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274:サザンセト・ロングライドやまぐち2019をサクッと走ってきた件について。



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。







「なんですか、この長いタイトルは?」
「最近の流行りだろ?  異世界に行っちゃったりとか」




本日のルート (powered by ガーミン・コネクト)

柳井→周防大島・伊保田→周防大島・橘→柳井→上関→柳井(実測152km)



因縁の地へ


サザンセト・ロングライドに、renas先生が初参加したのが2015年の話。このときは、renas先生単独での出撃であったが、イロイロ話を聞いているうちに、なんだか面白そうになったので、いつか参戦してみようと心に決めていた。




「瀬戸内海の景色が、とても素晴らしいとのことです」
「コース的にも、さほどきつそうな箇所はなさそうだな」






こういう景色のところを走るとのことだ。



そうこうしているうちに時は流れ、2018年にようやく出撃を決意した。……2018年?




「実は去年もエントリーはしていたんだが……」
「大会そのものが流れてしまいましたからね」


こうして、7月から9月にかけての気象状況をにらめっこする毎日が続き、2019年の開催が確定し、参加者ガイドが発送されたのが10月2日





ちなみに大会の開催は10月6日。






「随分遅くないか?」
「だいぶ遅いですよ」


そして、待てど暮らせど参加者ガイドは届かず、気が付けば10月4日になっていた。




「明日まで夜勤なんだが……」
「誓約書ならwebサイトからダウンロードできるみたいですね」


私事だが、大会前々日の10月4日が夜勤であり、それが明ける5日の早朝に山口入りをする計画であった。ところが、書類が届かないのでちょっとだけビビった訳だが、最終的にどうにかなった。

かくして、無事に夜勤が明けて、品川から広島行ののぞみに乗り込んだのである。





8:57広島行を捕まえる。しかしこれ見ると、そりゃ静岡県知事は怒るよな。






「飛行機のほうが早いのでは?」
「バカ言うな、うっかり寝落ちしてとんでもないことになるぞ」






お陰で少し寝れた。






大会前夜の申告


12:50に広島着。ここで乗り換えて、柳井の駅を目指す。





こちらのご同業は、東京から(岩国まで飛行機)。



土曜の昼だというのに3両編成でギュウギュウ詰めの各駅停車に揺られ、柳井着が14:47。





かつては特急も停まった駅。



先行するrenas先生は、既に柳井着。一足先に会場入りしているとのことで、後を追うことに。




「ご同業さんの姿が増えましたね」
「来る途中も何組かいたしな」


会場である柳井ウェルネスパークへ向かう道すがら、何組かのご同業とすれ違う。この人たちは、柳井市街で一泊するのだろう。





これからあの丘に登るよ。



そのウェルネスパークは、ちょっとした丘の上にあるので、とりあえず登る。







サンダルで。









「そういや、職場からダイレクトに来たんだった」
「なwにwやwっwてwんwでwすwかwぁwぁwぁwっ!?」


心配無用だ。シューズはザックの中にある。メンドクサイので履き替えないだけだが。





ここを左折して少々登ったところがゲート。つまり、フィニッシュは登りになる。



こうして、15:15、ウェルネスパーク着。




「おっはー、待ってたよ」
「遠かったわ……」


既に先着していたrenas先生と合流する。




「ホントに職場から直行かよwww」
「これしかなかったwww」






合流する遷移金属と炭素繊維。



とりあえず受付を済ませ、renas先生曰くオーディエンスで埋め尽くされた会場にて明日の作戦を立て始めるのだが、




「すまんが若狭路からほとんど走ってない」
「心配するな。こちらも同じ水準だ」






明日は本当にオーディエンスで埋まるが、今日は翠のオーディエンスで。



既に明日の完走に黄信号、である。これが40になったおっさんの現実である。




「仕事し過ぎです!  倒れたらどうするのですか……」
「そんな顔するなよ……」


さて、この大会の参加者を改めて観察すると、大方の予想通り中国、九州地方からの参加者が多い。駐車場に停まっている車両を見ると、軒並み山口ナンバーだ。言わばアウェー感たっぷりな訳だが、佐渡や若狭路などとは比べ物にならないほどの歓迎を受けるらしい。renas先生の言葉が確かなら、明日は存分に楽しめそうだ。





renas先生の誘導で、宿へ。



ぼちぼち陽が暮れてきたところで、我々は柳井市街まで戻ることにした。

ところで、明日の戦装束のオーダーであるが、ワタクシめはそうめんジャージ、renas先生は年季の入ったオーメストグランデ




「これが私の正装です」
「その修復痕、もしや……!?」


そこでハタと気づいた。renas先生の正装の意味を。

もう過去の話だから白状すると、renas先生は2015年大会に於いて、結果的にDNFであった。というのも、第2エイド手前のあたりで前走車を避けきれずクラッシュし、そのまま







病院に搬送






というドンマイなことをやらかしていた。その後、傷も癒えた2016年大会では無事完走したものの、2015年のゼッケンは未だフィニッシュゲートを潜っていない。つまり彼にとって、ここは因縁の地でもあるのだ。





徐にゼッケンを細工し始める。






「なるほど、それでその2015年ゼッケンか」
「俺の戦いはまだ終わってない――――ッ!」


そんなrenas先生、あのときの悪夢に引導を渡すべく、なんとゼッケンを2枚重ねにしてインストールしたのである。

明日はアツくなりそうだ。




「なんだか少年ジャンプみたいな展開ですねこれ」
「あのときは脚が折れるかと思ったよー」






そして夜が明けた。






明星の大島大橋


5:50、夜が明け始め、向こうの空が幻想的に光り出す頃、こちらもスタート時刻である。




「おお、今日はオーディエンスが緑じゃない」
「こらこら、大先生、それ以上はストップです」


今回のサザンセト、完走までのペースに合わせて2カテゴリ制になっている。ファストラン狙いの1000番台と、ファンライド狙いの2000番台である。

スタートが速くなる分、制限時間にゆとりができるというメリットがあるのだが、それなりな戦装束なのである程度は早く走らなければならない。ただし、ワタクシめもrenas先生も、重度の練習不足なので、果たしてどうなることやら。




「すまん、今回はあんまり自信がない」
「気負わずに、やれることを頑張りましょうよ」






スタート順は、割と前の方だった。



6:17、スタート。

今回の目玉となる周防大島に向けて、まずは内陸部を駆け抜ける。序盤の登りでエルコスさんの状態、こちらの脚の具合を確認する。石井ダムを経てR437交点までは、インナーギア要らずで走れた。




「よし、いけるな」
「行きましょう!」


ある程度の感触がつかめたところで、少しずつペースを上げていく。ちなみに、通り過ぎた石井ダムは、そこそこな貯水容量があるのに、形式がアースダムだ。





石井ダム。






「奈良の岩井川ダムよりも容量が大きいですね」
「結構やるもんだ」


そして、ここで沿道からの声援が。





オーディエンスのみなさん。






「朝も早くからお疲れ様だな」
「地元に受け入れられているのですね、この大会」


なるほど、これがサザンセト流のおもてなしか。ほっこりしながら走ること暫し、道は大島大橋手前のわりときつめな登り。





ちょっときつめ。






「インナー要るか?」
「必要です。序盤から無理は禁物ですよ!」


確かにこれはインナーが要る。途中R188への抜け道につながる交点があるが、自転車が大挙して通過し、しかもかなり低速なので







交差点渋滞










抜け道になっているようだ。



が発生。さらに登って、サミットから下っていくと、ブラインドの左を抜けたところで







信号待ちの渋滞










こういうのは心臓によくない。






「やっべ突っ込む!?」
「後続に合図……  いえ、叫んで!」


ハンドサインを出せる余裕もなかったので、「ストップ」の大合唱。幸い、トラブルは起きなかったが、むしろ起きないほうが奇跡である。




「はぁぁ、ビックリしたぁ」
「サザンセト、やってくれるぜ……」


できれば手前に看板でも立てておいてくれるとよかったのだが。これは次回以降に期待したい。

ところで信号待ちであるが、R437支線との交点における信号の青になっている時間が短いことが原因で発生している。そして、コース通りに左折すると、すぐに歩道走行義務の大島大橋になる。




「交差点手前から歩道に上げてくれると良いのですが……」
「まあ、色々な判断があったのだろう」


こうして、本日のハイライトである、大島大橋へ。





周防大島へ。



周防大島と本州を繋ぐ唯一の橋であり、送水管と光ケーブルが併設されている。周防大島にとっての生命線でもある橋なのだ。




「そういや、いつだかタンカーがぶつかった橋でしょ?」
「あれはひどい話でした……」


2018年10月に起きたこの事故によって、一時的であるが周防大島全体の水道が麻痺し、交通が麻痺し、とんでもないことになった。今では完全に復旧を果たしたものの、離島生活の怖さが垣間見れた事故だった。

そんな大島大橋から眺める景色は、とても綺麗だった。





陽が登り、雲は晴れ。






「ああ、いいですねこの景色……」
「停まるなよ、歩道狭いし後続も来てるから」


周防大島に渡り、時計回りに島の外周を回るのはお約束。7:19、第1エイド・むくのパークに到着した。





最初のエイド。






requiescat in pace


ここで朝飯代わりの茶がゆを戴く。




「……薄味だな」
「そのお漬物を入れて戴くのですよ」


なるほど、塩気が足されて良い感じだ。





素朴な味です。塩気がチト足りないが。



ここから次のエイドまで、約30キロである。腹を満たしておかねば。





洋菓子のほかに、飲むゼリー類も供された。補給食に最適である。






「ところであんちょる、あの場所って、どこなの?」
「もうちょっと先だよ」


2015年にrenas先生がクラッシュしたポイントが、どうもこの第1エイドと第2エイドの中間にあるらしい。まずはそこへ寄っていこう。




「じゃあ、案内を頼もうか」
「がってん」






renas先生に引っ張ってもらう。



7:35、むくのパーク発。

実は、今回のコースの各セクションにおいて、最も難易度の低い区間である。距離は長いものの、目立つアップダウンはなく、ほとんど平地を走るかのよう。renas先生を先頭に走っていると、やがて太陽が登り、すっかり青空になった。





南国っぽい植物が出迎えてくれる。






「あはは、気持ちいいですね!」
「この辺は島が多いから、景色も秀逸だな」


そう、瀬戸内海には数多くの島がある。それらが入り組んでいるので、遠くから見ると複雑な地形の海岸線に見えてしまう。それがまた、旅情を掻き立ててくれる。

いつか、そういった離島を巡る旅でも、なんてうっかり妄想してしまうが、現実的ではない。




「そもそも、到達しても道すらない島だってあるのですよ?」
「エルコスさんはお留守番かぁ」


うん、それはイヤだ





遠くに写るあれらの大半は、離島である。



さて、30キロ近い区間距離のどこに事故現場があるのか、ちゃんと聞いていなかったので改めてrenas先生に聞いてみると、







第2エイドのすぐ手前






であることが判明。




「ええいっ、早く言えやぁ!」
「すまんですわ」


ずっとツキイチだったので、しばらく前を引く。さすがに30キロも引っ張ってもらうのは気が引ける。

ただ、ここ最近ではrenas先生のほうが巡航速度が高く、果たしてちゃんと引っ張れているのか疑問ではあるが。




「そういや今日はシャマル音がしないなぁ」
「へっへー、ちゃんとメンテナンスしたもんねー!」


カンパ系のハブは、グリスアップすれば驚くほど静かになるとのことだ。





renas先生曰く、「ここ」らしい。



さて、件の事故現場は、作詞家・星野哲郎の歌碑のある場所だった。




「なんでこんなところでやらかした?」
「平成史に残した最大の謎だ」


道は直線状で、うっすら登りにはなっているが、事故る要素は皆無。とすれば、




「魔物がいた、ってことだな」
「ヤダなぁそんな魔物」






あ…ありのまま 今  起こった事を話すぜ!



ともあれ、これで2015年の悪夢は終わる。きっちり拝み倒してから、第2エイドのなぎさパークへ。




「願わくば、もう二度と出てくるな」
「まあ、そうだよな」






なぎさパーク着。ここにフォルトゥーナさんがいた(2人見かけた)。






だから我に貝類と登り坂を寄越してくれるな


第2エイド・なぎさパークは8:50着。高低図を見る限り、次のセクションが最もしんどい区間となりそうなので、ここでしっかり補給を行う、のだが、




「まずは名物のサザエを戴くことで、他の食べ物がもらえまs……」
「そんなレギュレーションあるか!?」






勘弁してよ……



ワタクシめが貝が苦手であることを知っての狼藉か。もちろん、そんなレギュレーションはないし、名産の練り物や菓子類で補給ができる。ついでにボトルの中身も補給していこう。





練り物のフルコースでもよい。






「それにしても、どうしてあんなに酒を呑むのに……」
「平成史から引き継いだ平凡な謎だ」


さて、PS-1飛行艇に見送られ、9:12なぎさパーク発。開幕からすぐに登り勾配が始まるが、これがなかなかエグい





確かに、海上自衛隊と書かれている。



トンネルを越えてからは、海沿いを往く県道60号ではなく、山間部を縫って横断する大島オレンジロード方向へ。





かなり道幅が狭いので、通行の際は気を付けたい。






「まあ、これくらいなら走りやすくてイイな」
「脚もイイ感じですよ」


ところが、である。序盤はまだまだ快適に登れていたのだが、進めば進むほどに勾配変化がエグくなり、





オレンジロードは、おおむねこんな感じの道が続きます。






「なんかきっついんですが……」
「瞬間的に10%を超える個所もあるみたいです」


繰り返されるアップダウンにペース配分を誤り、中盤でヘロヘロに。

しかもこの区間、みかん畑に囲まれた山間部を往くので、絶景の海岸線を拝むこともできず、ひたすら我慢の走りを強いられる。




「もう迷わずにローまで落としてください!」
「そうせざるを得ない」


という訳で、この区間でガンガン抜かれる。致し方ないが、これが現実だ。





ここで登り切って、下ったとしても、ふたたび登りがやって来る。






「県道108号交点まで行けば、あとは平坦な道になります」
「そこまでは、温存か」


外入で県道108号、そして県道60号に乗り継ぐ。ここからは再び海岸線だ。





偶然だが、ちょっと追い風気味である。



ひとたび平地に出れば、エルコスさんがいい仕事をする。時速30キロ台まで回復させ、先行するrenas先生を追う。





お互い、これくらいでちょうど良いペースになる。



竜崎付近でrenas先生を捕まえ、そこからは二台縦走して、第3エイドを目指す。




「大先生、平地だと速いんだよなぁ」
「チョクセンバンチョー、ってやつだね!」


違う、そうじゃない。ただ、平地とか、平地からのチョイ登りとかは全然得意であるが。

橘ウインドパーク手前では、橘の集落を抜けていく。このあたりは狭い箇所なので、広がらずに走らなければならない。





集落に入っていく。






「あ、おばちゃん達が手を振ってくれてますよ!」
「街総出だな」


サザンセト全体でいえることだが、とにかくギャラリーの応援が多くて、そして賑やかである。無論、他のイベントでも同様のことはある訳だが、サザンセトのは特筆して多い、と表現できるほど。とにかく至る所で声援をもらえる。





たぶん学校とかクラブチームが総出でお出迎え。



これだと参加者もやる気がみなぎるよな、なんて思っていると、10:20、第3エイド・橘ウインドパーク着。

ここは、名物のみかん鍋が戴けるとのこと。鍋にみかん?  実に気になるではないk……





普通に、鍋。









みかん、どこ?









「入ってるかどうかは運、みたいですね」
「なんてこったい!?」


ちなみにrenas先生は2杯所望した。そして、そのどちらにもみかんは入ってなかった




「残念だねマスター……」
「というか、みかん比率が低すぎるだろwww」


ちなみに、鍋の味はというと、普通の鍋だった。遠くのほうにみかんの風味があって……  って、これ柚子の代用ってことか!?




「つまり、普通においしかった、と」
「ついうっかり、うどん買ってきたくなるレベルで」


周防大島、食べ物のレベルがハンパない。これは間違いないだろう。





橘ウインドパークにて。






魔物はもう一度微笑む


橘ウインドパークを出発して、海岸線沿いに1時間ほど走ると、ふたたび大島大橋に戻ってくる。この橋を渡る際には歩道走行が義務付けられているので、ちょうど来た道を戻る感じだ。





本州再上陸。



第1エイドの関門が8:45なので、基本的にすれ違う参加者というのは存在せず、歩道の幅は狭いながらも、どうにかこうにか通り抜けることができる。ただし、歩道の至る所で警備員が立哨しているので、脇見して突っ込まないように気を付けたい。




「おー、島々がいい感じで写っt……」
「だから脇見しちゃダメですってば!」


本州再上陸後は、R188、県道72と乗り継いでいく。第4エイドの伊保庄マリンパークに着いたのは12:28、区間距離約31キロを1時間半程度で走ってきた計算になる。





伊保庄マリンパークにて。






「あっつい……」
「丁度ヤヴァイ時間帯になるな、これから」


10月だというのに、呆れるほどの好天である。気温はrenas先生のもっとも苦手とする気温、30℃近くまで上昇した。





遠くに大島大橋を望む。






「ちょっとドーピングする」
「禁断のヤクに手を出したか」


なお、これから道は室津半島をぐるりと周回するように走る。残り距離約40キロで、renas先生は勝負に出るようだ。




「ではこちらはバナナを所望しよう」
「待ってください、何か書いてありますよ?」






しゅっ!  って書いてあるwww






「wwwwwwwwwwwwww」
「しゅっ!  って何だよwww」


あと、これから一発、激坂が待っているらしい。脚が攣らないように、しっかり補給しておこう。

さて、出発前にrenas先生と談合をしておく。




「コンビニがあったら、寄るか?」
「あるワケねーだろ、こんな山奥にwww」


ところが、出発してしばらく走ると、





こんな山奥だが、普通にコンビニがあった。






「ポプラがあるぞ?」
「あるんかいwww」


しっかりアイスコーヒーで補給するのも、もはやお約束である。





ここが我々のエイドステーションだ!



さて、このあと半島の南端に近づくにつれ、徐々に勾配の変化が著しくなる。アイスコーヒーとドーピングが効きだしたrenas先生は、ここぞとばかりにアタックを仕掛ける。





急襲!






「ヒャッハー!  効いてきたZeeeee!」
「あんちょるがSPMしましたよ!」


それに反応が遅れたワタクシめ、この時点で勝負アリ。




「なるほど、これが秋名で文太にチギられた拓海の心境か」
「速く追いかけて!」






そして激坂区間を迎える。



このあとはいつもの一人旅であるが、件の激坂区間に差し掛かる直前、後方を走っていた審判の二人が、何やら。耳を傾けると、どうもこの先で







接触事故発生。






そして、さらに進んだところで、救急車とすれ違う





あんまり穏やかじゃない音を立てながら。






「おい、まさか……」
「う、嘘ですよね?」


言っちゃあナンだが、こちらの相方は前科持ちである。なるべく急げるだけ急ぐと、ようやく事故現場に到着。既に警察が現場検証を始めていたが、そこにあんちょるタソは倒れてなかった




「はぁぁ、よかったぁぁぁ……」
「さすがに2回目はなかったか」






それほど激しい事故ではなかったようだ。



どうやら、下りのブラインド左を勢いよく突っ込んだら、対向してきた自動車に突っ込んだ、という感じだった。救急搬送はされたものの、大事にはなってなさそうだったのでまずは一安心。

そこから慎重に下り、降り切ったところが第5エイドである、道の駅上関海峡。renas先生は既に到着していた。





半島の南端、上関の道の駅がエイドになっていた。






「事故現場通過するとき、救急車来てた?」
「いんや、もう救急車は出てた」


renas先生曰く、現場に差し掛かる前に救急車とすれ違ったという。




「よかったわ。またやっちゃったのかと……」
「あんまりだよぉぉ」






まあまあ、ソフトクリームでも食べて機嫌直せよ。






そして脚を使い切る


いよいよ残り25キロ。県道23号を北上し、田布施を経由して柳井ウェルネスパークに戻る道だ。




「アイスコーヒーは?」
「もういいだろwww」


14:45、道の駅上関海峡発。





そろそろ陽が傾いてきたな。



ここから田布施までは、海沿いの平坦な道。例えるなら淡路島の多賀の浜エイド前後の風景が近い。

なもんで、ようやく得意な地形が来た、とばかりに30キロ巡航。後続のrenas先生は遅れだす




「ドーピングのタイミング間違えたぁぁぁっ!?」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」


ここはワタクシめに分があった。平坦なまま南周防大橋まで来ると、ここでちょっと登る(橋だから)。周囲のペースに引き摺られてガクンと速度が落ちるが、それに合わせていると脚が終わりそうだったので、ダンシングで引き離す。だが、renas先生に与えた隙としては充分だったようで、





左折して南周防大橋へ。






「追いついたぜ」
「速かったじゃないか」


ラスト区間、田布施の周辺はちょっとした田園地帯。ただし、ちょっとだけ交通量が多い、という感じの道である。もうすぐゴールなので、あまり気張らずに走ろう。





田園地帯を抜けていき……






「どうでしたか、この大会は?」
「うん、楽しかったね」


何より、沿道の歓声が多くて、むしろロングライドイベント初心者なんかは嬉しくなるんじゃないかな、と。あと、食べ物がおいしかったことも挙げておく。

コース設定については、初心者から中級者くらいのレベルだと、適度な累積標高があるので、ゴール時の達成感が計り知れないだろう。逆に上級者だと、平坦が多いレイアウトなので、楽しみ方のベクトルを誤ると物足りなさを感じてしまうかもしれない。ワタクシめ的には充分すぎる難易度だが。





余談だが、周防大島の南側には、こんな雰囲気の道もある。結構好き。



首都圏からはベラボーに距離が離れているが、岩国錦帯橋空港まで飛べさえすれば、そこから山陽線で30分程度で柳井まで来れる。ただし、帰りは後泊を検討したほうが良いかもしれないが。





翌日、renas先生より。がんばれば錦帯橋往復だってイケるぜ。






「また、参加されますか?」
「夜勤が発生しないタイミングならね」


柳井ウェルネスパークには15:42着。最後はシッティングに耐えられず、スパートをかける形となった。しばらく乗れない日が続いたとはいえ、随分衰えたものだ。

renas先生も無事ゴールイン。2015年の雪辱は果たせたようだ。




「脚が死んだぁぁぁぁぁっ!?」
「ミートゥ……」






くたびれたー。






予想だにしないオチ


さて、無事完走という形で今回の旅は終了。駅までの道すがら、登りを嫌って迂回した先に白壁の街並みがあったり、





商業都市を象徴する白壁の街並み。



伝統工芸の金魚ちょうちんが飾られていたり。





金魚ねぶたから着想を得たとのこと。



岩国でrenas先生とはお別れ。彼は後泊し、明日の14時の飛行機で帰還するとのこと。んで、ワタクシめは、これから岡山まで移動し、22:34のサンライズを捕まえる。





俺的ディズニー年パス相当のチケット。






「だから仕事しすぎとあれほど……」
「月曜、朝から業務なんだよ……」


広島まで各駅で移動し、しかし時間があまりなかったので、駅ナカでお好み焼きをいただく。余談だが、そのお好み焼きを食べている最中にウチの若ぇのから、第一種電気工事士の受験報告が入った。曰く、わけのわからない問題があるとのことなので、サクッと解いてやったら





割とチョロかった。









バケモノ扱いw






そのあと、新幹線で岡山まで移動し、サンライズを待つ。





忘備だが、岡山から乗車するなら、瀬戸(8〜14号車)をチョイスすると少し早く乗れる。



さすがに加齢による体力低下に抗えず、個室を押さえた。ソロではあるが。





今となって思えば、なぜシングルにしなかったんだろうか……?



さあ、お楽しみはこれまでだ。また明日からバリバリ働くとするか。

……そう、この時はまだ、そう思ってたのだ。





時間帯としては、富士にいなけりゃいけない時間です。









なんだと!?(  Д)゚゚









「えーっと、朝の5時で、名古屋にいるんですよねわたしたち」
「詰んだwww」


どうやらだいぶ遅い時間から停まってたらしく。下りのサンライズとすれ違ったのさえ岡崎の手前。





本来なら、名古屋と岐阜の間で深夜2時くらいにすれ違っていた。



こりゃどうやっても定時出社は無理ゲーだな、と思っていたら、岡崎でウヤのアナウンスが。




「振り替え輸送になったようです」
「そんなら名古屋で打ち切れよぉぉぉぉ!?」






せめて「のぞみ」が停まる駅で打ち切ってくれりゃあ……



結局、定時出社が間に合わない時点で今日の業務はどうにもならないことが決定したのと、有り余る振休の残数があったので、この日は一日休暇にしてもらった次第。




「無念だ」
「神様が言ってるのですよ。『ちょっとは休みなさい』と」


恐らく、エルコスさんの答が最適解で間違いないのだろう。そう思った。





それじゃあ帰るとするか……












TITLE:悪夢よ、安らかに眠れ
UPDATE:2019/10/13
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