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本日のルート (powered by ルートラボ)
わたしの日記〜1日目〜若狭路の出撃から2か月ほど経ちました。あのうだるような暑さも一旦収まり、そこからしばらくは梅雨空と冷夏の中、……まあ、出撃するにはあまりよろしくない天気が続いてまして。 「なんでかなー、休日も働いてるような気が……」 「気のせいなんかじゃないですって。一体どれだけ仕事引き受けてるんですか?」 わたしが呆れ顔で大先生に進言するのも、もう何度目でしょうか。しかし、梅雨の時期に突入したのとタイミングを同じくして、大先生はとんでもない多忙の時期を迎えてしまいました。 「すまんのぅ、乗ってあげたいが、ちょっと無理かも」 「もぅ…… 我慢しますから、くれぐれも無理をなさらずに」 というようなやりとりが6月にあり、そして、7月を経て、ようやく梅雨が明けたのが8月初頭。今度は連日のように蒸し暑くなりました。 「あつい」 「運動しちゃダメってレベルですよこれ!?」 それでも、大先生は久しぶりの出撃に備え、そそくさと準備を始めていました。
さて、東日本の地図を眺めていると、ちょっと面白い道がみつかりました。 たとえば、首都圏から東北地方へと至るのであれば、R4もしくはR6をチョイスするのが一般的でしょう。ですが、よく見るともう1本…… 「R294、白河街道ですか」 確か、茨城県の取手から北上し、白河を経て会津若松まで至る国道だったはずです。 「大先生、こことか如何ですか?」 「R294かぁ、いつかは走破をしたいと思っていたんだが……」 あら? 大先生、なんとなくノリが悪いような。 「ただ、正直なところ、下館までは退屈なんだよな」 「ははぁ、確かに良く見ると、ほとんど市街地を通ってますね」 わたしも気が付きました。取手からスタートするR294は、下館までは関東平野を縦断するかのようにひたすらまっすぐな道が続いています。目新しい変化があるといえば、真岡から先の丘陵地帯と、栃木と福島の県境付近、そして、白河から会津若松までの山越えルートくらいのものでしょうか。なので、退屈と評するのは充分に理解できます。 「あと、暑いぞ?」 「う…… ま、まあ、休憩しながら走れば……」 ちなみに、事前に試算してみると、白河まではおよそ200キロほどになるそうです。 さて、わたしたちは今、荒サイを経由して、水戸街道の交点に来ました。時刻は6:30、まだ太陽が上がりきらない時間帯です。 「暑くなる前に、なるたけ先に進もう」 「賛成です。でも、どこで追いつかれるやら……」 新葛飾橋を渡り、千葉県に入る頃には、気温がグングン跳ね上がり、 「あつい」 「水分をしっかり取ってください。……死にますよ?」 脅し、というか本当に死んでしまうかもしれません。このあと大先生は、ちょくちょくボトルを口にしていきます。 松戸から取手までは、そこそこアップダウンが連続します。アウターで処理できる程度の坂ではあるのですが、とにかく体力を消耗するようで、柏のあたりまで来ると、大先生は肩で息をし出します。 「ちょっ…… ヤバイな」 「どこか休憩できるところに入りましょう」 こうして、朝食も兼ねて牛丼屋さんで一服しつつ、空になったボトルに水を補給するのですが、まあ入ること入ること。 「こんなに飲んでたのか」 「こんなに飲んでて普通なんですよ、今日は」 持ってきたボトル2本分を満杯にし、ついでに大先生の胃袋も満杯にし、R16交点である呼塚交差点に移動します。 「R294の、書類上の起点は、どうもここらしいのですが」 「うーん…… そうは見えん」 と、大先生は仰いました。 さて、柏の次は安孫子ですが、安孫子といえば…… 「マキノさんですね」 「ああ、しっかり主張してやがるぜ」 お店の入口に、ろんぐらいだぁす! のポスターが貼られているので、すぐわかりました。ところで、出版社を移籍して、ろんぐらいだぁすとーりーず! に改題して、最近、最新刊が発売されたようですが、 「……まあ、そのあたりは触れないでおこう」 「触れないでおいたほうが良さそうな案件ですね!」 スルーを決め込んだところで、大利根橋を渡ります。このあたり、利根川の堤防の幅が広い地域で、おおよそ1キロ近く、橋が続きます。ですが、良く見ると堤防の内側に、畑やら道路やらが広がっています。 「大雨で増水したらどうなるのでしょうか」 「まあ、通行止めになったり、作物は流れるよな」 複雑な気持ちになりました。
茨城県に入って、すぐにR294入口交差点です。 「こっちのほうが起点感あるでしょ?」 「う、……言われてみれば」 ここから白河まで、ひたすらに北上を続けることとなります。まあ、途中までは商店も多く並んでいるので、補給できなくて立ち往生するようなことはないと思いますが。 「よし、じゃあ行くか」 と、大先生はクランクを回します。 R6から左折して、しばらくは対向2車線の狭い道を走ります。谷和原、常総といった地域を縦で結んでいるからでしょうか、大型トラックの往来が多いです。そして、 「だだだ大先生ぇぇっ!? 路面がガタガタしてまぁぁぁっ!?」 「舌噛むなよ」 路肩の荒れ具合は最悪でした。それでも、片側2車線になれば、舗装状態も良くなり、多少は走りやすくなります。それもそのはずで、沿線はつくばエクスプレス開業と、圏央道の延伸によって、みるみるうちに発展を遂げているのです。 しかしそんな中、2両編成の気道車がわたしたちと並走したりすることもあって、バラエティに富んでいる、と言えば富んでいるのですが。 「……あ、ここ見覚えがありますよ!」 「縞パンルートで来ると、ここに出る訳か」 ……名前が、ねぇ。 ちなみに、縞パンルートというのは、R6の松戸から取手までの区間、交通量が多くて路肩が狭いという問題を解決するために開拓した裏道の通称で、三郷のあたりからいくつかの県道を経由して、土浦の手前まで至る道です。それに対して、今わたしたちが通ってきたルートは、クラシックルートと呼んでいます。……主に大先生が。 「ところで、なんで、その、えっと、……縞パンルートっていうんですか?」 「話は長くなるが、聞くかい?」 まあ、せっかくなので。 谷和原のインターチェンジを越えて、水海道のあたりを走行しながら、わたしと大先生は世間話に興じます。 「エルコスさんが導入されてしばらくした頃に、大洗に行った訳よ」 「ああ、そんなこともありましたね」 「んで、大洗といえば、ガールズ&パンツァーな訳だ」 「ガルパンですね、今、すっごく盛り上がってるじゃないですか」 「それでね…… あ、亀が干からびてる」 「ああ、亀が干からb…… えっ、えっ、わぁっ!?」 路肩で亀が干からびてた上にペシャンコになってました。確かに、見渡す限り水田地帯で、亀の一匹や二匹、生息しててもおかしくはないのですが…… 「あー、ビックリしたぁー!?」 「まあ、進路上に飛び出してこなくて良かったよ」 そういえば、若狭路では蛇を轢き損ねました。いのちをだいじに、ですよ。 「……ああ、んで、ガルパンだけどね、あれさ」 「はい」 「ガールズ&パンツァー、で、ガルパンじゃないか」 「ええ、まぁ……」 「じゃあ、縞田さん&パンツァーだったら……」 「ぶはっ! な、なんて才能の無駄遣い……」 ちなみに、大先生曰く「縞田さん」に深い意味はないそうです。ただし、島田さん、ではなく、縞田さん、であることが望ましいのだとか。……ああもう、言いたいことが分かりましたよ。 「なお、renas先生曰く、縞パンは男子諸君のロマn……」 「他人使ってもっともらしいこと力説しないでください!」 聞かなきゃよかったかも。 さて、そんな世間話をしているうちに、気温はさらに上昇し、ボトルの水も既に尽きかけてました。どこかで休息でも取りたいところですが、そんな時、ふと前方を見ると、何やらお城が建っているではないですか。 「なんですかね、あれ?」 「城、だな」 その城の手前にファミリーマートを見つけましたので、わたしたちは立寄ることにします。 「涼と水分、涼と水分……」 「さささ、早く早く」 そして今、わたしの目の前で、2リットルの天然水が、一瞬で消えました。 「まるで高野豆腐だ」 「正直、イリュージョンかと思いました」 ちなみに、さっきから見えてた城についてですが、平氏一族の豊田氏が築城した豊田城のようです。今では常総市の地域交流センターになっているy…… 「……あ」 「ん、どうした?」 ……うわー、データベースにアクセスしてたら、とんでもないものを見つけてしまいました。これは言いづらいなぁ。 「あ、あのですね、大先生、……怒りませんか?」 「へぁ? 何があったの?」 「ご、ごめんなさい、気づくのが遅かったのですが……」 わたしは意を決して、告白しました。 豊田城のすぐ近くに、セイコーマートがあることを。しかも、ホットシェフ併設の。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 「ご、ごめんなさいっ! 悪気はなかったんです、お願い、信じて!」 「だ、大先生は300のダメージを受けt……」 「瀕死じゃないですかっ!?」 ああ、やってしまいました。ファミリーマートからセイコーマートまでは目と鼻の先。こんななら、もっとちゃんと調べてから誘導すべきでした。 「ま、まあ、仕方ないよね」 「申し訳ありません、リサーチ不足でした……」 「そんな落ち込まないでよ」 と、大先生。ファミマのフラッペだって充分おいしいから、とフォローまでされてしまいました。 余談ですが、北海道ローカルにしてコンビニ顧客満足度ナンバーワンのセイコーマートは、茨城県と埼玉県にも、規模はわずかですが展開をしています。茨城界隈を旅する際には、セイコーマートの所在ポイントをあらかじめ把握しておくとよいかもしれませんね。 そんなことがありながらも、わたしたちは北上を続けました。途中、良さげなポイントを見つけてプロフィールフォトを撮ったり、国道を外れて旧道を通ってみたりしながら、10:30には下館を通過します。 「茨城の内陸部ってのも、のどかな雰囲気があって自転車で走るには最適なんだよな」 「地図上でも、おもしろそうな道がありますものね」 「茨城で完結するルートを引いてみるのも面白いかもな」 「夏が過ぎて、過ごしやすくなったくらいがいいですね」 なんて世間話をしつつ、プロフィールフォトを撮影していたら、大先生がある事実に気づきました。 「……このニコンのW300、インターバル撮影機能がないや」 「あらま。それでは、タイマー撮影ですか」 10秒タイマーをセットしてダッシュしてポージングする大先生は、既に汗だくです。 「レンズ露出が小さくて、キズ入りにくいからいいなぁ、とか思ってたんだが」 「意外な盲点でしたね」 これがオシャカになったら、またリコーのWGに戻ろうかな。と大先生は申しておりました。とりあえず、今回は汗だくになってください。 下館を過ぎると、すぐに栃木県に入ります。ここからは真岡鉄道と並走しますが、残念ながらSLとの邂逅は果たせませんでした。ただ、時折見せる雰囲気ある駅舎は、ちょっと立ち寄ってみたくなります。なので、 「ちょっと寄り道してみませんか?」 「涼をとりつつ、な」 立寄ったのは、西田井駅です。SLの停車駅にもなっているのですが、駅舎そのものは20年前に建てなおされたものだそうです。 「意外と新しい建物だったのですね」 「ただ、雰囲気は出てるよね」 ちょっとホームに出てみると、うんうん、いい感じじゃないですか。 「真岡鉄道のステーション・サインも面白そうですよね」 「魅力的なルートが何本も引けそうじゃないか」 そんな感じで旅を楽しんでいるうちに、時刻は12時を回りました。もっとも暑くなる時間帯になり、大先生も辛そうです。 「出力が落ちてますよ!」 「だって暑いんだもん」 適度に休息を入れつつ、真岡、益子を越えて、天矢場の交差点まで来ました。右折すれば茂木ですが、今回はこのまま直進します。本当だったら、このあたりで一度、補給を兼ねた休息を入れたいところだったのですが、 「店がないねぇ」 「茂木の街まで出れば補給は出来そうですが、ちょっと遠回りになります」 あと、茂木の駅の脇から、R294の、恐らく旧道と思われる道が川沿いに走っています。 「いや、正面突破で行こう。どこか自販機があれば、そこで補給することにして」 「無理をなさらないように。ゆっくり行きましょう」 大先生の判断を尊重しましたが、正直、これは失敗でした。行けども行けども、商店はおろか自販機すらなかったのです。 「うん、読み間違えたね」 「汗だくで言わないでください!」 幸い、ボトルの中には、まだ充分すぎる量のお湯が入っていまs…… お湯? 「水じゃなくなっとるw」 「ホントだ、ぬるま湯ですねこれ」 これはいけません。脱水症状にはならなくても、熱中症は必至です。どこか自販機はないのでしょうか…… 「あ、自販機があった!」 「補給してください! 絶対に!」 はぁ、なんとか助かりました……
涼と水分を存分に摂れはしましたが、相変わらず気温は高めです。まだ走っていた方が、風が当たって涼を感じられます。補給もそこそこに、大先生は出発しましたが、 「ん? なんかアクションカムの台座、すげぇ振動してない?」 「あら、本当ですn……」 次の瞬間、アクションカムは宙を舞いました。いえ、正確には、外付け給電のケーブル一本でプラプラしている状態で…… 「大先生ストップストップ! カメラが取れました!?」 「まじかー!?」 アクションカムの台座は、肉厚のアルミステーで作っています(大先生のお手製です)。なので、そんなところが千切れたのか、と目を疑いましたが、千切れたのはアルミステーとハンドルクランプ部を接続する、樹脂製のパーツでした。まあ、唯一金属製ではない箇所なので、強度的には最も弱い場所ではあったのですが、 「どうしましょう大先生、これではカメラが固定できません!?」 「慌てるんじゃない。我々は、……なんだ?」 「アラフォーのロングライダーのトップ1パーセント、ですね!」 「アラフォーの部分は削除の方向で!」 大先生曰く、「まだアラフォーじゃない」とのことですが、あと1ヶ月ちょいの命じゃないですか(笑)。 で、わたしたちトップ1パーセントにおける、カメラステーの代替は、3本の輪ゴムでした。 「そういえば、ヤマイドウのときもこんな感じでマウントしてましたね」 「やってやれないことはないのさ」 角度の調整や、そもそもマウンティングの塩梅は、やはり台座には敵いません。ですが、少なくともこれで、撮影は続けられそうです。あと、大先生曰く、「紐よりかは輪ゴムのほうが良い。伸縮性がキモだ」とのことです。 一難去ったところでさらに北上を続けていると、八咫烏を祭る熊野神社の看板が現れました。 「八咫烏、ですよ」 「八咫烏、だな」 わたしと大先生、揃って、ニヤリとしました。 「大先生、今日のお召は?」 「お空さん」 それはそれは、立ち寄らずにはいられません。ちょっと寄り道、とばかりに路地に入ったところで、いきなり激坂が現れます。 「嫌がらせか?」 「インナーに落として! 脚攣っちゃいますよ!」 よたよたと激坂をクリアしたすると、ちょっと視界が開けます。熊野神社は、その視界が開けた先、田園地帯の中にありました。人気のない、ひっそりした雰囲気のお社に向けて、わたしたちはお詣りをします。 どうか、今回の旅も無事でありますように―――― そして、お決まりの撮影タイム、なのですが、 「あつい」 「だ、大丈夫ですか!?」 大先生がノビてしまいました。 こうして、那須烏山に着いたのが15:10。暑さと寄り道のせいとはいえ、ずいぶん到着が遅れてしまいました。ですがここから白河まではだいたい60キロ程度で、今日のゴールの目途が立ちました。とりあえず、宿を確保することにしましょう。 「……取れました。新白河の駅前ですが、よろしいですか?」 「上出来!」 宿も無事押さえられたので、大先生は烏山駅で撮影タイムに入りました。 烏山線の特筆ですが、ホームのある場所にのみ、剛体吊架線が張られています。これは、烏山線の車両が、蓄電池式の電車で運行されているからです。そのため、路線全体は非電化区間なのに、時刻表の列車番号の末尾にMがつくという、ちょっと珍しい現象が起こっています。 そんな説明をよそに、大先生はというと、 「エルコスさん、あそこ見てみ。ゴムとう管と対塩害が共演しとる」 「……これって、どういう基準で採用してるんでしょうか」 終端接続部ばっかり見てました。 およそ5分の滞在で、烏山駅を出発したわたしたちは、R294をさらに北上します。道は若干の登りですが、比較的快適に走れていました。 ……そう、途中までは。 異変に気付いたのは、那珂川町の市街地に入ろうか、というときでした。ちょっとした段差を越えたとき、そのイヤな感触は確かにサドルを伝って大先生のもとへ。 「……パンクしてね?」 「恐らくは。エアがだいぶ抜けてます」 コンビニを見つけて緊急ピットイン。後輪を調べてみましたが、ぶにょんぶにょんでした。付け加えて言うと、タイヤの山もだいぶ減っていて、これは恐らく、何か拾ってしまったかもしれません。 いずれにしても、後輪はチューブ交換しなければいけません。大先生はとりあえず涼と水分を摂るだけ摂って、慣れた手つきでチューブを新品に交換します。 「治りそうですか?」 「なぁに、10分もあれば治るよ」 汗だくになりながら、そう仰りました。せっかく摂った涼と水分が、瞬く間に流れ出てしまいます。 「こりゃ、終わったらもっかい補給だな」 「そうですね」 で、10分も経たずにチューブの交換は終わりました。携帯ポンプで少しだけエアを入れて、噛み込みがないのを確認したところで、CO2で一気n…… プシュ――――! 「おいマジか!? なんか漏れ出てやがる!?」 「いいから早くバルブに突っ込んで!」 わたしたちは慌てました。CO2インフレーターの、絶対に出てくるはずのない場所から、いきなりCO2が噴出したのです。大先生が機転を利かせてまだ漏れ出てないエアをチューブに充填することは出来たのですが、それでも満充填とまではいかず、 「まずいな…… 正直、足りてない」 「2〜3キロ、といったところでしょうか?」 全然、べっこべっこでした。 予備のCO2ボンベは、あと1本あります。ですが、次にパンクしたとき、完全に詰みます。しかも、今わたしたちがいる地域というのは、鉄路が通っていない上に、大きな街があるわけでもない、言わば「トラブルが起きたら割とシャレにならない地域」です。そんなところで、最後の1本を使うことの怖さというのは…… 「大先生、わたし、あの時を思い出してしまいました」 「あの時…… ああ、死にかけたときか」 だいぶ昔ですが、奥日光の山奥で、ガレ場に突入したばかりにタイヤとチューブを使い切り、危うく遭難しかけたことがありました。流石に状況はあそこまでヒドくないものの、久しぶりにちょっと恐怖を覚えてしまいました。 すると大先生は、ニコリと笑って、言いました。 「まあ、何とかなる。あの時に比べたら全然マシさ」 と。ですが、やはり大先生もリスク回避を考えていたようで、決断を下しました。 「R400で大田原に出よう。あそこまで行けば自転車屋くらいあるだろうし、最悪、輪行でエスケープできる」 「ですが、R294の走破は……」 「まあ、それも含めて、旅ってことで。エルコスさんがよく言ってたじゃないか」 あ…… 言われてみれば。 大先生が決断を下したことで、ルートのアップデートを行います。幸いにして、ここから大田原まではだいたい15キロほどで、これなら慎重に走れば、パンクせずに到達は出来そうです。それに、大田原もそうですが、西那須野まで行ければ、スポーツ用品店もいくつかありそうなので、エアーの補充もできるでしょう。 「じゃあ、行くか。慎重に走っていこう」 「わかりました!」 こうして、ルート変更をした結果、大田原市には17:15に到着しました。ちょうど街ではお祭りをやっていて、それを回避しながらさらに進み、R4交点にあるアルペンまでやって来ました。 「アルペンなら自転車用品くらい売ってるだろう」 「いや、大先生、大田原の市街にもそれなりにお店はあったかと……」 わたしが指摘するより早く、大先生は大田原の市街を突っ切っていました。これは完全にわたしのミスでした。というのも、大田原にはサイクルベースあさひに加え、ネオ・サイクリスタさんというプロショップが居を構えていたからです。これをもっと早くに指摘すべきでした。 そう、大先生がアルペンに入店し、自転車コーナーがない、という絶望的な事実を知る前に。 「神は死んだ」 「無知とは、罪ですね」 いや、きっとアレです。暑さでお互いに、脳が溶けてたのでしょう。 これで、白河までの自走は諦めたようです。ちょうど、4キロほどR4を北上すると、那須塩原の駅に着きます。新白河までは一駅ですので、ここでエスケープです。 「まあ、色々楽しかったから、いいかぁ」 「不完全燃焼な感は否めませんけれどね」 大先生は笑ってましたが、まあ、その…… なんだか物足りなさそうでした。
わたしの日記〜2日目〜「さてエルコスさん、明日はどうする?」 着替えを洗濯に出し、部屋着の大先生がわたしに尋ねました。 今日の状況から考えて、明日の山越えをするか、しないかの判断をしなければいけません。 「わたしが止めても、大先生は行きたいんでしょう?」 「まあね。普通に考えれば、今回はここで止めておくのが正解なんだろうけど」 大先生は、一息置いてから、こう言いました。 「……なんか、ここでやめるの、つまんないし」 「大先生らしくて、わたしは好きですよ」 ああこれで、大先生の意思は確認できました。明日は会津若松まで行きます。 その日の深夜、わたしは大先生の悲鳴で起こされました。 「いぎゃぁぁぁぁぁぁっ!?」 「な、何事!?」 見ると、大先生がベッドの上で悶絶しています。そのあり得ないほどの悲鳴は―――― 「ちゅ、虫垂炎!?」 「もうねぇよ! そうじゃなくて、右足攣った!」 右足の脹脛がこむら返りを起こしたようで、必死に体勢を変えて、痛みが出ない体位を探しています。それはまるで、トドのように。 「いやいやいやいや冗談言ってる場合じゃないって!?」 「足を伸ばして! あと、親指も伸ばして!」 これ、本当に明日、行く気なのでしょうか……? 明けて翌日、わたしたちは、R294に入りました。 「本当に行くんですね」 「頼んだぞ。今日の私は、満身創痍だ」 うーん、本当は行かせたくないんだけどなぁ。でも、きっと言っても聞かないだろうし、あんまりキツく言いたくもないし。後輪のエア不足、大先生の右足こむら返り、条件は良くありませんが、八咫烏の神様のご加護を信じてみましょう。 そのR294ですが、白河と会津若松の間は、「白河街道」と呼ばれる脇往還で、中通りと会津を結ぶ最短ルートだったようです。今では高速道路網の発達によって、この道をあえて走破する需要は減りましたが、それは同時に、わたしたちにとって走りやすい道である、ということになr…… 「いや、なんかすげぇ交通量多いぞ?」 「あぁ、ボートを牽引しているところを見ると、皆さん、猪苗代湖に向かうのですね」 どうやら、猪苗代湖の南岸へのアクセスルートとして機能しているようで、大型トラックの往来は減りましたが、ボートを牽引している車両に取って代わったみたいです。 白河中央インター脇のコンビニで補給物資を買い込んでから、まずは天栄を目指します。このあたりは、白河のベッドタウンを形成しているようで、あちこちに住宅地と団地が点在しています。 「ただ、アシはバスか自家用車か」 「地方のあるあるですね」 道はアップダウンの繰り返しですが、須賀川に向けてゆるやかに登り勾配になっています。時刻はまだ7時前で、空はやや曇り気味。昨日と比べると走りやすい気候ではありますが、湿気が多いのが気になります。 「温暖化なのかな。カラッとした暑さじゃない」 「時代なのでしょう。大先生が生まれた頃と同軸で考えてはいけないのかもしれません」 そんな感じで、道の駅天栄で小休止します。まだまだ会津若松まで50キロ近く残っているのですが、ここで大先生、あるものを探しだします。 「何をお探しで?」 「いやさ、こういうところに、ご自由にどうぞ、って感じで空気入れとか置いてないかなぁ、と」 最近の自転車ブームで、そんな感じの施設が増えたりしていますが、残念ながらここには置いてないようでした。まあ、仮にあったとしても道の駅のオープンが9時からで、2時間近く待たなければいけません。 早々に諦めて、北上を続けますが、このあと撮影タイムなどを挟んでR118交点に到着します。ここの交差点には、自転車ラックが常備してあり、もしかしたら空気入れを借りられるかも、と期待はしていたのですが、 「まあ、まだ営業してないよね」 「まだ7時過ぎですよ?」 当然、ダメでした。 ところで、ここで一息入れていると、面白い広告を見つけました。R118の鳳坂峠を越えて、羽鳥湖までやって来なさい、というものでした。特典はソフトクリーム半額だそうです。自転車乗りの皆さんの射幸心を煽りつつ、集客までするとは、なかなかお上手です。 「やりますか?」 「コンディションが万全な時にね。とりあえず、私たちは会津若松を目指すよ」 という訳で、勢至堂峠に挑みます。 ルートの高低差表を見る限り、この峠が唯一の難関のようです。実際にはこのあと、三王坂、黒森峠と2つの峠が存在するようですが、いずれも高低差がそれほど大きくない、丘越えのような峠のようです。 交点を左折してすぐに登坂車線が現れます。大先生、素直にインナーに落として脚を回します。 「まあ、思ったほど走りにくくはないね」 「ただ、距離は長いですよ」 登坂車線がなくなると、道はやや狭くなります。所々で改良工事が行われているようで、新しい道があちこちで出来上がっています。あと少しすると、新しい道に置き換わるのでしょうか。 「まあ、往来を考えれば、それが正しいんだけどね」 ただ、なんとなく味気ないじゃないですか。わたしが反論すると、 「確かにな。以前走った、福井の椿坂峠なんかも、味気なかったな」 「あそこも、ここと同じ雰囲気でしたよね」 そんな世間話をしていると、馬尾の滝に着きました。知られざる景勝のようで、滝が靡く馬の尾のように見えることから、その名前が付いたとか。 「ちょっと寄り道。顔洗ってくる」 「お気をつけて。足を滑らせないように」 滝の近くまで、道が整備されている訳ではないので、大先生のSPD-SLではちょっと荷が重たいのではないでしょうか。それでも、アクセスルートを見つけて、大先生はひとときの涼を楽しむことができたようです。 馬尾の滝を出発し、しばらくは峠道然とした登りをこなしていきます。ですが、左右を見渡すと新道工事の痕跡があります。そんな味気ない雰囲気はしばらく続き、勢至堂の集落との分岐を経て、さらに登って行った先に、勢至堂トンネルがありました。この峠は現在、トンネルで越えることになり、旧道は完全に閉鎖されて通ることができません。このあたり、先述の椿坂峠と似ています。 「……エルコスさんの言うとおりだ。味気ない」 「お分かりになりました?」 誤解のないように補足しますと、大先生はトンネル嫌いではありません(むしろ大好物なハズです)。旧道を潰してまで掘る長大トンネルに食指が動かない、というだけです。 「補足ありがとう、エルコスさん」 「もし本当にトンネル嫌いなら、R156とかR148とかをどのように説明するおつもりで?」 さて、勢至堂トンネルの延長は約1100メートル。勾配は北に向かって下りの片勾配です。照明が整っていて走りやすい道でした。トンネルを抜けると、あとは三代宿まで下り坂です。
三代宿、あるいは御代宿まで来ると、丁字路にぶつかります。このあたりが宿場町だったようで、交差点のところに本陣があった旨、看板が建てられていました。 丁字路を左折すると会津若松、右折で郡山に至るのですが、そろそろ、アレが近いはずです。 「猪苗代湖の南岸って、どっちになるの?」 「右折でもいいのですが、左折して三王坂を越えてみましょう。そちらのほうがアクセスしやすいはずです」 猪苗代湖南岸の遊泳場は、いくつか点在しています。ですが、それらを結ぶ湖岸道路は、結構エグい線形をしているようです。それならば、なるべく勾配の少ない道を選びましょう。なお、三王坂はトンネルで越え、越えた先が福良の宿場町です。ここで県道236号方面に右折し、直進するのですが、 「わーっ! ここイイじゃないですか!」 「リアルサマーウォーズだな!」 言いたいことは分かります。ですが、あれは畦道ですし、電柱とかないですし。あと、その電柱に「デリヘル募集」というチラシが貼りついてるのですが、 「こんな所に張り紙して、応募する人、いるのでしょうか?」 「わからんが、たぶんいないだろう」 惜しいです、実に惜しいです。 ただ、夏のヒトコマという雰囲気には濃密に浸れること間違いなしです。ゆっくり、ゆっくり走らせていくと、その雰囲気はさらに倍加していきます。 「な、エルコスさん」 唐突に、大先生が話しかけてきます。 「来てよかっただろ?」 「うぅ……」 悔しいです、実に悔しいです(笑)。 そんな猪苗代湖は、既に夏真っ盛りで、大勢の人が湖水浴を楽しんでいました。今日は特に暑いので、さぞ気持ちが良いことでしょう。残念ながらわたしたちは水遊びの準備がないので、代わりに大先生が蛇口の水を頭から被っていました。 「それにしても、大きいな……」 「日本で4番目に面積の大きい湖ですから」 あまりにも広大で、対岸が見えません。これなら、「海に来た!」とうそぶいても、バレないでしょう。 「まあ、海水浴と湖水浴の違いは、あまりないんじゃないか?」 「仰る通りですね」 ここで、今朝方補給しておいた物資を口にし、残りの行程に備えます。このあと、黒森峠をトンネルで越えると、R294の最果てまで僅かな距離です。 「よし、ごちそうはちゃっちゃと片づけてしまおう」 「え…… 何だかもったいない気が……」 「いやいや、天ぷらとか蕎麦とかは、出来上がったところからどんどん食べていくのが粋ってもんd……」 「わたしはそんなに江戸っ子じゃありませんって」 蝉の声が響き渡る夏の空の下、わたしと大先生は、世間話をしながら道を往きます。もちろん、ゆっくりと。
昼前になって、気温が跳ね上がりました。 「ちょっと頭がぼーっとなってきた。休憩入れるよ」 「あそこにコンビニがありますよ!」 と、コンビニ休憩に入ると、駐車場にご同業のトランポが停まってました。初々しく若葉マークの付いたワンボックス車は、東京大学の自転車部のトランポのようです。 「夏場だとちょっときついんだよなぁ、暑くて」 「renas先生が仰ってましたけど、いよいよ夏場もオフシーズンにしたほうが良いのでしょうか」 まあ、もったいない話ではあります。暑さが和らぐか、わたしたちが頑丈になるか、悩ましいところです。 「死ななければどちらでも」 「物騒な…… って、ソレ何ですか?」 「コカコーラのエナジードリンクみたいだ」 「なんだか、赤が禍々しいですね」 その分、こうかはばつぐんな気がします。 ここで涼を摂れたのがよかったのか、その後、大先生の脚は復活を遂げ、時速30キロ台を維持しながら走ります。路面が赤茶色に染まりだすのは雪国特有の現象ですが、その道を快走していると、やがて遠くに青看が見えてきました。 「大先生! あれ!」 「遂に来たぜ」 11:10、わたしたちはR294の最果てに辿り着きました。 思えば、茨城県の取手からはるばる220キロの距離を経て、ようやくここまで来ました。……ですが、 「大先生、何してるのです?」 「いやさ、R294の終点になる痕跡を探してるんだけど、ないんだよね」 ない? そんなハズは…… しかし、わたしは何となくイヤな予感がしたので、念のためにデータベースにアクセスしてみました。そして、わかったことがひとつ。 「R294の法令上の終点、会津若松の市街にあるみたい、……です、ね」 「エールコースさぁぁぁん?」 違うんです、違うんです、勘違いしてただけなんです、ワザとじゃないんですっ!? 「もーぅ、顔真っ赤じゃーん、かわいいなぁ」 「大先生のバカぁ!」 あぅ、大先生にからかわれてしまいました。……それはさておき、おさらいします。 R294、こと国道294号線は、千葉県柏市にある呼塚交差点から、福島県会津若松市にある北柳原交差点までを結ぶ国道です。千葉県内の呼塚交差点から取手市にある国道294号入口交差点(本当にこういう名前の交差点です)まではR6と重複しているほか、福島県内の石山交差点から北柳原交差点まではR49と重複しています。このほか、部分部分で重複区間はあるのですが、R294の単独区間として存在しているのが、今回走破した区間になります。 で、わたしたちは今、石山交差点にいるのですが、 「ここから13キロ下るのか……」 「なにか不都合でも?」 「後ろのタイヤ、ベコベコだぜ」 「うっ…… それは怖いですね」 まあ、慎重に走りましょう。今となっては、これに尽きます。ただし、R49は浜通りから中通り、会津を経て福島まで至る一大幹線。交通量は言わずもがな、大型車の往来もあります。 「最後の最後で、楽しめねぇなぁ……」 「ガマンしてください!」 それでも、何とか会津若松の市街まで下りて来れば、あとは帰りの算段を立てるだけ。右手に線路を拝み、会津若松の駅が見えてくる頃、 「あ、あれ、自転車屋じゃないか?」 「えっ、今頃ですか!?」 最後の最後で、プレスタバルブに対応する空気入れを置いている自転車屋さんを発見しました。ちょっと遅すぎる気がしますが、まあ、良しとしましょう。 そのあとわたしたちは、列車の時間に余裕があることを確認し、軽く会津若松の街を流しました。若松の駅前よりも、ひとつ隣の七日町駅周辺のほうが見応えありそうだったので、そちらを中心に。ただ、七日町駅では帰りの切符が買えそうになかったので、ひとしきり観光した後は、ふたたび若松駅に戻ることになりましたが。 「ハイカラな感じがして、いいですね」 「……似合うのにな」 横で大先生が、絶対によからぬことを考えてます。間違いありません。袴ブーツとか絶対に無理ですから。 「えぇぇぇぇぇ……」 「残念そうな顔しても駄目なものは駄目です」 とまあ、こんな感じで今回の旅は終わります。一時はどうなるかと思いましたが、終わりよければすべて良し、ということにしましょうか。
感想戦
とりあえず、今後は8月の出撃内容は精査しなければいけない。なぜなら、暑いから。 あくまで推定であるが、今回の行程に於いて、少なくとも一日における水分の摂取量で10リットルは飲んだ。おかげで、脱水症状は避けられたが、熱中症とか別の問題が浮上する。なぜなら、暑いから。大事なことなので2回言いました。 ![]() ファミマのフラッペに救われた。あと、セブンイレブンはイートイン率が低い。
都市部はともかく、山間部では空調の効いた商店なんてそうそう見当たらない(それでも道の駅が増えてきているのでまだマシになったが)。とりあえず冷却だけなら、川に飛び込むという荒業が使える。ただし、ある程度流れのある川でないと水が死んでる可能性がある。 ![]() 川でクールダウンするなら、とにかく流れのある場所を選ぶこと。
今回、パンクとインフレーター劣化というトラブルでエスケープルートを選ばざるを得なかったが、やはり装備の定期更新、そして習熟は密にしないといけないなぁ、と反省。 ただ、それ以上にやらかしたのが、大田原で自転車店をサーチしなかったこと。これで危うく2日目キャンセルの可能性があったことだ。 ![]() 西那須野のアルペンには、自転車コーナーはない(試験に出ます)。
少なくとも、大田原にはプレスタバルブの空気入れがありそうな店はおろか、プロショップまである。
![]() お陰で、2日目はハラハラドキドキでした。 ちなみに、新白河周辺にも自転車プロショップがなくはない。早朝からやってないってだけで。ただし、可能性の一つとしてこういうのはある。
ちなみに白河以北のR294上では、自転車店のようなものは見当たらなかった。併せて、自転車用空気入れが置いてあるような場所もなかった。なお、最後の最後でエアが入れられたのは、こちら。
![]() 会津若松駅より至近。線路沿いに通りを歩けばすぐ見つかる。
あと、最後に余談だが、会津若松から首都圏への帰還は(時間帯にもよるので、今回の行程に限っては)、郡山周りの新幹線が圧倒的に早いし、終電も遅い。新幹線のぶんだけ費用は上乗せになるが、時間を考えるなら郡山周り一択である。 ![]() もし、つばさかこまち併結なら、迷わずそちらへ。普通車が4アブレストだ。 対して会津田島周りだと、費用は安いが1時間ほど時間がかかるうえ、終電が早い(18:06頃がデッドラインとなり、首都圏到着が23時を超える)。そして、会津田島でリバティに乗り換えることを考えているなら、飛び込みでの切符購入はかなりリスクが高いことを承知しておこう。 ![]() さすがに会津田島でコレ見たときは、真っ白になったぜ。
この時は、ダメもとで照会してもらったところ、奇跡的に1席キャンセルが出てたので、即座に押さえて事なきを得た。お陰で、会津の地酒を楽しめる自販機を愛でることができた。 ![]() ぽんしゅ館じゃなくても、ここでも楽しめるよ。
あと、最後の最後で余談だが、会津若松駅のすぐ隣、それこそ歩いて行ける距離に、日帰り温泉富士の湯がある。450円で汗が流せるので、余裕があればこちらで一風呂浴びてからの帰還、というのも悪くないだろう。 ![]() 会津若松市駅前町2-13 0242-32-1126 |
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