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287:ハマイチ!



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。






本日のルート (powered by Ride With GPS)




私信


私事だが、4月より配属先が変わる。

んで、3月末に振休を消費しなけらばならなくなり、結果的に1週間ほどドカンと休みができた。




「それでは、浜名湖はいかがでしょうか?」
「ハマイチはまだ未訪だったな」


ここ最近、ゆるキャン▲の影響とかで浜名湖界隈のキャンプシーンは勿論のこと、なでしこがグルグルしたことで知れ渡った







ロングライドの好物件






としての評価が得られたこのルート、2021年シーズンのクチアケにはうってつけなのではないか。





JCがグルグルできる程度のルートなのだ。






「じゃあ、今回はそこにするか」
「わかりました!  それでは、ルートを準備しておきますね!」


そんな訳で、運搬車に引っ越しの荷物を満載し、荷室にエルコスさんをマウントし、現職場を出発して一路、浜松へ。




「ドナドナみたいな表現しましたね?」
「『悪魔城ドナドナ』?」






出撃と全然関係ないが、こいつのせいでドナドナが矩形波になった(もしくはJDK)。



あと、アクションカム用の1/4六角穴付が引っ越しのドサクサで紛失したのに気が付いたので、





ネジ類で困ったらHODAKAに行け!






「富士宮にもあって助かったぜ」
「毎回、何かしら不足するの、是正してください!」





お手軽な湖一周


浜名湖南岸の渚園キャンプ場駐車場に運搬車をデポ。





さすがに堂々と車団地するには勇気が必要(目の前が管理事務所なので)。



ハマイチをする場合、どこをスタート地点とするかがポイントとなるが、ここは1回400円で停め放題である。また、隣接のキャンプ場が410円で利用できる。




「乗り入れができるならさらに良いんだけどね」
「お高いですが、オートキャンプもできるみたいですよ」






ちなみに、ここも劇中地。グッズ販売とビーノの展示が行われていた。



さて、7:10渚園発。湖岸一周のセオリーに従い、反時計回りでまずは舘山寺を目指す。





浜名湖あるある。鰻もいいが魚も旨い(妹の旦那曰く)。



走り出して気が付いたが、西からの風がまあまあ強い。しばらくは北上ルートだから影響はさほどないだろうが、どこかで向かい風の洗礼を食らいそうだ。




「なかなか走りやすい道ですね!」
「風がなければもっといいんだが」






湖岸にはナビマークが印字されているので、それを目安に走ればよい。



しばらくは県道323沿いに走り続けるが、村櫛のあたりまで来ると、ルートは県道を外れる。




「ここ?」
「ここですね」






突如として現れる自転車道の入口。



浜名湖周遊自転車道は、浜名湖の大部分を水際に沿って走るルートである。所々で水たまりがあったり、落ち葉で路面が荒れている個所もあるが、波打ち際を走れるところがツボにはまる。




「あ、結構いいかも」
「楽しいじゃないですか!」






ホントに波打ち際なので、映えるポイントに事欠かない。



なお、このルートは湖の淵をなぞっているので、時々テクニカルに曲がる。このあたり、緊張感を忘れなくて良いなぁ、と思う。





これはまだいいほうで、場所によってはガードレールがない(突っ込んだらドボン確定)。






「あ、なんか観覧車がある」
「舘山寺ですね。浜名湖有数の景勝地ですよ」


7:35、舘山寺着。





時代と歴史を感じるフォントのホテル群。だがそれがたまらない。



景勝地らしく、温泉旅館が立ち並び、雰囲気ある街並みが続いている。ここからさらに湖岸沿いを往くのだが、コンビニがあったので補給をしておく。





あと、至る所に鰻の文字(鰻の店は湖北側に多い)



季節柄、桜咲く春真っただ中で、至る所で満開の桜を見上げることとなる。




「今年の花見はコレで決まりですね」
「なんとか今年も桜を見ながら走れるよ」


そして、自転車道をさらに進むのだが、明らかに県道を避け、そして県道よりも大回りなルートを通っている。





細江までの区間は、特に大回り感がある(そのぶん道も走り応えがあるが)。






「勾配を避けてるのか」
「仰る通りです。自転車乗りに優しいルートの設定をしていますね」


しかし、ハマイチとてそれ程大甘に構えてはいない。大草山周辺では丘陵地形に突入し、インナーを使うかどうしようか迷う程度には登る。

ここでミスコースしたっぽいのでルートの再確認をするが、




「ビワイチ一周ルートを示す舗装があるので、それを目印に」
「どこかで見落としたのか」






やがて、湖から川に変わっていき……



東名高速を潜ってさらに波打ち際を進んでいくと、やがて湖、というよりかは川に近い雰囲気となる。それでも案内通りに進んでいくと、みをつくし橋という橋に差し掛かる。




「みをつくし……?」
「漢字で書くと、『澪標』ですね。ちなみにこれは、橋ができたときの町章とのことです」






これが澪標。同時に旧細江町の町章でもある。



橋そのものは平成元年に架けられ、ハマイチのいちルートとして親しまれている。ところでこのみをつくし、であるが、エルコスさんによると、航路の境界を示す標識なのだとか。




「これがないと、最悪、座礁したりします」
「河口近くにあるのは、土砂が溜まるからだな」


なお、浜名湖にある澪標は、もう少し先にもあった。旧細江町のあたりで、そのデザインは町章そっくりである



こういう具合に建てられ、航路の境界を示していた。






「なるほど、そういうことか」
「大正時代の頃まで、重要な役目を果たしていたようです」


澪標の勉強もそこそこに。橋の袂は桜の名所だったようなので、ちょっと撮影でもしていこう。




「ちゃんと三脚持ってきた」
「エライ!  大先生さすが!」


三脚の有無で扱いが天地の差。これが我々よ。





今回の戦装束は、何年かぶりのフォルトゥーナ(しかし太ったなぁ)。






いざ、聖地へ。


さて、R362まで出てくると、ここからはしばらく国道を往く。

この道、浜松北部と豊橋を最短で結ぶ道であり、姫街道という別名がある。





東海道の脇道であったが、かくての本道でもあり、東海道が通れないときの迂回路でもあった。






「諸説ありますが、新居関を回避する女性が多かったと聞きます」
「まあ、姫街道いうくらいだから、勾配も緩いのだろう」


後述するが、様々な説があり、どちらも諸説に含まれているようだ。主に、女性の利用が多かったという文献が残されているようだ。

ただ、ハマイチでお世話になるのは三ケ日までである。途中、寸座峠を湖岸沿いに回避し、





どう考えても教会の敷地を突っ切っていく。



三ケ日でR301を左折、……するハズが、




「ここ、直進のようです」
「え?  本当?」






なお、ナビマークは左の道にはあった。



エルコスさんに導かれるまま、気が付いたら本坂峠の登りに差し掛かっており、




「浜名湖から外れてるように思うのだが……」
「そんなことはありません。正規ルートですよ」






景色はイイよ、すっごくイイ(道は登ってるけどね)。



半信半疑のまま登り坂をこなしていくと、やがて峠のトンネルまでやって来た。





愛知との県境まで来てしまった……



2021年現在、峠はおよそ2キロのトンネルで抜けることになるのだが、





トンネル手前にこんな道が。









明らかに旧道の匂いプンプン。









「聞くまでもないのですが」
「まあ、たったの2.6キロだろ?  20分もあれば登れるべ」


足下悪くて交通量の多い幹線トンネルよりかは、交通量皆無の旧道を選ぶのは基本中の基本である。しっかりインナーに落としてから、旧道の峠をシバきにかかる。





まさかハマイチで峠越えが待っていようとは……



ちなみにこのトンネルであるが、2008年頃まで有料道路だったらしく、その名残で現在も旧道は国道指定を受けている。ということは、基本的にどんな車両でも通行できるような設計になっているようで、結論言うと







メチャクチャ走りやすい。






峠までの2.6キロ区間、大きな勾配変化がなく、5〜6%程度の登りが延々と続く感じであった。丁度良いギアに落ち着いたら、あとは脚をクルクル回していけばよい。

強いてダメ出しするならば、ちょっと展望がよくない。木々生い茂る中をトコトコ進んでいき、時折視界が開けて三ケ日周辺の景色を見下ろせる、といった具合だ。




「まあ、現道を通るよりかはマシか」
「思ったほど時間もロスしませんしね」


そうこうしていると、峠のトンネル。さほど距離は長くないが、





別の視点でいうなら、ここは心霊スポットになっているそうだ。






「なんかここ、出そうだよn……」
ガッ!「……………………!?(プルプルプルプル)」


トンネルを抜けると愛知県に入る。……愛知?





もはや浜名湖とかどっか逝ってしまった。






「……やったな?」
「あら、何のことやらwww」


確実にハマイチを外れたわけだが、さて、一体どこに連れていかれるのやら……





不安を煽るなぁ……



R362をひたすら進んでいくと、ちょうど豊川稲荷の正面に出てくる。ここをちょっと南下すれば豊橋に着く、という立地だが、




「豊川稲荷では、参道で買える稲荷寿司が名物のようです」
「単品で買えるなら、補給代わりに仕込んでいこうか」


まあ、そんな都合のいい売り方は当然しておらず。




「あらー、残念」
「ゆっくり来た時にでも買ってみよう」






すべての豊川稲荷の総本山。



豊川稲荷は商売の神様。もう少し自転車乗りに優しくしてもいいと思う。




「なんと身勝手な……www」
「言うだけなら自由だよ」


さて、このあとエルコスさんがナビするところによると、我々はもう少し西に向かうようだ。ハテ、西に何が……?





燦然と輝く、蒲郡の文字。






「ここです!  ここに聖地が!」
「……renas先生的な聖地だってことは認識した」


西におよそ15キロで到達する先は、愛知県蒲郡市。renas先生の推しであるカッター女史ゆかりの地である。

そういえば、renas先生は公開録音があると蒲郡にダイブしていたが、ちょうど蒲郡駅の目と鼻の先に、市民会館があったような。




「さあさ、去年コロナで公録トびまくったrenas先生に、見せつけてやるのです!」
「エグイなぁwww」






このあと、豊橋脱出にエラく時間がかかった。



ただ、この蒲郡という街、交通の事情でいうとなかなか一筋縄でいかない。市街地にアクセスする道は東西と北の3本に大別され、そのうち東西は、日高国道レベルの難易度でおなじみR23が横断しているのだ。

ゆえに、自転車で乗り付けるためには、ルートを厳選しないと事故るかもしれない




「あと、名鉄と東海道線も跨ぐのか」
「近くに踏切とアンダーパスがあります。そちらに誘導しますよ」






至る所が幹線道路(大型車の割合多め)。



行ってみてわかったが、蒲郡は自転車で到達する難易度はだいぶ高め。renas先生曰く、過去には公録に東京から自走した強者も居たそうだが、




「正気の沙汰じゃない」
「決して無理な訳ではないのですけどね」






東海道線はアンダーパスで越えた(県道31だと歩道に回されるため)。



こうして、県道31、市道、R247と乗り継ぐことで、蒲郡には12:00頃に到着した。





蒲郡駅。






「向かい風がエグかったわー、あと道も」
「今日はずっとこんな感じでしたからね」


冒頭に予想していた通り、向かい風の洗礼がハンパなかった。しかしまあ、風に関していえば、帰りは追い風になる。とりあえずrenas先生に、蒲郡到達の報を送っておこう。





地元愛がパネェことで有名なカッターさんの公開録音スタジオ。



すると程なくして、renas先生から竹島を見てこいと返信がある。




「竹島って?」
「すぐそこですね」


エルコスさんのいうとおり、ホントにすぐそこにあった。





島へは橋伝いに渡ることができる。



蒲郡のシンボル的な景勝で、開運のご利益があるそうだ。折角だから上陸してみようかと思ったものの、




「わたしは待ってますから、行かれては?」
「風が強いし、今回はやめとくわー」


とりあえず、写真だけは撮っておいた。





あと、水族館が名所らしい。






ハマイチに復帰。


この後、さすがに蒲郡からさらに西、という話にはならず、改めてハマイチに復帰することにした。まずは豊橋を目指すのだが、




「追い風に乗れますね。やりますか?」
「無論だ。頼んだぞ」






この自転車の走りにくそうな路側帯に刮目せよッ!



豊橋周辺の入り組んだ道をもっかい戻る気になれず、禁じ手であったR23に手を染める。交通量が多く、そのほとんどが大型車。その上路肩が荒れまくっているという鬼畜な道だが、幸いこういう道は慣れっこである。唯一怖いのは、




「パンクしないといいなぁ」
「え、縁起でもない!?」


路肩の荒れ具合で何か拾っちゃいそうな予感がしたが、日頃の行いが良いのかそういう展開にはならなかった。あと、この強行軍をすることで、前芝大橋を経由して豊橋市街中心部にダイレクトで到達できる。





もうまもなく豊橋の市街地へ。



街中を路面電車が走る豊橋であるが、ここから静岡に戻るルートは複数ある。路面電車の線路沿いに県道4号を往くルート、新所原を経由する県道3号ルート、そしてR1をこのまま直進するルートである。





R1交点では、路面電車が走っている。駅前と郊外を結ぶ。






「県道4号ルートより北側は、軒並み峠越えを強いられます」
「鉄路と並行してる県道3号が気になるな……」


という訳で、もうしばらく交通量の多い道と仲良くする必要がありそうだ。




「R1を迂回できるルートも、なくはないのですが」
「入り組んでるならやめとくよ。迷子になってもアレだし」






東八町で路面電車とお別れ。



余談だが、静岡−愛知の県境越えは、内藤さん時代に一度だけ行ったことがある。そのときは潮見坂を経由して伊良湖に至ったルートで、まあまあな登りだったのを覚えている。なので、峠越えとまではいかなくとも手強い道になってるのかなぁ、とか想像していたら、





本坂峠と比較すると、この差よwww









普通に街の中。









「なんだこの差!?」
「恐らく、最もカジュアルに県境を跨げる道なのではないかと」


他のルートが峠越えだったりトンネルで抜けたりする中、県道3号は気が付いたら県を跨いでた、という感じである。こうして走り続け、なんとなく遠くに海っぽい何かが見えてくると、浜名湖岸道路となるR301交点である。





海じゃない、浜名湖だ。






「あれ?  湖が見えない」
「R301の交点からしばらくは、内陸側を走りますよ」


そんなこんなで14:30、鷲津駅着。





駅前にレンタサイクルがある。ハマイチの起点にどうぞ。



この辺りでの走行距離は、実はまだ100キロ足らず。思いのほか距離が伸びていない。




「最初はサイクリングロードを走ってましたから、こんなものでしょう」
「にしたって距離が足りないなぁ」


今回は蒲郡経由だったのでこんな感じだが、これでハマイチオンリーだと、もっと距離はショートになるということか。調べてみたら、ハマイチの標準的な距離はだいたい70キロ程度なのだとか。




「ほら、蒲郡経由も悪くなかったでしょ?」
「怪我の功名、的な表現やめれwww」


そのあと、新居の関所を通過する。





入鉄炮出女を厳しく取り締まった東海道の関所。






「かつては渡船で結んでいた場所です」
「今では陸続きだもんな」


入鉄炮出女、という言葉がある。かつて江戸時代に於いては、江戸に流入する鉄炮と、江戸から脱する女性の往来を厳しく取り締まっていたことが由来なのだが、




「地理的には、港湾の検閲もあったんだろうな」
「ご名答です。今切港の検閲も兼ねていたようです」


東海道の検問だけでなく、同じ場所にあった今切の渡しの往来も取り締まりの対象であったという。これら理由により、新居を経由しないで三ケ日経由となる姫街道が栄えたという説が有力視されている訳で。

現在では、立派な佇まいの史跡が残るのみとなっているのだが。





関所内は申込制だが見学が可能である。



結局、ふたたび浜名湖がハッキリと見えるのは、渚園のすぐ近くであった。




「もうすぐゴールですよ!」
「もうゴールか……」






誇らしげな「浜名湖」の文字。






おしおきだべぇ〜





「さて、エルコスさん。ちょっと話聞こうか」
「うっ……  な、なんのことですか?」


走行ログをRide With GPSに落とし込んでみたら、蒲郡周回がハマイチよりもウェイト大きい。そもそも、




「全然ハマイチじゃないんだが」
「うぅ、それはですね……」






まあ、県境越えちゃってんだよねぇ今回。



まあ、冬の時期に全然乗れていなかったし、そもそも昨年はコロナもあって出撃率は例年と比べて低め。ハマイチを提案してはみたものの、ハマイチ標準ルートはたったの70キロ。よく見ればrenas先生が愛する蒲郡が、ちょっと足を延ばせb……




「エールコースさぁぁぁん!?」
「ほんのちょっとです、ほんのちょっと遠回りを……」


先述の通り、遠回りルートがハマイチ一周分である。これはお仕置きだな。




「これからエルコスさんを白濁液まみれにします」
「ひぃぃぃぃっ!?」
















白濁液まみれにしてやったぜ(チェーンオイルの話です)。ただ、すぐに真っ黒になるが。






「恍惚としてやがるぜ」
「むしろメンテナンスを喜ばない自転車があると思いますか?」











TITLE:浜名湖一周120キロ!?
UPDATE:2021/03/31
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