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295:ヤマイドウ13〜サロイチ!〜



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。




本日のルート (powered by Ride With GPS)




イントロです。


8:00、サロマ湖畔北部にあるサギ沼駐車場にて、とりあえず感じたことが、




「潮臭い」
「湖と名がついてますが、海と繋がってますから」






塩っ気のある日本第三位。



これが日本で3番目に大きい湖である。そもそも、この湖は砂洲によって仕切られているが、およそ1000年前は、オホーツク海に面する湾として存在していた。




「しかも、季節によって湖になったり湾になったりしていたようですよ」
「どういうこっちゃ?」


現在では人工的に開削した河口によって、常時オホーツク海と接続することができ、結果、豊富な海産資源を産出する漁場となっている。

なお、その代償としてサロマ湖畔を周回することはできず、西は砂洲部の突端にある三里浜で、東は砂洲の付け根付近にあるワッカ原生花園で、それぞれそれより先に立ち入ることはできなくなっている。




「特に原生花園側は、環境保護もあって絶対に立ち入れません」
「まあ、どっちにしたって、河口は渡れないんでしょ?」


とはいえ、長いこと北海道で遊ばせていただいている身としても、サロマ湖は一度も訪れたことはなく、情報はすべてエルコスさん頼み。




「見てみたくありませんか?  サロマ湖の果てを?」
「見てみたいよそりゃ」


という訳で、手頃な駐車場を探した結果、ここになった次第。ちなみに、今回のルート沿線には無料の駐車場が点在しているので、スタート地点は豊富にある。




「原生花園側にも駐車場がありますし、道の駅もありますね」
「今回はここからアチコチ見てみようか」






それでは出発。






SLと珍しい線路。


8:05、サギ沼駐車場発。

周回することは叶わないので、まずは反時計回りに原生花園を目指そう。




「ルートはほぼ全域でR238になります」
「まあ、迷うことがないだけ有難いかぁ」


なるべく湖畔沿いとなるようにルートを取っていくが、このあたりは湧別町の牧草地帯を碁盤目のように道が通っている。とはいえ、南下すればR238に出られるので、迷子になるようなことはなさそうだが。





サンゴ岬方面に向かっていたのだけど……






「大先生ストップ!  こっちじゃないです!」
「てか、砂利になったぞ!?」


ちょっと攻めすぎた。標識通りに進んで国道に出ることにする。





ここを左折して、常呂方面へ。



R238はオホーツク海沿岸を縦貫する幹線国道で、道東と道北を接続するルートになっている。沿岸の海産物だったり、道東の農産物であったり、牧場に卸すサイレージだったりを満載した大型トラックがバンバン跋扈することで知られる。





湖とは無縁の牧草地帯。



道幅が広いのと、比較的おおらかなドライバーが多いのが幸いし、追い抜かれるのはそれほど怖くない。




「まあ、風圧だけはいかんともしがたい」
「気を付けてくださいね。怪我なんて笑えませんから」


さて、サロマ湖周辺の道は、決して平坦という訳ではなく、まあまあな丘陵地帯となっている。併せて、牧草地帯となっている箇所もあるので、湖畔沿いの快適な風景がずっと続いているわけではない。





併せて、小さな街をいくつも繋いでいく。



サロマ湖の雄姿が伺えるのも、道の駅のあたりまで待たなければならない。うっすらと潮の香はするのだけれど。

芭露の街を過ぎると、道の駅に至る国道はちょっとした丘越えに入る。のだが、





決して登り坂に日和った訳ではない。






「こっち旧道だろう。湖畔沿い走れそうだ」
「いいのですよ。丘越えを回避したいという本音を口にしても」


すっかりバレてるなwww。とはいえ、先ほどから西向きに風が吹いていて、脚がちょっとしんどいのよ。

そして、交点から少し走ると、ようやくサロマ湖が見えた。





サロマ湖がすぐ目の前に。






「大先生!  写真撮りましょう!」
「天気がイマイチだけど、まあ仕方ないか」






湖というよりかは、やはり湾というイメージが強い。



さて、道の駅を越えたあたりで現道と復帰、そこからさらに5分ほど進むと、計呂地の街に着いた。





SLだけでなく、何やら面白い記述が。






「あ!  SLが停まってますよ!」
「なんか宿泊って文字も見えるな」


旧国鉄時代の客車をライダーハウスに転用しているようだ。残念ながら、昨今の情勢で営業は中止しているようだ。





寝袋必須の雑魚寝スタイル。



もしもここが利用できるようなら、北見、佐呂間、湧別周辺の農業地帯をぐるりと回りながら面白いルートが引けそうだ。




「ただ、令和の時代に旧国鉄客車て……」
「今では24系客車ですら過去のものになっていますからね」






もはや旧型客車とかってレベルでもないよな……



ちなみに、なんでこの位置にSLがあるのかというと、ここにかつて鉄道が通っていたから。




「湧網線という名前だったようですね」
「湧別と、……網走か」


名前の片割れである湧別にも、かつて名寄本線という路線が通っていた。1989年に廃止された路線であるが、歴史に間違いがあれば、もしかしたらオホーツク沿岸沿いに稚内まで至る路線の一部となっていたかもしれない路線である。





かつてはこの辺りにもSLが走っていたようだ。






「マニアには面白い路線だったようです」
「と、いうと?」


およそ40年前の話であるが、網走を発車する夜行列車に乗り遅れた場合、湧網線を利用すると遠軽で乗り継ぐことができたという。石北本線が北見や瑠辺蘂を迂回するのに対し、湧網線は(湧別に至る場合に限るが)ほぼ一直線に繋がっているからである。

あと、現役で使用されていたベルギー製のレールが残されている。





ただ、案内板があるから分かることもある。






「まあ、正直見分けはつかない」
「本音はそこですよね」


さて、ここからしばらくはサロマ湖の湖畔を往く。相変わらず向かい風が吹いていて、あまり速度は上がらないが、今日は大した距離走らないので、足慣らしのつもりでのんびり走ろう。





湖岸すれすれを走ると、ようやく旅情が生まれてくる。






「ところで、補給できる店とか、なくない?」
「残念ながら、この区間のほとんどで、コンビニのような商店はほとんどないようです」


いつも通りの流れになってきた。そんな無意味なワクワクを感じていると、9:25道の駅サロマ湖着。





朝早いながらも、結構な客入りが。






「丁度いいからここで朝ごはん食べよう」
「たっぷり食べてきてくださいよ」






地物の豚丼。612円。



さて、道の駅サロマ湖の地理であるが、湧別と常呂の中間点か、わずかに常呂寄りといったくらいの場所。このペースでいけば、原生花園には午前中には到達できそうだ。

朝ごはんと補給を済ませ、ふたたび丘陵地帯を登ったり下りたりしていると、浜佐呂間の街に着いた。10:20の到着で、このちょっと先で北見市に入る。





浜佐呂間で飲食や補給が期待できる。それにしてもアップダウンが……






「道道442号線に入ってください」
「ここかな?」






ここを左折して湖岸方面へ。



なお、R238はここでサロマ湖から離れ、能取湖方面に至る。道道442を北上すると、原生花園へと至る。




「わかりやすく、サロマ湖だな」
「大先生!  写真写真!」






サロマ湖の東岸まで来た。






サロマ湖の果てとは。


案内看板に沿って進んでいくと、駐車場とゲートが見えた。……ゲート?





わりと頑丈なゲートがお出迎え。









通れないやん。









「もはやここまでか」
「……いえ、あれを見てください。レンタサイクルですよ!」






ネイチャーセンターでは、原生花園のギャラリーなども併設されている。あと、ベロタクシーも。



それに、よく見てみたら、自転車は通ってもよさそうだ。念のため、ネイチャーセンターで確認を取ってから、柵の向こう側にドロップイン。





よく見りゃ、自転車は大丈夫そうだ。



ネイチャーセンターから先は、徒歩か自転車での移動となるが、ベロタクシーを利用することもできる。いずれにしても原動機付は入れない世界だ。

これを進んでいった先に、サロマ湖の果てはあるようだ。どんな景色が待っているのだろうか。





こんな景色。






「原生花園の名前通り、自然豊かなのだそうです」
「電柱すらない。まるでエサヌカみたいだな」


もしかしたら、一般受けしない北海道の絶景とは、どこもこういった感じなのかもしれない。

その原生の大地を追い風に乗って西に進み、オホーツク海が見えるところまで来ると、





随分とファンタジックな名前の街道。






「竜宮、……小町?」
「違います。竜宮街道です」


この砂洲そのものを指してそのような名前がついているのだが、その由来はというと、





アレ?  5月にも見たなこの名前。






「また桂月ですねwww」
「どんだけ旅好きなんだよあの文豪www」


ただ、これだけ長い砂洲というのも他に類を見ない。この地形を見て色々想起するのも頷ける。そして、この看板の奥に、オホーツク海があった。




「大先生!  写真撮りましょう!」
「海が荒々しいぜ」






余談だが、翌日は荒天のうえに激寒だった。



さて、そこからさらに西に進むと、突如として現れる立派な橋。





このあたりでは特異過ぎる人工物。






「サロマ湖の第二河口です」
「河口が2個あると書いてあったが、こっちは渡れるんだ」


これなら第一河口のすぐ近くにも、もしかしたら行けるんじゃないか?  などと思ってしまうが、道はやがてダートになり、そして最後はワッカの水で道は途絶えた。





サロマ湖の果てには井戸があったが、塩っ気のない水が湧き出ていた。






「さすがにこれ以上は無理ですよ」
「ホントだ。そもそも道がない」


これより先は、法を破って海岸線沿いを往かない限り、河口までは辿り着かないようだ。おまけに砂洲とはいえ自然の宝庫でもあるので、下手すりゃ野生動物に襲われる

それでは、第一河口は絶対に見ることは叶わないのか。というと、そんなことはなく、




「対岸の三里浜からなら、ギリギリ見えるかもしれません」
「対岸……  て、ほぼスタート地点に戻るじゃんかwww」


それでは、もうひとつの果てを目指して、ワッカの水を出発しよう。





第二河口よりオホーツク海を望む。



ところで、さきほど竜宮街道の看板があった地点は、丁字路になっていたのだが、




「この先、竜宮街道は続いているようです」
「ちょっと行ってみるか」






こんな感じで道がずっと続いていた。



ネイチャーセンターには行かず、案内看板も出ていない道のようだが、一体どこに出るのだろうか。折角なのでちょっと行ってみよう。

ちなみにこの道は、ネイチャーセンターから続く遊歩道とは関係が全くなさそうで、進めば進むほど人気がなくなり、一気に心細くなる。

鐺沸という名の地域まで来ると、ちょっとした石碑があるのに気が付いた。





旧サロマ湖の河口、とある。






「どうやら、昔はこのあたりに河口があったようですね」
「……てか、毎年春に掘り返してたんか」


結局、ここの河口は、現在の第一河口、第二河口が完成したタイミングで閉塞し、以降オホーツク海と接することはなかったという。冒頭にエルコスさんが、「季節によって湖になったり湾になったりしていた」とはこのことを指すようだ。




「折角だから、写真だけ撮っておくか」
「わぁい!」






「春に掘り返す」とは、要するに渇水時に自然閉塞するからだという。



さて、この竜宮街道は、やがて鬱蒼と茂る森の中に突っ込んでいき、そして最後は、





常呂側の"裏口"。






「牧場の横に出てきた」
「裏口という感じですね。どのみち、オートバイは入れそうにありません」


なお、裏口とエルコスさんは言っていたが、定期的な需要はあるようで、道中でランをしている人を4人見かけた。どうやら、知る人ぞ知るルートらしい。

牧場を抜けるとすぐに道道442号交点に差し掛かる。ここを右折すればよいのだけど、




「もう少し直進してください。R238の交点に出ます」
「戻るにはそっちのほうが早いか」






田園地帯を抜けて、R238交点へ。



こうして、R238に合流した後は、追い風に乗って西へと走り、





ここからの朝陽、夕陽は感動的なのだという。



湧別町の交点まで戻ってきたのが14:19。ここを右折してサギ沼駐車場を目指すのだが、目指す三里浜は、駐車場よりさらに約6キロ先。




「向かい風がウザい」
「頑張ってください。もうすぐ着きますから」






サロマ湖を漁場とする小規模な港も点在。



こうして、三里浜到着は14:55。第一河口の東側はキャンプ場が併設されているほか、展望台があったので、そちらから河口の先端を望むことができる。





とはいえ、河口はここからさらに1.5キロほど先にある。






「ちょっと分かりにくいな」
「いいではないですか。それだけミステリアスなのですよ」











TITLE:果て==ミステリアス
UPDATE:2021/08/23
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