2012年版ガイドライン 実地踏査シリーズ スキー百本勝負 ほぼ月刊動画工房 ステキなダムn選 トップページ 用語辞典        リロード時刻:2025年04月07日(月)18時24分


240:アクションカムが逝った話



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。同行者はrenas先生。副題は「スポニチ佐渡ロングライド2017」






本日のルート (powered by ルートラボ)

佐和田→相川→入崎→大野亀→はじき野→両津→多田→小木→素浜→佐和田(実測208km)




イントロです。


毎年5月のお楽しみである、スポニチ佐渡ロングライドに、今年もrenas先生と行ってきた。



KNIは式典準備のため欠席。



直前までエルコスさんは入院、renas先生は荒サイで調整、という







調整不足






……な状態ではあったが、まあこちとらロングライダースのトップ1パーセント、最強の最強だがさらに鍛えられてやろう、というような感じでいた、のだが。



谷川岳が見えてきたぞ。






いきなりのご報告です。


アクションカムが逝きました。



あああああああああああ!?





「稼働時間、5分くらいですかねこれ?」
「次から次へと……」


元から使い勝手は悪かったものの、本体価格の安さでチョイスしたビクターのアクションカム。逝ったのを確認したのが、よりにもよってZ坂の手前



「つまりそこまでの画像は、あまり撮れていない、と」
「ガッデム!」




つまりここまでの静止画すらほぼナシな状態に。



……ということで、今回の佐渡ロングライドの模様をお届けしたい。




渡島~佐和田まで。


7:00にrenas先生をピックアップして、ETCカードを忘れたので取りに帰り、首都高に乗ったのが7:40。いつもなら、恐らく渋滞しないであろう東北道を選ぶところだが、その東北道すら渋滞。仕方ないので、こちらも既に渋滞が始まっている関越道をチョイス。

高校同窓のrenas先生といつものようにヲタトークを繰り広げながら、坂戸付近の渋滞を抜けたのがだいたい8:40くらい。ここでrenas先生から、10時手前くらいに、電波の届く位置に!  というオーダーが入る。喉から手が出るほど大切な静岡公演のチケットを押さえるのだという。

それでわざわざフルサイズのノートPC持ってきてたのか、今夜は車団地だというのに。しかし、このままのペースで走った場合、だいたい10時くらいに







関越トンネル






ら辺を走ってる予感、というか走ってる。大事を取って谷川岳に不時着。ついでだからメシでも食っておこう。



リニューアルした谷川岳PA



結局、静岡公演はエントリー峠に敗退の模様。「なぁに、追加席があるさ」とrenas先生。

外気温がみるみる上昇する中、12:00新潟市内着。そして、例年通り、「わ」ナンバーのご同業が多数。



たとえばこのバスとかは、間違いなくご同業。





「今日の新潟市内、首都圏ナンバーの観光バスは、皆ご同業」
「本当だ、輪行袋が乗ってますね」


佐渡汽船の乗り場は、そこかしこに自転車を積載した自動車で溢れかえる。これも、年に一回の光景だ。



このグルーヴ感は、年一回のお楽しみ。





「今回は、ときわちゃんですね」
「去年は出番ナシだったから」




ちなみに、ときわちゃんの元ネタがこれ。帰りはあかねちゃんだ!



去年は長女のおけさ姉さんが往路担当だった。ので、これで三姉妹コンプリートである。

さて、出航と同時に昼食を掻き込み、銅鑼の音を聞いたところで仮眠タイム。予想通り二等席は満杯だったので、絨毯敷きの一等地を確保してしばし意識を飛ばす。……前に、船内を物色。



この時期、イベントプラザは自転車置き場になるが、通路もご覧の有様。





「今年はすごい輪行は見当たらないな。規制強めたか?」
「でも、先ほど『そのまま』乗船された方がいましたよ?」


たぶん船内で袋詰めしたのだろう。出航直前ではよくあることだ。

さて、14:30くらいになると、左手に陸地が見えてくる。これが佐渡ヶ島だ。



小佐渡が見えてくると、下船は近い。





「また今年も来ましたね!」
「考えてみたら、5年連続か」


そんな5年連続5回目の佐渡上陸、まずは受付を済ませるために、佐和田を目指す。



「ただ、あそこはいつも渋滞しますよね」
「心配ない。策は打ってある」


と、フェリー下船して、交差点を左折



下船口より。そしてここを右に行かない。





「あらら、どちらに向かわれるのです?」
「裏道を行ってみる」




裏道を新穂方面へ。



加茂湖の南岸を往く県道65号を新穂まで行き、県道237、県道181と乗り継ぐ(実際にはひたすら一本道を直進する)と、佐和田の手前までワープできる。シャトルバスや自走組はだいたいR350を往くので、よほど運が悪くない限り、こちらのほうが流れは良い。

また、R350国仲バイパスが整備され、佐和田にある中原交差点と接続が成されたことで、より一層流れはスムーズになった。



国仲平野の展望もバッチシなルートだった。



さて、15:30には佐和田の会場に到着。受付を済ませて、のんびりと抽選会に参加したり、出展ブースを冷やかしたり。



バレットさんから、ジャージ作りませんか?  と勧誘を受けたりした。



そういえば、昨年度から佐渡のイベントでも、流行になりつつある車検が義務付けられ、車検証の提出がない場合の参加は認められない、ということになっているのだが、



3000円で車検証にサインするぜ(点検整備付、消耗品等は実費)。





「これ、どうなのかなぁ?」
「わたしが知る限り、だいぶイイ商売してますよ……?」


まあ、車検受けてこなかった参加者の自業自得ではあるのだが。しかし裏を返せば、最悪、ここで車検を受けられる訳で。これはこれでアリなのかもしれない。

んで、今回はかなりのんびりなスケジュールだが、先述の通り、今夜の宿は車団地だ。



ハイエースに於いては、よくある光景です。





「エントリー峠に負けた」
「こんな所にもですか!?」


2月5日、12時の日本旅行はファックスが繋がらない(2017年当時)。そして、繋がった時には







全て終わってた。






それでも、一応は確保できていた。一泊13Kの素泊まり宿が。ただしすぐにrenas先生と首脳会談を行うハメに。

土曜泊は絶望的だが、日曜の後泊なら取れるだろう。ならば、土曜は車団地して、走り終えて満身創痍なところでちゃんとした宿に泊まろう――――  これが我々の下した決断で、いつもの定宿・敷島荘日曜だけ指定したら、それはあっさりと取れた。



その結果がこれである(写ってないが宿は一泊分)。



かくして、就寝するのに最適な時間まで、我々はウダウダ時間を潰すこととなったのだった。




Z坂まで。


明けて翌日、全員から



「大先生、イビキかいてましたね」
「無呼吸症候群かと思ったぞ」
「y-maru先生、大丈夫ですか?」








((((;゜Д゜)))マヂ!?






加齢とのデッドヒートがパネェ37歳、頑張って生きているのだよ。



既に駐車場は満杯に。



さて、いつも通り海岸線へと移動し、スタートを待つ。renas先生は撮れ高確保に努めるべく、相川などエイドに立ち寄る方向。こちらは例年通り大野亀SSまでは素通しでいく。



「大野亀……  SS?」
「ソフトクリーム・ステーション」




まずは65キロ先のエイドだな……(間違ってる)



スタート前、先頭のrenas先生のスターティンググリッドが、3列中最後列。後ろにいたワタクシめのグリッドは、次の列の最前列。そういった事情で、位置を入れ替えてスタートする。5:57、佐和田を出発。

序盤は、相川までの海岸線に軽いアップダウンがあるほかは、比較的走りやすい快走路。ただし、前日からの好天によって、今日は気温がドカンと跳ね上がるらしい。

そして、先述のようにアクションカムが早々にお亡くなりになり、途中途中での撮影はほとんどせず。



「もうヤダこの子……」
「買い替えの時期ですかね?」


この区間の見どころは特にない(例年通りで)。強いて言えば、相川で信号待ちで停車したくらい。信号機のある交差点を通過することが少ない佐渡ロングライドだが、今回はあちこちで信号待ちをすることになった。……印象に残ってるといえば、その程度か?



かろうじて残ってたのがこういうやつ。沿道の応援は活力になる。






ゾーンに入れろ。


7:43、Z坂の麓に到着。ここは昨年度からの宿題があって、



「途中のトンネルの扁額らへんに神棚があるらしい」
「そうなんですか?」


ちなみに、その情報のソースが出てこない。もしかしたらガセ情報かもしれない。



みんな撮影するんで道路が拡張された。これも特需か?



そうこうしているうちに第二ターン。折り返すと跳坂トンネル。地元民すらZ坂と呼んでいるが、このあたりの地名は『跳坂』という。んで、定点撮影を済ませ、



もはや定番のアングル。



トンネルの扁額をよく見てみると、



……あれ?





「ないじゃないですか」
「ガセだったかぁ」


さらに進むと、大野亀の登りに差し掛かる。途中にSSがあるのが分かってるので、精神的なツラさはない。最大斜度10パーセントも、二つ目の折り返しの、さらにイン側がちょっと急なだけ。28Tインナーに入れておけば、あとはゾーンに入ってしまえばいい。



大野亀区間のスタート地点。ここも格好の撮影ポイント。





「なんですかそのゾーンって?」
「藤原ゾーン的なやつ」


絶対的な速度を考慮しないとき、登りの斜度とギア比の関係が吊り合い、脚がクルクル回る領域が存在する。それをゾーンに入ると形容しているのだが、一度入ってしまえば、長い登りはもちろん、短い距離の丘越えでも、身体の負担が少ない状態で、それほどペースを落とさずに走れる。むしろ、平地は早いのに登りで失速するライダーを軽く処理できる。



「入院中に新しい魔法覚えた?」
「……という設定ですかね?」




大野亀区間はそれほど長くなく、コスギフォトポイントを過ぎるとすぐロッジに。



そんな世間話をしながら、大野亀に到着。ここで今回初の補給を行う。もうここエイドでよくね?  とか思ってみたが、考えてみれば5キロほど先にはじき野ASが控えている。



「食べたら行きますよ」
「ほいきた。はじき野で水を補給しよう」




ソフトクリームは350円。飛ぶように売れていた。



この日、既にボトルは1本カラにしていて、残るもう1本も半分くらいの残量。昨年は両津まで持ったが、今年は途中で干上がるだろう。

エルコスさんの『ゾーンの魔法』によってグイグイ加速し、登り勾配が終わって下りに転じたちょっと先に、はじき野エイドがある。ここでカラになったボトルを満たそうと思っていたら、



「見てみて大先生!  コーラがありますよ!」
「遂にオフィシャル補給水になったか」




燦然と輝く「コーラ」の文字。



炭酸、糖分、カフェインが同時に摂取できるコーラ、しかも赤ラベルのものは、自転車界隈では格好の燃料として扱わr……



「墨東署のミニパトに積んでるやつですよ」
「コーラっていつから第五類危険物になったんだ?」


ちなみに厳密に言えば、あれはニトロじゃなくてナイトロなんだけどね。んで、グビグビと飲んd……



「ぬるい」
「そりゃ常温の箱出しで提供されてますから」


どうしよう。途中でキンキンに冷えた赤缶が飲みたくなってしまうではないか。



「キンキンに冷えた赤缶が出てくる魔法、ない?」
「現実を見ましょう」


少々物足りない思いを胸に、はじき野を出発した。



両津まであとだいたい30キロか……






両津の弁当事情


10:00、両津BS着。昨年よりも微妙に遅い。



ご同業が多数到着していた。



ここが弁当タイムになるのだが、昨年はバイキングという無茶をやらかし、提供に45分待ち、挙句には







おばちゃんエイド






が自然発生するほどの事態であった。その反省からか、今年は3種類の中から弁当を選ぶスタイルに変更となった。



弁当待ちの渋滞はなかった(ワタクシめのときは)。





「現実を見たか」
「何はともあれ、ですね」


そして、ながもの味噌汁。今回は味噌汁といえばほぼこれだった。



そのうち、少しずつ混みだした(Cカテゴリがゴールしはじめた)



余談だが、両津に到着後、まずやったことがある。



「洗顔ですね」
「水をかぶっただけだよ」


ガツンとくる衝撃、そして爽快感。そしてカピカピの肌が瞬時に潤い、







速攻で乾く。






このあと、多田、小木と、ことあるごとに水をかぶりまくるが、お蔭で熱中症のような症状とは無縁だった。

昼食を摂り、出発しようか、というタイミングでrenas先生が到着した。そして、弁当渋滞がなくなっていたのを見て、



「こんなの佐渡じゃないっ!?」
「マスター、現実見ようよ」


といったやりとりがあったりなかったり。それを見送って、一足お先に小佐渡区間へ突入する。



さあ、行くか~






多田までの道~不完全攻略~


両津をスタートし、Bカテゴリ分岐を超えると小佐渡区間に突入する。次のエイドは40キロ先の多田で、区間距離が一番長い。それゆえか、この区間を一番苦手とする人が多く、曰く「向かい風がパネェ」「退屈でバクハツしそう」という好評が数多。

ただし、一応は攻略法がある。



「多田までの区間で、インナーに入れる坂が4つ出てくる」
「それは全部、120キロ地点までにあるんですよね」




第一の登り。



これだけである。もう少し詳しく話すと、1つ目の登りはおばちゃんエイドのある地点への坂。2つ目と3つ目は連続でやってきて、4つ目はちょうど120キロ地点にある。言い方を変えるとそこを乗り切れればあとは







向かい風との戦い






になる。……あと、状況によっては暑さとの戦い。



第二の登り、そして直後に第三の登り。





「はひー、はひー、あちー……」
「情けない声を上げない!」


そしてこの日は、うだるような暑さ。あまりの暑さに、ほぼお湯になりかけたボトルの水なんぞ飲む気にもならz……  ヤバイ、これは熱中症の前兆じゃないか!?



とりあえず気力で脚を回してはいるのだけど……



そんな時に見かける、あの赤い悪魔……



「大先生しっかり!  ここにゼンフト翁はいませんからっ!」
「そうじゃない、アレだよアレ」







スカッとさわやか。



ここにきてこの赤いのは、間違いなく麻薬だ。

UCIが大騒ぎしそうなほどに赤缶摂取すると、身体は一気に楽になる。残り20キロはスイスイ進むし、懸案の向かい風も収まっていた。多田エイドには12:10着、ここでしこたま補給、……の前に、



「洗顔ですね」
「とても大切な行為です」




多田エイド。ここで力尽きるご同業も多いとか。






続・ゾーンに入れろ。


多田から小木機関区までは、それほど苦労するような箇所はない。何カ所かでインナーに入れた方が良さげな登りはあるものの、きっちりゾーンに入れれば攻略は容易い。



トンネルを抜けた先の工事区間は、今年も絶賛工事中だった。



13:20に小木機関区着。今年はサザエのおにぎりが供されたのだが、困ったことにワタクシめは







貝が苦手








「え、なんで!?  お酒飲むのに!?」
「苦手なものは苦手なんです!」


その結果、洗顔という名の冷却行為ぬるいコーラで補給をし、ものの10分で出発。



機関区、こと小木エイド。ここで後の激坂に備える。



小木の市街地から琴浦の高台までが少々の登り。そして、宿根木のあたりで一旦下った直後の登り。ここは直前の下りで勢いをつけて、一気に登りを処理するのが攻略法。一気に行くぜ……



インナーじゃね?









なんだと!?( Д)゚゚








「アウターに戻し忘れてたーっ!」
「何やってんですかーっ!?」


おかげで不要に脚を使った。

長者ヶ橋の先で、来る9%坂に備えるため、2RUNを飲んでおく。ミネラル、というか、ほぼ塩の塊のようなタブレットを。



「すっごい顔してますよ?」
「まじぃ……」


これ、味付ザーメンよりマズいんじゃないか、と。



エルコスさんが「写真写真!」とせがむのも毎度のことさ。



海岸線に降り、しばらく走ってから9%坂に突入。ここでもやはりゾーンに入れる



「すごく調子よく脚が回る」
「辛くないんであれば、それってスゴイかも……」


事実、この日は(たぶん暑さとかもあるのだろうが)、押してるご同業が1名、脚が吊ってもんどりうってるご同業が1名、きっと写真撮影以外の理由もあるご同業が1名、それぞれこの9%坂で見かけた。



ここまでが最初の難関。このあと勾配はちょびっと緩む。



ここも攻略法を挙げるなら、スタートから途中の2連ヘアピンを越えた先までが勾配がきつく、それを過ぎると一瞬だが勾配が緩くなる。時期にもよるが、たたかいのドラムが聞こえてきたあたりからが最後の難関で、勾配がふたたびきつくなる。そして、この区間が







まあまあ長い。






決して太鼓の音色にダマされてはいけない。ここをクリアできれば、あとは素浜まで、アウターで処理できる。



定点撮影スポット。



14:45素浜エイド着。ここでrenas先生と合流することに。


最後は一緒に


renas先生が来るまでの間、まずは洗顔……



こっ……、これはっ!?









命名:悪魔の壺








「ああっ、あれは一度ハマったら抜け出せない……」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?  ギモヂィィィィ!」


変な声が出た。しかし、似たような声を出すご同業はそこかしこに。

あとは、素浜名物レモンの砂糖漬けとかを頬張りつつ、最後の区間への景気づけに、俵むすびをパクついたr……



まんなかのヤツが砂糖漬け。





「今、ボランティアの子に、『初音ミク?』て聞かれた」
「まあ、二次元であることには違いないのですが」


そうかぁ、知らんかぁ、今どきの子供はあんちくしょうを。



「そもそも、あんちくしょうですら間違ってますが」
「初出が2002年だから、下手すりゃ生まれる前か」


いや、チルノが主人公だった妖精大戦争ですら2010年リリースで、小学生以下のお子さんからしてみりゃ、あれは誰?  ってなってもおかしくない訳だが。



信頼と実績のあんちくしょう。



さて、そうやって時間を潰すことおおよそ30分、renas先生が到着した訳だが、例によっておっさんとチタンフレームは、仲良くキャッキャと撮影タイム。



雄大な日本海をバックに(レンガはその辺から拾った)。



そして、ようやく合流したrenas先生は、すっかりヤラれていた



「とりあえず、悪魔の壺へ行け!」
「し、しんどいわ~……」


余談だが、件の初音ミク話をしたところ、「俺のもミクだ!」とrenas先生。



ごーじゃすでりしゃす、でかるch……(間違ってる)





「なんすかそのニーハオニャン?」
「超時空中華飯店じゃねえ」


ほどほどに休息を取っていると、回収車が集結しだした。ここの関門閉鎖は16時だが、こうも集まってくると穏やかではない。それでは、と出発すると、いきなり現れるのが140アップの異名を持つ国道までの登り。先ほどの9%坂と比較すると距離が短くコース幅が広い。



140アップの登り。



ところで、坂の登り初めにセンサーチェックがあった。これ何のために?  とか思っていたら、スマホアプリのライブトラッキング機能のためのものだったようだ。

公式にはタイム計測をしていないし、そういう趣旨ではないことはアナウンス済みなのだが、やはり一定量いるタイムを知りたい層には、この機能はありがたいのだと思う。



こんな具合。renas先生との合流で削られた感がある。



さて、ゾーンに入りつつ坂を登っていると、いつの間にかrenas先生をチギッてしまっていた。曰く、「久しぶりにきっつい」とのこと。そんな先生を引き連れて、国道を左折して海岸線まで下ると、最後の難関、国道坂に差し掛かる。



国道坂のはじまり。



県道432との交点から始まる国道坂は、7%の登りで幕を上げ、その後も地道に登り勾配を続ける。その距離約3キロで、最後の最後で心を砕いてくる。



いつまで走っても下り勾配が現れないが。





「5回も走ってりゃいい加減覚えるさ」
「全然砕けてない……」


言い換えれば、これを乗り切ったところで佐渡ロングライドの9割9分終了したといっても過言ではない。下ったところが200キロ地点で、残り8キロは真野の市街地を抜ける平坦な道だ。



ラスト10キロ切ってるので、たいていのご同業はパレードランになる。



このラスト区間では、最後の一ひねり、と言わんばかりにロングスパートをかけるのがお約束。ゾーンに入っていた脚は全然売り切れてない。



「さあエルコスさん、目を覚ませ!」
「ふふ、いきますよ!」


一か月のブランクのウサ晴らしをするかの如きアタック。それを後方で見ていたrenas先生、







「ホイールスピンしたwww」






どうりで加速時に挙動が乱れた訳だ。



そして、約11時間ぶりの海岸線へ。



国府橋まで来ればあと僅か。前後の間隔を調整して、16:56佐和田ゴール。今年はいくらか宿題を提出できたかな?



ゴール直後。達成感と感動と物足りなさが交錯して。






終わりはいつもアンニュイに。


先述のとおり、この日は敷島荘に一泊した。そして、それは正しかったと思う。



まあまずは飲もうぜ。



明けて翌日、いつも通り尾畑酒造に寄り道して、純米酒を買って帰るのだ。……が、



「なんで山奥を目指してるのです?」
「ダムカードを入手するために」


佐渡の島内には、ダムカードを発行するダムが3基ある。配布場所はこれから向かう大野川ダムなのだが、他の2か所は微妙に距離が離れていて、ちょっと今回は無理そう。これは次回の宿題にしてしまおう。



renas先生と大野川ダム。



大野川ダムでダムカードをゲットしたのだが、離島のダムにある傾向として、主に上水道や灌漑対策といった、水がないと困るから溜めてますという意味合いの強いダムだった。そして、雰囲気が神秘的で居心地が良いので、もしのんびり出来るなら、テントでも持って訪れてみたいダムであった。

そのあとは、佐渡ロングライドのフィニッシャーのみが買うことを許される、尾畑酒造へと向かうのだが、ダムへと至る道の大半は舗装状態がよろしくなく、ちょっとした衝撃で、信頼と実績の板バネはロケンロールぴょん吉状態に。そして、ガタン!  と音がしたかと思うと、



「痛いっ!?  とても痛いですっ!?」
「エルコスちゃん、重いよぉ……」
「ああスマン、外れた」




マウントからの滑落。



去年はKNIのC2Cがこのような憂き目に遭っていたが、衝撃に弱いみたいなのでもう少し構造を考えてみたい。

さて、それでは改めて、佐渡ロングライドのフィニッシャーのみが酒を買う権利を……



「ウソはいけませんよウソは!」
「そっちのほうが盛り上がると思ったから」


もちろんフィニッシャーじゃなくても買えるし、エールフランスのファーストクラスに乗ればいくらでも呑める。また、アル添に関して一家言ある酒造なので、酒好きは一度訪れてみるといいかもしれない。



真野鶴の純米酒を傾けながら、佐渡の記憶を想起せよ!





「ただし佐渡のAカテg……」
「いい加減になさい!」


済ますものは済ませた。11:50小木発の末っ子船で直江津へと戻り、



佐渡が誇る三姉妹の末っ子、あかねちゃん。



そのまま上信越道経由で帰京した次第。毎年、直江津からの帰路はちょっぴり憂鬱な気持ちになるが、それは帰りの運転のしんどさではなく、まだまだ走り足りないという思いからなのかもしれない。



あー、帰りたくないなー……



そして余談だが、小布施のパーキングはご同業で溢れかえる。ある者は首都圏へ、そしてある者は中京圏へ、それぞれの余韻を漂わせながら。



この尾張小牧ナンバーは、自転車8台+α積載だった。運搬係なのだろう。





「またここを走りましょうね、大先生」
「もちろんだとも」




じゃあ、またね。












TITLE:スポニチ佐渡ロングライド2017のハズ
UPDATE:2017/05/24
URL:http://y-maru.sakura.ne.jp/240_sado2017/sado2017.html