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324:佐渡ロングライド2023



text  by  ymr20xx@y-maru.com。photo  by  ymr20xx@y-maru.com、renas。



本日のルート (powered by Ride With GPS)






4年間の雌伏。





「やっと、やっとこの時が……!」
「長かったよホント」


おっさんとチタンフレームが感慨に耽るほど、それはそれは長い年月であった。

昨今の情勢も落ち着き、世の中が元通りになろうとしだし、佐渡ロングライドが復活した。





再びこのゲートを潜る日が来た。






「どれほど、どれほど待ちわびたことか……!」
「かれこれ4年だよ」


勿論、いつものメンバーで佐渡に殴り込みである。





nsjさんはTDTジャージで。



ところで、実に4年ぶりのセッションとなったrenas先生であるが、マッシーンが変更になった





曰く、「色が気に入った」とのこと。



新しい愛機はFELTのFRアドバンスド。遂にDi2だけでなく油圧ディスクにも手を出した。




「実際のところ、油圧ディスクってどうよ?」
「すっげぇ楽」


長い下りなんかだと絶大な威力だという。雑誌とかのインプレではよく聞く話だが、実際にそうらしい

しかも、renas先生曰く油圧ディスクで懸念される輪行問題も、リムブレーキに比べると手間はかかるが思ったほどデリケートではないらしい。そして実際に何度か輪行もしているが、ほぼノントラブルとのこと。




「大丈夫なもんなの?」
「キャリパーにスペーサー噛ますくらいで、それ以外は特に……」


余談だが、renas先生は、不意打ち気味にニューマシンのお披露目を画策していたらしいが、大会そのものが







コロナで流れまくり、






その間に色々なことがあって、結局その目論見は不発に終わった。よって、ワタクシめはマシンが変わったことを情報としては聞いていた。ハンガーを一発折ったことも含めて




「それにしても、新車かぁ」
「今度はレーシングスペックだからな」






ウチのは平常運転である。






帰ってきた。


さて、いつも通りrenas先生とnsjさんを回収し、関越道を北上して12:35のフェリーを目指す。

その道すがら、いつもであれば自転車を積載したのが外からでも判るエントラントの車両を見かけるのだが、今回は意外にもほとんど見かけない。





新潟に到着。






「いないですね」
「いないねぇ」


高速を降りても、それらしい車列は見かけず。こりゃ大会の日程間違えた?




「確かに大会は5月21日実施で、今日は前日の20日ですよ!?」
「まあ落ち着けって」


それでも佐渡汽船ターミナルに近づくと、それらしい自走組をちらほらと見かける。そして、乗船口に到着すれば、いつも通りの風景が……





いるにはいるのだが……









やっぱちょっと少ねぇな。









「まだまだ元通りには時間がかかりそうだな」
「それでも、この光景を見ると安心するぜ」


さて、我々が到着し、乗船手続きを終えると、すぐに乗船が始まった。今回の配船もいつもどおりトッキー。





そびえ立つ排気管がアイデンティティ。






「あかねちゃんが嫁入りしてから、3姉妹も活動がないですね」
「そうなんだが、まだまだ健在みたいだ」






三姉妹、さりげなく活動中。



スペインに嫁入りしたあかねちゃんは、レヴァンテ・ジェットと名を変えて、アンダルシアの地で頑張っているらしい。

そしていつもお世話になっているときわ丸。やはり船内の混雑具合は全盛期ほどではなく





いつもわちゃわちゃしているフロントもこんな感じだし、ぶっとび輪行案件もなかった。






「2等の大部屋、まだ入れるぞ?」
「いやいや、まあまあ詰まってるやん」


コロナ前最後の参加となった2019年の記憶だと、そもそもメシすらロクに座って食えないほどの混雑っぷりだったが、今回はちょっと待っていれば楽々と席を確保できた。





renas先生はローチェアー持参でくつろいでいた(ちなみにここは、4年前にトドになってた場所)。



元の賑わいが戻るのに、あとどれくらい費やさなければならないか。やきもきしながら船内をブラつき、気が付けば進行右手に陸地が見え始める。




「あれ走るんだよな……」
「安心してください。あれで半分です」






半分どころか、全体の1/4程度しか見ていない訳で。






不安でしかない。






両津港に着くようです。



15:10下船。そして、そのまま土産を買いにターミナルへ引き返す。




「お土産を買うの、早くないですか?」
「実は、お土産を買う時間がほとんどないんだよ」


あかねの嫁入りによって、一旦は小木航路からカーフェリーが途絶えたが、やはり一定の需要があることから、サイズの小さい中古船を購入して航路が復活した。

ただし、あかねほどの爆速は望めず、およそ1時間ほど運航時間が増えた。その結果、小木発が10:25という、とても使い勝手の悪いダイヤとなってしまったのだ。




「なるほど、これではお土産を買う時間が取れませんね……」
「まあ、航路が存続してくれただけ有難いと思わないとな」






各店が、歓迎の幟を出してくれることでお馴染みの土産物ストリート。



そんな中、nsjさんは干物を所望。しかし、ターミナル売店ではなかなかモノに巡り合えない。




「この近くに干物を扱っている鮮魚店があります」
「じゃあそこに行ってみるか」


その干物屋というのが、両津のターミナル前にある海産物うさみ。後に我々の界隈で伝説となる店である。

土産となる干物に目星をつけ、次に向かうは大会受付である。R350は万年混雑するので、南側の県道65号を使う。こちらも定石通りであるが、所々で新しい道が開通していたりする。




「4年の歳月は伊達ではない」
「まあそんだけ経ってれば少しは変化があるか」


という訳で、16:30河原田の陸上競技場に到着。いつも通り、ここがイベント会場になり、そして大会のスタートとフィニッシュゲートが置かれる。





丁度、ゲストの高木菜那さんがトークセッションやってた。



ほぼ同じコースを走るアストロマンのバイクパートもここがスタート地点となっており、余程のことがない限り、ゲート位置は今後も不変だろう。

全盛期の賑わいには程遠いが、徐々に雰囲気も盛り上がってきた。





ようやくテンション上がってきた。






「大先生、わたし、興奮して寝られなくて明日寝坊するかもしれません!」
「心配ない。会場着いたら叩き起こすから」


……で、その隣では、




「雨降ってたら絶対にDNS」
「家から岩淵までの片道で脚攣るワイがここに」


し、心配ない。たぶん明日になれば雰囲気に呑まれて勝手に走り出すから。





特にrenas先生の場合、高確率で仏契にかかるときがあるので油断できない。



そして、今回も宿は敷島荘さんにお世話になる。とりあえず明日の準備を各々始める。……と、ここでrenas先生、




「このフレームに貼るステッカー、剥がすときに塗装持ってかれるんだが」
「そもそも塗装されてないから無問題」


車体側には通過チェック用のトランスポンダが内蔵されたゼッケンと、ナンバーが記載されたステッカーの着用が義務付けられている。renas先生はどうにかこうにかトンチを効かせて装着完了。うっかりすると







新車の塗装持ってかれる。










「横から見えりゃいいんだべ?」ってことで、ライトに貼ってた(加工して)。



で、敷島荘名物、うまいメシをたらふく堪能し、nsjさんはそのまま飲酒を開始。




「明日、大丈夫なんスか?」
「いつものことだから問題ない」






敷島荘さんのメシはいつもうまい(そしてこの後サザエは供託になった)。



ワタクシめとrenas先生は近況報告兼ねがね、最後の調整に入る。

高校の同じクラスで、お互い卒業後も母校に残って職員として勤務したという腐れ縁である。話の内容は自ずと母校関連になってしまう。ここに来て、当時お世話になった先生の訃報が多くなってきたという話になり、




「気が付きゃ俺らもそんなトシか」
「なんなら卒業してもうすぐ25年だぞ?」


当時、担任から言われた「時間の体感速度は片対数方眼紙だ」の名言はガチだったことを思い知らされた次第。

明日は晴れるといいな……





なお、4年の間にリニューアルが行われていて、キレイになっていた。






フラストレーションの解放。


翌5:00、佐和田行政サービスセンターは、往時の熱気があふれていた。





ちょうどA2カテゴリが誘導されるところだった。






「そうそう、この雰囲気よ」
「走り切れる自信がない……」


とりあえずnsjさんの作戦は、全てのエイドに立ち寄り、ガッ、と食べて即出発というもの。renas先生はいつもどおりのファンライド。してワタクシめは、




「両津までサブ4切りたいんだけど、どこで休憩するかなぁ」
「相川は通過ですね」


相川のエイドは、例年わかめそばが出るので気にはなっているのだが、初参加の時からの慣例で、ほぼほぼ通過をしている。唯一立ち寄ったのは、戦装束がまこっちゃんだった2015年のときだ。





そういった訳で、相川エイドの思い出なぞ、ほとんどない。



ま、いいとこ大野亀でソフト食べて、はじきのの代替地となった鷲崎エイドに寄るか寄らないか、といったところだろうか。ただ、長らく使われていたはじき野フィールドパークは閉館したらしく、そのちょっと先にある小さな漁港が新たにエイド地点となったようで、初見だからちょっと寄ってみたい気もする。




「まあ、そのあたりはおいおい決めていこう」
「そうですね」


早朝の天気はやや明るい曇り空。ぽつぽつと水滴の気配も感じるが、日中には天候が回復するらしい。それに期待して、5:51佐和田スタート。





ながいたびがはじまる。



nsjさんは宣言通り先行。ワタクシめとrenas先生は、慣らし運転とばかりにダンゴの中に埋まり、しっかり地脚を構築していく。

ギアは50×19、やや軽めで脚を回していく。




「そういや知ってるかい?  UCIルールからジュニアギア規制が撤廃されたらしい」
「それでは、トップ14Tにする必要はなくなった、と?」


これについてはクリリン師匠が詳しく解説しているが、結局最大ギア比4.00の制限をかけても、さほど意味がないことがわかったかららしい。つまり、12速化が進行しても







トップ14Tはもう手に入らないっぽい。









「ですが、飾りでもいいので11Tくらい、ついていてもよろしいのでは?」
「違うんだエルコスさん。本当に欲しいのは14Tじゃなく、18Tなんだよ」






ちょっとガスってるのが気になるが、天気は回復傾向らしい。



50×18T。これが現時点での個人的黄金比で、これがあればどこまでも走っていける。ところが、2023年現在のスプロケットラインナップを見ると、18Tに恨みでもあんのか?  ってくらい、18Tを採用していないのだ。




「確かに、17Tの次は、どれも19Tです」
「18Tが作れない訳じゃないんだが、なぜなのか……?」


もうね、この際ファイナルロー34Tとかいらんから、その代わりに18T入れてくれ。そう小一時間シマノさんを問い詰めたい。ぶっちゃけロードだったら30Tあれば充分だから。





まあたぶん無理だろうな、って思って、14-28Tは1セットストックしてある。



なんて世間話をしながら、稲鯨の半島をぐるりと回る最初の登り区間にさしかかったところ、先行していたnsjさんをパスした




「昨晩、だいぶお召しになられていたようですが……」
「大丈夫かなぁ……?」


まあ、12速とUCIルールの話に戻ると、時代の流れに従いなさいよ、ってのとそもそももっと鍛えて17Tを黄金比にすればイイジャナ〜イ、ってことなのだ。




「まあ、そういう訳なので、今日もよろしく」
「もちろんです!」






二見周辺を通過中。



さて、そこから相川までの区間、毎回あまり変わり映えしないのだが、自分に合った列車を見つけて乗っていく、というスタンスで進めることになる。その最中、どこかのクラブチームの車列に乗ったのだが、ここでエルコスさんが覚醒した。




「さ、いっきますよ〜!」
「フルブーストで行くのかい?」






ハラハラアタックモーション発動。



だいたい30キロ前後で巡行する車列につき、佐和田から走ること約40分。遠く向こうに宿舎の大きな影が見えたら、最初のエイド、相川である。





大きな建物が目印。



ここまでは恐ろしく順調であり、当然ながらまだ脚にも余裕がある。当初の予定通り、相川はパスしてしまおう。




「次の入崎は、約22キロ先ですね」
「ざっと1時間弱かな?」


相川を過ぎると、いよいよ大佐渡の本当の姿を見せてくる。小さな漁村を、起伏ある道筋で結んでいくという、走っていてワクワクしかしない行程だ。





まあまあ入り組んだ地形を往く。



そして、このあたりまで来ると、少しダンゴが崩れ、比較的単騎で走ることも増えてきた。




「それでもなお速度が衰えない……」
「ふふふ、どうしてでしょうかねー?」


ただ、そうはいってもライダー側の身体事情というのはどうにもならず、いつもの高台トイレで小休止。





平根崎のトイレもよくお世話になる。うっすらと「ラバトリーinひらね」って書いてある。



だいぶ序盤でrenas先生とnsjさんを置いてきてしまったので、果たして彼らは今どのあたりにいるのやら。




「相川に寄るとは言ってましたから、もうしばらくかかるのでは?」
「んじゃ、もうちょっと先に進むか」






後に送られてきたrenas先生の相川通過チェック。



こうして、7:25入崎エイドに到着。

ここに立ち寄るのも久しぶりな気がする。いつからか、エイドステーション、改めスイーツステーションとなり、固形物がすべて甘味になったので立ち寄らなくなっていた。




「せっかくだから、まんじゅうくらい食べるか」
「せっかくじゃなくても、食べてください!」






とりあえずまんじゅうを1個いただいておいた。



5分程度で再出発する。いよいよ集団はバラけ、ずっと一人旅になる。沿道で声援を送ってくれる地元の方に、時々手を振りながら。





中には参加者個人を応援する人たちも。身内かな?



それにしても、だ。今日のエルコスさんはよく走ってくれる。あまりにも好調すぎる。




「アドレナリンどっぱどぱですよ!」
「どこで覚えたさそんな科白」


本来であればSコースとの分岐点であった石名和木線交点を直進すると、いよいよ大佐渡北限の静寂な雰囲気漂う漁村地帯に入る。





最果て感が増してきた。



そして、関岬のトンネルを抜け、すこし勾配を下げると、





小さな逃亡者。









吼えろツインターボ!









「いた!  本当にツインターボ師匠がいた!」
「さすが速いぜ。そこにシビれる!あこがれるゥ!」


そんなツインターボ先輩に引いてもらうこと暫し。Z坂でお馴染み、跳坂の登りである。





あまりにも言いまくってるから、そろそろ正しい名前で呼んでもいいんじゃないかって。






「みんなZ、Zいうから、通っぽく言ってみた」
「とんだ天邪鬼ですよwww」


ここの最大勾配は11%近くを指示されるが、それも序盤のほんの僅かな区間であることを知っておけば怖くない。こちらもめいっぱい軽くして、脚が回り続ける程よいギア比をキープしてから登りにかかる。

なお、ここから見下ろす絶景だったり、途中にある五段の滝だったりと、見どころが沢山あるので、なんなら写真撮影でもしながら登るのがよろしいかと思う。




「写真、……写真撮影?」
「真実だ。符牒とかじゃない」






そう、写真撮影をしているだけで、休んでいるわけじゃないのだよ。



最初のターンを周り、2つ目のターン手前が撮影スポット。道幅が広くなっていて、自転車を停めるのにもちょうどよい。





内側の空間でゆっくり休憩できるようになった。






「さ、写真撮りますよ!」
「俺は今までここで何枚写真を撮って、死ぬまでにあと何枚撮るのだろうかwww」






きっと召される頃には、この風景の画像データが日付違いで大量に残されているのだろう。



2つ目のターンから先ももう暫く登りは続く。跳坂トンネルはここにあり、拡幅工事が終わってキレイになった。





掘削方法に注目。









みんな大好きNATM。









「新オーストリアトンネル工法のどこにツボってらっしゃるのですか?」
「名前がカッコイイ。ほら、鉄腕っぽくていいだろ?」


すかさずエルコスさんからツッコミが入る。「それはアトムです」……と。もうこのやりとりも数えきれないほどやった。これもしきたりさ。





♪鉄腕ナト〜ム〜



さて、いつものボケツッコミをカマしている間に、登り区間は終わりを告げた。その後は、標高を維持しながら大野亀方面へ北上するが、途中、大ザレ川を海府大橋で跨ぐあたりは絶景スポットである。いつも勢いで通過するばっかりだが、いつかはここでゆっくり撮影タイムとしたいところだ。





勢いで通過するポイントだが、停まってたら突っ込まれそうで却って危ない(ブラインドなので)。






「皆さんの到着まで待つことになるのですから、次回はそうされてもよろしいのでは?」
「確かにね。ちょっと往き急ぎ過ぎてる気がする」






Sコースとはここで別れる。通過時はクローズされていた。



真更川集落でSコース方面の分岐を通過。その先の北鵜島で、今まで稼いだ標高をすべて吐き出し、海岸線へ。




「無理は禁物ですよ!  ここは事故が多い区間です!」
「相変わらずここは難しい!」






結構な勢いで下るので、クラッシュバリアがあるほど。



そして、下った先には、亀の形をしていることで名付けられた、大野亀の巨石。





あの亀みたいな巨岩が大野亀。



道はここから二つ亀の辺りまで、距離長めの登り区間に入る。ここも10%越えの登りがあることから、第二の難所としてアナウンスされている。ただ、実感として、その10%の部分は、





登り始めて、右ターンして、その先の左ターンのイン側。









ここなんじゃねぇか?






……と思うわけで。ここを除けば、比較的風光明媚な登り坂である。





トビシマカンゾウを横目に、スイスイ登れる。






「それは違います。大先生の感覚が麻痺しているだけですwww」
「そうかぁ?」


さて、大野亀には8:35着。当然のようにソフトクリームを貪りに行く。というより、ここに立ち寄る参加者の大半は、このソフトクリーム目当てである。




「ここから数キロ先にエイドがあるのに、ですね」
「粋なんだよ」






もちろん絶賛営業中。



で、こちらも350円払ってソフトクリームをパクつきながら、renas先生たちの到着を待つことにした。

ところで、この大野亀の周辺には、他ではあまり見かけない黄色い花があちこちに咲き乱れていた。エルコスさん曰く、これはトビシマカンゾウという多年草で、ここ佐渡と、酒田の北西にある飛島という島でしか見ることができないのだとか。




「開花時期は、ちょうど5月から6月にかけてなのだそうです」
「じゃあちょうど今頃か」


実際、このあたりのトレッキングを目的として、この大野亀ロッジが存在している。決してソフトクリーム要員ではない





こんな花。飛島もかなりの僻地なので、なかなかお目にかかれない。



さて、そうこうしていると、renas先生が到着。




「nsjさんは?」
「だいぶ後ろか、もしくはワープしたか」


そしてrenas先生もソフトクリームへ。





気が付けば、あんちくしょうも12年以上愛用している。本気で伝統芸能の域だ。



さて、nsjさんの到着を待つ間、周囲を観察してみるのだが、大野亀に立ち寄る参加者は、だいたい半々か、それよりもちょっと少ないくらい。全員が立ち寄るわけでなく、素通りしていく参加者も多い。





それらが混ざりあうので、この周辺はときにカオス状態に陥ることも。



あと、ここは大野亀の登り区間のうち、道幅の狭い区間の終端部分であり、手前にはお馴染み撮影隊が待機している。

そのせいか、手前でカラ元気出してガンダッシュ決めたら、ブラインドの左を抜けたら渋滞してて、そのままバランス崩して立ちゴケかます参加者が一定数いる。というか目の前で一人コケた




「わっ、危ない!」
「大丈夫、自力で立てたみたいだ」


まだまだ行程の半分も来ていない。無理をしないで行きたいものだ。





トレッキングとかしても楽しそうだな。



……と、ここでnsjさん到着。だいぶヤラレてるが。




「大丈夫?」
「…………きっつ」


こりゃ初参加だった2019年よりもダメージが大きいかもしれない。小休止ののち、ここからは3人で先に進むことに。





nsjさんを先頭にして。



nsjさんは、トップスピードこそ低めだが、常に安定した速度で走ることができる。とりあえず、タイムオーバーにならないように時間の管理だけはしっかりしておこう。





佐渡の北限付近。



かつてははじき野エイドだったフィールドパークは、すっかり苔むして廃墟化していた。道はこのまま下り勾配に転じるが、その先のヘアピン左で登り勾配に変わる罠が仕込まれている。もちろん知っている




「行くぜ、気合入れな!」
「全てを解き放ちますよ!」


で、ターンインから全開くれてやり、登りに差し掛かると鷲崎エイドの入口が。




「ちょいちょいちょいちょい!?」
「あーっ、魔法無駄撃ちしましたーっ!」


佐渡一周道路を左折して、海岸線まで下っていくと、漁港があらわれた。ここが鷲崎の漁港で、今まで訪れたことのない場所である。





新設されたエイド。






「へぇ、こんなところがあったんだ」
「まだまだ知らない場所がたくさんありますね」


ここでは、就労支援施設お手製のパンが供された。ただ、ここで気になることがあった。パンはおひとり様1つまでというのだ。




「おにぎりが恋しい」
「いや、その前に補給物資としては圧倒的に少なすぎる」


参考までに、コロナで中断する前は、各エイドに塩むすびとコッペパン、果物などが供されていて、むしろ補給食を持参する必要がないほどだった。昨今の情勢でイロイロ厳しいのは理解できるが、これだと最悪







ハンガーノック・リタイア






が発生しかねないような気がする。一応webサイト上では、各自補給食の持参を推奨してはいるのだが……





参考までに、2014年当時の様子。なんなら塩をダイレクトアタックしていたほど。






「普段、補給を怠るクセがあったが、こんなところで活きるとは……」
「そういう活かし方はダメですよ」


そして、このあとその懸念は、割と高い次元でクリティカルヒットすることとなった。





実はこの時点で気づいていたんだ本当は。






アイツが猛威を振るいだす。


9:43、鷲崎エイド発。





ここから両津までは、約30キロほど。



少し海沿いの道を走り、その後一周道路に合流する。ここから先は、特にきつい登り区間がなく、サブ4狙いであれば最後のスパート区間となる。なお、二人の到着を待った時点でサブ4は諦めた




「大野亀までの区間タイムを比較すると、ギリギリ4時間切れるかどうか、という感じですね」
「まだまだやれるもんだ」


だが、それから程なくして、今回はサブ4狙わなくて正解だったことを思い知った。







向かい風によって。









「ん!  進まなくなった」
「申し訳ありません、出力が落ち始めてます!」


そういや思い出した。佐渡は常に風との戦いであったことを。





あと、この区間は隘路が多いので、対向車とのすれ違いに気を揉む。



折角、天気は上向きになって、ここぞとばかりに全開くらわしたいのだが、その分押し戻されて、気が付けば巡航速度は25キロ前後。




「無理せずにこのまま両津を目指しましょう」
「まだ半分も来てないんだった」


結局ここからは、無賃乗車を繰り返すという体たらくで進むことに。平地でこんな具合なので、ちょっとした丘越えでは、ダンシングしないと失速する始末。そんな時、




「大先生ストップ!  何か落ちました!」
「モバイルバッテリー脚に引っ掛けた!?」






膝蹴りくらわして、マウントから叩き落としてしまった。



もう何から何までうまく噛み合わない。おまけに後続者に迷惑かけてしまった。




「いやー、申し訳ない」
「しっかりしてくださいな」


さて、ここからしばらくはrenas先生と抜きつ抜かれつを繰り返す。




「南西からの風ですね。しばらく向かい風になります」
「きっついなぁ」


時折先頭を交代しながら、両津まで残り10キロの地点まで来た。





あと10キロ。



ところで、少しずつ大会の勘所を思い出してきた。長丁場の大会なので、無理せずに楽できるときは楽をするように心がければいい、ということを。

あと、隘路なんかで対向車が来た時、「くるまー!」とか「対向車ー!」とか声出しをしていたのも思い出した。あまり声出ししてる参加者はいなかったが。




「こういうのって、出さないもんなのか……?」
「絶対的なルールはないようですが、マナーと捉えてみては?」


言うなれば、同じフィニッシュゲートを目指す同志たち、一蓮托生なのだ。注意喚起は積極的にしていきたいものである。





おけさばしが見えてきた。



さて、そうこうしているうちに両津の街並みが見えてきた。予定よりもだいぶ遅れてしまったが、10:56、両津弁当ステーションに辿り着いた。




「クローズまで1時間……  nsjさんはいつ到着できるか……」
「まあ、ゆっくり待とう」






おんでこドーム。ここがCカテゴリのフィニッシュになっている。



ここが行程の中間点となるので、ここでは弁当が供される。あと、芋煮も




「味噌汁は正義だ」
「もうボトルに詰めちゃえ」






時間的に、昼食といった感じだ。



そして、nsjさんが両津に着いたのが11:20。クローズまで残り40分

実はこの時点で、nsjさんはリタイア宣言するのではないか、と危惧していた。しかし、済んでのところでそれは回避した。しかし、残すところ40分。弁当を急いで食べても、残余時間は30分程度。




「どうしますか?」
「行けるところまで行く」


とりあえず、多田まで駒を進められることは確定した。早々に準備を整え、11:35両津BS発。





次のエイドは40キロ先かぁ……



ここからは、いわゆる小佐渡と呼ばれる区間になる。果たして、どこまで進めるか……?





Bカテゴリとの分岐を越えて、いよいよ小佐渡区間へ。






小佐渡の攻防


Bカテゴリとの分岐を過ぎると、多田までの40キロ区間が始まる。初めての頃は、100キロ走った後にやってくるアップダウン区間に絶望したものだが、もはや8回も出場している身としては特に感想もなくなる




「まあ、強いて言えば景色がステキ」
「峠道という訳でもありませんからね、この区間は」






最初の登り区間までは、割と風光明媚なところを走る。



過去の大会参加時にも触れたが、この区間、特に100キロ地点から120キロ地点までの間に、インナーが必要になる程度の登り区間が4箇所ある。そして、これをクリアすれば多田まではほぼほぼ平坦となる。

最初の登りをクリアし、通称おばちゃんエイドを通過。次いで海岸線に向けて下り勾配を駆け降りる。





おばちゃんエイド。応援も出ていた。






「気のせいか?  追い風になった?」
「姫崎までの東行区間になりました。ほんの僅かですが、追い風気味になります」


佐渡の地理を見ればわかると思うが、島はまあまあ複雑な形をしているため、南に進んでいたとしても、実は東に進んでました、的なことは往々にしてある。実際、佐和田をスタートした直後は、北に進んでいると見せかけて南西に進んでいたりする





左側の海の向こうに陸地が見えるが、要はあそこから走ってきたのである。






「風向きがこのまま変わらなければ、最終盤では追い風になりますよ」
「真野の辺りも東に走るんだったな」


ただ、この指摘は自然の摂理でいかようにも変化する。ホームコースの荒サイでさえ、午前と午後で風向きがひっくり返るのだ。

そして、赤亀のトイレを通過したあたりから、ふたたび向かい風になった




「方角が南に変わりました」
「デスヨネーwww」






赤玉交点。エグイ勾配だが、途中の棚田からの景色は素晴らしかった。



赤玉まで来ると、Sコースとの合流に至る。このあたりで、悪魔おじさんをみかけた。




「悪魔おじさんも、4年ぶりに会いますね」
「しめた!  これで足切りの危機はある程度去ったぞ」


色々な大会でよく見かける悪魔おじさん。その素性はわからないことが多いが、唯一解ってるのは、32×14のギア比で、18キロも重量がある赤い悪魔號で集団を引く程度の地脚を持っているということだ。




「ナメてかかると地獄に連行される」
「うっ……、それはちょっと怖いですね」


ただ、悪魔おじさんは参加者の応援をしながら、ほぼほぼ最後尾あたりでフィニッシュすることが多いので、悪魔おじさんの前にいる限り、足切りの可能性は限りなく低いという目安になりうる。




「あとはnsjさんが悪魔おじさんに追いつけるかどうかなんだが……」
「信じる他なさそうですね……」






前籠に詰まれた補給食も含め、悪魔おじさんは平常運行。



そして、残り10キロほどになると、単騎での走行になる。ふと後ろを向くと、何やら結構な規模の集団が。




「合流しますか?」
「うーん、どうしようかなぁ……」


判断を決めかねていると、集団はどんどん迫ってくる。これはどこかで吸収されるな、なんて思ってたら、薄い登り勾配で







集団を引き離した。









「結局、吸収されてもペースが合わないんだよ」
「皆さん、登り勾配で失速されますものね」






renas先生によれば、このあたりとかは集団のだいぶ前のほうで独走してて草生えた、とのこと。



結局この跡、近づいては引き離し、これを繰り返し、松ヶ崎の手前までは吸収されずに済んだ。




「もうすぐ多田です」
「ここらでやめておくか」


丁度、道幅の狭い区間になったので、ここで吸収されておく。そしてそのまま、多田エイドに滑り込む。





多田エイド。



多田到着は13:02。クローズは13:45なので、どんなに都合よく見積もっても13:30に出発しないと間に合わなくなるだろう。




「renas先生が到着されました」
「うぁー、死んだ」






renas先生は13:14着。寝不足で頭が痛いとか。



renas先生と同じくらいのタイミングで悪魔おじさんが到着し、そして早々に出発していく。こちらはnsjさんの到着を待つが、待てども待てども到着しない




「やばいな……  ここまでか?」
「だいぶツラそうだったから、もしかしたら……」


13:30が迫ってきた。一応、こちらの動向をLINEにて残すことにした。




「やむなし。13:30で合流できなかったら、先に進もう」
「あ、来ましたよ!」






なんとか間に合った。



13:28、nsjさんが多田に到着した。




「大丈夫?」
「向かい風がキツい」


で、到着したところでナンですが、もう出発しないと時間的にアウト。nsjさんも、まだリタイアする意志はないとのこと。




「しばらく25キロで引っ張ります」
「よろしくー」


13:32、多田を出発。ここから小木まではだいた20キロあり、25キロで走れば1時間以内には到着できるはず。小木のクローズは15:00なので、30分程度の休憩時間が確保できる算段となる。

nsjさんは、平地であれば25キロを維持できる。登り坂になるとだいたい20キロ弱まで落ち込む、といった感じだ。





エスコート。






「こんなペースでどうですか?」
「登りがキツい」


とりあえず平地25、登り18くらいの速度で引っ張ってみよう。幸い、後方からはnsjさんが履くZIPPのラチェット音が聞こえてくるので、たぶん大丈b……





……アレ?









え、置いてきた!?






どうやら、今まで聞いていたのはrenas先生のシャマル音だったようだ。慌ててマスタングしてnsjさんを探しにいくことに。




「トイレピットしながら先に行ってるわー」
「あいよ。こちらもすぐに追いつく」


nsjさんを拾い直して、ふたたび小木を目指す。その道すがら、悪魔おじさんに追いついた。





いい機会なので後方から観察。SPDを使っていたが、それが早さの秘訣なのだろう。



nsjさんの脚からして、たぶん悪魔おじさんをパスできそうにないので、このまま小木までついていくことにした。




「予定通りのペースですね。だいたい14:30には小木に着けそうです」
「ようやくフィニッシュが見えてきた」


その小木機関区、もとい小木エイドには14:37着。この先、佐渡ロングライド最難関区間が連続でやってくるので、ここでできるだけ補給をしておきたいのだが……





名物。









大量のしんこ餅









「これしかない、というのは厳しい……」
「ま、うまいんだけどね」






初めて食べたが、結構うまい。



ちなみに、エイドを出てすぐのところのAコープがあり、最悪そこで物資を補給できるが。




「寄りますか?」
「いや、何とかイケるだろう」


とにかくしんこ餅を大量に喰らっておこう。あと、脚攣りしないように、アクエリアスも。

ボトルの中身は常に水にしているのだが、それだとミネラルが不足しがちなので、時々サプリメントか、なければスポドリを飲んでおくことにしている。お陰様で、ある程度効果はあるみたいで、致命的に足が攣ることはなくなった。




「ボトルに入れておくと、誤って頭から被りそうになるじゃないですかwww」
「笑いごっちゃない。エルコスさんだってベトベトだぞ?」


とりあえずこれで難所を切り抜けよう。……なんて思ってたら、既にクローズ10分前、というか10分切った





まだまだこれだけ残ってて、ぽつぽつ到着組も来ている。






「次が一番の難所ですが、16:30までに着ければ足切りは回避できますから」
「がんばってみる」


14:52、小木エイド発。まずは宿根木までのアップダウン区間。





佐渡太鼓で応援。運がいいと、手前のデイサービスからも応援がもらえる。






「そういえば、4年前とルートが変更になってますよ」
「でんでこ坂を通るルートになったみたいだな」


中断していた4年のあいだに、沢崎灯台から素浜方面の道が開通していた。かつて、トンネル経由で海岸線沿いに出ていた道のバイパスとして、







エグい登りと共に。










まあまあ脚を使わされる登りのはじまり。






「トンネル経由でよかったのでは?」
「ここは佐渡だぞ」


その一言に尽きる。きっとこのルート引いた関係者は、筋金入りのサドなフランドル人に違いない。





旧ルートは右折して標高を据え置いた。今年は一旦下ってまた登る。イヤラしいな……



灯台横のエグい登りを処理し、海岸線に出て少し往けば、いよいよ真打のでんでこ坂である。





ようこそ、佐渡の真の名所へ!



アベレージ7.4、距離2.4キロの登りだが、序盤の折り返しまでの区間がアベレージ8、最大11.5%の急坂。当然のように皆、心を折られる




「170キロ近く走ってきて、この登りですから」
「そりゃみんな、「バカジャネーノ!」って言うよ」






ただ、黙々と……



で、途中の広いところで一旦止まり、ちょっと撮影タイムを敢行する。




「ズルですね」
「ズルだな」


……まあ、途中で休む口実としては、写真撮影は物凄く手っ取り早い。





みんな必死。



ここでrenas先生と合流して、後続のnsjさんを待つ。nsjさんはもはや停まる余裕すらなく、そのまま登ってもらうことに。

その直後、悪魔おじさんも上がってきた。




「辛そうだな、だいぶ」
「さっき追い抜くとき、「あれー、おかしいなぁ」言ってた」


悪魔おじさんを見送ってから少しして、こちらも再スタート。でんでこ坂は、途中で一旦勾配が緩むので、そこまで我慢できればあとは気合で何とかなる。





だが、途中で心を折られることもある。



そして、再び勾配がついてくる。周囲を見ると、押しにかかっている参加者もいるほど。




「太鼓の音が聞こえてきましたね」
「もうすぐ登りも終わる」


そして、佐渡太鼓交流館の交点で、この難関もフィニッシュである。交点では、有志で太鼓の演奏による応援が行われていた。





ドラクエ史上最凶のチートアイテム。






「これが俗にいう、たたかいのドラムだ」
「それ、前にも言ってましたねwww」


なお、悪魔おじさんはこのあと、登りきったと思ったらマスタングを敢行。




「……勝てると思う?」
「勝てるとでも思っていたのですか?」


先行したnsjさんを追いかけることにする。幸い、ここまで来ればあとは素浜まで登り区間はなくなる。





4年ぶりに、ここに戻ってきた。



途中、おなじみ定点を通過。ここからの景色は秀逸で、そしてこれを見るということは、




「この大会も、いよいよ大詰めだ」
「あぁ、もう終わってしまうのですね」






そして、最後のエイドへ。



終焉が近いことを意味している。素浜エイドには16:08着。




「お疲れ様です。ここまで来れば、もう安心ですよ」
「もーダメ、死ぬわ……」





そして最後はオチとともに。


素浜エイドのクローズは16:30。残り約20分で、ここで足切りされる参加者もいるのだろう。




「それに、もう回収車も来てるみたいだし」
「え、どこに?」






オィィィイィィィイイィ!









違う、そうじゃない。









「きっとアレだ、あそこからアームがウィーン、って」
「やめとけ、ご時世的によく燃えちまう」


あと、この時間になると、補給予定だった物資も底をつき、あるのはちょっとした駄菓子と飲み物だけ。やはり、補給物資の少なさは気になるところ。特に後半になればなるほど。




「ここから、あと2つ山場がありますよね?」
「それだけに、ここで補給できないのは致命傷になりかねない」


16:25、素浜を出発。nsjさんは少し早く出発しているので、追いかけるような形だ。





おじさんも素浜へ。



エイドを出てすぐの丁字路を左折。すると、絶望するほどにまっすぐな登りが現れる。素浜坂、という別名を持つ、140アップの登り区間である。




「ところでrenas先生、大丈夫?」
「大丈夫だと思うか?」






renas先生、遅れだす。



インナーローまで落として、脚が楽に回せることを意識する。こういった登りを淡々とこなすときは、闇雲に踏んでいってはいけない。とにかく回す。あとは全集中。




「鬼滅の刃っぽく「全集中」って言いたいだけという疑惑が……」
「ええい!  気が散るわ!」






ここで140アップは終了。



R350交点を左折。140アップ区間はここまでで、これから西三川までの下り勾配が始まる。




「せっかく稼いだ勾配が台無しだな」
「ご心配なく。この先でもう一回稼ぐことになりますから」






まあ、地理的な問題でどうしようもないんだが……



エルコスさんのいう通り、砂金でお馴染み西三川まで来ると、目の前には延々と続く登り坂が。佐渡ロングライド最後の刺客、国道坂である。





最後に参加者の心を折りにかかる長い登り区間。



区間距離6キロ中、登り勾配区間が断続して3キロ続く。序盤に待ち構える高台までの登り区間がとにかくきっつい。




「もう最後だから全開でいくぜ」
「お任せください!」


実はこの辺りでnsjさんに追いついているが、もう自分のペースで200キロ地点まで走り切ってしまおう。





序盤で頑張り過ぎると、後半タレる。それくらいこの区間は長く感じる。



ちなみにこの高台区間、よく調べると、周囲は田園が広がり、佐渡のおいしい米を栽培していたりする。




「日本酒に使われるほどの良い米です」
「帰りに買ってくか」


そして、この区間の最後は、大須の海岸線に至る下り勾配。下りきったところに長浜荘という民宿があり、たいていここで民宿の人だったりフィニッシュして戻ってきた参加者が最後の応援をしてくれる。





ただし宴会やりながら。だが、そのスタイル嫌いじゃない。



そして、ここに200キロポイントがある。




「そういえば、久しぶりの200キロオーバーだな」
「昨年は、ギリギリ届かなかったですよね」


実はワンデイで200キロオーバーに達したのは、一昨年のTDNリブート以来である。





ここで記念撮影することがひとつのステータス。



写真撮りながら待つこと暫し、renas先生が到着し、nsjさんも無事到着。




「疲れたよぉ〜」
「こんな疲れるイベントだったっけ?」


たぶん4年前は、まだまだ「ヘイヘイヘ〜イ!」言ってたような気がするが、なんか今回は疲れ方がハンパない。




「たぶん向かい風のせいだ」
「そういうことにしておきましょうか」






なんとか全員揃った。



さて、時刻は17:20になっていた。佐和田のクローズは18:00で、残り10キロを40分で走り切らなければいけない。




「まだ悪魔おじさん来てないから大丈夫」
「そういう時に限ってマシントラブル起きるんだってば」


という訳で、ラストランの始まりである。





もう少しだけ海岸線を走り、真野の市街へ。



方角的には北東に向かうこととなり、ここに来て風向きが完全に追い風となった。





風の影響をあまり受けない市街地だから、ってのもあるが。



真野の市街地まで来ると、完全なパレードランとなった。今回はもう疲れてるので、スパートするのはやめておこう、……って思ってたんだここまでは





どの口が言った?






「違うんだエルコスさん聞いてくれ。後ろが追い付いて大きな集団になったかr……」
「言い訳の仕方が、完全に「浮気がバレた彼氏」みたいなのですがwww」


国府橋を渡り、八幡の街並みを抜け、左にカーブした先にガソリンスタンド。ここを左折すれば、いよいよフィニッシュだ。





最後の待ち合わせ箇所としても使われるエネオス。






「もう停まらないで一気に行くぞ」
「わかりました!」


そして、最後の曲がり角を右折し、遠くにフィニッシュゲートが見えた。最後のアタック体勢に入り、GoProから予期せぬビープ音が出た。







電池切れた。









「…………えーっと、あのですね」
「何も言うなよwww」


結局、ゴール寸前で強制停車。GoProのバッテリーを交換している間に、先ほど抜いていった集団が通過。それに混ざってnsjさんも通過




「なんとかフィニッシュまで連れてくることができた」
「ギリギリでしたね」


しんがりだったrenas先生もニヤニヤしながら無事到着。





おっ、おーっ!  なんか停まってんぞー!(嬉しそう)






「なに面白いことやってんの?」
「最後の最後でオチがついた」


17:41、佐和田のフィニッシュゲートを通過。走行距離の実測は207.6キロとなった。なお、今回の感想をrenas先生に聞いたところ、




「ローソンで爆買いして爆食いしたい」
「ハラ減ったもんねー」






ごーる!






そして佐渡を発つ。また来る日まで。


2023年の佐渡はつつがなく終了した。思い返せば、とても楽しかった。

そして、目の前には、





敷島荘名物、海の幸フルコース。そしてその前には、






「完璧に、落ちましたね」
「これだけ飲まないnsjさん久しぶりに見た」


倉田亜美となったnsjさんが眠そうにしていた。

明けて翌日、メシを食べたら即チェックアウト。10:25小木発のフェリーを目指す。





余談だが、運搬車にはこんな具合で積んでいる。マウントは6ミリ丸棒の自作、フレームはE管。あと2台はイケる。






「出航の時間のほうを据え置いてくれたら有り難いんだが」
「直江津13:05は絶対なのですね」


ただ、この時刻設定については、こちら側のワガママが通らない事情がある。というのも、小木−直江津航路は2023年現在、こがね丸という船一隻でやりくりしていて、たとえば今回乗る10:25発は、直江津13:05着の後、







13:55小木行となる。






そのうえ、小木16:35に到着した後は、17:20直江津行というふうにダイヤが組まれているため、うかつに出航時刻を遅らせてしまうと、後続の便にとんでもない影響が出てしまうのである。

つまり、どうしても佐渡観光をしたい!  というのであれば、現行のダイヤだと両津発12:40の一択しかない、ということになる。




「ちなみにそれ、新潟にいつ着くん?」
「15:10ですね」


そう考えると、改めてあかねちゃんの威力が凄まじいことがよくわかった。……まあ、今更どうにもならんが。





この個体は、もともと宇和島運輸で八幡浜と別府を結んでいた船である。



新規導入したこがね丸は、多くの参加者の車両を乗せて、定刻通り10:25小木港を出発。よく見ると、港の端のほうで、たらい舟をやっていた。





たぶんああいうのが観光の王道なんだと思うよワイ。






「旅のスタイルが特化型過ぎて、全然縁がない」
「まあそれはそれでいいんじゃない?」


出航後、臨時の自転車預かりスペースを見たが、やはり自転車は少な目だった。来年こそは、ここが満杯になるほどの参加者が集まって欲しいものだ、と思わずにはいられない。




「え、来年も出る?」
「まあ、俺は不満とかないし、楽しいし、何より……」






アリーヴェデルチ!












TITLE:アドレナリンどっぱどぱ
UPDATE:2023/06/02
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