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227:AACR2016に参加してきた話



text&photo  by  ymr20xx@y-maru.com。同行者はrenas先生。






本日のルート (powered by ルートラボ)

松本→大町→白馬→大町→松本(実測163.4km)




伝説のダブルヘッダー(2年ぶり)


佐渡での疲労もあらかた癒えた翌週の話、ダブルヘッダーの2本目である、AACRに参加するため、いつも通りrenas先生をピックアップして、松本に向かう。

2年前と違い、グランフォンドではないごく普通のロングライドイベントなので、まあ楽勝といえば楽勝、なのだが……



「ただ、タイムアウトがバシバシ出るらしい」
「タイムアウトする人って、特定の人でしょう?」


特定の人、とあるが、これは決して経験不足者のことを指していない。むしろ、







経験者ほどヤヴァイ






……というのも、数あるロングライドイベントの中で、屈指のクオリティを誇るエイドの充実さと、基本的に飲食物がうまい地域がゆえの立ち寄りが発生し、時間内に戻ってこれなくなる、という罠。



「なので、タイムアウト者の何割かはセルフエイドのし過ぎ」
「本末転倒ですねそれ」


ただ、幸いなことに、そういったことを極力控えさえすれば、基本的に激坂に遭遇するようなシチュエイションはなく、往路は左手に穂高連峰、復路は主に長閑な田園風景の中を走るので、コースとしては秀逸の部類に入る。

そんなAACRであるが、一度は体験してみるべ、ということで、佐渡とのダブルヘッダーにはなるが、思い切って申し込んでみた次第である。ちなみに、今回も同行者はrenas先生。2年前にやってくれたことを、そのままお返しする形だ。



「ですが大先生、renas先生は佐渡の前日に軽井沢を……」
「あれは事実上、ノーカンだろwww」







トリプルヘッダーだった人。






唯一の峠道


そんなAACRであるが、このイベントには唯一無二の峠がある。それが







エントリー峠   by  北条晶センセ






と呼ばれるものである。参加予定者は、イベント前からこの峠に登る。そのエグさは、







白糸ハイウェイ






を軽く凌駕する。どういうことかというと……






ウンともスンとも……



10時申し込み開始から23分経過した段階で、ずっとこの画面。んで、偶然、繋がったと思ったら、







全て終わってた。











幸いにして、3組をゲットしたが、その直後がコレ。



どんだけ大人気なんだよwww

なお、この件に関してrenas先生のレポートによると、風光明媚なロケーション、おいしい食べ物の他に、







十中八九、木崎湖のアレ






が主原因だろう、とのことだ。まあ、色々あるんだろうが、もう少し参加の閾値が低くなってくれるとありがたいのに、と思う。




くいだおれロングライド


さて、そんな峠を無事クリアして、renas先生をピックアップして松本へ。AACRは前日受付が基本なので、受付を済ませてしまう。すると、いるわいるわ……






このなかに運命の女神が二人。ファインダーの外には鎌倉の人と戦車の人が。





「運命の女神様って、あんなにいましたっけ?」
「分身の術でも使ってんだろ」


まあ、お察しいただければ。

例によってイベント前のお楽しみ、物販ブースでいろいろ物色。renas先生は、ウエイブワンがイベント限定で販売している、ウエイブニャンジャージが手に入らないかと粘ってはみたところ……






物販コーナーはある意味楽しみの一つである。





「ダメだったみたいだな」
「しょんぼりしてますね」


まあ、お察しいただければ。






ちなみに宿は塩尻北に取った。クルマならこれもアリだと思う。



明けて翌日、梓水苑を6:00スタート。

今回はレギュレーション上、走行中の静止画撮影に言及があったので、アクションカムから切り出すつもりで、カメラはバックポケットに。そのかわり、外付バッテリーで撮影時間を大幅に伸ばした。



「いい景色のところでは、停まるんですか?」
「そうだけど、基本的には停まらない」







それでは、センチュリー逝ってくるぜ。



イベントなどで、リミットタイムが設定されているような場合、ワタクシめはあまり立ち止まらないで走り続けてしまう。間に合わなくなった時が面倒だし、そもそも、主目的は走るほうなので。



「立ち止まってのんびり走るなら、大会じゃないところでやる」
「あらら」


ただし例外もある。佐渡とかは滅多に行けないからちょこちょこ停まるし、晩年のTDCなんかだと、逆に時間が余るくらいなのでちょくちょく停まる。ただし、基本は走る、ということに変わりない。

なので今回、立ち止まって写真を、というのは、基本的に絶景ポイントで、ということになる。たとえば、






アルプスあづみの公園にて。



こんなのとか、






中綱湖を脇に見据えながら。



こんなのとか。走行中撮影に言及がなければ、間違いなくアクションカメラマン状態だったのだが。



「事故を起こされるよりかはマシでしょう」
「仰る通りで」


という感じで進んでいき、第1エイドの穂高では銘菓あずさを頬張る。






穂高エイド着。



今回、ワタクシめはあんちくしょう、renas先生はオーメストグランデという出で立ちなのだが、ここで突然renas先生が声を掛けられる。







オーメストの代表の方に。






まさかの共演である。軽く挨拶を済ませ、我々が先発する。しばらく追いつ追われつを繰り返しながら、第2エイドの大町へ。






もはやスタッフジャージじゃねぇの?  ってぇくらいに運命の女神様が……



ここでは待望の手作り味噌が待っていたので、たっぷりつけて戴く。






これを待ってたんだ!



もちろんこのねぎ味噌は、地元のおばちゃんお手製の逸品。北アルプス山麓のときも戴いたのだが、佐渡の俵むすびと刺し違えるか返り討ちにするか。



「つまり、おいしかったんですね」
「FZIのねぎ味噌風味とかあるなら、是非にt……」
「わたしを殺す気ですか!?」


誰かがこのイベントを、くいだおれロングライドと言っていたような気がするが、だんだんそんな様相になってきた。あまりまったりしていると本当に根が張りそうなので、程々にして再出発。

大町の温泉街周辺のあたりは、過去に北アルプスで走ったこともあるルート。左手にちょくちょく現れる、穂高連峰の絶景。



「大先生!  写真撮りましょう!」
「もうちょっと走りたいんだが……  まあいいか」







穂高連峰とエルコスさん、その1



みたいな感じで、ちょくちょく写真撮影タイムを挟んでいく。

木崎湖エイドの手前、県道325を調子よく下っていくと、突然、参加者の集団が停車しだした。ここがエイドだったか?



「あ、そういうことか」
「うわー!  すごいですよ!」


振り向くと、そこにも絶景があった。






穂高連峰とエルコスさん、その2



そんな、走ったり停まったりを繰り返し、大町木崎湖エイドに着いたのが9:20。ここでは漬物バイキングと、個人的に大ヒットのおざんざ。納豆が得意ではないrenas先生を尻目に、おざんざを大量摂取






おざんざも嬉しい。濃いめの汁が身体に染みるぜ。





「大先生、食べ過ぎでは?」
「ウワサじゃあこのあと大集団がやってくるらしい」


あと、ここにまさかの、レモンの砂糖漬けが!






最強のクエン酸摂取アイテム!





「宿願を果たした!」
「すごくうれしそうですね(笑)」


ちなみに、ここまでが120キロコースとの供用区間。160キロコースは仁科三湖の脇を通って白馬への往復が追加される。白馬までのこの国道区間はバイパス状になっていて交通量が多く、旧道区間を通ることになる。



「だが、こっちのほうが景色が良い」
「あと、勾配も少なめですよね」
「しかし路面が荒れている」
「25Cタイヤでよかったですよ」







二台並んで。ちなみに、renas先生も佐渡から、24Cというちょっと太めのタイヤを履いている。



余談だが、この旧道区間には白馬村手前にトンネルがある。そのトンネルというのが……






佐野坂のトンネル。照明はないに等しい。





「だ、だ、だいせんせぇぇぇぇっ!?  暗くないですかぁぁぁっ!?」
「あ、電池が切れてるな、全然明るくないや」
「いやぁぁぁぁぁぁっ!?」


という塩梅。ちなみにこのトンネルは、帰りにも通る(笑)。




フォルトゥーナVSおねてぃVSアルペジオ







昨年からのルート変更で、あちこちに絶景ポイントが。そのたんびに皆停まる。



白馬村に入り、まずやってくるのが白馬五竜までの登り区間。ここまでアウターで処理してきたが、どうにもならなくなったので初めてインナーに落とす。それくらい、コース全体で登りが少なかった。

んで、白馬五竜まで登れば、そこからは下り。この区間で数台をパスする。



「フォルトゥーナさんを抜きましたね」
「一体何人いるんだ?」


ちなみに、白馬エイド手前では、ロングライダースのあきばっくす編集長をパス。そしてエイドに到着すると、そこには夥しい数のフォルトゥーナさん。



「真っ赤ですね」
「ホントに何人いるんだ?」


ちなみに、フォルトゥーナさんの次くらいに多かったのがアルペジオ、そしてご当地モノのおねてぃ系。

極端な痛ジャージよりかは、シルエットで主張するくらいのさりげなさが、これからの流行になりそうだ。



「renas先生はこれを、モンロー系と呼んでた」
「お空さんのヤツですね」


初めて見る痛ジャージが多かったが、もはやこの3つは派閥争いというか……







三国志






みたいな様相に。そしてrenas先生は、「プロデューサー系じゃなくて良かった」と、安堵のため息をついていた。






白馬エイドは松川沿いに。ここで折り返す。豚汁が身体に沁みるぜ。



白馬をスタートして、来た道を戻る。すると、所々で集団が形成される。集団を組めば比較的楽に走れるのだが、



「個人的にはトレインに乗りたくない」
「あら、なんでですか?」


きれいごとを言うのであれば、集団に張り付いて楽するのはフェアではない、ということ。

現実的なことを言うのであれば、普段一人で走ってるので集団走行に慣れていないこと。

そして、本音はというと、







追突しそうになること。








「登り坂とかでいきなり減速したりするんだよ連中」
「それでいつも、集団走行の時は半身ずらしてるんですか」


合図もなく急減速されると、追突したり吹っ飛んだりして危なっかしい。事実、renas先生はそれで一回、痛い目を見ている。






速度差が合わない集団だと、よけいに苦労する(この列車は速度差が一致して快適だった)。



そういったこともあって、極力集団走行にならないようにペースを調整したり、必要に応じて集団をばらけさせるために、アタックを仕掛けたり。



「ぶるぁぁぁぁぁぁっ!」
「あ、若本先生」


そして、ことごとく成功する。「あれー、今日なんか調子いいぞー!」なんて思いながらカッ飛んでいたら、復路の簗場らへんで、







水が尽きた。






実は今回、諸般の事情によってボトルは一本しか差しておらず、しかも抜けるような青空という好天によって、あっという間に干上がってしまったのだ。



「諸般の事情、って、単にボトルを忘れてきt……」
「何のことかな?」


次のエイドは、国道からヒルクライムをした美麻にあり、とてもじゃないがそこまで持たない。ただ、ルートの途中には縁川がある






縁川エイド。公式じゃあないが利用率が高い。そして女神率も高い。





「もはやエイドと呼んでも過言ではない」
「自腹エイドですけどね」


縁川に立ち寄り、水を分けてもらう。特に何も買わない質の悪い客で申し訳ない。今度来た時には蕎麦でも頼みます。






ピットイン……





「時間もあるし、蕎麦でも食べていけばよかったのでは?」
「中がフォルトゥーナ祭だったから……」


ちなみに、ワタクシめは今回、佐渡に引き続いてあんちくしょうで参戦しているため、何かと声をかけられそうで怖かった、というのもある。水だけ詰めて再出発、ここでrenas先生に抜かれ、後を追いかける展開に。

稲尾からはふたたび120キロコースと合流する。県道393号線を美麻方面へ。



「個人的にはここ好きだ」
「のんびりしてますしね」


ずっと登り勾配だが、あらかじめオーバーペースにならないギアを選び、心臓と脚に負担を掛けない程度にクルクル回していけば、やがててっぺんに辿り着く。「個人的にはここ好きだ」と言った理由は、比較的登りやすい道であることと、県道31号との交点付近の景観にある。






視界が一気に開けて。





「あ……」
「わかるか?」
「わかります。何だか、いいですねここ……」


一言で表すなら、田舎なのだ。広がる田畑にぽつんと建つ家、そして虫の声。どこからどうみても、田舎なのだ。

美麻のエイドはここにある。縁川で補給したはずの水は、もう底をついていた。時刻は昼過ぎで、ここから猛烈に暑くなる。果たして、持つかどうか。



「ゆっくり休んでいけばいいのに」
「何かに追われてるのかね私は?」







追われてた。ガチなほうのメイドに。



余談だが、美麻エイドの近くに、麻の館という店がある。地物の蕎麦が楽しめる店とのことだが、立寄ればよかったとちょっと後悔。






麻の館前。非参加者のご同業がちょうど立ち寄るところだった。



県道31号を大町方面へ。いよいよ待ちに待った下り基調の始まりで、やはり集団を散らすべく、適度にスパートを……







ぱかんっ!








「あーっ、クリートが外れた!」
「何やってんですか!?」


なんとなく嫌な予感はしていたが、遂にクリートが死んだ。しかも、スパートするべく後ろを振り返っただけで外れた。当然、引き足を使った瞬間にも外れる。



「一年前のKNI先生のようですね」
「なんてこったい……」


引き足は諦め、しょっちゅう外れるクリートを騙し騙しあしらいながら、大町の市街地へ。






自腹エイドポイントが……



山間部はまだ涼しさが感じられたが、麓まで下りると日差しがきつい。運動公園西交差点の角にサークルKを発見したが、考えていることは皆同じなのか、軒並み参加者が自腹エイド中。後続のrenas先生が、たまらず、







冷たいコーヒー……






ということで、我々もピットイン。冷たいコーヒーでリフレッシュタイムと相成った。






生き返るぜ……



この日の気温は30度に届くか届かないか、というような感じ。ボトルの水は気が付くと湯になってるほど。その湯すら瞬く間に干上がるという環境で、次のエイドは10キロ以上も先。さすがに死んじゃうんじゃないかと(笑)。






何せ遮るものがないのだ。太陽を。






タイムアウトに関する考察


ラストとなる安曇野エイドには14:20着。ここまで快調にすっ飛ばしてきたが、流石に脚が疲れてきた。






冷たいりんごジュースがおいしかった。





「あと20キロですよ」
「あと20キロか」


コースレイアウトを見る限り、ここから少し登るっぽい。某漫画に出てくる登りというのはこのことか、だけど、この程度ならアウターで対応できる。のだが……



「あかん、吐き気が……」
「水を飲んでください!」







最後の田園地帯。登ってるっちゃあそうだが……?



ここにきて、胸やけ、というか吐き気、というか、モヤモヤムカムカ状態に。脚はまだ動くので、騙し騙し走ることにする。このテのイベント全般で言えることだが、ゴール間際はたいていペースが落ちて、集団走行の機会が多くなる感じが。



「早い話が、みんな疲れてる」
「気を付けてください、こういう時に事故は起きやすいですよ」


終盤の田園地帯は、さらに一時停止を強いる交差点が連続して現れるので、ここでも体力ゲージを削られる。しかし、あと5、6キロも走ればゴールなので、ぶっ倒れない程度に頑張って走ることに。やがて、梓水苑の看板が見えてくると、残りの体力をスパートに使える算段が立つ。最後くらいは華々しくキメたい、という欲望は……






一時停止を強いるゴールゲート。









微妙。






何はともあれ、15:30ゴール。クローズ1時間半前に無事完走と相成った。……と、いうことは、



「普通に走って、これだということは……」
「自腹エイドのし過ぎ、ということですね」


どうやらこれが、AACRにおけるタイムアウト者続出のカラクリみたいだ。

コース全体としては、佐渡ほどのエグい坂は数えるほどしかなく、自己ペースを維持さえすれば普通に走りきれる感じだった。なので、タイムアウトにならないための秘訣を一言で言い表すなら、







寄り道しない。






もしくは







誘惑を振り切る。








「2つ言ってますよ大先生」
「気にしない」







ちなみにパカパカ外れてたクリート。こりゃあかんやつだwww












TITLE:タイムアウトが多いことで有名らしいアレ
UPDATE:2016/05/25
URL:http://y-maru.sakura.ne.jp/227_aacr/aacr.html