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301:銚子ライド



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。



本日のルート (powered by Ride With GPS)






イントロです。





「大先生、そろそろどこか行きましょうよ!」
「じゃあ、あそこにするか」


昨年シーズンの「行こうかなリスト」には入っていたのだけれど、結局タイミングを逃して行けずじまいだった場所がある。千葉県の銚子。犬吠埼と濡れ煎餅で有名な街だ。

内藤さん時代に訪れたことはあったが、あれからかれこれ10年以上ご無沙汰である。久しぶりにちょっと訪れてみようか、と考えてはいた。




「上板橋連合のkazさんも、本格的に乗り始めたことだし」
「ルートの下見も兼ねるのですね」






輪行の練習をし始めたkaz。スルーアクスルは慣れれば問題なさそうだ。



加えて、九十九里の周辺は漁業が盛ん。せっかくなので地物のおいしい魚も堪能したい。




「と、いう訳で、今シーズンのクチアケはこれでいい?」
「もちろんです!」






それでは出発。






通い慣れた道。


いつも通り、荒サイから平井大橋を経て、R14で千葉県へ。





WG-7、ちょっと逆光に弱いかな?



房総半島方面へのアクセスといえばコレ!  ってくらいよく通る道。船橋の市街地らへんでは相変わらず渋滞気味。





イケア方面に行くときに、マジで勘弁してほしいのよ。






「ここも相変わらずですね」
「信号のつながりがよくないんだよなぁ」


適度にすり抜けつつ、幕張まで来ると道幅が広くなる。





インターを境に、街が栄えだした。



このあたりから雰囲気がガラリと変わり、千葉の都市部然とした風景になる。




「40キロほど走りました。少しペースを上げてもよろしいのでは?」
「まだまだ脚が温まらない」


登戸の交差点まで来た。いつもならここを直進して飯給方面へ向かうのだけれど、今回はここを左折。





R14方面へ。



すると、唐突に頭上から轟音が。見上げると、巨大な塊がぶらんぶらんとぶら下がりながら、我々を追い抜いていく。





まるで近未来都市。






「わっ!  ビックリしたぁ!」
「モノレールだ」


千葉市の中心部と郊外を結ぶ交通機関として、今では希少種の懸垂式モノレールが運行している。街中に建つレール支柱がこの街の名物でもある。

海が近い千葉の街は、しかし内陸部が丘陵になっていて、狭い範囲で高低差が変化する地域である。こういった場所だと、地上よりも高架のほうが望ましいのだろう。そして、モノレールのほうが建設コストや専有面積を小さくすることができる。




「ただ、景観という面では……」
「モノレールが通ってるっていう景観を楽しめばいい」






こんな風景、そうそう見ないぞ。






最短距離か、楽しそうな道か。


さて、千葉市街から先の行程であるが、




「R126で東金に抜けるのが最短みたいだな」
「まあ、そうなりますね……」






ここを右に曲がる予定、なのだけど……



あまりアップダウンがない、走りやすい道に思えるのだが、ここでエルコスさんからこんな提案。




「R51を少し走って、県道22号に入ってみませんか?」
「どんな道?」


八街、日向を経由して、山武市の成東に至るルートとのこと。少し遠回りになるが、交通量少なめの丘陵地帯を楽しめるらしい。




「そして、山武市は悠木碧さんの出身地です」
「その情報、必要なのかwww」


結局、必要なのか微妙な情報に釣られて、R51ルートをチョイスした。





結局、直進し、丘越えに入る。



そして、どっちのルートでも結局成東に至り、そして成東で合流するということが判明したのは、坂を登り終わった頃だった。




「むしろ今必要なのそっちの情報www」
「ははは、仰る通りですwww」


市街地から少しずつ標高を上げていき、京葉道路を跨いで道なりに進むと、市街地で見た以来のモノレール高架が現れた。




「こんなところまで通ってるんだ」
「どうやら、この先の千城台ニュータウンまで続いているようです」






貝塚インターと成田方面を結ぶR51バイパス。



高架の先で、R51のバイパスと合流する。ここを右折して、成田方面へ。

有難いことに、風は東に向かって吹いてくれていて、追い風に乗って脚がよく回るように。





所々渋滞しつつ、四街道市へ。






「ノッてきた」
「乗れてきてますね!」


ようやく30キロ巡行が安定してきた。車線が減り片側一車線になると、先行していたご同業に追いついた。





フル装備。






「珍しい。4サイドだ」
「どこかでキャンプでしょうか?」


そのご同業をパスしてしばらく進むと、坂戸の交差点に至る。ここで県道22号に乗り換え、八街を目指す。





佐倉市に入る直前、DIC川村記念美術館方面へ。



そこはかとなく堆肥の匂いが鼻に着くようになった。市街地から走り始めて1時間もしないうちにこんな風景に変化する訳で、




「かつてこの辺りは田園地帯だったそうです」
「まあ、あの成田も昔は農村だったわけだし」






堆肥が湯気を上げていた。



なお、これから通る八街ではピーナッツが名産である。魚がうまい、夢の国がある、県境が全部川なので島国扱い、最北端が城などなど、様々な言われようではあるが、千葉県は農業が盛んな県でもある。




「……ちょっと待ってください。最北端が城、ってなんですか?」
「そこ喰いついたかーwww」






なんならコンビニで普通に野菜売ってるし。



なお、道のほうは農村地帯を貫く程よいアップダウンの道が続き、走りごたえがあった。いつも通りの50×18で脚がクルクル回せる。

八街はこの辺りでは比較的大きな街になる。市街地をウロウロし、日向入口の交差点を目指した。





日向入口交差点。






「ここを左折すると、日向駅を経て、成東に至ります」
「線路沿いの道だから、すごい登りとかはなさそうだけど」


その読み通り、道は下り基調となり、日向へと下っていく。その途中で、総武本線の踏切を渡る。





どうやらこの道は、日向街道というようだ。



今でこそ近郊型のロングシート車が運行しているが、かつては113系の旧型車がガタゴトと車体を揺らして往来していた。あの頃が懐かしい




「正直、このデザインは景観に溶け込まない」
「仕方ないですよ。コストとか考えるとこれが最適解だったのですから」


だって見た目まんま京浜東北線だぞ?





農村に突如現れる京浜東北線。






最短距離か、海沿いの道か。


日向駅は、その昔は無人駅だったと記憶している。今では駅前が整備され、郊外のベッドタウン的な様相を呈すようになった。





日向駅。






「圏央道が通るようになって、さらにそんな雰囲気になりましたね
「ただ、駅前のデイリーヤマザキは閉店してたな」






そうそう、確かここはデイリーヤマザキだった。



その圏央道を潜ると、すぐに成東の市街へ。ここでR126を左折するのが定石なのだが、




「海沿いに出てみませんか?」
「うーん、風が強そうなんだよなぁ」


風向きが変わり、南から北へ、やや強めに吹き出していた。海沿いに向かう、ということは、その区間は向かい風になってしまう。




「ちょっとこのまま国道ルートで行くわ」
「えー……」






結局、左折した。



残念がるエルコスさん。しかし、すぐに予定は破綻する。道の駅オライはすぬまの案内標識が現れたのだ。あと、途中に酒蔵もあるらしい。





右折して、6キロか……






「どうなさいます?」
「行ってみるか」


道の駅と酒蔵につられて、結局海沿いルートに切り替えた。仕方ない、6キロの向かい風と格闘するか。





県道から逸れて、行きついた先に……



ちなみに、酒蔵とは寒菊銘醸のことで、総乃寒菊をはじめとする日本酒の酒蔵として知られている。地産の米を使った、味わい深い酒を醸しているのだとか。




「寄って試飲したいんだが、まだ先は長いしな」
「また来ましょう」






酒造はこんな田園地帯の真ん中にあった。ネギ植わってる。



そして、道の駅オライはすぬまに到着。





大漁旗が荒ぶってやがるぜ。



昼飯時なので、ここで済ませていこう。レストランはどこk……





やべぇなんかうまそうなのが並んでる。









むしろこっちがいい。









「いわし丼がすげぇうまそうだ」
「いわしの天ぷらもおいしそうですよ!」






肉厚でぷりっぷりで味わい深いのよ。









間違いなかった。









「大先生ぇ、国道ルートを往くのではなかったのですかぁ?」
「俺はいわし丼といわし天を食べるためにここに来た。今決めた」


意地悪そうに、エルコスさん。よりにもよって礼子ちゃんで迫ってきやがった。まあ実際のところ、大変美味であった。下手にレストランとか入らなくて正解だ。





かき揚げ2つで100円、いわし天が150円、いわし丼が500円。750円で大満足。






「それで、これからどうなさいます?」
「今更、国道に戻ったところで。このまま海沿いの道を往こう」


エルコスさんによると、海沿いを往く道が一本。県道30号線、「九十九里ビーチライン」の愛称がある道だ。飯岡の海水浴場脇を抜けてふたたびR126に合流する頃に、銚子市に入る。

国道まで戻るくらいなら、このまま進んだほうが良いだろう。幸い、風の力も存分に借りれそうだし。





九十九里ビーチライン。名の通り、沿線には海水浴場が並ぶ。






「このあたりは、TDCで走ったことがありますね」
「よく覚えてたね。エルコスさんの初陣だ」


蓮沼、という名前で思い出したようだ。かつて毎年参加していたツール・ド・ちばに於いて、この場所がスタートだったりゴールだったりしていて、ほぼ毎年のようにここには来ていた。

そして、年度によってはこの道を通って銚子方面まで進み、折り返すルートを採用していた。

そんな経緯があるルートなので、当然ながら走っていて楽しい





匝瑳市までやって来た。






「信号がないのが有難い」
「こちらを選んで正解だったでしょ?」


ふと、路面に何やら見慣れぬアイコンが舗装されているのに気づいた。





ナビマークのほかに、こんなのも。






「これは?」
「太平洋岸自転車道のアイコンですね」


ナショナルサイクルルートのひとつとして認定されたルートだが、文字通り太平洋岸に沿って設定されており、その総延長は約1500キロほど。つまり、今見ているこの道は、その1500キロのうちの、ほんの一部ということである。





そういえば道の駅にもあったわ。






「いつかフルコーs……」
「ほんの一部でも走れたからクリアってことで」


フルコースなんて走ったら、一体何日かかるのやら。





余談だが、一部走破でOKなら、トカプチ400もクリア扱い。あとは富山か。






いわし食べたら満足した。


そういえば、この沿線には興味深い形状の建造物があった。





こいつ。






「これは?」
「津波が来た時に避難するための避難タワーですね」


津波というと東日本大震災が想起されるが、あれに限らず海岸沿いというのは津波のリスクが常に付きまとう。この建造物は、他にもいくつかあった。





構造的にはザルだが、緊急時には扉を破壊して使用するらしい。



避難タワーがある、ということは、海が近いことを物語っている。やがて、進行方向の右手に、大海原が広がりだした。





海まで来た。






「大先生!  写真撮りましょう!」
「今年初めての写真だな!」


飯岡海水浴場のあたりでパチリ。今年もエルコスさんはたっぷり被写体となるのであろう。





久しぶりにDBCC投入ですよ。



さて、ここから少し進んだところでR126に合流。丘陵地帯を超えて銚子市街に至ることとなる。

銚子駅から輪行の予定だが、幸い、遅い時間まで列車は走っている。あとは、何時の列車に乗るか、である。




「このあとのご予定は?」
「銚子電鉄の終着駅に、外川駅ってのがあるんだけど」


日暮れ時、白熱灯に照らされた駅舎の雰囲気が良く、せっかくだからそこでも一枚写真に収めたいと思っていた。なので、銚子駅に行く前に、外川駅がある犬吠方面を迂回したい。





資料映像(2008年12月に撮影)。このときは内藤さんだったが、こういうの撮りたかったんだよね。



それも踏まえて、銚子駅離脱の時間を計ると、16:38発の特急にギリギリ間に合うかどうか、ということが分かった。




「ですがこれでは、銚子で海の幸を堪能すr……」
「いわし食べて満足したから問題ない」


方針は決まった。とりあえず、少し急がなければならない。まずはR126に合流。





登りの途中で、銚子市に。



交点より登り勾配がスタートする。かつて内藤晶時代に通ったときは、この登りに難儀した記憶があったが、あれから時間とともに経験値が増した。何より、今は走りたくて仕方がないエルコスさんがいる。




「いいペースですよ!  このままグイグイいきましょう!」
「いいね、踏めてるぜ!」


こうして、銚子に乗ってギアをかけて踏んでいると、次に待っているのが、




「すまんエルコスさん、脚攣ったwww」
「なんで18Tのまんまなんですかーっ!?」






遠くに先行するご同業がいるが、追いつけず(この時脹脛伸ばしてた)。



15:15、県道286銚子ドーバーラインへ。犬吠埼や外川港方面へショートカットできる海沿いの道だ。これで時間を稼ごう。




「すげーダイナミックな道だ!」
「荒涼としてますね!」






犬吠の高台部分を往く快走路なのだが、遮るものもあまりない。



千葉にもこんな景色があったのか。ただ、遠くで風車がぐわんぐわん回っていて、そのせいで横風が強く、挙句には、




「痛ぇーっ!?  なんだなんだ?」
「砂がすごい勢いで飛んできてます!」


天然のサンドストームを喰らってしまった。





キャベツ畑の向こうに、海岸線が見えた。



さて、道は銚子電鉄の犬吠駅前まで続いていたのだが、肝心の外川駅はもひとつ隣。




「とりあえず南へ向かってください。そして、左手の路地裏にあるようです」
「意外と覚えてないもんだな……」


15:52、外川駅着。とりあえず46分残しで、今回の目的地に到着した。





外川駅の外観は、相変わらずだった。






「本当なら、日暮れ時に来たかったんだが……」
「次回の宿題にしましょう」


また宿題が増えたが、外川の街並みや、静寂に包まれた漁港の風景など、もう一度訪れるだけの価値はある。





資料映像(2008年12月に撮影)。外川港へと下る路地から海を臨む。






「ううう……  やっぱり18時の特ky……」
「また今度な」


次回は、ちゃんと時間を調整して訪れることにしよう。





外川駅に静態保存中のデハ801。余談だが、架線は直接吊架だった。



さて、外川から銚子までは、最短ルートでだいたい6キロ強の距離。この残り時間であれば充分間に合うだろう、という読み通り、16:13銚子駅着。本日の走行距離は133キロとなった。




「ご同業がたくさんいますね」
「自転車に乗るのに、丁度良い季節になったってことだな」






銚子駅前は輪行するスペースが豊富で、この日は自分含めて6組が袋詰めに勤しんでいた。



ただ、輪行中のご同業を見ると妙な競争心が生まれ、とりあえず輪行セットアップで仏契したことだけは述べておく。5分もあれば輪行は問題ない。





それじゃ本日はここまで。












TITLE:銚子で魚を食べない。
UPDATE:2022/03/09
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