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綱で雌雄を決する峠の戦の話本日のルート (powered by ルートラボ)
毎年、10月の第4日曜日に、長野と静岡の県境で執り行われる、峠の国盗り綱引き合戦。今年は424ネタの直後ではあったものの、うまいことタイミングが合い、出撃することができた。 思い起こせば16年近く昔に、初めて3ケタツアーをやった際に通った峠道である。日本の土木史の敗北と言われた、青崩峠を迂回する兵越林道は、酷道愛好家によく知られた存在であった。 前回訪れたのが3年前。今年は信州3メートルアドバンテージで迎えた、第30回記念大会とのこと。綱引き楽しみながら、軽く峠狩りを楽しむことにした。 ![]() 今年はどちらに軍配が上がるか…… ……んで、これを書いているのが11月の6日。アップロードが11月末。いくらなんでも遅すぎやしないか、というのには理由があり…… ![]() ハテ、ここはどこじゃい? 入院してました。
![]() いや、ただの虫垂炎じゃなかったわけだが。 仕事中から右脇が痛いなぁ、とか思いつつ、帰宅して寝てたら今度は猛烈な吐き気に襲われた訳ですよ。 そしたら、こうなりました。 ![]() 一応、画像にモザイクなしver.のリンクは貼ってみた。 ちなみに、二回切ってます。 ![]() 二回目のオペは、皮下脂肪内に溜まった膿を排出する、ドレンチューブを埋め込むためのものでした。 まさか即、切腹とは予想してなくて、何もできないまま日にちが過ぎてしまったのでした。 ![]() ちなみに、安静必死なので、楽しみはほぼメシのみ。 そんな訳なので、少しずつ思い出しながら書きます。あ、あと余談ですが、オペ2回を伴う入院だと、費用は軽く20万を超えます。俺の盲腸の価値=レーシングゼロカーボン。 ![]() そりゃ、いきなりこの金額出てきたら、ぶったまげるな。 なので、大人しく高額医療の申請を出すことを勧めます。そうすれば、キシリウムエリートくらいまでには収まります。 ![]() キシリウムになったぞ。 アプローチは長野側から。兵越林道へのアプローチは、信州側と遠州側のふたつあり、今回も前回同様、信州側から上がることにした。 ![]() 道の駅遠山郷。なぜかこのときは本当に団地化してた。 理由として、遠州側(特に水窪周辺) にはベースキャンプを張れるような無料駐車場が見当たらないことにある。その点、信州側であれば和田集落に道の駅がある。 もうひとつの理由だが……
集落の中心には、ジンギスを販売するスズキヤさんがあるほか、当地の老舗、星野屋さんで食事ができる。また、星野屋さん系列店の食楽工房元家が道の駅のすぐとなりにオープンしているので、メシ(元家)→フロ(かぐらの湯)→寝る(車団地)という、 が可能という好立地だったりするのです。 ![]() 前回の反省を生かし、今日はザーサイ茶漬にした。 そんな訳で、軽く朝飯を平らげて、8:00登坂開始。 綱引き大会自体は10:30くらいから始まるので、登坂に80分くらいかかるのを勘案すると、もう一時間遅くスタートしてもよい。しかし、あまり遅すぎると、見学場所が確保できないし、シャトルバスの車列に引っ掛かってしまう。そうでなくとも、綱引き目的以外で峠を通り抜ける車列は多いのだ。 ![]() ちょっとしたカオスは、この日ならでは。 かつては閑散とした酷道迂回路は、今や一大観光路線である。 それを象徴するかのように、和田集落のバイパスに直結する位置に、新しいトンネルが掘られていた。 ![]() ぽっかりと。 夏に来たときはなかったハズなので、わずか2ヶ月で掘ったということになる。これが完成すれば、スタート地点からの急坂と隘路を回避できる。
![]() 確かに旧道のほうが趣がある。 2016年現在、トンネルをかわしたところで新道と合流。ここからは緩い登り勾配で標高を稼ぐ。 ただし、この新道、道中の最終補給ポイントである益田屋商店を経由しないので、途中で旧道に戻ることになる。既に補給が済んでいるなら、そのまままっすぐ進む。 ![]() このときは、道路の付け替え中で、数か所ほど未舗装状態だった。 2016年の新道開通区間はここまで。ここからは今まで通り、国道規格から外れた設計の道になる。
かつて、酷道東日本チャンピオンであるR352のときにも述べたが、県道の管理は所属する県が行い、その予算は県の予算から歳出される。対して国道は、国土交通省が管轄になり、税金が充てられる。 すなわち、国道にしてあるほうが、県からしてみると凄く助かるのだ。
![]() けっこうエグい登りである。 話を戻す。規格外、というだけあって、勾配は軽く10パーオーバー。ルートラボで見る限り、15パー越えのところも。
そこからさらに登っていくと、R152と兵越林道の分岐点に着く。登りの全行程12キロのうち、ここがだいたい5キロ地点になる。 現在、通行止めになっている右方向が、正規のR152である。道なりに続いているのが兵越林道だ。 ![]() ちなみに本日の戦装束は、いつものJK。
ということで、再び兵越林道を登っていく。 今回の登り区間だが、ワタクシめは不均等に3分割している。第一の区間が、和田集落から国道分岐までの5キロで、これは近い将来、序盤は緩くて終盤はきつい、というレイアウトになるだろう。 ![]() そりゃどっちかってぇと、こういう人たちが好む道さ。 続く第二の区間だが、分岐から登っていき、視界の開けたS字カーブになっている、通称「見晴らしポイント」までの5キロ。途中、此田の集落があったり、98代長慶天皇の御在所として建てられた大野田神社などがある。 しかし、この区間の標高の跳ね上がりが半端でなく、ルートラボで見る限り、一部に18パーとか、もはや 激坂が現れ出す。全行程で、一番きっついポイントが、この5キロである。 ![]() 上ハン+34×28でも、かなりしんどい。 季節は秋真っ盛りで、美味しそうな柿が実ってたり、差し込む木洩れ日が神々しかったり、 ![]() 神々しさに騙されてはいけない。 だけどほとんど緩まない勾配と格闘すること40分、ようやく、視界が開けた。ここが見晴らしポイントで、赤石山脈の雄大な景観と見事な紅葉が―――― ![]() ガスっとるわ。
晴れていれば、かなり見ごたえのある景観を拝めるのだが、今回は曇り空。まあこれも旅の偶然と割り切りたい。 ここから県境までは約2キロ。勾配はこのあたりから緩み始める。1キロほど進むと、右手にフェンスのあるカーブが現れ、その先に警備員。 ![]() 勾配が緩み始める個所でもある。 ここまで来ればゴールはすぐで、このあたりから、綱引き合戦の看板があちこち目立つようになる。 ![]() 静かな山奥に突如現れる、人の気配。 合戦の開催中は、峠の通り抜けは可能なものの、駐車は一切できない。あるのはシャトルバスかタクシー、もしくは徒歩、ということになるが、自転車は例外のようで、適当なところに停めておくことができる。 それをダシにして、今回も山登りしている訳だが、結果として登坂に要した時間は75分。424の直後とはいえ、もちっと短縮したかった。
![]() 余談だが、そのあと食べた蕎麦もまた、ウマかった。この状況下での塩分は麻薬だ(笑)。 ちなみに、結果はもう出ている通り、信州軍の勝利。国境は1メートル遠州寄りに動いた。……のだが、
![]() 追加を打たれてた。 もともと、国境を中心にして、それぞれの国に3メートルずつの目盛が刻まれていたのだが、今回、二回目の4メートルということで、新しく目盛が追加されたのだ。 そして今回、30回大会を記念して、石碑が建てられた。 ![]() 記念碑が建ったのだ 過去には信州軍を3タテにした実力もある遠州軍、来年こそは、と祈らずにはられない(妹家族がいるので)。 ![]() これにて終了。 ジンギスを喰らう帰路はひたすら12キロの下り勾配。ただし、べらぼうに寒いのと、勾配が急過ぎるので、ブレーキのかけ方と握力の低下に気を配りたい。 できればドロップポジション推奨。ただし後ろ荷重は抜け気味なので、ロックさせないように注意。 もっとも、こちらはエルコスさんがうまいことフォローしてくれるし、余計なことをしようもんなら……
![]() 建設中の青崩道路。完成すれば、遠山郷は秘境ではなくなるだろう。
という訳で、労せずして和田集落に戻ってきた。 ![]() 飯田市南信濃和田1080、tel:0260-34-2012 星野屋さんは、大正10年創業の老舗で、著名な方がわざわざ通うという山肉専門店。もちろん戴くのはジンギス定食1620円。料理が来る間、女将との会話で、「綱引きは信州軍が勝利した。だけど妹は浜松に嫁いでいるので複雑だ」と話すと、女将いわく、 遠山郷に、
……がいるわよ! と。 ![]() 美味しかったのだよ。 |