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251:renasと特異点



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com、renas。同行者はrenas先生。






本日のルート (powered by ルートラボ)

北千住→市川→市原→海士有木→上総牛久→里見→飯給→養老渓谷→勝浦→鴨川(実測115.7km)




「例外」という意




「大先生、この時期が来ました」
「……来たか」


この時期、というのは、3月末から4月頭にかけてのことである。いわゆる年度初めの時期で、街にはフレッシュな若者が台頭し、







電車が激混みする






するという、そんな時期。しかし、とある限定的な観点で見るなら、この時期は







飯給の特異点








「というか、房総半島全体の特異点ですよね」
「高滝の特異点、とも言うしね」


どういうことかというと、春の時期に菜の花が咲き乱れる小湊鐵道飯給駅周辺に於いて、先述の時期だけ、桜も咲き乱れるのだ。



こういう状態だね。



この時期というのが絶妙で、先述のそれより早いと桜が咲いておらず(ヘタすると菜の花すら咲いてない)、遅いと桜が散ってしまって画にならない

おまけに、その年の気候にも左右されるため、最適な時期は断定できず、だいたいこれくらいの時期、という表現しかできなかったりする。それが「3月末から4月頭にかけて」なのだ。



「大先生、ご準備を!」
「言うと思ってたよ」




じゃあ行くか〜。






「出撃」という意


さて、飯給といえば、renas先生である。

彼は、昨年の若狭路以降、目立った遠乗りはしておらず、すっかり身体が鈍った状態だという。そういう状態にありながら、5月は第3週にグランフォンド小諸、第4週には毎年恒例の佐渡にエントリー。どうみても







撃沈






の疑い、というか濃厚だったので、久しぶりに(大会以外の出撃で)誘ってみたところ、







快諾






なお、凸も誘ってみたが、安定のクオリティを見せてくれた。



問題ない、ニセモノではなかった。



さて、7:20、いつもどおりのランデブーポイントでrenas先生と待ち合わせ。

SNSでは接点があるものの、会うのはほぼ1年ぶりということもあって、いきなり15分ダベる



「早く行きましょうよ大先生ぇ」
「ダメだよエルコスちゃん、マスターと長話になりそう」


ようやく重い腰を上げて、7:35出発。



まずは市川橋を目指す。



飯給までのコースは、2014年に走破したものがそのまま当てはまる。今回はさらに、月崎から養老渓谷を抜け、久しぶりにドギャァァァンを詣でて鴨川の長久さんでメシ食って帰ろうか、というプランにした。私的にはちょくちょく走っていて勝手知ったるルートである。

このコースのオススメポイントは、鴨川までだいたい120キロ程度の距離であることと、後半はそこそこ丘陵地帯なので、脚慣らしに最適だということ、そして、エスケープルートが豊富、ということだ。



「なので脚が死んだら勝手に帰る (`・ω・´)キリッ」
「マスター、志を大きく持とうよ……」




東京に別れを告げる。



市川橋から千葉県に入り、R14を幕張まで走る。このあたりは市街地走行なので特に面白いことはなかった。強いて挙げるなら、そこかしこで桜が満開、くらいか。



「今年こそ、当てる――――!」
「もちろんです!」




船橋周辺にて。



そんな期待を胸に、市原からはR297。旧道は海士有木の手前でアップダウンがあり、バイパスだと光風台周辺まで平坦。当然、楽なのは後者だが、



「海士有木は最優先事項だ」
「あの国語の先生でなくても、そう言いますよ」


ということで、甘んじてアップダウンを選ぶ。



軽く登るよ。



今のところ、後方からしっかりとシャマル音が聞こえてくるので、まあ大丈夫だろう、と考えていると、10:30海士有木駅着。



いきなりド本命。





「わーっ!  満開ですよ!」
「すごーい!  キレイだ……」


飯給よりも先に宿願してしまったが、つまりこういうことである。



「よし、見れたから次に行くz……」
「ちょっとぉぉぉぉぉっ!?」


わかってるって。撮るからそこに並びな。



こういう構図が一番好き(遠出してる感があって)。



海士有木の駅に限らず、小湊鐵道の駅舎は昭和時代からのものをそのまま活用しているものが多い。なので、周囲の住宅と駅舎とのミスマッチが気になったりもするのだが、雰囲気は充分楽しめる。



どう考えても鉄道利用ではない方々が多数ご来場。



そのあとは、ほぼ平坦なR297を上総牛久まで走り、県道81にシフトする。ここからアップダウンが増えてくるが、果たしてrenas先生は大丈夫だろうか。



ぽつぽつ咲く桜も風流この上ない。






「俗化」という意


上総牛久のコンビニで小休止。ここを逃すと、久留里か小湊までコンビニはなくなり、個人商店か土産物屋しか補給の手立てがなくなる。



補給=コンビニと断定するのもアレだが、時代なのだろう。



昼食は長久さんで、と踏んでいて、このとき軽く甘いものしか食べなかったのだが、



「補給してください、って言ったのに……」
「大丈夫だと信じてほしい」


結論から言うとギリギリセーフではあったが。

上総牛久では、里山トロッコ号と出くわす。小湊鐵道の観光列車だ。



「あ、トーマス!」
「ちげぇよ」




世界一有名な蒸気機関車ではない。



さて、県道81に入り、高滝湖の手前でちょっとした登り。インナー使うほどじゃないので、じっくり回しながらクリアすると、



ここから目に見えてアップダウンが連続する。





「ちょっと待ってください。renas先生が遅れていますよ」
「なんだって!?」


だいぶ間隔があいてしまった。調整すべくゆっくり走るが、追いついたrenas先生、曰く



「大丈夫かい?」
「28Tでもキツい」


……とまあ、こんな状態。こりゃ飯給に行く前にどこかで休憩するかな、と考えていると、ちょうど高滝湖に差し掛かる。



高滝湖のほとりも桜の名所である。





「マスター!  桜が咲いてるよ!」
「や、休みてぇ……」


休むだと?  バカ言うな、写真撮影なら許可するが。



「大先生、案外優しいんですね?」
「こういうのを、『年季の入ったツンデレ』って言うんだ」




さあ休m……  じゃなかった、写真を撮れ!



ということで、休け……  間違えた、写真撮影に勤しむ我々。飯給は定番だが、高滝湖の周辺で咲き誇る桜も秀逸であり、セットで楽しむとよいだろう。高滝ダムの記念館には、食事ができるところとサイクルラック、そして簡単な工具の貸し出しがあったりして、サイクリスト・ファーストなサービスを受けられる。



なお、ここからダムを一望できる。



予測はしていたが、このあたりまで来ると、高確率でご同業とすれ違う。皆、飯給や養老渓谷を目指したり、山岳ルートを求めて県道168方面に向かったり。



「我々は飯給を目指す」
「もうこりゃ飯給から輪行かなぁ?」


まあ、そういった可能性は考慮していたので、飯給の時点でそこから先をどうするかについて、いくつかのプランを考えておいた。

1つめは、初志貫徹し、ドギャァァァン経由で鴨川まで行くルート。ちょい山道だが、勝手知ったるコースである。

2つ目は、2014年と同様の、久留里、富津経由で金谷から東京湾フェリールート。船エンドご希望のrenas先生が好むルートだ。

3つ目は、飯給から輪行して帰還するルート。これがrenas先生にとってはオイシイ選択肢になるものの、先ほど見た感じだと、車内は激混みだった。

結論は飯給か、もしくは月崎で。……ということで、12:30、飯給に到着。



菜の花+桜。そして里山トロッコ。





「読み通りですっ!」
「完璧に決まったな」


人の多さは仕方ないとして、菜の花と桜の共演は、まさに読み通りだった。時期にして一週間あるかないかの特異点に、見事にハマッた。



どこからどう見ても美しいぜ……





「大先生!  写真写真!」
「ああ、もちろんd……」


言いかけて、私は固まった。次いで、エルコスさんも。



これはアレだな、ようつべとかで「罵声大会」とかタイトルつく系のやつだな?





「……な、なんですかあの三脚の杜は?」
「撮り鉄の方々か?」


そして、renas先生とあんちょるタソも、それを見つけた。



あんなところに道があること自体、初めて知った。





「あそこにも……」
「すごい、というか、こわい……」


かつて、まだ世界一大きなトイレができる前、ここは鬱蒼と茂った森の中にひっそり佇む、やや不気味な駅であった。人気のないこの駅が、時代と時期を経て、大勢の人で賑わうのは良いことで間違いないが……



「ちょっと俗物化しすぎてますよね?」
「下手に写りこんだら罵声浴びせられそうだな」


このあたりは残念というか、仕方ない、というか。いずれにしても、小湊鐵道が愛されている証左であると判断しよう。



ついに小湊鐵道にも観光列車が走るか〜(なお、このトーマスはDLだった)



折り返しの里山トロッコを見送ったところで、次は月崎駅へ。お馴染みグンマーロードこと裏道を経ていく。このあたりは公道の勾配制限を気にせずに道をつけた所為か、荒れた路面の激坂という高難易度を誇る。大人しくインナーに落として、ゆっくり往く。



「ここは相変わらずだなぁ」
「いだだだだだだっ!?」




相変わらずの荒ぶりよう。そして最近は、ハイカーも増えた。



月崎駅もまた、線路を挟んだ対岸に咲く桜と、手前側に広がる菜の花のコラボが美しく、カメラ片手の観光客が大勢。



当然、月崎駅だって外すわけにいかない。



13:26月崎行を見送り、ここでrenas先生に判断を迫ることに。



「3択、か……」
「いや、もう1個あった」


この直前だが、renas先生からこんな話を聞いた。曰く、「いすみ鉄道のラッピング列車を、撮れたら撮ってきてくれ」と、職場の同僚から言われた、と。

それなら、養老渓谷ではなく上総中野を経て、大多喜から大原へ出てしまえばいい。



「その選択肢、とは?」
「大多喜へ抜けて、トーマス列車を詣でる!」


………………………………………………………………。













ムーミンだろwww








ヘッドマークがスナフキン。詳しくは、社長のブログを参照せよ。





「横文字なら何でも同じと思うなよ!」
「大先生、カオ真っ赤ですよwww」
「y-maru先生、カワイイ」
「スマン、勘弁してil||li(つω-`。)il||li」




これは月崎−養老渓谷間だが、こういう感じの風景がいすみ鉄道にもある。






「野生馬」という意


13:45、養老渓谷着。



大賑わい。



renas先生のペースが落ち始めてきていたので、少しずつ休憩を挟みながら進んでいくことにした。予定では安房鴨川16:15発の新宿わかしおを捕縛しようかと考えていたが、renas先生に無理をさせるわけにいかないので、そちらは



「最優先事項から外す」
「どう考えても間に合わない公算が高いですよ?」


そういうのも含めて、旅なのである。

養老渓谷駅は、件の里山トロッコの始発駅になっている。そのためか、結構な賑わいを見せていた。



あと、トイレが改装されていた。





「これも地域の活性化ですね」
「まだ私鉄というだけ有利だよ」


というのも、出撃日は2018年3月31日。鉄分の多い方ならご存知の通り、この日を以てJR三江線が廃止になる。どちらも、いちローカル線に過ぎないが、片や大勢の観光客でにぎわい、片や利用客減少で廃止される。片やJR、片や私鉄……



「いや、まだ考察すべき点が」
「なんと?」


renas先生曰く、小湊鐵道は首都圏から距離が近く、日帰りで観光できる需要がある。対して三江線は、大都市圏(たとえば大阪や福岡、贔屓目に見て岡山や広島)から日帰りで観光できるかといえば、不可能か、限りなく困難かのどちらかだろう。



「立地に恵まれているというのはある」
「なるほど、勉強になります」


小湊鐵道と、隣接するいすみ鉄道は、経営母体が小さいながら、あの手この手でがんばっている。これからも頑張ってほしいし、我々も迷惑を掛けないようにしなければならない。



ここで唐突にイノシシメンチ200円。





「という訳で、売り上げに貢献を……」
「補給しましたね」


さて、養老渓谷駅から少し登り、トンネルを抜けた先に現れるは、県道178交点である老川交差点。そして目の前には、







ドギャァァァン坂








マイルドになって登場。





「ですが、ここは新しい道が出来てますけど?」
「粟又の滝に行くバス対策だな」


なお、県道178旧道のほうも健在であり、



クラシックがお好きな方も大満足。





「renas先生、マイルドとクラシック、どっち往く?」
「楽なほう」


ということでマイルドドギャァァァンに決定。もし脚に自信があれば、クラシックドギャァァァンをお試しいただきたい。



登坂中。



かつて、TDC2日目の難所と恐れられたこのコースも、今となっては懐かしい。粟又の滝を越えたところでふたたび登り返すのだが、あれよあれよという間にrenas先生が遅れる



「だいぶ離れてしまいましたけど……」
「そういうときは、こうだ」


徐にUターン。そして登って来た道を下り、renas先生とすれ違ったところで再度Uターンし、今度はrenas先生の後方につく。



これを予告なしにやると、たいてい面食らう。





「これがマスタングです」
「『のりりん』の6巻でやってたヤツですね!」


ただ、本当はもっと距離を取った方がいいらしい。登り区間なんかでいうと、頂上折り返し、くらいの感覚。



途中なかなか良い景色が多く(本当)、ついつい撮影を(本当?)。



んで、途中写真撮影とか挟みつつ、県道178区間を抜けたのが15:00。ここからは外房の海岸線まで延々の下り基調となるが、



「写真撮影を要求する!」
「許可する!」




穏やかな農道。



いや、このあたりイイ感じの田舎道で、本来の目的での写真撮影を所望したいような風景が広がってるんだよね。マジで。



からのワクワクタイム。



県道82号の下り連続コーナー地帯を抜けると、潮の香りがしてくる。小湊の街である。



海に出た。



あと15キロくらいなので、一気に駆け抜けてしまおうk……



「ションベンしてえ!」
「許可する!」




外房は海水浴だけでなく、漁業も盛んなのさ。



漁港のトイレで最後の小休止。ちょうど海岸線が一望でき、renas先生の撮れ高も確保できたようだ。



ある意味、高級リゾートではある。



鴨川のランドマーク、シーワールドと亀田病院を過ぎれば、安房鴨川駅はすぐそこ。16:00到着である。



ごーる!





「発車まで15分あります。ギリギリ間に合いますが?」
「長久さんでメシ!」




このために走った、といったら過言だが(メインは菜の花と桜)



そしてこちらも、無事宿願を果たした次第である。



新宿わかしおを逃し、時間が余った結果の飲酒。












TITLE:花見Singularity
UPDATE:2018/04/04
URL:http://y-maru.sakura.ne.jp/251_nanoha/nanoha.html