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279:朝霧強化合宿3〜がちキャン▲〜



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。






本日のルート (powered by ガーミン・コネクト)

JA富士ヶ嶺→朝霧高原→猪之頭峠→下部温泉→波高島→本栖→JA富士ヶ嶺(実測65km)



イントロです





「そろそろ、活動再開しないとな……」
「やっと……  長かった、ホントに長かったです……」


マー牧以来の出撃だ。実に3か月ぶりになるかと。

とはいえ、3か月間何もしてない、なんてことはなく、片道25キロの通勤をほとんどエルコスさんに跨って過ごし、気が付けば







1セット履き潰した。









「リヤタイヤは昨年の夏に替えたじゃないですか」
「1年持たないってのは久しぶりなんだよね」


タイヤを前後で履き替えるのはコストがかかるので、リヤ側を履き潰してフロントに移植し、リヤを新品交換というローテーションで運用している。今まではこれで何とかタイヤ代をケチり、だいたい1年は持たせていた。それが1年経たずに前後とも終了した

そして、4月末に前後ともに新品に交換し、だいたい薄皮一枚向けたところで現在に至る。さて、どこ行こうかな?





装備品の変更は特にナシです。






剛脚の容疑





「そういえば、ゆるキャン▲流行っているようですね」
「アニメに実写に、大賑わいだ」


巷では、アウトドア人口を爆発的に増加させてたりして、イロイロ経済を回しているようである。ただ、我々が唯一、気になっていることとして、





R300の下部側。完全片勾配の峠道です((C)あfろ・芳文社/野外活動サークル)






「あそこ、女子高生がミニベロで走る道じゃない」
「ゴリゴリに峠道でしたよね」


ちなみに、アニメ第1話ではリンもミニベロで登っている。まあこちらは乗鞍や渋峠を登頂済みなのである意味問題ないのだが、まあ総じていえばかなりマニアックな展開である。




「あ、もしかしたら意外とゆるい登りだったりするのでは!?」
「……わかったよ。今回はここにするか」


エルコスさんのおねだりが出た。という訳で今回は、R300本栖みちの下部側登り区間が、女子高生でも登れるもんなのかを検証することにした。……ただ、往復ルートではつまらないので、




「湯之奥猪之頭林道を結べば、周回ルートになるな」
「登りの練習ですね!」


サクッとルート引いてみたら、65キロの周回路ができた。久しぶりのロングライドにはちょうど良い距離だろう。





ただしガーミン換算で累積が3600mもある(ざっくり手計算だと1400m強)。






霧に隠れた富士山を背に


朝霧強化合宿のスタート地点であるJA富士ヶ嶺を8:38発。県道71を経由して朝霧高原地域に潜り込む。天気は快晴、……とは言い難く、薄曇りの中でのスタートだ。




「富士山、隠れちゃってますね」
「天気が回復してくれるといいんだがな」






とはいえ地名通り、このへんはしょっちゅう霧が出る。



このあたりは、R139と県道71号が南北に並走しているので、とりあえず適当なところを右折すれば、なんだかんだでR139には出れる。そして、牧場が点在するのがこのあたりの特徴である。





そんなんで乳製品が大変おいしゅうございます。



朝霧さわやかパーキングの交点でR139に出る。このあと、県道414に乗り換え、その途中で林道区間に入る。




「ところで、ここってもしかして……」
「有料道路時代に、料金所があったようですね」


そこから少し下ると県道414交点に至るのだが、ちょうどそこにコンビニがある。今回のルートにおいては、唯一のコンビニとなるので、補給をしくじらないようにしたい。

……で、そのコンビニの手前には、





ふもとっぱらの入口。






「ちょっと覗いてみる?」
「もちろんです!」


R139交点より片道3キロの寄り道である。ふもとっぱらはこの界隈ではかなり名の通ったキャンプ場であるが、そういえばかなり昔にtoumi君と来たことがあった。確か、trail cutterの名取将さんが監修したMTBコースがあったはずだが、規模を縮小してしまったようだ。

さて、しばらく走っていくと、右手に広大な平原が見えてきた。どうやらここがキャンプサイトのようd……





この密度は混雑してるって認定する訳で。









フェスか?









「キャンプは3密を回避できると言われてるんだが……」
「人気のある場所とは、こういうものなのでしょうか……」


まあ、敷地面積は広いほうなので、うまく工夫をして利用されたし。ちなみに、1泊コミコミ3000円だそうな。





奥のほうにはコテージなんかもある。大人数の時は。



さて、コンビニで朝食と補給を済ませてから、県道414へ。この道はかつてのR139で、現道が無料開放されるまでは、現役の国道であった。





要約すると、ここを大型トラックが往来してたわけだ。






「まじかよ」
「路線改良の大切さが、おわかりになりましたか?」


しばらく、木々に囲まれたところを走るが、やがて視界が開け、集落に出る。右手に伊勢神明宮の鳥居が見えたころ、




「大先生ストップ!  ここを右折です」
「こ……  ここ?」






この十字路を右折。



このあと、ものすごく路地裏感溢れる道を進んでいくのだが、かなりの頻度で3ナンバーのハイエースとすれ違う。しかも、側面に同じロゴを付けた。




「パラグライダースクールの送迎車ですね」
「そういやこの辺はメッカなんだっけ?」


事実、これから取り付く湯之奥猪之頭林道の峠直下には、テイクオフポイントが2箇所あり、以降も登りの道中で何度か送迎車とすれ違った。

天気はいまだ回復せず、背後の富士山も霧の中。空から富士山を眺めるという訳にはいかなそうだが、




「空を飛ぶことに意味があるのですよ」
「まあ、我々も似たようなもんか」


自転車で走ることに意味を見出す我々は、早速林道の登りに取り掛かった。





人外の者が跋扈しますぜ。






「く、クマとか出るんですか!?」
「なんなら鹿とかも出るぜ」


まあ、基本的に野生動物は臆病なので、こちらから余程のことをしない限りは大丈夫。……と信じたい。

さて、林道の登りであるが、序盤は緩めの勾配で標高を稼ぐ。久しぶりの本格的な登りなので、調子に乗らずにインナースタート。まずは23Tと25Tを行ったり来たりしつつ様子見に入る。




「いい感じで走れてますね」
「まだ序盤だし、勾配緩いからね」


恐らくすぐに音を上げることになるだろうが。

ちなみに、この林道は冬季閉鎖するので、冬は往来ができない。また、地盤がさほど安定していないのか、あちこちで小規模の崖崩れが起きている。

そのため、通行時にはそういった危険性にも配慮する必要がある。





ヒドい所だと、かなり豪快な岩が転がってたりしてた。



冬季閉鎖ゲートを抜けると、斜度は徐々に増えていき、ついに28Tを投入する事態に。




「一気にダメになりましたね」
「だから、元々登りはニガテなんだって」


そもそも、急峻な地形を無理やり横断するように道を通しているので、そこかしこが崖である。ふと、登山道の標識があったのでふと見上げてみれば、





湧水峠への登山道、ということらしいが……









登山道とは?






さらに登っていくと、少しずつ霧が晴れてきた。眼下に朝霧高原の牧場地帯が見えるくらいまで視界がよくなった。ふと小休止を入れていると、パラグライダーの送迎車に交じって、ツーリングのオートバイ集団を見かけるようになった。




「峠の辺りでは、富士山の展望が楽しめるそうです」
「割とメジャーなルートなんだな」






しかも、オフ車だけでなく多彩な車種が。



パラグライダーのテイクオフ場から先は、一時的に斜度が跳ね上がる。時折ダンシングを入れながら登っていくのだが、さらに進んだ先にはハンググライダーのテイクオフ場がある。




「何が違うのさ?」
「主に形状と、あと巡航速度の違いですね」


で、ここまで登ってしまえば峠までは目と鼻の先である。やがて、林道開通の碑を通り過ぎたあたりで、




「大先生見てください!  富士山ですよ!」
「おお……  すげぇな」






ギリ富士山見えた。



完全な姿とはいかなかったが、それでも日本一の霊峰の姿は拝むことができた。ここは絶好のビュースポットらしく、我々のほかにもツーリングのライダーが記念撮影をしていた。




「とりあえず、最初のヤマは越えたな」
「では、下部温泉のほうに下っていきましょう」


ビュースポットから少し進むと、峠のトンネルに差し掛かる。この辺りまで来ると登り勾配も穏やかになり、アウターに入れてダンシングで進む。

やがて、橋の向こう側に、ぽっかりと開いた大穴が。





峠のトンネル。






ガッ!「……………………!?(プルプルプルプル)」
「久しぶりに真っ暗闇なのきたなー」






ギリッギリで出口側の光がボンヤリ見えるくらい。






「うぁぁぁぁぁ……  いやぁぁぁぁ……」
「死にゃしないから落ち着けって……」


トンネルの内部で身延町に入るのだが、トンネルを出た瞬間からなかなかエグい下り勾配が始まる。

天子山地という名がついたこの地域は、地盤が脆いのか、あちこちで土砂が崩落している。これは静岡側でも山梨側でも変わりなく、当然のように岩が地面を転がってる

踏んづけて吹っ飛びたくないので、できるだけ減速して下る。雨の日には絶対に来たくない道だ。




「大先生!  砂防ダムが死んでますよ!」
「殉職だな」






もうお腹いっぱいです。



しばらくは下部川に沿って下っていくが、ところどころで砂防工事が行われている。やはり、この界隈では大切な事業なのだろう。気が付くと、割と新しめの砂防ダムが出来上がっていたりもする。




「造っては潰れる、の繰り返しですね」
「だからか、洗い越しになってるのは」






数か所あった。



架橋すると橋桁部分がふん詰まる可能性があるが、洗い越しならすぐ退かすことができる。

そんな自然味溢れる下り区間であるが、距離にして約17キロ、下降量は優に1000メートルに及ぶ。





しまいには両手が痛くなる距離。






「ここ、かなり上級者ルートだよな」
「仰る通りです。初心者はオススメできませんね」


そんな下り区間を進んでいると、唐突に集落が現れる。





林道の終点。



ここから先は、県道415号線となって、下部温泉まで至る。道なりではあるが、県道と林道の境界がここである。

なお、途中で集落の農道っぽいところを下るのだけれど、ここが







とんでもねぇ斜度。










上のほうに見えるガードレールのあたりから下ってきた。



正直、静岡側からアクセスしてきてよかったと思っている。




街はすっかりゆるくなっていて


さらに下っていくと、民家がぽつぽつ増えていく。そしていつしか、下部温泉の温泉街に差し掛かった。





急峻な地形に沿っているので、温泉街も縦長に栄えている。



しばらく温泉街を突っ切っていくと、徐に踏切注意の看板が現れる。




「下部温泉駅ですね」
「ちょっと寄り道していくか」






特急が止まる駅。



11:13下部温泉駅着。すぐに上下線ともに特急ふじかわ号が到着するようだ。





地元のアシにもなっている特急(確か短距離なら300円追加で乗れたはず)。






「この3両編成の特急、なんだかカワイイですね」
「お、ちょっとは分かってきたか」


かつては急行列車だったふじかわ号だが、1995年から特急として運行されている。山間部を往く短編成の優等列車といえば、野岩鉄道のリバティを思い出すが、こちらのほうが先輩である。





身延を目指すぜ。



さて、ここからR300を右折して、本栖湖方面へ向かうのがメインディッシュなのだが、左折して2キロ程度走ったところに波高島駅がある。ちょっと寄っていこう




「波高島……、何かありましたっけ?」
「聖地巡礼だね」


設定によれば、犬山あおい、大垣千明両名の自宅最寄り駅が波高島とのこと。R300を左折し、バイパスのトンネルを回避するように側道に逸れ、建設中の中部縦貫道の高架を潜ったあたりが波高島駅。





駅全景。






「あれ?  普通だ」
「というよりも、何もないですね」


どこにでもあるような集落内の無人駅であった。ちなみにこの身延線、富士川および南アルプスと並走する山岳路線という位置付けになっているが、駅間距離が短いことも特筆点である(どんなに離れてても5キロ程度)。




「これは?」
「この路線の前身が、民間の鉄道だったことに由来してます」


このあたりは飯田線に似ているのかな。

さて、波高島でアクションカムの電池をチェンジし、本栖方面へ進軍開始。R300に復帰して、やんわりした登り坂をこなしていく。部分部分でバイパス化が進んでいるので、できるだけ旧道を選んでいく。




「甲斐常葉駅のほうに行きますよ」
「ここも旧道区間か」






甲斐常葉駅



駅前の商店街を進むのだが、どうも近くに学校があるらしく、案内標識が掲げられていた。





……ん?






「ちょっ、ちょっと待……」
「なんか実在しない学校の名前じゃなかったか?」


そりゃそうだ。本栖高校なんて実在しない。そして、さらに進めば、





志摩家の娘さんがご案内。






「えーっと、これは……」
「聖地巡礼だな」


このあと、高台を上って本栖高校、もとい旧下部小学校に到達。




「既に閉校しているそうです」
「普通に開校しているようにしか見えないなぁ」






交流ノートが設置されていた。



こうして撮影している間にも、聖地巡礼の来訪客が入れ替わりで続々来訪。すっかり観光スポットになっていた。




「すごいですね、経済回してますよ」
「新しい町興しのカタチなんだろうな」






ここでテント建ててたよね。



甲斐常葉駅前周辺は、すっかりゆるくなってましたとさ。





自販機だってゆるい。






登れなくはないが基本的にはムリ。


旧道を駆使して本栖湖方面へと進んでいくが、道の駅しもべには立ち寄っておくこと。ここが最後の補給ポイントと考えてよい。




「食わないと死ぬ」
「ちゃんと水分も採ってくださいよ」


念のためにボトルの中身も補充しておこう。





じわじわ標高を上げていく。






「あつい」
「天気が良くなってきましたから」


気温が上がり、陽も照ってきた。滴り落ちる汗を拭いつつ、本栖みちの本格的な登り区間に差し掛かった。





9キロの登り。



ちょうどバイパストンネルが建設中で、開通すればさぞ走りやすくなるのだろう、と思われる。というのもこの区間、直線距離だと大したことがないが、標高差が大きいのでとんでもなく蛇行する。何せ、甲州いろは坂という別名が付くほどだ。




「思ったほどキツくないな」
「まあ、これだけ蛇行してれば」


なので、湯之奥猪之頭林道の登りと比べると、斜度はだいぶゆるい。ただしれっきとした峠道であるが。





これから進む先が上のほうに見えて実に萎える。



んで、しばらく進んでいると、




「大先生、ここじゃないですか?」
「ああ、ここかもね、似てる似てる」






アニメ1話と12話で出てきた構図。



たぶんそうだろう、という場所から一枚収めてみた。

激坂、というには緩い勾配のおかげで、比較的走りやすい道ではある。ただし、約9キロの登り勾配が続くこの区間、ひとこと感想を述べると、







ジワジワ系の拷問。









「いつ終わるのよこの登り」
「トンネルが見えてくれば、あとちょっとですよ」






麓から数えて最初のトンネル。このあとさらに3つトンネルを潜る。



そして、久しぶりの出撃+暑さで、気が付いたらボトルの水を飲み干してた




「だいせんせぇー、またやりましたね?」
「まさか1本飲み切るとは……」


劇中では補給しているシーンはなかった。本栖高校の生徒はバケモノか?





南アルプスの展望台より。ここまで来ればほぼゴールだ。






「今日は見えるね。」


14:11、本栖湖浩庵キャンプ場着。





キャンプ利用の場合、ここで受付となる。






「み、水ぅ……」
「もう一生是正しないつもりなのかしら……」


ここに売店と自販機があるので、補給が尽きた場合は必ず立ち寄っておくこと。

R300交点から湖畔沿いに反時計回りすると辿り着くが、なでしこが居眠りしていたトイレが途中にある。




「せ、洗顔……」
「そういえばすっかり火照ってますね」


さて、浩庵キャンプ場からR139交点までの道のりは、先述の反時計回りルート(県道709号)と、R300を直進する時計回りルートがある。どちらも距離は同じくらいだが、時計回りルートのほうが下り基調気味である。





ただし湖が対向車線側なので、ちょっと物足りない。



R139交点まで来ればあと少し。右折して4キロほど走り静岡県境の交点を左折すれば、スタート地点のJA富士ヶ嶺に戻れる。




「あ、大先生、富士山ですよ!」
「最後の最後で、ようやく見えたか……」






このあたりは、天気が良ければどこからでも絶景が拝める。



最後に結論だが、R300本栖みちの登りは、女子高生が気軽に登れるような道じゃない。少なくとも円城寺はやめレベルの脚力は必要であると覚えておこう。





そして本栖湖の富士山。












TITLE:ランドナー姉貴
UPDATE:2020/07/01
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