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289:カスイチ!



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。






本日のルート (powered by Ride With GPS)




イントロです。


6:05、かすみがうら市水族館駐車場発。





まあまあのキャパがある。近隣の歩崎公園の駐車場でもよい。



ここにはかすみキッチンが併設されていて、カスイチの休憩スポットとして活用できるほか、レンタサイクルも充実していた。まあ、当然ながら







まだ営業時間前。










営業中の店内はこんな感じ。レンタバイクはジャイアントが中心。






「霞ケ浦は一周125キロ程度です。スタートを遅らせても……」
「うーん、未知のルートだから時間的な余裕を作っておきたいんだ」


まずは土浦方面に向かう。日本で2番目に大きい湖として名を馳せる霞ケ浦一周であるが、意外にもフルで一周するのは初めてである。




「だが、ビワイチと比べて、評価がかなり低いんだ」
「そうですね、わたしも調べてみたのですが……」


総じていえば、とにかく向かい風がエグいということらしい。……まあ、これはビワイチのときも同じことが当てはまるわけで、周回コースの場合はどこかで追い風と向かい風はセットになる。……というケースが多いのだが。




「あと、補給できる商店が多くないらしい」
「補給を疎かにする大先生にとっては、あまり問題ないのでは?」






まったくないわけではない(ここは沿線に直結したファミマ)。



沿線にコンビニが全くないわけではないが、湖岸ルートから少し外れなければいけないという。まあ、これも問題にするようなポイントではないと思うのだが。




「一番の問題は、メチャクソ臭いってことらしいが」
「うぁ、大先生、なにか浮いてますよ……」






こんなんが至る所に、夥しい数、pkpkしてんのよ。



そこかしこで召されたお魚さんがプカプカ浮いていたり、あるいは浜辺に打ち上げられていたり。まあ、心象はあんましよろしくない。

それでも、何とか水質を改善しようとあの手この手で対策を取っているようである。また、豊富な漁場であることには変わりなく、至る所で釣り糸を垂らす釣り客の姿が。





霞ケ浦は、絶好の釣りスポットでもある。






「まあ、本当に退屈かどうかを見極める意味でも、ちょっと走ってみよう」
「わかりました。それではまず、土浦ですね」


確か土浦には、りんりんポート土浦という施設があったはずである。





約18キロ先の土浦へ。






レンコン畑と霞ケ浦とコンタクトレンズと。


趣ある住宅街を抜け、県道118号を左折。

この道をまっすぐ行けば、土浦の市街地に到達するわけだが、





どうみても湖とは関係ない農村地帯。






「霞ケ浦が見えないな」
「あの堰堤に上がってみましょう」






堰堤方面へ。



適当なところを曲がり、堰堤方面へ。そしたらさっそくヌッチャ系の道に変わる。




「お、降りてください!」
「階段を上る必要があるから、どのみち降りるよ」


かすみがうら市はレンコンの一大産地。そこかしこがレンコン畑で、見渡すと一面のレンコン畑が広がっている。そんな畑の間をすり抜けて堰堤に上がると、ようやく広大な霞ケ浦を一望できた。





ようやっと水面が見えた。






「大先生!  写真撮りましょう!」
「よしよし、ちょっとそこに立ちな」


……と、ここでとんでもないトラブルが発生した。デジカメの電源が入らないのだ。




「充電はしてたはず……  壊れた!?」
「まさか……  って、大先生、普通に動いてますが?」


そんなバカな!?  だって、プレビュー画面には何も映っt……





レンズありなしでこの見え方よ。









アイウェアの電源が入らない。









「落ち着いて大先生www  アイウェアに電源は必要ないですwww」
「やべぇパニックになってるwww」


スキーのメガネ曇り対策に、今年のはじめからコンタクトを導入している。それを自転車でも活用できないかと、ミラーレンズの安物アイウェアを導入してみて、「お、イイ塩梅じゃんかい!」と有頂天になっていたのがつい先ほど。

まさかレンズ越しにプレビュー画面がほとんど見えなくなるとは思いもしなかった。幸い、レンズずらして裸眼で(といってもコンタクトはしているが)見れば、今度はちゃんとプレビュー画面が見える。面倒だが、今日はこれで対応しよう。





ようやく1枚撮れた。



こうしてエルコスさんを写真に収めているときに気づいた。どうやらここがカスイチの公式ルートらしく、路面にナビマークが描かれていた。しかも、ビワイチと異なり、右回り、左回り共にナビマークが描かれている。





こんな感じのナビマークをトレースすればよい。






「ビワイチだけではなく、周辺のルートにアクセスできるようなしくみですね」
「環状道路みたいなもんか」


土浦駅からは筑波山方面やりんりんロードが接続されているし、潮来からは銚子方面へアクセスできるほか、商家の街・佐原に足を運んでも良い。カスイチをフルコース周回するのも良いが、こうしたオプションをつけて楽しむのが良いのだろう。





先を急ごう。湖畔すれすれの道を往くよ。



カスイチは基本的に湖岸の縁をなぞるように進んでいく。案内標識は視認しやすく、そしてわかりやすいつくりになっているので、初めての人が走っても大幅に迷子になることは少ないだろう。




「あ、土浦市に入ったな」
「路面に市町境が描かれているのですね」






カスイチルート上では、他の自治体もだいたいこういう風に表記されていた。



早朝の時点で、風は南東方向から吹いている様子。まだこの時点でしんどさを感じることはなかったが、果たしてどうなるか。





土浦の街が見えてきた。



境橋を渡り、霞ケ浦浄化センターを迂回するように走ると、6:50りんりんポート土浦到着。





橋を渡って球場のすぐ隣がりんりんポート。



ここは、昨今の情勢がなければ有料でシャワーを利用することができる。また、無料駐車場完備で、カスイチを始めるには理想的な施設が整っている。

この日も、ハンドサイクルの御一行が左回りルートを走り始めていた。




「ここでよかったのでは?」
「まさか無料の駐車場がこんなにあるとは……」


実は今回、どこをスタート地点とするかでだいぶ考えることとなった。丸一日運搬車を駐車させて問題のない場所(ついでにいうと、車中泊してもあまり怒られなさそうな場所)を検討した結果、先述のかすみがうら水族館に白羽の矢を立てたのだが。




「ただ、車中泊は難しいぞ。結構な市街地だし」
「首都圏から朝イチで訪れるにはよさそうですよ」






駅のすぐそばにある。そもそも霞ケ浦自体が土浦駅前まで広がってる。






歴史的な遺構と歴史的な兵器と。


土浦市街を抜け、ふたたび霞ケ浦の沿岸沿いを走る。霞ケ浦総合公園を抜けるルートで、このあたりは整備状況が良い。というよりも、舗装の状況は全体通してかなり良い





総合公園のシンボル、大風車。霞ケ浦浄化事業の一翼も担う。






「すっげぇ昔、このあたりはダートだったような気が……」
「わざわざ整備したのでしょうか?」


やがて道は、ほんの僅かな区間だがR125を通る。そして、土浦駐屯地を抜けた先で、ちょっと見逃しやすい感じで左折の案内が。





土浦駐屯地脇の「路地」。



ちょうど駐屯地をぐるりと回る感じの道だが、そこに、予科練平和記念館があった。




「予科練、……とは?」
「旧日本海軍の中で、航空機を扱う兵士さんを育成する科ですね」


当初は操縦士育成のためのエリート育成という趣もあったが、末期には特攻隊要員として回ることもあったという。ちょうど、入口付近に復元された回天が展示してあったのが、何とも言葉に表しにくい。





本物ではなく、模型のようだ。



なお、ここは見学が可能である。大人500円。昨今の情勢で、休館日が設定されているようだが、時間に余裕があれば観光に組み込んでみても良いだろう。





かつてここに、操縦士を志す若者が集結していた。



平和記念館を抜けると、右手に広大な田園風景、左手に霞ケ浦、という景色が続く。このあたり、釣り糸を垂らす釣客があちこちに見受けられるが、





しばらくはこんな感じの風景が続く。






「……景色が変わんねーなぁ」
「カスイチの低評価ポイントの一つにもなっているようです」


……そう、湖南部はほとんどの場所で、ほぼ景色の変化がない。たまに住宅地の中を縫って走ったり、霞ケ浦に注ぐ河川部を渡るために大きく迂回したりするほかは、田園地帯と霞ケ浦と釣り人のラッシュなのである。

浜名湖のようにアップダウンがあるわけでも、琵琶湖のように景色の変化があるわけでもない。なるほど、このあたりがちょっとウィークポイントになるのか。





時折現れる「萌え要素」。






「だけど、古い建物とかが出てくると、少し目が和む」
「大先生がメカニカルなもの好きだからですよ」


いや、そうは言っても、時々こういう歴史的な遺構を見ると、なんだかワクワクするだろう。





確か、医科歯科大学の霞ケ浦分院跡だったか(そもそもここは海軍航空隊基地跡)。



さらに、途中にコンビニ休憩を挟んで、行程を進めると、





メカと建造物と電力設備の融合体。






「ホラ来たぜアレ!」
「わー!  確かにちょっとワクワクするかも」


霞ケ浦から水を排出するポンプ場のようだが、何がすごいかって





でかいカボチャが3個。









高圧の変圧器が剥き出し。









「ヤヴァイぜ、近くで激写しt……」
「何言ってるんですか本職の電気屋さんが!?  死んじゃいますよ!?」


この、一見するとファンシーなつくりの変圧器、恐らく絶縁油が循環していて冷却をしているのだろう。あと、単相が3台だが、2相ずつ変圧しているので、これはΔ−Δ結せn……




「そんなメニアックな情報、誰得なのです?」
「俺得」


言うまでもないことだが、柵を乗り越えて侵入してはいけないし、高圧充電部は触らなくても感電する





ちょっと元気出た。



さて、素晴らしい物件を堪能出来てゴキゲンな我々は、さらに走り続けて和田岬まできた。ここは、デイキャンプができる公園がある。また、無料の駐車場も完備していて、ここを起点としてもいいだろう。ちょうど、ご同業の集団が走り始める準備をしていた。





丁度良い休憩スポット。






「ここなら車団地も出来そうだな」
「ただ、地元の若者が夜な夜な屯してそうな感じでもありますね」


和田岬到着が9:03。走行3時間で走破距離がだいたい62キロほど。アベレージで20キロになる。




「5時間で100キロペースか。こんなの久しぶりだな」
「いつもであれば、もう少し時間がかかってましたものね」






その和田岬公園のキャンプサイト。2021年現在は利用規制がなされている。



走っていて気が付いたが、信号機がほとんどないので、淡々と走り続けられるならもっとアベレージを上げることもできるだろう。今まで散々言ってきたが、カスイチも案外悪くない。

……と、ここまでは順調だったのだが、稲敷のあたりで新利根川を渡ったあたりから、少し雲が出てきた。と同時に、東からの風が強くなったように思う。ということは、




「進まなくなった」
「南東の風ですから、完全に向かい風ですよ」


カスイチの低評価要因のひとつでもあるこの向かい風。あとどれくらい我慢すればよいのやら。





ちょっと雲行きが怪しくなってきたかな?






「ですが、まもなく北利根橋ですから、そこで折り返せば――――」
「風向きが変わるから、追い風になるのか!」


事実、常陸利根川を渡り、左折してR355に入ると、脚は一気に軽くなった。





ここから東岸部に入る。






霞ケ浦大橋まで


湖岸道路に復帰するため、手頃な場所で路地に入る。





そしてふたたび湖岸道路へ。



ここ一帯は、キャンプできる公園があったり釣スポットがあったりと、人の往来が増す区間である。その上、霞ケ浦に流入する河川を渡るため、だいぶ大きく迂回することも。





とりあえず、このナビマークに沿って進めばいい。






「あの路面のシンボルを参考に走ってください」
「これ結構わかりやすいな」


ただ一つ、注意しなければならないのが、この道がサイクリングロードではなく一般的な車道であるということ。つまりこの狭い道を、







クルマが普通に通る。






適度に追い抜いてもらったりして、事故のないように走りたい。





クルマ1台分の幅で、さらにカーブしてるから追い抜かれるのも至難の業。






「ちゃんと前を見て走ってくださいね。落ちますよ」
「本当に落ちそう」






曲がり切れないとOBになる。



あと、途中には休憩スポットもあるので、弁当を拵えて一服するのも楽しいかも。





東屋があるので、夏場は避暑に丁度良いかも。



相変わらず、右手に田園、左手に霞ケ浦、湖面には召された魚が連続するが、時折湖面から離れるとヨシの平原が広がったりして、僅かながらの景色の変化が楽しめる。





たまに風景の変化はある。



そして、遠くに湖を渡る大きな橋と、巨大な塔が見えてくれば、霞ケ浦大橋とそれに隣接する道の駅たまつくりである。





R354を潜って、すぐ右側に。






「ちょっと休憩していきましょう。ここまででだいたい90キロです」
「暑くなってきた。ちょっと冷たいものでも」


こうして、ソフトクリーム休憩を挟んでみたものの、まだ時刻は10:30であった。思った以上にペースが早い。





限定アイス的な何か。






特攻するか、宿題にするか。


ふたたび走りはじめ、おおよそ10キロほど走ると、湖の形状的にほんの僅かな区間、南を向く箇所がある。




「一気に重たくなった」
「まあ、南東の風ですから」






ふたたび雲が出始めた。風も強くなった。



程なくして進路は北向きに戻ったが、このあと高浜まで北上し、県道144交点の先、愛郷橋で恋瀬川と分岐し、カスイチは南向きに折り返す。この恋瀬川沿いに北上すると、どうやら筑波山であったり、つくばりんりんロードに連絡出来たりもするようだ。また、整備状況はよろしくないものの、サイクリングロードも伸びているとのこと。





愛郷橋。筑波山方面への分岐点になる。






「行かれますか?」
「うーん……」


ここからりんりんロードを経て土浦に戻るとなると、概算でプラス80キロといったところだろう。走れないことはないだろうが、りんりんロードは向かい風で迎えることになりそう。




「宿題にするか。風が弱い日にまた来よう」
「ちょっと残念ですけど、仕方ないですね」






筑波山が呼んでいるみたいだが、りんりんロードはまた今度にしよう。



という訳で、愛郷橋を渡ってからふたたび霞ケ浦方面へ。

案の定、向かい風がヒドいのだけれど、もうゴールは見えた。ペースを落としてのんびり往こう。




「それにしても、召された魚が浮いている横で釣りをしてる方々って……」
「その魚は美味しいのだろうか……?」






ホントにそこかしこでpkpkしてた。



残り約20キロでかすみがうら水族館に至るのだが、向かい風の中必死に抗う我々の総意は、コレに尽きたのだった。







ちょっと魚死にすぎ。










霞ケ浦大橋が見えてくると、水族館まではすぐそこである。



ただ、ルートそのものは下馬評ほどヒドくはないと感じている。特に、信号のない区間が多く、ある程度のペースを維持して走る分には良い練習になるだろう。





ふたたびレンコン畑を抜けて。



ただし、周回ルート故に、ひとたび風が吹けば必ずどこかの行程が向かい風となるので、その時は如何にやり過ごせるかが攻略のポイントとなりそうだ。





戻ってきたときには、駐車場はほぼ埋まっていた。



そういった感じで、12:25にゴール。走行距離は127キロであった。




「だいぶ時間が余ったが、まあヨシとするか」
「そうですね。ルートの考察をして、また来ましょう」






参考までに、霞ケ浦周辺はこんなふうになっている。












TITLE:霞ケ浦一周125キロ
UPDATE:2021/05/07
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