿)



このあたりは祖納という地域で、商店が数軒ある。また、飲食店もあるようだが、そちらはほぼ営業してなかった。




「食べるところ探すのにも一苦労か……」
「事前に仕込んでおいて正解だったでしょう?」


そうこうしているうちに集落を抜け、海岸線沿いに南下を続けると、登り坂に差し掛かる。まあ大した斜度じゃないし、アウターのままてれてれ行くか、とか考えながら。




「この先トンネルがあります。それを抜けた先が白浜港です」
「え、トンネル!?」






日本最南端で、かつ日本最西端のトンネル。



そしてやってきた、その名も西表トンネル。1992年頃に開通した、全長675メートルの片勾配である。





一部照明が届かないところも。白浜へ向けて下っていく。



ライトをつけてドロップイン。薄暗いが、舗装状態が良いので快適ではある。




「あぁぁ、くらいよぉぉぉ……」
「まあ落ち着け。出口が見えてるから大丈夫」


ところで、先ほどトンネルの存在に驚いた理由だが、それは白浜港の立地が関係している。

地図で見るとわかるが、この白浜の集落は、全体を山々に囲まれていて、到達するには山越えを強いられることになる。よって、ヒルクライムを覚悟していたのだが。




「まさかトンネルで越えるとは……」
「しかも、かつての山越え道は、今は通れないようですし」






トンネルを抜けると、目の前が白浜港。



トンネル開通前は、その山越え道が唯一のアクセス路で、たびたび台風などで崩壊しては、陸の孤島と化していたのだそう。なので、このトンネル開通は、白浜集落の悲願であると同時に、舟浮地域の住民にとっても重要なもの。……だと思われる




「どうして歯切れが悪かったのですか?」
「いや、有事の時は船で往来してるんじゃないか、って」


そんな白浜港には11:32着。小さなターミナルがあるだけの、小ぢんまりした港だった。




「大先生、写真を……」
「わかってたよ」






お約束。



さて、ここから舟浮集落という、渡船でしか到達できない場所への乗り場があるのだが、





次は13:30の便のようだ。









だいぶ待つな。









「それに、次の便に乗って、帰ってきて……」
「16:30の便にギリギリ、という感じですね」


ヘタすると今日中に石垣帰着ができなくなる恐れがあることが判明。惜しいことだが舟浮までは行けそうにない。




「宿題だけが嵩んでいくwww」
「いつになったら、精算できるのでしょうかねぇwww」






ターミナルは無人だが、トイレが使える。



ただ、あっさり引き返すのもアレなので、ちょっとターミナルで休んでいくことにした。恐らく大勢の観光客が訪れることはないだろうこの場所で、面白い展示があった。





炭鉱の歴史、とある。






「炭鉱なんてあったんだ」
「先の大戦の頃は、隆盛を誇っていたそうです」


西表の炭鉱の歴史は明治時代まで遡る。沖縄県内でも石炭が見つかったのは西表だけであり、しかも本土とは異なった産出方法を強いられるなど、多くの苦難があった。

戦時中のあるあるだが、ここでもタコ部屋労働的な圧制があり、多くの犠牲者が出たという。おまけに、マラリアの猛威によって、採炭事業そのものにも影響が出るほどだった。





連れてこられて借金返せ……  どんなエリア88だ?



そして、戦後の1960年代に、採炭の全事業が停止され、以降、西表における採炭事業に終止符が打たれたそうだ。




「結局、戦争ってのはロクな結果にならないってことですね」
「別の見方をすれば、エネルギー資源の調達方法に無理があったんだ」


実際、本土の採炭事業でいえば、三井三池が1997年、夕張炭鉱が1990年まで事業を継続していたので、環境が整っていれば、まだまだ掘れた可能性はある。……とはいえ、エネルギー政策の転換が1960年代にあったことを考えると、その運命は決まっていたようなものなのかもしれない。




「広義の"代謝"といえば聞こえはいいんだが」
「儚いものですね」


ちょっとした歴史のお勉強であった。





2023年11月来訪時、ターミナル内にパネル展示されていた。



さて、なんやかんやで30分ほどぼんやり過ごしていたが、退屈だ




「そろそろ行こうか」
「じっとしていられないんだからw」


余談だが、県道215の最果てには、白浜小学校があった。ここが正真正銘、西表の車道の果てということになる。





ここが県道215の終端(法令上はここが起点となる)。






西表は天気が変わりやすいようだ(2回目)


123度45分6.789秒モニュメントがここにもあった。





祖納にあったものよりかは角度がついている。






「こっちのが地味だな」
「調べてみたら、祖納にあったモニュメントも、10年前は簡素なものだったようです」


西表の果てを踏んだので、上原港へ戻ろう。……といっても、来た道を引き返すだけなのだが。





県道215の起点。ここから大原までぐるりと続いていく。






「それにしても、食事できる店とかないもんだろか?」
「ちょっと探してみますね」


で、程なくしてエルコスさんが見つけた。星砂の浜へと続く道の途中にあるらしい。





ロビンソン小屋のちょっと手前、星砂の浜方面に左折。



農園カフェ  てんぼうだいは、周囲をパイナップル畑に囲まれた高台にある、お手製感溢れる店だった。もともとパイナップル農園を営んでいて、出荷できないようなパイナップルを活用したいという思いから、手作り感溢れるカフェを自作したとか。カフェとあるが、軽食もいただけるそうで、定番すぎるがカレーをチョイス。





今までの人生に於いて、カレーが嫌い、という人に出会ったことがない。






「安定のうまさだ」
「具材にパイナップルが入っているのですね」


これがまた微妙な酸味でうまい。よく酢豚のパイナップル論争で槍玉にあがる奴さんだが、具材として考えるなら、酸味と歯ごたえのある肉っぽい野菜、ということになるか。




「ただ、扱うのが難しそう」
「甘味をどう制御するかですね」






この飲み物を嫌悪する人がいたとしたら、それはたぶん妄想の中の人だろう。



そして食後にパイナップルスムージー。……ブルジョワジーな昼食の代表じゃねぇか。




「いいですか、これが普通なのですよ」
「いかに普段が普通じゃないか、ってことだ」






お陰でハラが満たされた。ありがとう西表パイン園(八重山郡竹富町字上原10-26、пF0980-85-6446)



ところで、この先に星砂の浜というのがあるらしい。




「さほど遠くありません。行ってみますか?」
「まあ、せっかくだし」


星の形をした砂が混ざっていることから名づけられたその場所は、11月だというのに温暖で、海水浴もできてしまうのだとか。





人を殺めてしまう程度の能力をお持ちらしい。









ただしクラゲも多め。









「まあ、海に入らないから我々には関係ない」
「あ、海に入ってる人いますね」


それにしても、いい景色だ。沖縄方面にどっぷり浸かってしまう人の気持ちがなんとなく判る。





これで青空なら、もっと素晴らしい景色なのだろう。






「ただ、自転車で走るには環境的にきっついんだよなぁ」
「レンタカー利用が多いですからね」


そして、最後の最後で、環境的にきっつい部分をおみまいされそうになった。もうすぐ上原港に着くという、その直前、




「なんかポツポツきてない?」
「きてます!  急いで屋根の下へ!」


13:18、上原港着。その直後、スコール来襲





あと1分遅れてたらおみまいされてた。






「あぶなかったぁぁぁっ!?」
「ギリ濡れずに済んだ」


時間と天気が合えば、大原港方面に戻るという選択肢もなくはないのだが、次の石垣行が約1時間後。ちょうどよい、今日はここまでとしよう。





小さいながらも土産物屋があったりして、旅の終わりにはちょうどよい。



で、エルコスさんを袋詰めにして、帰りの乗船券を買い、外に出ると、





さっきの雨は何だったんだ?









晴れてるやん。









「しかも路面すら乾きだしてますよ!」
「最後の最後で西表の本気を見た」





ロケンロール(2回目)


帰りの便は安栄観光にした。折り返し14:30の便は定刻通り着岸。まずは下船と、物資の積み下ろしが行われる。





関係者総出で積み下ろし。



離島フェリーは観光客の輸送だけでなく、生活物資の搬入搬出という役目も背負っているようだ。





それでは乗船。このあと、デッキのベンチに座ろうとしたら船内に移動するよう促された。



さて、エルコスさんをデッキに預け、定刻に上原港を出発。





やたら物騒なこと書いてある。









骨折はガチらしい。









「やべぇ、無事に帰れるのだろうか?」
「多少の揺れは覚悟してくださいね」






あまりの衝撃で、ピントが全然合わない。









どこが多少だ!?









「ぎゃぁ!?」
「あー、なんか悲鳴が聞こえr……  ぐぇっ!?」


特筆しておこう。石垣−西表の航路は、どちらもよく揺れる。というかよく跳ねる





波が高いのにそこへ向けて突っ込んでくもんだから、始終船底から鈍い音が聞こえる。












TITLE:ロビンソンは不在のようです。
UPDATE:2023/12/02
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